あなたがローカルチャージを立替えているだけで、年100万円単位の“見えない赤字”になっている可能性があります。
ローカルチャージの議論でまず押さえておきたいのが、インコタームズとTHC(Terminal Handling Charge)の関係です。 jetro.go(https://www.jetro.go.jp/world/qa/04A-000A48.html)
CIFやCFRだから「目的地までの費用は全部輸出者持ち」と考えている荷主もいますが、揚げ地側のTHCまで常に売主負担になるわけではありません。 jetro.go(https://www.jetro.go.jp/world/qa/04A-000A48.html)
ジェトロの解説では、CIF契約において「積み地のTHCは当然売主負担だが、揚げ地のTHCは運送契約に含まれている場合に限り売主負担」と明記されています。 jetro.go(https://www.jetro.go.jp/world/qa/04A-000A48.html)
つまり、運送契約に揚げ地THCが含まれていないとき、実務上はほとんどのケースで買主=輸入者側が負担することになります。 jetro.go(https://www.jetro.go.jp/world/qa/04A-000A48.html)
つまり揚げ地THCは「インコタームズの略号だけではなく、実際の運送契約を見ないと負担者が決まらない費用」ということですね。
この構造を誤解したまま案件に入ると、通関業者が見積りにTHCを入れ忘れたり、荷主が「CIFだから売主負担のはず」と主張して支払いを渋ったりします。 jetro.go(https://www.jetro.go.jp/world/qa/04A-000A48.html)
例えば、1本あたりTHCが2万円のコンテナを月50本扱うと、1か月で100万円、1年なら1,200万円のインパクトになります。
はがきの横幅(約10cm)ほどの小さな請求書1枚でも、積み上がるとオフィス1室分の年間家賃に匹敵するレベルのコストです。
このレベルの金額が「なんとなくインコタームズのイメージ」でうやむやになっているケースは少なくありません。
結論は「インコタームズと運送契約の両方を見たうえでTHCの負担者を契約書に明文化することが必須」です。
通関業者の立場では、営業現場で「競合も入れていないのでTHCはサービス」と言い切ってしまう場面もあります。
しかし、繰り返しになりますがTHCを含むローカルチャージは、物量が増えると一気に数百万円単位になります。 daito-koun.co(https://www.daito-koun.co.jp/cms/wp-content/uploads/2025/07/%E3%80%90%E6%B5%B7%E9%81%8B%E3%83%81%E3%83%A3%E3%83%BC%E3%82%B8%E7%95%A5%E8%AA%9E%E3%80%91.pdf)
小口貨物(LCL)のCFS CHARGEが1RTあたり6,980円に改定されるだけでも、100RTで約70万円です。 ntl-naigai.co(https://www.ntl-naigai.co.jp/topics/pdf/Notice_EXP_IMP_Local%20Charge%20Change_20260219.pdf)
東京ドームの内野スタンド1区画を埋める程度の顧客数でも、ミスが続くと「1区画丸ごと赤字」の感覚になります。
THCなら違反になりません。
ローカルチャージの負担者を巡るトラブルを避けるには、売買契約書の費用負担条項に「積み地・揚げ地それぞれのTHCを誰が負担するか」を書き分けるのが有効です。 jetro.go(https://www.jetro.go.jp/world/qa/04A-000A48.html)
また、見積書にも「ローカルチャージ(THC・DOC・CFS等)は別途」または「上記に含む」と、1行付け足すだけで後々の紛争をかなり減らせます。
この一文があるかないかで、クレーム対応に割く時間が年間数十時間単位で変わってきます。
時間は通関業者にとって最大の資源です。
THCが原則です。
通関業の現場で見逃されがちなのが、ローカルチャージと関税・消費税の立替払いが実質的な「無利子融資」になっているという事実です。 cargo-news.co(https://cargo-news.co.jp/cargo-news-main/3781)
東京通関業会の調査では、回答した通関業者の約90.4%が荷主に代わって関税・消費税などの立替払いを行っているとされています。 cargo-news.co(https://cargo-news.co.jp/cargo-news-main/3781)
さらに、その理由として「荷主からの立替払いの要請」が92.4%と圧倒的に多く、「他社も行っているため」という回答も31.1%あり、業界全体で立替が“空気”になっていることがわかります。 cargo-news.co(https://cargo-news.co.jp/cargo-news-main/3781)
つまり通関業者は、ローカルチャージや税金を含めて、かなりの額を常に貸し出している状態に近いのです。
厳しいところですね。
具体的な規模感をイメージしてみます。
仮に1件あたり関税・消費税・ローカルチャージの立替額が合計50万円だとします。
月に100件扱えば5,000万円、年間では6億円分の立替残高が動いている計算です。
このうち1%でも回収不能になると、損失は600万円、地方の営業所1拠点の年間人件費に匹敵する規模になります。
つまり多額の無担保貸付を続けているということですね。
資金繰りの観点から見ると、立替払いを前提としたビジネスモデルは、運転資金を膨らませ、銀行借入やファクタリングに依存しやすくなります。
金利負担が年1%だとしても、6億円の立替残高に対する利息は年間600万円です。
これに社内の立替事務、入金確認、督促対応などの人件費を加えると、「立替のために1人分の社員を専任している」状態になりかねません。
それで大丈夫でしょうか?
