
バイクの高速道路料金は、軽自動車と同じ車種区分に分類されています。これは日本の高速道路料金体系において、軽自動車等、普通車、中型車、大型車、特大車の5つの車種区分で設定されているためです。具体的には、普通車を1.0とした場合、軽自動車・二輪車の車種間比率は0.8となっており、普通車の約8割の料金で利用できます。
参考)https://www.goobike.com/magazine/ride/technique/63/
NEXCOによると、バイクが軽自動車と同じ料金区分である理由として、道路への負担割合、占有面積、受益の程度などが同程度と考えられることが挙げられています。しかしバイクは車体が小さく乗車人数も2人と少ないため、現在よりも料金を値下げするべきだという要望がライダーや二輪車団体から根強くあります。実際、2025年4月には国会議員が「軽自動車とバイク料金の分離化が決定」とブログで公表するなど、今後料金区分が見直される可能性も出てきています。
参考)国会議員が「高速道路バイク料金の新設」を明言! ついに二輪料…
高速道路料金の計算は明確な計算式に基づいて算出されています。基本的な計算式は「(ターミナルチャージ150円+走行距離km×1kmあたりの料金×車種間比率×長距離逓減率)×1.1(消費税)」となります。1kmあたりの料金は区間によって異なり、普通区間は24.6円、大都市近郊区間は29.52円、海峡部等特別区間は108.1円の3つに統一されています。
参考)https://www.firstaccess.co.jp/fa-blog/archives/2074
バイクの場合、車種間比率が0.8となるため、普通車よりも割安になります。また、100kmを超える長距離を走行する場合は長距離逓減制が適用され、100kmから200kmまでの部分は25%割引、200kmを超える部分は30%割引となります。算出後の料金は10円未満を四捨五入し、1万円を超える場合は100円未満を切り捨てます。この計算方法を理解しておくと、ツーリング前の予算計画が立てやすくなるでしょう。
参考)FAQサイト
高速道路料金を事前に調べるには、複数の便利な検索ツールが用意されています。NEXCO東日本の「ドラぷら」、NEXCO中日本、NEXCO西日本の各公式サイトでは、出発ICと到着ICを入力するだけで料金、距離、所要時間を一括で検索できます。これらのサイトでは車種区分を選択できるため、バイク(軽自動車等)の正確な料金を確認できます。
参考)【無料】高速料金アプリおすすめ6選|高速道路料金検索・渋滞情…
NAVITIMEなどのナビゲーションアプリも高速料金検索に対応しており、スマートフォンから手軽に調べられます。地図からICを選択できる機能もあるため、土地勘のない場所でも安心です。また、複数ルートの比較表示機能を使えば、時間・距離・料金のそれぞれで並び替えができ、最も合理的なルートを選択できます。渋滞予測や規制情報も確認できるため、ツーリング計画の強い味方となります。
参考)高速料金・ルート検索
バイクで高速道路を利用する際、ETC車載器を搭載していれば料金所をスムーズに通過できます。二輪車用ETC車載器は四輪車用とは異なる専用機器で、二輪車には二輪車用ETC2.0を使用する必要があります。ただしETCカードは二輪車と四輪車で共通で使用できるため、既にETCカードを持っている場合は車載器のみを追加すれば利用可能です。
参考)サービス利用に必要な機器:二輪車ETC│ETC総合情報ポータ…
ETC車載器を搭載していない場合でも、一般レーンから現金やクレジットカードで料金を支払えば高速道路を利用できます。しかし後述する二輪車定率割引やツーリングプランなどの割引を受けるには、ETC無線通信による走行が必須条件となります。首都高速道路などの大都市圏の高速道路では、軽自動車・二輪車の基本料金が280円~1,590円と設定されており、走行距離に応じて料金が変動します。
参考)https://www.zurich.co.jp/motorbike/guide/cc-fixed-rate-discount/
バイク料金が普通車より安く設定されている理由は、車種間比率という仕組みにあります。高速道路料金は、普通車を基準(比率1.0)として、他の車種との料金負担の公平性を保つために車種間比率が設定されています。バイクを含む軽自動車等の車種間比率は0.8で、これは道路への負担、占有面積、受益の程度などを総合的に判断して決められています。
参考)なぜ二輪車と軽自動車の高速道路料金は同等なのですか? | 通…
具体的には、バイクは車体が小さいため路面への負担が少なく、占有スペースも普通車より小さいという点が考慮されています。しかし乗車人数が最大2人と少なく、荷物も積めないため、受益の面でも普通車より低いと判断されます。この3つの要素を総合して、現在の0.8という比率が設定されているのです。ただし国土交通省では車種区分の見直しを検討中で、今後さらに割安になる可能性もあります。
二輪車定率割引は、土日・祝日にETC搭載バイクで対象の高速道路を利用すると、通常料金の37.5%が割引される制度です。2025年4月5日から開始されたこの割引は、主に日帰りツーリング需要の喚起を目的としています。適用条件として、一回の走行距離が80km以上であることと、事前にインターネットでの申し込みが必要です。
