バイク グリップヒーター 故障 原因と修理方法の完全ガイド

バイク グリップヒーター 故障 原因と修理方法の完全ガイド

バイク グリップヒーター 故障

グリップヒーター故障の主な症状と原因
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温まらない

片側または両側のグリップが全く温まらない状態。断線やスイッチ不良が主な原因です。

電圧低下

グリップヒーター使用時にバイクの電圧が低下。バッテリーや発電機に負担がかかります。

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修理の難易度

スイッチ交換は比較的簡単ですが、グリップ本体の交換は技術が必要です。

バイク グリップヒーター 故障の主な症状と原因

バイクのグリップヒーターが故障すると、冬のツーリングが一気に厳しいものになります。グリップヒーターの故障は、様々な症状として現れますが、最も一般的なのは「温まらない」という症状です。

 

主な故障の症状と原因は以下のとおりです。

  • 片側だけ温まらない:片方のグリップ内部の断線や接触不良が考えられます。

     

  • 両方とも温まらない:スイッチの故障、ヒューズ切れ、電源からの配線問題などが考えられます。

     

  • 温度が安定しない:接触不良や電圧の変動が原因の可能性があります。

     

  • スイッチのランプが点灯しない:スイッチ自体の故障や電源供給の問題が考えられます。

     

特に注目すべきは、グリップヒーターの故障は単体の問題だけでなく、バイク全体の電気系統と関連している場合もあるという点です。例えば、BMW F800STのグリップヒーターでは、「中」設定時にオンオフを繰り返す仕様になっていることがあります。これは故障ではなく、バッテリーからの電流を左右のグリップに交互に振り分けるシステムによるものです。

 

また、経年劣化による断線は目視では確認しづらいことがあります。グリップヒーターの内部配線は迷路のように複雑に折れ曲がっているため、テスターを使用して断線箇所を特定する必要があることもあります。

 

バイク グリップヒーター 断線の見つけ方と修理方法

グリップヒーターの断線は、最も一般的な故障原因の一つです。断線箇所を見つけるためには、以下の手順を踏むと効果的です。

 

  1. テスターを使用した断線箇所の特定
    • グリップを取り外し、テスターを使って導通チェックを行います。

       

    • 目視では確認できない断線箇所も、テスターを使えば特定できます。

       

  2. 断線箇所の修理方法
    • 断線箇所が特定できたら、皮膜を慎重に削り取り、銅線を露出させます。

       

    • ハンダを使って断線箇所を接続します。初めは難しいかもしれませんが、コツをつかめば薄くきれいに付けられるようになります。

       

BMW F800STのグリップヒーター修理例では、グリップラバーを慎重に外し、内部の断線箇所をテスターで特定した後、ハンダで修理することに成功しています。この際、使用する接着剤はゴム用のものを選ぶことで、後日グリップを再度外す必要が生じた場合にも対応しやすくなります。

 

断線修理の際の注意点として、基盤に針の穴を開けてテスターで確認する方法は、基盤の強度を弱め、次の断線を招く原因となる可能性があります。可能な限り、非破壊的な方法で断線箇所を特定することをお勧めします。

 

BMW F800STのグリップヒーター修理の詳細手順と写真付き解説

バイク グリップヒーター スイッチ故障の診断と交換

グリップヒーターのスイッチ故障は、システム全体が機能しなくなる主要な原因の一つです。スイッチが故障すると、グリップヒーター全体が動作しなくなることがほとんどです。

 

スイッチ故障の診断方法。

  • 目視確認:スイッチボタンを押してもLEDが点灯しない場合、スイッチの故障が疑われます。

     

  • スイッチの分解点検:スイッチユニットを分解して内部を確認すると、ホコリや白い腐食が見られることがあります。

     

  • 振ってみる:スイッチを手に持って振った時に「カラカラ」と音がする場合は、内部部品が外れている可能性があります。

     

PCX125で9年使用したグリップヒーターの故障事例では、スイッチユニットを分解した際にホコリっぽさや白い腐食が見られ、スイッチユニットの故障が原因と診断されました。このケースでは、グリップ部分は問題なく、スイッチ部分だけを交換することで修理が可能でした。

 

スイッチ交換の利点は、グリップ本体を交換する必要がないため、作業が比較的簡単で、アクセルスロットルの樹脂パーツを破損するリスクを避けられることです。特に同じメーカーの同じモデルのスイッチが入手できれば、交換作業はさらに容易になります。

 

ただし、9年経過すると同じ製品が販売されていないことも多いため、互換性のある後継品を探す必要があるかもしれません。

 

PCXのグリップヒーター故障診断と修理の詳細レポート

バイク グリップヒーター 電圧問題とバッテリーへの影響

グリップヒーターは消費電力が大きい電装品の一つで、バイクの電気系統に負荷をかけることがあります。特に電圧の問題は、グリップヒーターの性能低下や故障の原因となるだけでなく、バイク全体の電気系統にも影響を与える可能性があります。

 

グリップヒーター使用時の電圧問題。

  • 電圧低下:グリップヒーター使用時に電圧が13.6V~13.8V程度まで低下することがあります。正常範囲は13.5V~14.5Vとされているため、この程度の低下は許容範囲内ですが、長期間続くとバッテリーに負担がかかります。

     

  • バッテリーへの影響:電圧が継続的に低下すると、バッテリーが十分に充電されない状態が続き、バッテリーの寿命を縮める原因となります。

     

  • 保護機能の作動:電圧低下が著しい場合、グリップヒーターの保護機能が作動して電熱のオンオフが繰り返されることがあります。

     

