バイク スターターリレー 故障 症状
スターターリレー故障の主な症状
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カチカチ音がするがセルが回らない
スターターリレーが作動する音はするものの、セルモーターに電流が流れず始動できない状態
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バッテリー電圧は正常なのに始動しない
バッテリー電圧が12V以上あるにも関わらず、エンジンが始動しない場合はリレーの故障が疑われる
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電装系統の不具合
ヘッドライトの明滅や、ニュートラルでもクラッチを握らないとセルが回らないなどの症状が現れる
バイク スターターリレー カチカチ音がする原因と対処法
バイクのスターターリレーから「カチカチ」という音がするのに、セルモーターが回らないという症状は非常に多く見られます。この症状が発生する場合、スターターリレーが作動していることを示していますが、それだけでは正常に機能しているとは言えません。
「カチカチ」という音は、セルスイッチからリレーまでは電気が正常に送られている証拠になります。しかし、リレー内部の接点不良によって、バッテリーからセルモーターへの大電流が流れていない可能性が高いのです。スターターリレーの内部には、小さな電流で大きな電流をコントロールするための接点があり、この部分が経年劣化や錆びによって正常に機能しなくなることがあります。
対処法としては、以下の手順で確認と修理を行うことができます。
- バッテリー電圧の確認(12V以上あることを確認)
- スターターリレーの位置を確認(通常はバッテリーの近く)
- スターターリレーの取り外し
- 内部接点の錆びや劣化の確認
- 新品のスターターリレーへの交換(2,500円~3,500円程度)
特に注意が必要なのは、スターターリレーが作動音を出していても、内部の接点不良によってセルモーターに電流が流れていないケースが多いということです。このため、音がするからといって正常と判断せず、適切な点検を行うことが重要です。
バイク スターターリレー セルモーターが回らない時の診断方法
セルモーターが回らない場合、スターターリレーの故障なのか、セルモーター自体の問題なのかを見分ける必要があります。以下に診断方法を詳しく解説します。
まず、セルスイッチを押した時の反応を確認します。
- 何も音がしない場合:セルスイッチからリレーまでの配線や、バッテリー、キルスイッチなどの問題が考えられます。
- 「カチッ」と音がする場合:リレーまでは電気が来ていますが、リレーからセルモーターへの通電に問題がある可能性があります。
- 「カチッ」と音がした後「ジジジジ~」という音がする場合:リレー内コイルの故障の可能性が高いとされています。
スターターリレーとセルモーターのどちらが故障しているかを判断するには、以下の方法が有効です。
- スターターリレーにバッテリーから繋がる配線とセルモーターへ繋がる配線を直結させる方法
- セルモーターから出る配線へ直接12V(マイナスはボディーアース)を送る方法
これらの作業でセルモーターが回るようであれば、リレーの故障と判断できます。ただし、この作業は危険を伴うため、知識がない場合は専門家に依頼することをお勧めします。
また、電気テスターを使用して「ハンドルスイッチからのイン側」と「セルモーターまでのアウト側」の通電チェックを行うことで、より確実に故障箇所を特定することができます。
バイク スターターリレー 電装系統への影響と症状
スターターリレーはセルモーターを作動させるだけでなく、バイクの電装系統全体に影響を与える重要な部品です。スターターリレーが故障すると、以下のような電装系統の症状が現れることがあります。
- ヘッドライトの明滅:走行中にヘッドライトが明るくなったり暗くなったりする現象が発生します。これはスターターリレー内部の接点不良により、電流の流れが不安定になることが原因です。
- キーをONにしてもヘッドライトがつかない:スターターリレーを経由して電装系統に電力が供給されるため、リレーの故障によって電装品に電気が流れなくなることがあります。
- ニュートラルでもクラッチを握らないとセルが回らない:通常、ギアがニュートラルの状態ではクラッチを握らなくてもセルが回りますが、スターターリレーの不具合によってこの機能が正常に働かなくなることがあります。
- 間欠的な電装の不具合:スターターリレーの接点が不安定な場合、電装系統が時々正常に動作し、時々故障するという症状が現れることがあります。
