
武蔵 オイルシール UE 17 38 10 軸径17mm×外径38mm×幅10mm*ダスト・水滴の侵入防止 ニトリル NBR UE173810
日本国内で流通しているオイルシールには、主に3つの規格体系が存在します。JIS(日本産業規格/JIS B 2402)、JASO規格(日本自動車技術会規格/JASO F 401)、そしてISO規格(国際標準化機構規格)です。これらの規格は互いに互換性を持ちながらも、それぞれ独自の型式表記を採用しています。
参考)https://www.sakura-seal.co.jp/category/1921968.html
バイクの整備で最も頻繁に使用されるのは、JASO規格に準拠したオイルシールです。二輪車メーカーは日本自動車技術会の規格を基準としているため、純正部品の多くがこの規格に沿って設計されています。一方、汎用部品や産業機械用のオイルシールではJIS規格が主流となっており、メーカーごとに独自の型式を持つものもあります。
参考)https://koyo.jtekt.co.jp/support/catalog-download/uploads/catrs001ja.pdf
規格の選択を誤ると、寸法が合わずにオイル漏れの原因となるだけでなく、耐久性や密封性能にも影響します。特にバイクのフロントフォークやエンジン周りなど、高い密封性が求められる部位では、適切な規格の選定が不可欠です。
参考)オイルシール(その2) ~オイルシールの「選び方」~
オイルシールの型式表記は、その構造と用途を示す重要な情報です。例えばTC型は、金属ツバ付きでダストリップを備えた最も一般的な型式で、回転軸用の油密封に使用されます。一方、SC型は金属環付きでダストリップを持たず、ダストのない環境での使用に適しています。
参考)オイルシールの基礎知識 【通販モノタロウ】
型式 | 構造の特徴 | 主な用途 | 使用環境 |
---|---|---|---|
TC型 | 金属ツバ付き・ダストリップあり | 回転軸の油密封 | 油用・ダストあり |
SC型 | 金属環付き・ダストリップなし | 清浄環境での油密封 | 油用・ダストなし |
TB型 | 金属ツバ付き・外バネ式 | 高圧回転軸 | 油用・ダスト対策強化 |
VC型 | Vリップ式 | グリース密封 | グリース・ダストあり |
メーカーによって型式の呼び方は異なりますが、基本的な構造は共通しています。NOKではTC型と呼ばれるものが、武蔵オイルシールではUE型と表記されるなど、対照表を参照することで相互の対応関係を理解できます。バイクのフロントフォークには、通常ダストリップを備えたTC型やTB型が使用されることが多いです。
参考)オイルシールメーカー型式対照表
型式の選定では、密封対象物の種類(油・グリース・水など)、回転速度、圧力条件、外部からのダストの有無を考慮する必要があります。これらの条件を満たさない型式を選ぶと、早期の劣化やオイル漏れにつながります。
参考)オイルシール 選定
オイルシールの性能を左右する最も重要な要素の一つが、ゴム部分の材質です。ニトリルゴム(NBR)は、オイルシール全体の80%以上を占める最も一般的な材質で、耐熱性・耐寒性・摩耗性のバランスに優れています。使用温度範囲は-30℃~100℃で、多くのバイクのエンジンオイルやフロントフォークオイルの密封に適しています。
参考)オイルシールで漏れが発生する!オイルシールに適した素材と、予…
より過酷な条件下では、水素化ニトリルゴム(HNBR)が選ばれます。使用温度範囲は-30℃~140℃と広く、NBRよりも耐熱性と耐摩耗性に優れているため、高温環境や高負荷がかかる部位に最適です。スポーツバイクのエンジン周りや、長時間の高速走行を行う車両には、HNBRの採用が推奨されます。
参考)オイルシールを構成する材料 - 武蔵オイルシール工業株式会社
材質選定では、密封する液体の種類も重要です。通常のエンジンオイルにはNBRで十分ですが、特殊な添加剤を含む合成オイルや、ガソリンに直接触れる部位には、耐燃料油用のNBR配合や、より耐薬品性の高い材質を選ぶ必要があります。材質を誤ると、ゴムの膨潤や硬化が進み、短期間でオイル漏れが発生する原因となります。
参考)https://www.witc.co.jp/blog/blog-20220602/
オイルシールのサイズは、内径(軸径)×外径×厚さの3つの寸法で表されます。サイズ選定で最も重要なのは、シャフト径を正確に測定することです。外したオイルシールの内径を測るのではなく、必ず取り付ける車両側のシャフト径を採寸してください。オイルシールは使用により内径が広がっているため、古いシールの寸法では正確な選定ができません。
参考)オイルシール採寸について質問です。 - 品番の分からないオイ…
軸径の寸法公差は、オイルシールの密封性能に直接影響します。JIS規格では、軸の外径公差はh11が標準とされており、表面粗さは0.2~1.6μmRaの範囲が推奨されています。軸が摩耗していたり傷がある場合、新しいオイルシールに交換してもオイル漏れが止まらないことがあります。
参考)オイルシール - ハウジングについて
ハウジング穴の寸法公差も重要で、オイルシールの呼び寸法が400mm以下であればJIS H8、400mmを超える場合はJIS H7が適切です。外周金属タイプのオイルシールでは、ハウジング穴の表面粗さは0.4~1.6μmRa、外周ゴムタイプでは1.6~3.2μmRaが基準となります。
バイクのフロントフォークの場合、インナーチューブの外径とアウターチューブの内径を正確に測定し、それに対応するオイルシールサイズを選定します。車種ごとに専用設計されているため、サービスマニュアルで指定寸法を確認するのが最も確実です。
参考)バイクのフロントフォークオーバーホール編|ライズオイル(旧エ…
バイクのオイルシール交換時期は、使用環境により大きく異なりますが、一般的な目安は走行距離10万km、または使用期間10年程度とされています。ただし、フロントフォークのオイルシールは、より頻繁な交換が必要で、5,000km~10,000km走行ごとの定期交換が推奨されています。
参考)https://www.zurich.co.jp/carlife/cc-whatis-oil-seal/
オイルシールから滲みや漏れが見られる前に、予防整備として交換することが理想的です。フロントフォークからオイルが滲み始めた状態を放置すると、ダストシールにも亀裂が発生し、外部からの異物侵入により内部パーツの摩耗が進行します。ブレーキ点検やベルト交換などの機会に合わせて、オイルシールの状態確認と交換を行うことで、予期せぬトラブルを防げます。
参考)https://www.goobike.com/magazine/maintenance/maintenance/49/
取付作業では、いくつかの重要な注意点があります。まず、オイルシールのリップ部が密封したい部品側を向くように装着し、ハウジング穴に対して水平に設置することが必須です。傾斜した状態で無理に圧入すると、シール部が損傷し、オイル漏れの原因となります。
参考)https://www.sakura-seal.co.jp/category/1950348.html
インナーチューブへの挿入時は、薄いビニールをかぶせてからオイルシールをはめることで、チューブの角でシールを傷つけることを防げます。また、組込み前には必ず異物の付着や傷・サビがないか確認し、リップ部しゅう動面にグリースを薄く塗布することで、初期摩耗を防止できます。専用の治具を使用し、均等に加圧して組み込むことで、長期的な密封性能を確保できます。
参考)オイルシール 取扱い回答14
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