

バイク走行時の燃費計算、実は積分を使わないと正確な値は出ません。
参考)インテグラルの意味|数学/経営用語・記号・∫と∮の違い-言葉…
インテグラル(∫)という記号は、17世紀末にドイツの数学者ゴットフリート・ライプニッツによって発表されました。この記号はラテン語の「SUMMA(和)」の頭文字である長いs(ſ)を変形させたものです。
参考)https://szkkei.main.jp/math/sekibun_s.html
これは偶然の創作ではなく、当時のゴチック文字やドイツ語の印刷では長いsを使う習慣が一般的でした。つい20~30年前までドイツ語の文中にこの書体が残っていたほどです。
参考)積分記号は「s」を伸ばしたものじゃないってば - 球面倶楽部…
記号の由来は明確ですね。
積分の歴史は微分よりもはるかに古く、紀元前3世紀頃のアルキメデスまで遡ります。彼は正96角形を描いて円の面積と円周率の値をほぼ正確に求めています。
参考)∫ 積分記号のルーツ
インテグラル記号と必ずペアで使われるのがdxという表記です。dxは変数xの微小(瞬間的な)変化量を意味します。つまり∫f(x)dxは「xがごくわずかに変化したときのf(x)の変化量の総和を求める」ことを表しているのです。
参考)積分のやり方と基礎公式。不定積分と定積分の違いとは?|アタリ…
dxがないと無限に掛け算をすることになり、結果は必ず∞となってしまいます。インテグラルとdxは互いに欠かせぬ存在ということですね。
積分とは「微分の反対」に相当する操作です。例えばF(x)=3x²を微分するとF'(x)=6xになりますが、積分は「微分したらF'(x)=6xになるようなF(x)を求めること」を意味します。
参考)【準備編5:ここだけ押さえろ!数学復習(積分と微分)】イメー…
関数f(x)を積分するときは、f(x)の左に∫、右にdxをつけて∫f(x)dxと表記します。∫を書いたら必ずdxで閉じる必要があります。
これが原則です。
積分記号の読み方は「インテグラル」で、CMでよく聞く「インテル入ってる?」とは全く違います。実際には読めなくても、書けて意味がわかればOKです。
参考)定積分の解き方|高校生/数学 |【公式】家庭教師のアルファ-…
積分には便利な性質があり、内側に入っている関数を分けたり、まとめたりできます。例えば∫{f(x)+g(x)}dxは∫f(x)dx+∫g(x)dxと分配できるため、複雑な式を簡単な部分に分解して計算できます。
参考)【不定積分の計算公式】インテグラルの性質と注意すべきポイント…
ただし積や商の形で結ばれている関数には、同じように分配できません。
この点は注意が必要です。
積分には不定積分と定積分という2つの種類があります。この違いを理解することが積分計算の基本です。
不定積分は、微分したらf(x)になるような原始関数F(x)を求める操作を指します。記号では∫f(x)dxと書き、結果はF(x)+C(Cは積分定数)という形になります。
参考)関数の原始関数と不定積分
なぜ+Cがつくのでしょうか?
それは定数を微分すると0になるため、異なる原始関数の間には定数の差しか生じないからです。例えばF(x)=x²+5とF(x)=x²+10は、どちらも微分すると2xになる原始関数です。
一方、定積分は特定の区間a,bにおける関数の面積を数値として求めます。記号では∫a→bf(x)dxと書き、計算式はF(x)a→b=F(b)-F(a)となります。
参考)Redirecting to https://juku.am…
定積分には積分定数Cがつきません。なぜなら計算時にF(b)-F(a)の差を取るため、定数部分が相殺されるからです。
グラフと横軸との間の面積を求める際、グラフが横軸より下にある部分は負の値として計算されます。
これを「符号つき面積」と呼びます。
参考)微分積分とは?不定積分や定積分についてもわかりやすく解説
原始関数とは、微分するとf(x)になる関数F(x)のことです。積分計算の核心は、この原始関数を見つけることにあります。
関数の原始関数は1つだけとは限りません。例えばf(x)=xという関数に対して、F(x)=(1/2)x²もG(x)=(1/2)x²+3も、どちらも微分するとxになるため原始関数です。
異なる原始関数の間には、どのような関係があるんでしょう?
答えは「定数の差だけ」です。任意の原始関数は、ある特定の原始関数F(x)と定数Cを用いてF(x)+Cという形で表すことができます。これがラグランジュの平均値の定理から証明されます。
高校数学では、原始関数と不定積分を同じものとして定義しますが、専門数学では両者を区別します。不定積分は定積分に変数xを導入して関数とみたもので、厳密には原始関数とは異なる概念です。
原始関数を求める際は、得られた結果を微分して元の関数に戻ることを確認すれば検算になります。積分は微分の逆演算だからこそできる便利な確認方法ですね。
バイク乗りの視点でいえば、速度メーターの表示(微分)から走行距離(積分)を計算する際、この原始関数の考え方を使っています。瞬間速度の積み重ねが走行距離になるということですね。
積分の本質は面積計算にあります。インテグラルという記号が生まれた背景には、曲線で囲まれた領域の面積を求めるという実用的な目的がありました。
参考)高校数学ⅡB 積分「学校では教えてくれないインテグラルの本当…
単純な図形、例えば長方形や円なら公式で一発で面積が求まります。しかし複雑な曲線で囲まれた部分の面積は、そう簡単にはいきません。どういうことなのか?
区分求積法という手法を使います。これは面積を極めて細い長方形に分割し、その総和を求める方法です。長方形1つの面積はf(x)×Δxで表され、これをx=aからx=bまで足し合わせます。
この考え方を記号で表したのが∫a→bf(x)dxです。Δxを限りなく0に近づけた極限がdxであり、総和記号Σを伸ばした形が∫になっています。
つまり∫記号はSummaのSというだけでなく、総和記号Σとも深く関係しているということですね。
積分が面積を表すという性質から、定積分には便利な性質があります。例えば∫a→bf(x)dx=∫a→cf(x)dx+∫c→bf(x)dxという分割の性質や、∫a→bf(x)dx=-∫b→af(x)dxという符号の性質です。
これらの性質を活用すれば、複雑な積分計算を効率的に進められます。計算問題では∫や()の式をよく観察し、どの性質を使うのがベストか考えることが重要です。
バイクのツーリングでいえば、瞬間燃費の変化(関数)から区間ごとの燃料消費量(面積)を正確に算出する際、この積分の考え方が活きてきます。単純平均では坂道や加速時の影響を正確に反映できませんが、積分なら可能です。