特別とん税は「国税」に分類されているのに、その税収は1円も国庫に残らず全額が地方に渡ります。
とん税は、外国貿易船が日本の開港に入港した際に課される国税です。 根拠法は「とん税法(昭和32年3月31日法律第37号)」であり、課税標準は船舶の純トン数です。 港湾施設などの行政サービスを受けることへの応益的な税と解されていますが、特定財源ではなく港湾予算との直接的な関連は実は薄いとされています。 ja.wikipedia(https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%81%A8%E3%82%93%E7%A8%8E)
納税義務者は外国貿易船の船長です。 ただし、税関長の承認を受けた代行者や運航者が納税義務者になることも制度上は可能で、実務では代理納付のルートが使われることもあります。 ja.wikipedia(https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%81%A8%E3%82%93%E7%A8%8E)
税率は以下のとおりです。 city.yokohama.lg(https://www.city.yokohama.lg.jp/business/bunyabetsu/kowan/business-support/shiyoryo/tariff.files/0003_20180817.pdf)
つまり年一括払いのほうが1回あたりの単価は高くなる計算です。
ただし、2020年(令和2年)10月1日以降、外貿コンテナ貨物定期船のうち国際基幹航路に就航する外国貿易船が国際戦略港湾に入港する場合は、年一括納付の税率が半額の 24円/トン に特例軽減されています。 頻繁に入港するコンテナ船を扱う通関業者にとっては、この特例の適用有無の確認が年間コストに直結するので重要です。これは使えそうです。 ja.wikipedia(https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%81%A8%E3%82%93%E7%A8%8E)
特別とん税は「特別とん税法(昭和32年3月31日法律第38号)」に基づく税金であり、課税対象・課税標準・納税義務者はとん税と同一です。 実態上の課税構造はとん税とまったく同じと言えます。 ja.wikipedia(https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%89%B9%E5%88%A5%E3%81%A8%E3%82%93%E7%A8%8E)
違いは使途にあります。特別とん税の税収は「特別とん譲与税法」により全額が開港の所在する市区町村などの地方公共団体に譲与されます。 固定資産税の税率が軽減された1957年(昭和32年)に、地方公共団体の財源を補うために同時に創設された経緯があります。 地方の港湾整備・行政サービスの財源確保が直接の目的です。 baikyaku(https://baikyaku.net/word/tax-ta/tax-ta019.html)
税率は以下のとおりです。 city.yokohama.lg(https://www.city.yokohama.lg.jp/business/bunyabetsu/kowan/business-support/shiyoryo/tariff.files/0003_20180817.pdf)
とん税と同様に、令和2年10月以降、国際基幹航路に就航する外国貿易船が国際戦略港湾に入港する場合の年一括税率は半額の 30円/トン に軽減されています。 ja.wikipedia(https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%89%B9%E5%88%A5%E3%81%A8%E3%82%93%E7%A8%8E)
特別とん税は「国税」として徴収されますが、全額が地方に渡る仕組みです。 「国税なのに地方財源」という構造は、法形式と実態が乖離している珍しいケースで、通関実務でも誤解が生じやすい点です。 kotobank(https://kotobank.jp/word/%E7%89%B9%E5%88%A5%E3%81%A8%E3%82%93%E7%A8%8E-1378406)
両税の主な違いを整理します。
| 項目 | とん税 | 特別とん税 |
|---|---|---|
| 根拠法 | とん税法(昭和32年法律37号) | 特別とん税法(昭和32年法律38号) |
| 課税対象 | 外国貿易船の開港への入港 | 外国貿易船の開港への入港 |
| 課税標準 | 純トン数 | 純トン数 |
| 納税義務者 | 船長(承認あれば代行者等も可) | 船長(承認あれば代行者等も可) |
| 税率(入港ごと) | 16円/トン | 20円/トン |
| 税率(年一括) | 48円/トン(特例24円) | 60円/トン(特例30円) |
| 税収の行き先 | 国庫 | 地方公共団体(全額譲与) |
| 税の性質 | 国税・間接税 | 国税・間接税(実質は地方財源) |
両税の合計で見ると、入港1回あたり純トン数1トンごとに計36円のコストが発生します。 そのうち16円分がとん税、20円分が特別とん税に按分される仕組みです。 結論は「2つの税をまとめて1回支払う」が原則です。 x(https://x.com/i/grok/share/eoYsMVtBtnRY7iBpJShWxZ6fZ)
実務上、非課税となるケースがいくつか定められています。 以下の場合は課税されません。 port-of-nagoya(https://www.port-of-nagoya.jp/_res/projects/default_project/_page_/001/000/900/igai07-1.pdf)
ただし注意が必要です。 海難や検疫を理由に入港した場合でも、それらの理由に直接よらない「貨物の積卸し」が行われた場合は非課税とはなりません。 「避難入港だから税はかからない」と思い込んで貨物を動かしてしまうと、課税対象になるリスクがあります。厳しいところですね。 port-of-nagoya(https://www.port-of-nagoya.jp/_res/projects/default_project/_page_/001/000/900/igai07-1.pdf)
通関業従事者としては、非課税申告が可能なケースを見逃さないことと、積卸し作業の有無を事前に船社・代理店から正確に確認しておくことが重要です。税関への申告前に積卸し予定の有無を船社に確認する、というワンアクションを習慣にするだけで申告ミスを防げます。
令和2年(2020年)の改正は、とん税・特別とん税の実務に大きな変化をもたらしました。 国際基幹航路に就航する外国貿易船が国際戦略港湾(東京港・横浜港・川崎港・大阪港・神戸港)に入港する場合、年一括納付の税率がとん税24円・特別とん税30円(それぞれ半額)に軽減されます。 これは当分の間の特例措置です。 ja.wikipedia(https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%89%B9%E5%88%A5%E3%81%A8%E3%82%93%E7%A8%8E)
この特例が適用されると、年一括税率の合計が通常54円から半額の27円になります。意外ですね。
対象要件は「外貿コンテナ貨物定期船」かつ「国際基幹航路への就航」かつ「国際戦略港湾への入港」の3条件をすべて満たすことです。どれか1つでも外れると通常税率が適用されます。条件の確認が条件です。
たとえば年間を通じて横浜港に定期的に入港する大型コンテナ船(純トン数50,000トン)の場合、通常の年一括税率では特別とん税だけで60円×50,000トン=300万円となりますが、特例適用なら30円×50,000トン=150万円と半額になります。 コスト管理の観点から、担当船舶がこの特例に該当するかを一度精査する価値は十分にあります。 ja.wikipedia(https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%89%B9%E5%88%A5%E3%81%A8%E3%82%93%E7%A8%8E)
特例の適用確認には、税関の関税法基本通達や財務省告示を参照するのが確実です。
財務省・税関:関税法基本通達等の一部改正(令和2年)— とん税・特別とん税の特例措置の詳細を確認できます
Wikipedia:特別とん税 — 特別とん税法の制定経緯・税率・譲与の仕組みをまとめて確認できます
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