
ジオサイトとは、ジオパーク内の見どころとなる場所で、地質や地形、自然、歴史、文化など、その地域を特色づける見学場所のことです。日本には2025年10月現在、48地域の日本ジオパークが認定されており、そのうち10地域がユネスコ世界ジオパークとして認定されています。バイクツーリングでこれらのジオサイトを巡れば、大地の成り立ちを肌で感じながら、絶景ルートを走る醍醐味を味わえます。
参考)日本・世界ジオパークの概要 - 山陰海岸ジオパーク|San’…
日本列島ジオサイト地質百選II
日本全国のジオパークには、それぞれ独自のテーマを持つジオサイトが数多く点在しています。例えば、山陰海岸ジオパークには洞門や海食洞、海岸段丘、火山など多様な地形が観察でき、京都府から鳥取県まで東西約120kmに及ぶ広大なエリアに見どころが広がっています。伊豆半島ジオパークでは、約2000万年前の火山活動の痕跡を示す溶岩地形や奇岩、海触洞などのジオサイトが半島全域に配置されています。
参考)日本のジオパークマップ
阿蘇ジオパークには33ヵ所のジオサイトが設定されており、世界有数の規模を誇るカルデラや活火山、火砕流台地など、ダイナミックな火山地形を体感できます。南紀熊野ジオパークでは、志原海岸や救馬溪、田中神社の森など、プレートの沈み込みによって生み出された独特の地形を持つジオサイトが設けられています。
参考)ジオサイト
それぞれのジオパークには公式サイトでジオサイト一覧が公開されており、位置情報や見どころ、アクセス方法が詳しく掲載されているため、ツーリング計画を立てる際の参考になります。
参考)https://sanin-geo.jp/images/2014jyosi_01.pdf
バイクツーリングに最適なジオサイトは、アクセスの良さと景観の美しさが両立した場所です。山陰海岸ジオパークの「立岩」は、京都府丹後市にある高さ約20mの巨大な玄武岩の柱状節理で、バイクで気軽に訪れられる写真スポットとして人気があります。琴引浜や城崎温泉周辺など、海岸線沿いのジオサイトをつなぐルートは、美しい海を眺めながら走れるため、ライダーに特に好評です。
参考)【写真スポット】京都のジオスポット「立岩」で絶景フォト!【ツ…
伊豆半島では、西伊豆の海沿いを走りながらジオスポットを巡るコースが人気で、「波勝崎」や「石廊崎・池の原」など、海底火山の記憶を伝えるジオサイトを効率的に回れます。大室山や城ヶ崎海岸なども、バイクでアクセスしやすく、駐車スペースが確保されているため、ツーリングの立ち寄りスポットとして最適です。
参考)【モデルコース】伊豆をぐるり! 伊豆半島ジオパークを巡る。<…
youtube
三宅島のような離島のジオサイトも、フェリーでバイクを運べば、ほぼ日帰りで絶景を堪能できるコースがあります。意外な穴場として、南紀熊野ジオパークではEバイクを使ったサイクリングツアーも企画されており、バイク乗りとは異なる視点でジオサイトを楽しめます。
参考)ほぼ日帰りで南の島を堪能できる! 三宅島、絶景ジオスポットツ…
ジオサイトでは、地球の活動がわかる地質や地形を観察できることが大きな魅力です。山陰海岸ジオパークの地形・地質学的特徴として、日本海形成に関わる様々な岩石や地層、砂丘・砂州、海食崖・波食棚、洞門・海食洞、火山・山地、断層、滝・渓谷などが挙げられます。特に玄武洞は第四紀における地磁気逆転期の発見サイトとして、世界的にも貴重な場所です。
参考)ユネスコ世界ジオパーク 山陰海岸ジオパーク(歴史)
阿蘇ジオパークでは、約9万年前の巨大噴火によって形成されたカルデラ地形を観察でき、火砕流の堆積面や火山活動でできた米塚などの新しい火山地形も見学できます。伊豆半島ジオパークは、フィリピン海プレートに乗って北上し、本州と衝突して半島となった成り立ちを持ち、火山島時代の溶岩や火山灰の地層を各所で確認できます。
参考)阿蘇のジオサイト紹介 - 阿蘇ジオパーク オフィシャルサイト
