ボクシングワックスは「なんとなく巻けばいい」と思っていると、模型の精度が最大30%低下することがあります。 quint-j.co(https://www.quint-j.co.jp/dictionaries/keyword/60653)
ボクシングワックスは、印象体をワックスで囲って枠を形成し、石膏流し込み時に適切な形状の模型底面を得るために使用する歯科技工材料です。 この工程によって模型底面は平坦かつ厚みが均一になり、後工程での作業効率と再現性が大きく向上します。 適正なボーダーラインの再現と模型強度の確保にも直接つながります。これが基本です。 quint-j.co(https://www.quint-j.co.jp/dictionaries/keyword/60653)
ボクシングはとくに全部床義歯の製作で重要視されています。 全部床義歯は吸着と維持のために床縁形態を口腔粘膜形態に合わせることが不可欠で、精密印象採得後の模型製作において、ボクシングの精度が最終補綴物の品質を直接規定します。 つまり、この工程は義歯の吸着力そのものを決める工程です。 oned(https://oned.jp/terminologies/NYOUkHiP3NZyODZJsbaEcr2Z2WRXGfhg)
一方で、ボクシングを省略したり不適切に行ったりすると、模型の変形・模型底面の不均一・咬合器マウント時の不安定性といった問題が連鎖的に発生します。 後工程での修正は手間も時間もかかります。「まあいいか」で進めると、後で大きなやり直しにつながりかねません。 quint-j.co(https://www.quint-j.co.jp/dictionaries/keyword/60653)
代表的なボクシングワックスとして、ジーシーの「BOXING WAX」があります。 サイズは1種=300mm×40mm(厚さ1.4mm)で、凝固点は66.0℃です。 1函にはボクシングワックス250gとビーディング用のソフトユーティリティーワックス90gがセットで入っています。 これは使えそうです。 gc(https://www.gc.dental/japan/products/professional/wax/boxing-wax)
他のメーカーでは、シブチ(SIVUCH)のボクシングワックスも広く使われており、サイズがレギュラー(300×40×1.5mm)と極細(300×40×1.0mm)の2種類があります。 厚みの選択は印象辺縁の高さに応じて行います。レギュラーと极細の使い分けが精度を左右します。 sivuch(https://www.sivuch.com/jp/products/products_view/44)
参考:ジーシーのBOXING WAX製品詳細ページでは成分・サイズ・用途が確認できます。
GC BOXING WAX 製品情報 - ジーシー公式サイト
また、ユーティリティーワックスを使った補助的用途として、アルジネート印象用既製トレーの辺縁形成や修正、アンダーカット部のブロックアウトなどにも活用されています。 1種類のワックスで複数の用途をカバーできる点は、日常業務の効率化に役立ちます。 info.pmda.go(https://www.info.pmda.go.jp/downfiles/md/PDF/400067/400067_27B2X00008000018_A_01_06.pdf)
ボクシングの主な方法は2種類あります。 ①ビーディング式ボクシング(パラフィンワックスやボクシングワックスを使用)と、②埋没式ボクシング(シリコーンパテやアルジネート印象材で印象体を包み込む方法)です。 ビーディング式が操作性・作業時間の面で優れており、一般的に多く使用されています。 quint-j.co(https://www.quint-j.co.jp/dictionaries/keyword/60653)
ビーディング式の基本手順は以下の通りです。
重要なのは、ボクシング枠の高さ設定です。模型底面の厚みは均一に保つ必要があるため、辺縁の高さが不均一だと底面も傾いてしまいます。高さは均一に保つが原則です。
石膏を流し込む前の準備も重要で、印象材に付着した唾液・血液を弱い流水で除去し、余分な水分をエアーで取り除くことが精密模型製作の前提条件です。 水分が残ると石膏表面が荒れ、精密さに欠けた模型になります。 この下処理に注意すれば大丈夫です。 laplesson(https://laplesson.jp/lesson/276)
参考:歯科石膏の注入手順と失敗しないポイントを動画で確認できます。
石膏流し込みで最も多いトラブルは「気泡の混入」です。 これを防ぐには、石膏をスパチュラで少量取り、印象の一端から一方向に少しずつ流していく方法が有効です。 一層ずつ薄い膜をつくるように流すことで、気泡が入りにくくなります。 バイブレーターの活用が条件です。 shikakara(https://shikakara.jp/dh/column/useful/movie/howto-assist14/)
石膏の混水比も模型精度に直結します。 計測にはメスシリンダーとキッチンスケールを使い、水の目盛りは真横から確認します。 正しい混水比で使用することは、精密な石膏模型を作るためのとても大切なポイントです。 laplesson(https://laplesson.jp/lesson/276)
| トラブル | 原因 | 対策 |
|---|---|---|
| 気泡混入 | 石膏を一気に流し込んだ | 一方向から少量ずつ、バイブレーター使用 |
| 模型表面の粗れ | 印象に唾液・水分残留 | 流水洗浄後、エアーで水分除去 |
| 模型底面の傾き | ボクシング枠の高さが不均一 | 水平チェックしながらワックスを巻く |
| 石膏漏れ | ワックス継ぎ目の溶着不足 | 継ぎ目を熱で確実に密着させる |
ボクシングワックスは可燃性であるため、使用時の火気・火傷にも注意が必要です。 加熱しすぎたワックスを直接人体に使用しないことも重要な安全管理事項です。 安全管理も技術のうちです。 pmda.go(https://www.pmda.go.jp/PmdaSearch/kikiDetail/ResultDataSetPDF/850050_13B2X00065000080_A_01_01)
ボクシングワックスを必ずしも使わない方法として、埋没式ボクシングがあります。 シリコーンパテやアルジネート印象材で印象体を包み込む方法で、特殊な形態の印象体に対応しやすい利点があります。 意外ですね。 quint-j.co(https://www.quint-j.co.jp/dictionaries/keyword/60653)
インプラントのサージカルテンプレート製作では、辺縁をシリコンパテ材でボクシングして石膏を流し込む手法が採用されることがあります。 この場合、ボクシングワックスではなくシリコンパテが選択肢になります。 適材適所が原則です。 nobelbiocare(https://www.nobelbiocare.com/ja-jp/system/files/gmt_import/%E3%83%A9%E3%82%B8%E3%82%AA%E3%82%B0%E3%83%A9%E3%83%95%E3%82%A3%E3%83%83%E3%82%AF%E3%82%AC%E3%82%A4%E3%83%89_GMT%2064311.pdf)
ビーディング式と埋没式の選択基準は、印象体の形状の複雑さ・作業時間・材料コストで判断します。
また、ユーティリティーワックスは多目的な補助材としてボクシング以外にも幅広く使われており、トレーの辺縁形成・咬合堤の概形形成・アンダーカット部のブロックアウト・前歯の仮排列など4つ以上の用途があります。 1本のワックスを複数用途で使い回せる点は、日常業務での在庫管理の面でも合理的です。これは使えそうです。 info.pmda.go(https://www.info.pmda.go.jp/downfiles/md/PDF/400067/400067_27B2X00008000018_A_01_06.pdf)
参考:歯科技工用ワックスの種類・規格・使用目的が網羅的にまとめられたPMDA(医薬品医療機器総合機構)の公式文書です。
参考:ボクシングの技工操作についての詳細な用語解説が確認できます。