電圧問題を改善する方法としては、以下のような対策が考えられます。

  1. 低消費電力のグリップヒーターへの交換:消費電力が少ないモデルに交換することで、電圧低下を抑えることができます。

     

  2. バッテリー容量のアップグレード:より大容量のバッテリーを搭載することで、電力供給に余裕を持たせることができます。

     

  3. 発電機の強化:発電機の出力が不足している場合、発電機の強化やレギュレーターの交換を検討することで、より多くの電力を供給できるようになります。

     

また、電源取得の方法も重要です。KOSO グリップヒーターの故障事例では、FUSEボックスからの電源取得が原因で正常に動作しなかったケースがありました。この場合、ストップランプから電源を取ることで問題が解決しました。

 

バイクの電圧問題とグリップヒーター使用時の影響についての詳細解説

バイク グリップヒーター DIY修理と専門店依頼の比較

グリップヒーターの故障に直面した際、DIYで修理するか専門店に依頼するか迷うことがあります。それぞれのメリット・デメリットを理解し、状況に応じた最適な選択をすることが重要です。

 

DIY修理のメリット:

  • コスト削減:部品代のみ(数百円~数千円)で済むことが多い
  • 知識の習得:修理過程で技術や知識が身につく
  • 即時対応:都合の良いタイミングで作業できる

DIY修理のデメリット:

  • 技術的難易度:経験や専門知識が必要な場合がある
  • 追加損傷のリスク:誤った修理によって他の部品を損傷させる可能性
  • 保証の喪失:自己修理により製品保証が無効になることがある

専門店依頼のメリット:

  • 確実性:プロの技術による確実な修理
  • 時間の節約:自分で調査・修理する時間が不要
  • 追加サポート:修理後のアフターサポートが期待できる

専門店依頼のデメリット:

  • 高コスト:修理費用は5,000円~10,000円程度と比較的高額
  • 待ち時間:予約や修理完了までの待機が必要
  • 移動の手間:バイクを店舗まで運ぶ必要がある

DIY修理を選択する場合、作業の難易度を事前に評価することが重要です。例えば、スイッチの交換は比較的簡単ですが、グリップ本体の交換はハンドルからの取り外しや接着など技術を要する作業です。また、配線が苦手な場合は、最初からUSBの巻き付け式グリップヒーターを選ぶなど、自分のスキルに合った選択をすることも一つの方法です。

 

専門店に依頼する場合は、症状を詳しく伝え、購入履歴や保証書を用意しておくとスムーズに対応してもらえます。また、信頼できるバイク屋を選ぶことも重要です。

 

最終的には、故障の状況、自分の技術レベル、予算、時間的制約などを総合的に考慮して判断することをお勧めします。

 

バイク グリップヒーター 予防メンテナンスと長持ちさせるコツ

グリップヒーターの故障を未然に防ぎ、長期間快適に使用するためには、適切な予防メンテナンスが欠かせません。以下に、グリップヒーターを長持ちさせるためのコツをご紹介します。

 

定期的な点検と清掃

  • 接続部の確認:定期的にコネクターや配線の接続状態を確認しましょう。特に振動の多いバイクでは、接続部が緩むことがあります。

     

  • スイッチの清掃:スイッチ部分にホコリや水分が入ると故障の原因になります。定期的に清掃し、必要に応じて接点復活剤を使用しましょう。

     

  • グリップの状態チェック:グリップに亀裂や摩耗がないか定期的に確認し、早めの交換を心がけましょう。

     

適切な配線管理

  • 配線の固定:配線はしっかりと固定し、ハンドルを切っても断線しないようにしましょう。特にハンドル周りの配線は、ハンドル操作による負荷がかかりやすいため注意が必要です。

     

  • 余裕を持った配線:配線は少し余裕を持たせて取り回すことで、張力による断線を防ぐことができます。

     

  • 保護チューブの使用:配線には保護チューブを使用し、擦れや外部からの損傷を防ぎましょう。

     

電気系統への配慮

  • 適切な電源取得:電源は安定した供給が得られる場所から取得しましょう。FUSEボックスよりもストップランプなど、適切な電源ポイントを選ぶことが重要です。

     

  • バッテリーの管理:バッテリーの状態を定期的にチェックし、充電不足にならないよう注意しましょう。特に冬場は、バッテリーの性能が低下しやすいため、こまめな充電が重要です。

     

  • 電圧の確認:可能であれば、グリップヒーター使用時の電圧をモニターし、大幅な低下がないか確認しましょう。

     

使用上の注意点

  • 適切な使用:必要以上に高温設定で長時間使用することは避け、適切な温度設定で使用しましょう。

     

  • 雨天走行後のケア:雨天走行後は、接続部や配線に水分が残らないよう、しっかりと乾燥させましょう。

     

  • 長期間使用しない場合:長期間使用しない場合は、バッテリーへの負担を減らすため、電源を切っておくことをお勧めします。

     

これらの予防メンテナンスを定期的に行うことで、グリップヒーターの寿命を延ばし、突然の故障を防ぐことができます。特に冬場の長距離ツーリングを控えている場合は、事前にグリップヒーターの点検を行うことで、快適なライディングを楽しむことができるでしょう。

 

また、グリップヒーターを購入する際は、バイクの発電能力に合った消費電力のモデルを選ぶことも重要です。発電能力を超える消費電力のグリップヒーターを使用すると、電圧低下やバッテリー上がりの原因となることがあります。

 

グリップヒーターの電源取得と故障原因についての実例