糸魚川ジオパークは、日本列島の東西を分けるフォッサマグナの西端に位置し、日本国石であるヒスイが産出されることでも有名です。親不知の断崖では、日本海から北アルプスまでの標高差による多彩な地形変化を体感できます。
参考)https://style.nikkei.com/article/DGXZZO53616920V00C13A4000000/
日本ジオパークネットワーク公式サイト
全国48地域のジオパークの詳細情報と各ジオサイトの一覧を確認できる総合サイト。ツーリング計画に必須の情報源です。
ジオサイトを効率よく巡るには、地域ごとのジオサイト一覧マップを活用したルート設計が重要です。山陰海岸ジオパークには、鳥取市、岩美町、新温泉町、香美町、豊岡市、京丹後市の各エリアにジオサイトが分散しているため、エリア別に1日から2日かけて巡るプランがおすすめです。
参考)ジオサイト - 山陰海岸ジオパーク|San’in Kaiga…
伊豆半島ジオパークでは、東伊豆から西伊豆を経由して南伊豆まで、半島をぐるりと一周するルートが定番で、細野高原、大室山、池、波勝崎、石廊崎・池の原、妻良子浦、弓ヶ浜などを2日間で効率的に回れます。途中、道の駅やビジターセンターで休憩を取りながら、地元の食材を使った料理を楽しむのもツーリングの醍醐味です。
参考)伊豆半島ジオパークサイト解説版一覧
阿蘇ジオパークの33ヵ所のジオサイトは、阿蘇カルデラを中心に配置されているため、やまなみハイウェイや阿蘇パノラマラインを走りながら、大観峰カルデラ、中岳、草千里、米塚などの主要ジオサイトを1日で回ることも可能です。ミルクロード草原エリアでは、北外輪に広がる広大な草原の中を走る爽快感を味わえます。
南紀熊野ジオパークでは、志原海岸、下鮎川の河岸段丘、救馬溪、彦五郎堤防など、海岸部と内陸部のジオサイトを組み合わせたロングツーリングコースも設定できます。
参考)https://ameblo.jp/chu1134/entry-12625462203.html
山陰海岸ジオパーク モデルコース
散策コースとツーリング向けルートの詳細情報が掲載されており、立岩周辺、琴引浜、城崎温泉などのコース設計に役立ちます。
バイクでジオサイトを巡る最大の魅力は、風を感じながら大地の成り立ちを体感できることです。車では通り過ぎてしまうような小さな地質露頭や、狭い林道の先にある隠れたジオサイトも、バイクなら気軽に立ち寄れます。山陰海岸ジオパークの越浜海岸や屏風岩など、アクセス路が狭い場所でも、バイクなら駐車スペースを気にせず訪れることができます。
参考)【京都府丹後編】旅ライダーおすすめのツーリングロードと特選ス…
ジオガイドの案内で巡るツアーに参加すれば、専門的な解説を聞きながら、地層や化石、火山活動の痕跡について深く学べます。特に玄武洞や阿蘇カルデラなど、地球科学的に重要なサイトでは、ガイドの説明があることで、単なる観光では得られない知識と感動を得られます。
参考)貴重で美しい地形・地質 - 山陰海岸ジオパーク|San’in…
意外な楽しみ方として、ジオサイト周辺の温泉や地元グルメも見逃せません。山陰海岸ジオパークの城崎温泉や小国郷温泉、南阿蘇の地獄・垂玉温泉など、火山活動がもたらす温泉資源もジオの恵みの一つです。鳥取砂丘のラッキョウや丹後砂丘のスイカ・メロンなど、砂丘地形を活用した農産物も、その地域のジオと人々の暮らしの関係を示す興味深い例です。
参考)色々な旅行のカタチ「ジオツーリズム」/ホームメイト
さらに、夕日や星空など、時間帯によって変化する景観も、ツーリング中の宿泊を伴う旅だからこそ楽しめる要素です。夕日ヶ浦や天橋立など、山陰海岸ジオパークには夕景が美しいスポットも多く、時間をかけてゆっくりと巡る価値があります。
参考)モデルコース - 山陰海岸ジオパーク|San’in Kaig…
伊豆半島ジオパーク トレイル・モデルコース
熱海から南伊豆まで、テーマ別に設定されたモデルコースの詳細情報。バイクツーリングの行程計画に参考になります。