参考)旅行・ドライブ
割引の利用期間は、利用開始日(出発日)の0時から利用終了日の24時までで、1日から最大4日間の申し込みが可能です。申し込みはNEXCO各社の公式WEBサイトで行い、当日でもスマートフォンから走行直前に申し込めます。キャンセル料金がかからないため、天候などを見て柔軟に判断できる点も魅力です。もともとバイクの高速料金は普通車の約2割引ですが、二輪車定率割引を合わせると普通車の半額程度になります。
参考)ETC二輪車限定の「ツーリングプラン」を4月1日(火)から開…
二輪車定率割引の最新情報と申し込み方法について詳しく解説されています(チューリッヒ保険)
ツーリングプランは、最大2日間または3日間、対象エリアの高速道路が定額で乗り降り自由となるETC二輪車限定の企画割引商品です。2025年は全22コースが設定されており、北海道から九州までの各地域で利用できます。プラン料金は2,000円から6,100円まで、コースや利用期間によって異なります。
参考)2025ツーリングプランは全部で22コース!出発前に申し込め…
各コースは地域ごとに設定されており、例えば首都圏では関越道・東北道コースが2日間3,000円、中京圏では東名・中央道コースワイドが3日間6,000円などとなっています。ご利用になる日時や区間によっては通常料金の半額程度となり、お得にツーリングを楽しめます。申し込みはNEXCO各社の公式WEBサイト(ドラぷら、速旅、みち旅)で行い、利用前のキャンセル料金はかかりません。注意点として、対象エリア外を走行した場合は別途料金が請求されるため、ルート計画をしっかり立てることが重要です。
参考)2025ツーリングプラン
NEXCO東日本のツーリングプラン公式ページで、コースや料金の詳細を確認できます
深夜割引は、毎日0時から4時の間に高速道路を走行すると、通常料金の30%が割引される制度です。時間帯以前の進入や時間帯以後の退出も適用対象となります。高速道路を流出する時間が22時台の場合は20%が深夜割引の割引率として適用されます。深夜割引の還元額は、深夜割引時間帯に走行した分のみ30%還元される仕組みで、入口料金所、出口料金所及び本線上のETCアンテナの通信記録から走行距離を算出します。
参考)【バイク高速道路割引】2つの高速割引制度を徹底比較&体験談3…
休日割引は、土日・祝日に地方部の高速道路を利用すると、通常料金の30%が割引される制度です。ただし、東京・大阪近郊の区間は割引対象外となるため注意が必要です。東京近郊では東北道(川口JCT~加須)、常磐道(三郷~谷田部)、関越道(練馬~東松山)などが対象外、大阪近郊では名神高速(大津~西宮)、中国道(中国吹田~西宮北)などが対象外となります。深夜割引と休日割引は事前申し込みが不要で、ETC車載器を搭載していれば自動的に適用されるため、手軽に利用できます。
参考)ETC 休日割引
平日朝夕割引は、平日(月~金)の朝(6時~9時)と夕方(17時~20時)の指定時間内に高速道路を利用すると、利用回数に応じて通行料金の30~50%が還元される割引です。還元率は1ヵ月間の利用回数で決まり、5~9回で30%、10回以上で50%が還元されます。通勤や定期的な移動で高速道路を利用するライダーにとって、大きなメリットとなる制度です。
参考)https://www.zurich.co.jp/carlife/cc-highway-discount-etc/
ETCマイレージサービスは、ETCによる高速道路の通行料金の支払額に応じてポイントが貯まり、そのポイントを還元額(無料通行分)と交換できる年会費無料のサービスです。二輪車用ETC車載器を搭載していなくても、ETCカードの情報でマイレージサービスに登録できます。過去には二輪車登録を行った人に600ポイントをプレゼントするキャンペーンも実施されました。ポイントは東/中/西日本高速道路(株)ごとに貯まり、一定ポイント以上で還元額と交換できるため、頻繁に高速道路を利用するライダーは必ず登録しておくべきサービスです。
参考)https://www.etc-meisai.jp/waribiki.html
ETCマイレージサービスの公式サイトで登録や交換手続きができます
複数の割引制度を組み合わせることで、さらにお得に高速道路を利用できます。例えば、二輪車定率割引とツーリングプランを同じ日に申し込んだ場合、ツーリングプラン対象エリア内の走行はツーリングプランが適用され、対象エリア外の走行には二輪車定率割引が適用されます。ただし、ツーリングプラン対象エリア内の走行距離が短く、エリア外の走行距離が長い場合でも、エリア内走行分はツーリングプランが優先されます。
割引制度を利用する際の注意点として、二輪車定率割引とツーリングプランは事前申し込みが必須で、登録したETCカードとETC車載器以外では割引が適用されません。また、首都高速道路やその他地方道路公社が管理する有料道路は対象外となり、別途料金が必要です。深夜割引と休日割引は併用できませんが、どちらか有利な方が自動的に適用されます。割引の適用条件や対象道路をしっかり確認して、賢くツーリングを楽しみましょう。
参考)ETC割引・各種割引