ペランパネルのTDMは必須ではありませんが、薬物相互作用や服薬アドヒアランスの確認に有用です。
関連)https://faq-medical.eisai.jp/category/show/55?site_domain=faq
ペランパネルの血中濃度測定は、特定薬剤治療管理料として保険算定できます。抗てんかん剤のカテゴリーで、月1回に限り470点を算定可能です。初回月には280点の加算が認められており、合計750点になります。
関連)https://yakuyomi.jp/career_skillup/skillup/02_145/
4ヶ月目以降は所定点数の50%、つまり235点に減額されますが、抗てんかん剤と免疫抑制剤については例外的にこの減額が適用されません。つまり4ヶ月目以降も470点のまま算定できます。
関連)https://clinicalsup.jp/jpoc/shinryou.aspx?file=ika_2_1_1%2Fb001_2.html
てんかん重積状態の患者に抗てんかん剤の注射を行った場合は、所定点数にかかわらず1回に限り740点を算定します。これは通常とは異なる特別な算定ルールですね。
関連)https://www.byotai.or.jp/filedata/pdfref/id/182
同一月に2種類以上の対象薬剤を投与し、それぞれについて個々に測定・管理を行った場合は、当該月において2回に限り所定点数を算定できます。ただし、同じ薬剤について1ヶ月に2回以上測定しても、費用は1回分しか算定できません。
特定薬剤治療管理料には、薬剤の血中濃度測定、測定のための採血、測定結果に基づく投与量の管理に係る費用がすべて含まれます。別途、採血料や検査料を算定することはできません。
関連)https://easytdm.com/?page_id=106
ペランパネルの血中濃度モニタリング(TDM)は電子添文上必須ではありませんが、いくつかの臨床場面で有用性が認められています。
関連)https://faq-medical.eisai.jp/faq/show/1019?category_id=55&site_domain=faq
服薬アドヒアランスの確認が最も重要な測定理由の一つです。ペランパネルは就寝前に1日1回投与する薬剤で、半減期が長いため飲み忘れの影響が遅れて現れます。血中濃度測定により、患者が実際に服薬しているかを客観的に評価できますね。
関連)https://test-directory.srl.info/akiruno/test/detail/068960300
副作用発現時の血中濃度確認も重要です。めまいや眠気が最も頻度の高い副作用として知られていますが、中毒域では攻撃性や精神症状が出現することがあります。実際に2,055 ng/mLという高濃度で著しい攻撃性精神症状を呈した症例が報告されており、参考域50~400 ng/mLを大きく超えていました。
関連)https://www.cochrane.org/ja/node/10662
酵素誘導性抗てんかん薬との併用時は特に注意が必要です。カルバマゼピンなどのCYP3A誘導作用を有する薬剤との併用により、ペランパネルのみかけのクリアランスは2倍に増加します。これは血中濃度が半分になることを意味するため、通常より高用量が必要になる場合があります。
小児患者では個人差が極めて大きいことが明らかになっています。ある研究では小児てんかん患者のペランパネル血中濃度に59.2倍もの個人差が認められました。年齢関連のクリアランス変化や酵素誘導性併用薬による影響を検出する上で、TDMの価値が高いということですね。
関連)https://academia.carenet.com/share/news/d5fbc374-84cb-4ac6-9b34-9da523aa3e71
ペランパネルの至適血中濃度については、複数の研究で推奨範囲が示されています。
日本のてんかん学会ガイドラインでは、有効血中濃度として50~150 ng/mLが記載されています。しかし実臨床データに基づく研究では、より高い濃度範囲が推奨されています。
関連)https://www.neurology-jp.org/guidelinem/epgl/tenkan_2018_tuiho_cq12-2.pdf
血中濃度の測定タイミングについては、採血時間と内服時間、各薬剤のピークになる時間を合わせて解釈することが重要です。ペランパネルの半減期は健康成人で125~139時間と非常に長く、定常状態に達するまで時間がかかります。
関連)https://pins.japic.or.jp/pdf/newPINS/00071219.pdf
参考域を大幅に超える高濃度では中毒症状のリスクが高まります。前述の症例のように2,000 ng/mL以上では重篤な精神症状が出現する可能性があるため、注意が必要ですね。
酵素誘導作用を持つ抗てんかん薬との併用は、ペランパネルの血中濃度に大きな影響を与えます。
フェニトイン、フェノバルビタール、プリミドン、カルバマゼピンなどが代表的な酵素誘導剤です。これらの薬剤はチトクロームP-450の活性を高め、多くの薬物の代謝を亢進させることが知られています。
関連)https://miechuo.hosp.go.jp/pdf/ncd/20y/2020-21.pdf
カルバマゼピンとの併用による影響が最も顕著です。健康成人を対象とした臨床薬理試験では、CYP3A誘導作用を有するカルバマゼピンとの併用により、ペランパネル経口製剤のみかけのクリアランスが2倍に増加しました。これは血中濃度が約半分になることを意味します。
半減期も大きく変化することが報告されています。肝機能障害患者では半減期が306時間および295時間であったのに対し、対照となる健康成人ではそれぞれ125時間および139時間でした。酵素誘導剤併用例では、さらに半減期が短縮する可能性があります。
関連)https://pins.japic.or.jp/pdf/newPINS/00071219.pdf
酵素誘導の影響により、同じ投与量でも血中濃度が大きく異なるため、併用薬の確認が不可欠です。特に他の抗てんかん薬から切り替える際や、併用薬を変更する際には、血中濃度測定によるモニタリングが推奨されますね。
日本神経学会のてんかん診療ガイドライン(血中濃度測定が有用な薬剤)には、ペランパネルを含む各種抗てんかん薬の有効血中濃度範囲が掲載されており、実臨床での濃度管理の参考になります。
ペランパネルの血中濃度測定は、LC/MS/MS(液体クロマトグラフィータンデム質量分析法)により行われます。この測定法は高感度で特異性が高く、微量の血漿サンプルで正確な測定が可能です。
関連)https://uwb01.bml.co.jp/kensa/pdf/BML2020-8.pdf
検体は血漿0.3mLが必要で、専用の採血管(PH5容器、A00キャップカラー)を使用します。保存安定性は28日間確保されており、所要日数は3~5日程度です。
関連)https://test-directory.srl.info/akiruno/test/detail/068960300
測定結果が出るまでの期間を考慮すると、初回月の測定タイミングが重要になります。初回月加算は、投与中の薬剤の安定した血中至適濃度を得るため頻回の測定が行われる初回月に限り算定できます。第1回の測定及び計画的な治療管理を行ったときに算定する仕組みです。
関連)https://www.falco.co.jp/rinsyo/contents/pdf/19300.pdf
測定結果に基づく投与量調整は可能ですが、個人差が大きいため画一的な対応は避けるべきです。特に小児では59.2倍もの個人差が報告されており、年齢や併用薬、個々の代謝能力を総合的に判断する必要があります。
関連)https://academia.carenet.com/share/news/d5fbc374-84cb-4ac6-9b34-9da523aa3e71
血清ペランパネル濃度と治療反応の間には関係性が存在することが、集団薬物動態-薬力学データの分析で示唆されています。この関係性を踏まえた用量調整により、より効果的なてんかん治療が可能になります。
関連)https://faq-medical.eisai.jp/faq/show/1019?category_id=55&site_domain=faq
EasyTDM(特定薬剤治療管理料の解説サイト)では、ペランパネルを含む特定薬剤治療管理料の対象薬剤と算定要件が詳しく解説されており、保険請求の実務に役立ちます。