ローカルチャージは有料です。
リスクを抑えるための現場レベルの対策としては、まず「立替を行う条件」を取引基本契約や約款に明文化することが有効です。 cargo-news.co(https://cargo-news.co.jp/cargo-news-main/3781)
例えば「新規顧客は事前入金」「一定金額以上は銀行保証状または担保」といったルールにすることで、通関業者側の資金負担を具体的にコントロールできます。
同時に、ローカルチャージの明細を請求書に分かりやすく表示し、荷主側に「どの費用を、いつまで立て替えているのか」を見せるだけでも、支払意識は変わります。
資金リスクを減らしたい場面では、入金予定日を一覧管理できる会計ソフトやクラウド請求サービスを一つ選び、督促漏れをなくすことに集中するのが現実的です。
立替に注意すれば大丈夫です。
ローカルチャージというと「コンテナ1本いくら」のイメージで語られがちですが、LCL(混載)のローカルチャージ改定は、単価の数百円・数千円アップでも全体の利益を大きく揺らします。 ntl-naigai.co(https://www.ntl-naigai.co.jp/topics/pdf/Notice_EXP_IMP_Local%20Charge%20Change_20260219.pdf)
あるフォワーダーの告知では、日本発着LCL貨物に対するローカルチャージを2026年4月1日から改定し、CFS CHARGEを1RTあたり5,980円から6,980円に1,000円値上げすると案内しています。 ntl-naigai.co(https://www.ntl-naigai.co.jp/topics/pdf/Notice_EXP_IMP_Local%20Charge%20Change_20260219.pdf)
また、同じ告知ではDRS(Drayage Recovery Surcharge)が1RTあたり1,300円から1,500円へ200円アップしており、合計で1RTあたり1,200円の増額です。 ntl-naigai.co(https://www.ntl-naigai.co.jp/topics/pdf/Notice_EXP_IMP_Local%20Charge%20Change_20260219.pdf)
1RTは大体「幅1m×奥行き1m×高さ1m」の立方メートルとイメージすると、コピー用紙の箱が約40個積み上がるくらいのスペースです。
ローカルチャージにも期限があります。
この増額を件数ベースで見ると、例えば月500RT扱っている拠点では、1RTあたり1,200円の増額で月60万円、年間では720万円の追加負担になります。 ntl-naigai.co(https://www.ntl-naigai.co.jp/topics/pdf/Notice_EXP_IMP_Local%20Charge%20Change_20260219.pdf)
東京ドームの外野席一角を満席にできる人数分の顧客が、それぞれ1件ずつ取引しただけで、これだけのインパクトです。
このコストを「フォワーダーの通達だから仕方ない」で終わらせず、見積単価や委託料の改定交渉にどう反映させるかが通関業者の腕の見せどころになります。
増額分をそのまま通関業者が飲み込めば、通関手数料3,000円/件の案件を月200件抱えていても、ローカルチャージの増額だけで利益が吹き飛ぶ計算です。
つまりローカルチャージの改定を“他人事”にしないことが基本です。
対策としては、ローカルチャージの改定情報を受け取った時点で、①荷主への説明資料のドラフト作成、②影響額の試算、③改定後の料金表案の3点をセットで用意する流れをルーティン化するのが現実的です。 ntl-naigai.co(https://www.ntl-naigai.co.jp/topics/pdf/Notice_EXP_IMP_Local%20Charge%20Change_20260219.pdf)
特に大阪・東京・名古屋など複数拠点で荷主を抱えている会社では、支店ごとにバラバラな説明をしてしまうとクレームの火種になります。
1枚のA4資料に「改定の背景」「増額の根拠」「通関業者としての対応方針」を整理しておけば、現場担当者も説明しやすくなります。