これらの症状は、バッテリーの劣化による症状と似ていることがあります。そのため、バッテリー電圧が正常(12V以上)にもかかわらず上記のような症状が出る場合は、スターターリレーの故障を疑うべきです。
スターターリレーはバイクのすべての電装が経由する重要な部品であるため、早期に交換することで他の電装部品への悪影響を防ぐことができます。
バイク スターターリレー 交換方法と注意点
スターターリレーの交換は、基本的な工具があれば自分で行うことができる比較的簡単なメンテナンス作業です。以下に交換手順と注意点を詳しく解説します。
交換手順:
- バッテリーのマイナス端子を外す:作業前に必ずバッテリーのマイナス端子を外し、ショートによる事故を防止します。
- スターターリレーの位置を確認:スターターリレーはバッテリーのプラス端子の近くに設置されていることが多いです。車種によって位置が異なる場合があるので、サービスマニュアルで確認するとよいでしょう。
- 配線の確認と記録:スターターリレーに接続されている配線の位置を写真に撮るなどして記録しておきます。これにより、新しいリレーを取り付ける際に配線ミスを防ぐことができます。
- スターターリレーの取り外し:固定ボルトを緩めてスターターリレーを取り外します。
- 新品のスターターリレーの取り付け:古いリレーと同じ型番の新品を用意し、記録した通りに配線を接続します。
- ゴムカバーの移植:多くの場合、スターターリレーにはゴム製のカバーが付いています。新品のリレーに古いカバーを移植する必要がある場合があります。
- バッテリーの接続と動作確認:すべての配線が正しく接続されていることを確認した後、バッテリーのマイナス端子を接続し、エンジンが正常に始動するか確認します。
注意点:
- 純正品vs社外品:スターターリレーは2,500円~3,500円程度で購入できますが、重要な部品であるため、可能であれば純正品を選ぶことをお勧めします。社外品は価格が安い場合がありますが、品質にばらつきがあることがあります。
- ヒューズの確認:スターターリレーに付属するヒューズの容量(アンペア数)が車種に適合しているか確認してください。不適切なヒューズを使用すると、電装系統に悪影響を与える可能性があります。
- 配線の確実な接続:スターターリレーの端子と配線の接続部分は、走行時の振動で緩むことがあります。確実に締め付けて、接触不良を防止しましょう。
- 防水対策:スターターリレーは電気部品であるため、水濡れに弱いです。取り付け後は防水カバーを確実に取り付け、雨天走行時の故障を防止しましょう。
バイク スターターリレー 予防メンテナンスと寿命延長のコツ
スターターリレーは定期的なメンテナンスを行うことで、故障を予防し寿命を延ばすことができます。ここでは、スターターリレーの予防メンテナンスと寿命延長のためのコツを紹介します。
定期的な点検項目:
- 端子部分の清掃:スターターリレーの端子部分は、経年劣化や湿気によって錆びが発生しやすい部分です。半年に一度程度、端子部分を清掃することで接触不良を防ぐことができます。清掃には接点復活剤や電気接点用のクリーナーを使用するとよいでしょう。
- 配線の緩みチェック:バイクの振動によって、スターターリレーと配線の接続部分が緩むことがあります。定期的に締め付け具合を確認し、必要に応じて増し締めを行いましょう。
- 防水対策の確認:スターターリレーは電気部品であるため、水濡れによる故障が発生しやすいです。ゴムカバーやシールの状態を確認し、劣化している場合は交換しましょう。
寿命延長のためのコツ:
- バッテリー電圧の維持:バッテリー電圧が低下すると、スターターリレーに過度の負担がかかります。特に冬場や長期間バイクを使用しない場合は、バッテリー充電器を使用して適切な電圧を維持しましょう。
- 過度のセル操作を避ける:エンジンがかからない場合に、何度もセルを回し続けるとスターターリレーに負担がかかります。セルを連続して3回以上回す場合は、10秒程度間隔を空けるようにしましょう。
- 雨天走行後のケア:雨天走行後は、スターターリレー周辺の水分を拭き取り、可能であれば防水スプレーなどを使用して保護することをお勧めします。
- 定期的な交換の検討:スターターリレーは消耗品であるため、バイクの使用年数が長い場合(5年以上)は、予防的に交換を検討するとよいでしょう。特に電装系統に不具合が出始めた場合は、早めの交換が故障の連鎖を防ぐことにつながります。
これらの予防メンテナンスを行うことで、スターターリレーの寿命を延ばし、突然のトラブルを防ぐことができます。特に通勤や長距離ツーリングなど、バイクを頻繁に使用する方は、定期的なメンテナンスを心がけることをお勧めします。
バイクは適切なメンテナンスを行うことで、長く快適に乗り続けることができます。スターターリレーのような電装部品も、定期的なケアによって信頼性を高めることができるのです。