実は、新製義歯を装着してから6か月以内に床裏装を行うと、満額ではなく所定点数の50%しか算定できません。 saka1029.github(https://saka1029.github.io/s/04/s/M030.html)

床裏装(有床義歯内面適合法)の算定が認められるのは、アクリリック樹脂または熱可塑性樹脂で製作された義歯床の粘膜面を一層削除し、新たに義歯床の裏装を行った場合です。 単に材料を盛り足すだけでは算定できないという点は、見落としがちなポイントです。 saka1029.github(https://saka1029.github.io/s/04/s/M030.html)
対象となる義歯は、局部義歯と総義歯に分かれます。硬質材料を用いる場合は、局部義歯では人工歯数ごとに4段階の点数が設定されています。 具体的には「1〜4歯:216点」「5〜8歯:268点」「9〜11歯:370点」「12〜14歯:572点」「総義歯:790点」です。 saka1029.github(https://saka1029.github.io/s/04/s/M030.html)
軟質材料(1,200点)については、下顎総義歯または口蓋補綴・顎補綴に限定されます。 上顎総義歯に対して軟質材料で算定しようとすると、そのまま査定対象になります。これが原則です。 saka1029.github(https://saka1029.github.io/s/04/s/M030.html)
また、義歯の「換床(かんしょう)」を行った場合も、この区分で算定します。 換床は床裏装と別区分と思っている担当者も多いため、注意が必要なポイントです。 saka1029.github(https://saka1029.github.io/s/04/s/M030.html)
新たに製作した有床義歯を装着した日から起算して6か月以内に床裏装を行った場合、算定は所定点数の100分の50になります。 軟質材料なら1,200点が600点になる計算です。 saka1029.github(https://saka1029.github.io/s/04/s/M030.html)
これは「6か月以内は算定できない」のではなく、「算定できるが減算される」というルールです。 混同して算定自体を諦めてしまうと、本来取れる点数を失うことになります。これは損です。 tokyo-sk(https://www.tokyo-sk.com/wp/wp-content/uploads/2017/08/c5aa8a7cef7eac4e2e0cf5233f05980b.pdf)
東京社会保険事務局の事例によれば、軟質材料を用いた床裏装1,400点(当時点数)×50/100+装着料230点=930点という具体的な算定が示されています。 装着料は別途算定できる点も見逃せません。 tokyo-sk(https://www.tokyo-sk.com/wp/wp-content/uploads/2017/08/c5aa8a7cef7eac4e2e0cf5233f05980b.pdf)
なお、注意が必要なのは「新製義歯装着日」が起算点という点です。 義歯の製作開始日や印象採得日ではありません。レセコン入力時に起算日を誤ると、満額算定のまま請求してしまい、返戻・査定のリスクが生じます。起算日の確認が条件です。 saka1029.github(https://saka1029.github.io/s/04/s/M030.html)
義歯が不適合になった場合、対応方法によって算定区分が変わります。ここが実務で最も迷いやすい点です。
「新たに義歯を製作することを前提に行った床裏装」は、有床義歯内面適合法ではなく有床義歯修理の所定点数で算定します。 将来的に新製を予定している場合でも、今回の処置が暫定的な裏装であれば修理扱いになるということです。 saka1029.github(https://saka1029.github.io/s/04/s/M030.html)
一方、義歯破損に際して修理のみでは目的を達せられない場合は、有床義歯修理と有床義歯内面適合法の両方を算定できます。 ただし、同日に直接法で床裏装を行った場合の修理は、有床義歯内面適合法の所定点数に含まれるため別算定は不可です。 saka1029.github(https://saka1029.github.io/s/04/s/M030.html)
| 状況 | 算定区分 | 備考 |
|---|---|---|
| 不適合→新製前提で暫定裏装 | 有床義歯修理 | 新製予定ありの場合 |
| 不適合→床裏装で対応 | 有床義歯内面適合法 | 通常の床裏装 |
| 破損修理+床裏装(間接法) | 両方算定可 | 同日直接法なら修理は含まれる |
判断の軸は「新製を前提としているかどうか」です。これだけ覚えておけばOKです。
軟質材料を用いる場合の算定には、診療録への記載が必須です。 具体的には、顎堤吸収の状態・顎堤粘膜の状態等の症状の要点と、使用した材料名を診療録に記録しなければなりません。記載がないと算定根拠が示せず、審査で問題になります。 saka1029.github(https://saka1029.github.io/s/04/s/M030.html)
また、軟質材料を算定した月から6か月以内は、有床義歯床下粘膜調整処置(I022)が算定できなくなります。 同一患者で両方算定しているケースは審査で弾かれる対象です。厳しいところですね。 saka1029.github(https://saka1029.github.io/s/04/s/M030.html)
歯科技工加算については、施設基準を地方厚生局に届け出た医療機関が対象です。 患者の求めに応じて当日間接法で装着した場合は「歯科技工加算1(50点)」、預かって翌日装着した場合は「歯科技工加算2(30点)」を算定できます。加算算定時は、診療録への「預かり日の記載」が必須条件です。 saka1029.github(https://saka1029.github.io/s/04/s/M030.html)
この加算を取りこぼしている医院は少なくありません。施設基準の届出状況と算定実績を照合してみることをおすすめします。
以下のリンクは、有床義歯内面適合法の告示・通知原文を確認できる資料です。算定根拠の一次情報として活用できます。
M030 有床義歯内面適合法の算定要件・点数表・通知全文(告示ベース)
床裏装に際しての印象採得料は、M003の「2のロ 連合印象」で算定します。 「単純印象」で取っている医院は誤りです。連合印象と単純印象では点数が異なるため、正しい区分を使うことが重要です。 saka1029.github(https://saka1029.github.io/s/04/s/M030.html)
旧義歯に軟質材料で床裏装を行った患者に対して新たな義歯を製作する場合、引き続き軟質材料が必要と判断されるときは、新製時から義歯床用軟質裏装材を使用して製作することができます。 この場合、新製有床義歯装着時に注2(6か月以内50%減算)の規定を適用しつつ当該区分を算定できます。つまり、新製時でも床裏装を別途算定できるということです。 saka1029.github(https://saka1029.github.io/s/04/s/M030.html)
さらに、この場合は有床義歯の特定保険医療材料料とは別に、床裏装の特定保険医療材料料も算定できます。 これは意外ですね。材料料を1つしか取れないと思っていると、請求が漏れることになります。 saka1029.github(https://saka1029.github.io/s/04/s/M030.html)
実務上は、レセコンの設定で自動的に1本しか材料料が立たないケースもあるため、新製+軟質裏装材のケースでは手動で材料料を追加入力する必要があります。算定漏れを防ぐために、ダブルチェックの仕組みを作ることが得策です。
以下の資料は、社会保険診療報酬支払基金の審査事例をまとめたもので、床裏装に関連する返戻・査定事例の確認に役立ちます。
社会保険診療報酬支払基金:有床義歯床下粘膜調整処置の審査事例(床裏装との関係確認に有用)
| 欠損歯数 | 価格の目安(税込) |
| ------- | ---------- |
| 1〜3歯欠損 | 10万〜18万円前後 |
| 4〜7歯欠損 | 15万〜25万円前後 |
| 8〜13歯欠損 | 20万〜30万円前後 |
| 総義歯タイプ | 40万〜55万円前後 |

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