この資料作成を効率化するために、社内テンプレートを1つ用意し、毎回数字だけ入れ替える運用にすると効果的です。
ローカルチャージだけ覚えておけばOKです。
ローカルチャージが原因のクレームは、「費用そのもの」よりも「説明の不足」から始まることが多いです。 daito-koun.co(https://www.daito-koun.co.jp/cms/wp-content/uploads/2025/07/%E3%80%90%E6%B5%B7%E9%81%8B%E3%83%81%E3%83%A3%E3%83%BC%E3%82%B8%E7%95%A5%E8%AA%9E%E3%80%91.pdf)
THC、DOC CHARGE、CFS CHARGE、BAF、CAF、YASなど、略語と横文字が並んだ請求書を見て、荷主側が「何の費用かわからない」と感じるのは自然な反応です。 daito-koun.co(https://www.daito-koun.co.jp/cms/wp-content/uploads/2025/07/%E3%80%90%E6%B5%B7%E9%81%8B%E3%83%81%E3%83%A3%E3%83%BC%E3%82%B8%E7%95%A5%E8%AA%9E%E3%80%91.pdf)
ターミナル関連のTHCや保管料は、荷役作業・設備使用料・セキュリティ対策など多くの要素が混ざっているため、単価が高く感じられがちです。 daito-koun.co(https://www.daito-koun.co.jp/cms/wp-content/uploads/2025/07/%E3%80%90%E6%B5%B7%E9%81%8B%E3%83%81%E3%83%A3%E3%83%BC%E3%82%B8%E7%95%A5%E8%AA%9E%E3%80%91.pdf)
一方で、通関業者やフォワーダーから見ると「現地ターミナルから請求されているだけ」であり、利益がほとんど載っていない項目もあります。
意外ですね。
クレームを減らすためには、「金額」だけでなく「中身」を可視化する工夫が有効です。 daito-koun.co(https://www.daito-koun.co.jp/cms/wp-content/uploads/2025/07/%E3%80%90%E6%B5%B7%E9%81%8B%E3%83%81%E3%83%A3%E3%83%BC%E3%82%B8%E7%95%A5%E8%AA%9E%E3%80%91.pdf)
例えば請求書や見積書のローカルチャージ欄に、THCなら「コンテナターミナルでの荷役・設備利用料」、CFS CHARGEなら「混載倉庫での荷扱い・保管料」のような一言説明を付けるだけで印象は変わります。 daito-koun.co(https://www.daito-koun.co.jp/cms/wp-content/uploads/2025/07/%E3%80%90%E6%B5%B7%E9%81%8B%E3%83%81%E3%83%A3%E3%83%BC%E3%82%B8%E7%95%A5%E8%AA%9E%E3%80%91.pdf)
東京ドーム5つ分の敷地を持つ港湾エリア全体のインフラを維持するための費用、とイメージしてもらえると、「なぜこんなに高いのか」の理解も進みます。
また、インコタームズごとに「一般的に荷主側が負担しがちなローカルチャージ」を一覧にした社内資料を用意しておくと、見積り時の説明にも役立ちます。
ローカルチャージが条件です。
ITの活用という観点では、ローカルチャージの項目別・荷主別・航路別の売上データを定期的に抽出し、増減やクレーム件数との関連をチェックするのも有効です。
例えば「北米向けのTHCでクレームが集中している」「特定荷主だけCFS CHARGEの未入金が多い」といった傾向が見えれば、そこに絞って説明資料や契約条件を見直せます。
この場面で役立つのが、会計ソフトや販売管理システムのカスタムレポート機能です。
リスクのある場面を特定したうえで、担当者が「毎月1回、レポートを確認してメモする」だけの運用に落とし込むと続けやすくなります。
ローカルチャージに注意すれば大丈夫です。
