キャリパー スライドピン グリス選び方と塗り方でメンテナンス効果向上

キャリパー スライドピン グリス選び方と塗り方でメンテナンス効果向上

キャリパー スライドピン グリス

この記事の要点
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適切なグリス選びが重要

シリコングリスやラバーグリスなど耐熱性・耐水性に優れたグリスを使用することで固着を防止できます

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定期的なメンテナンスが必須

車検ごとの清掃とグリス塗布で長期的なトラブルを予防し、ブレーキ性能を維持できます

正しい塗布量と方法

グリスの塗りすぎは引きずりの原因となるため、薄く均一に塗布することがポイントです

キャリパー スライドピン グリスの種類と選び方


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ブレーキキャリパーのスライドピンに使用するグリスには、主にシリコングリスとラバーグリスがあります。シリコンベースのグリスは高温や湿気に強く、通常最高260℃までの温度で効果を発揮するため、過酷な走行条件でも性能を維持できます。一方、ラバーグリスはゴムやプラスチック部品との互換性が高く、ダストブーツを劣化させにくい特性があります。バイクのブレーキキャリパーには特にシリコングリスが推奨されており、金属同士の潤滑にはあまり向いていませんが、プラスチックやゴムの潤滑に適しています。
参考)https://www.monotaro.com/k/store/%E3%82%B9%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%89%E3%83%94%E3%83%B3%E3%82%B0%E3%83%AA%E3%82%B9/

グリス選びで重要なのは耐熱性と耐水性です。スライドピンは外にさらされている部分なので、水に強いグリスが必要になります。また、ブレーキ時には高温になるため、温度による劣化が少ない製品を選ぶことが長期的なメンテナンスサイクルの維持に繋がります。
参考)ブレーキグリースは本当に必要か
​youtube​

グリスの種類 特徴 温度範囲 主な用途
シリコングリス 耐熱性・耐水性が高く、ゴム部品に優しい​ -40℃~260℃​ キャリパースライド、ガイドピン​
ラバーグリス ゴム・プラスチックとの互換性が高い​ 用途に応じて変動 スライドピン、ブーツ接触部youtube​
リチウムグリス 高圧環境に強く、錆・酸化防止​ -40℃~149℃​ 金属同士の接触部分​

キャリパー スライドピンへの正しいグリス塗り方

スライドピンへのグリス塗布は適量が重要で、塗りすぎるとピン穴内部の空気が逃げられず、スライドピンが跳ね返されてしまいます。正しい塗布方法は、まずスライドピン穴内部とピン本体の古いグリスを完全に拭き取ることから始めます。パーツクリーナーを使用した場合は、ピンブーツやピンブシを損傷させないよう、完全に乾くまで十分にエアブローしてください。youtube​
参考)ブレーキが深い フロントブレーキ・キャリパースライドピン 錆…

スライドピン本体には薄く均一にグリスを塗布し、表面が白く覆われる程度の量が適切です。スライドピンを押し込んで手を離した際に跳ね返される場合は塗りすぎで、適量であれば跳ね返されません。また、ピンブーツの装着溝にもグリスを薄く塗ることで密着性を高め、防錆効果も得られます。組み付け後は、ブーツ内に溜まった空気をブーツをつまんで排出することを忘れないでください。​youtube​
🔧 塗布手順のポイント

キャリパー スライドピン固着の原因と防止策

スライドピンが固着する主な原因はグリス切れによる錆び付きです。グリスが劣化すると雨水などがピンとブーツのすき間に浸入し、スライドピンに錆が発生します。実際には数年間ノーメンテナンスの状態が続くと、スライドピンの表面がガタガタになるほど錆びてしまうことがあります。スライドピンの潤滑不足はキャリパーのスライド方向の動きを悪化させ、ブレーキパッドの偏摩耗や引きずりといったトラブルを引き起こします。
参考)ブレーキキャリパーのスライドピンの固着はなぜ起こるのか? -…

固着を防ぐためには定期的な点検とグリス管理が不可欠です。特にダストブーツの状態確認が重要で、ブーツが破れているとそこから湿気が侵入してしまいます。ブーツが破れたまま使用を続けると、入った水は抜けにくく、錆びやすい環境を作ってしまいます。車検ごとにスライドピンの清掃とグリス塗布を行えば、固着を未然に防ぐことができます。youtube​
参考)https://ameblo.jp/zeromaxminamikantou/entry-12608355179.html

💡 固着防止のチェックリスト

キャリパー スライドピン メンテナンス頻度と交換時期

スライドピンのメンテナンス頻度は使用環境によって異なりますが、基本的には車検ごと(2年に1回)の清掃とグリス塗布が推奨されます。事業用車両の場合は3ヶ月ごと、自家用貨物自動車では6ヶ月ごとにキャリパーの機能点検が法令で定められています。グリスの劣化状態は色で判断でき、白色を保っていれば十分に機能していますが、グレーになってきたら次の車検で塗り替え、黒よりのグレーになったら必ず塗り替えが必要です。youtube+1​​
スライドピン自体の交換が必要になるケースは、異常な摩耗、損傷、腐食、亀裂、固着が見られた場合です。45年間で一度も交換したことがないという整備士もいるように、適切なメンテナンスを行っていれば長期間使用できます。ただし、錆で摺動が固着した状態や、ピン本体に深い傷がある場合は、グリス塗布だけでは解決できず、キャリパーアッセンブリーごと交換する必要があります。
参考)ブレーキキャリパーのスライドピンの交換の必要性はどんな時にあ…

点検項目 推奨頻度 確認内容
目視点検 日常~1ヶ月ごと​ ブーツの破れ、グリス漏れ​
機能点検 車検時(2年ごと)youtube​ 摺動性、固着の有無​
グリス塗り替え 2~4年youtube+1​ グリスの色、劣化状態youtube​
部品交換 異常発生時​ 摩耗、損傷、腐食、亀裂​

キャリパー グリス塗布で防げるトラブル事例

適切なグリス管理によって多くのブレーキトラブルを未然に防ぐことができます。最も一般的なのはブレーキの引きずりで、スライドピンの潤滑不足によりキャリパーが正常に動かず、ブレーキパッドが常にディスクローターに接触した状態になります。この状態が続くとパッドの偏摩耗やディスクローターの過熱、最悪の場合はローター割れにつながる可能性があります。
参考)ブレーキ部品の取扱い上の注意事項について(保証期間延長等のそ…

また、荒れた路面でのゴロゴロ・ガタゴトという異音もスライドピンのグリス切れが原因であることが多く、グリスアップにより解消されます。ブレーキパッドの不均一な摩耗もスライドピンの固着や油切れによって発生し、パッドが片側でしか効果的に機能しなくなります。定期的なグリス塗布はこれらのトラブルを防ぎ、ブレーキの制動力を均一に保つことで安全性を確保します。
参考)車のブレーキパッドが不均等に摩耗する5つの理由

⚠️ グリス不足で起こるトラブル

ブレーキグリスの正しい使い分けについて詳しく解説されています
整備士向けのスライドピン徹底清掃とグリスの詰め方の実演動画

 

 


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