検索上位の記事では、ローカルチャージを「荷主に説明すべき費用」として紹介することが多いですが、通関業の立場で見ると「値決め」「交渉材料」としての側面も無視できません。 cargo-news.co(https://cargo-news.co.jp/cargo-news-main/3781)
立替払いを前提にした関係では、通関手数料だけでは採算が合わず、ローカルチャージの一部をマージンで回収しなければならないケースもあります。 cargo-news.co(https://cargo-news.co.jp/cargo-news-main/3781)
一方で、ローカルチャージを過度にマージン源にすると、荷主側が他社見積と比較した際に「ローカルチャージが高い会社」というレッテルを貼られやすくなります。
このジレンマをどうコントロールするかが、通関業経営の重要なテーマです。
結論は「ローカルチャージを戦略的に使うこと」です。
具体的には、①競争の激しい航路ではローカルチャージのマージンを抑え、通関手数料やコンサルティング的サービスで差別化する、②特殊貨物やニッチルートではリスクに見合ったローカルチャージを設定する、といったメリハリが考えられます。 daito-koun.co(https://www.daito-koun.co.jp/cms/wp-content/uploads/2025/07/%E3%80%90%E6%B5%B7%E9%81%8B%E3%83%81%E3%83%A3%E3%83%BC%E3%82%B8%E7%95%A5%E8%AA%9E%E3%80%91.pdf)
例えば危険品サービスを含むLCLのローカルチャージは、通常貨物より手間とリスクが大きいため、1件あたり数千円〜1万円の上乗せも現場感覚としては妥当です。 ntl-naigai.co(https://www.ntl-naigai.co.jp/topics/pdf/Notice_EXP_IMP_Local%20Charge%20Change_20260219.pdf)
このとき、「なぜこの単価なのか」を荷主に説明できるストーリーを用意しておくことが、値上げ交渉の成否を分けます。
港湾での安全対策や追加書類作成など、見えにくい作業をきちんと可視化することがポイントです。
ローカルチャージなら問題ありません。
また、通関業者にとっては「ローカルチャージをきちんと取れる荷主」と「何でも値切ってくる荷主」を見分けることも重要です。 cargo-news.co(https://cargo-news.co.jp/cargo-news-main/3781)
前者にはサービスレベルや情報提供を厚くし、長期的なパートナーとして深い関係を築く。
後者には早めに「立替限度額」「支払サイト」「ローカルチャージの最低水準」を明示し、採算が合わない場合は無理に案件を追わない。
この線引きができていないと、日々の業務は忙しいのに決算上は利益が残らない、という状況に陥りがちです。
つまりローカルチャージを軸に顧客ポートフォリオを見直すことが基本です。
この視点を実務に落とし込むためには、自社のローカルチャージ単価表を「原価」「一般的な市場水準」「自社の提示単価」の3層で整理し、営業担当がどこまでディスカウントできるかを一目でわかるようにしておくと便利です。 ntl-naigai.co(https://www.ntl-naigai.co.jp/topics/pdf/Notice_EXP_IMP_Local%20Charge%20Change_20260219.pdf)
そのうえで、「この航路と貨物条件なら、ここまで下げても赤字にはならない」といった基準をメモとして添付し、値下げ交渉の際の判断材料にします。
あくまで通関業者の狙いは、ローカルチャージを適正に取りつつ、長期的な信頼関係を築ける荷主と組むことです。
このバランス感覚が身につくと、ローカルチャージの通達メールが来た瞬間に「どの荷主と、何を話すべきか」が自然と浮かぶようになります。
いいことですね。
ローカルチャージの略語や一般的な内容を一覧で確認したい場合は、以下のような海運会社・物流会社が公開しているチャージ一覧表が参考になります。
ローカルチャージ・各種サーチャージの略語と概要一覧(THC・BAF・CAFなどの定義を確認するのに有用)