
電子タバコのリキッドに使用されるプロピレングリコール(PG)は、香料を溶かす性質を持つ無味無臭の液体成分です。化粧品や加工食品にも含まれており、殺菌作用も持つ一般的な食品添加物として認められています。電子タバコでは、植物性グリセリン(VG)と混ぜ合わせたものに香料を加えることで、リキッドとして使用されています。
参考)https://liberty-flights.shop/column/howto/tsukaikata23/
プロピレングリコールはリキッド全体の主要構成要素であり、電子タバコの液体容量の最大95%を占めることもあります。加熱式タバコにおいては、紙巻きタバコの20倍から500倍ものプロピレングリコールが含まれているという研究結果も報告されています。この成分は、電子タバコの蒸気生成において中心的な役割を果たしているのです。
参考)302 Found
配合比率によって電子タバコの使用感は大きく変わります。プロピレングリコールの比率が高いリキッドは、フレーバーの味をしっかりと感じやすく、キック感(吸いごたえ)が強くなる特徴があります。一方で、植物性グリセリンの比率が高いと蒸気量が増加し、甘みを感じやすくなります。
参考)電子タバコリキッドのVG、PGの違いと意味。比率で味も変わる…
(国産) (VG)(PG)単品 植物性 グリセリン プロピレングリコールセット 330ml
電子タバコリキッドの基本構成は、プロピレングリコール(PG)、植物性グリセリン(VG)、香料の3つから成ります。プロピレングリコールは分子量が小さく、体内に浸透しやすい性質を持っています。この特性により、有効成分を体内に届ける役割も果たしますが、同時に有害物質を体内に吸収・蓄積させる可能性も指摘されています。
参考)プロピレングリコールについて
リキッドに含まれる成分は、加熱されることで化学変化を起こします。プロピレングリコールを加熱すると、ホルムアルデヒドやアクロレイン、メチルグリオキサールなどの有害化学物質が生成されることが研究で確認されています。特にメチルグリオキサールは、気管支閉塞症(ポップコーン肺)に関連するジアセチルよりも低濃度で上皮壊死を引き起こすとされています。
参考)https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC7825490/
厚生労働省研究班による加熱式タバコの化学物質分析報告(PDFファイル)
電子タバコのエアロゾルからは、多様な化学物質が検出されています。ニコチン、熱分解生成物、その他の毒性物質や発がん性物質が含まれており、健康や環境への影響が懸念されています。これらの物質は、単に食品として摂取する場合とは異なり、肺の奥まで吸い込まれるため、その安全性は確立されていません。
参考)https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC4304610/
プロピレングリコールは比較的毒性が低いとされていますが、吸引による健康影響については多くの懸念が示されています。アメリカでは電子タバコが原因と見られる呼吸困難、息切れ、胸の痛み、おう吐、下痢、発熱などの健康被害が発生しています。これらの症状は、リキッド成分の吸引が呼吸器系に深刻な影響を与える可能性を示唆しています。
参考)新型タバコ(加熱式・電子)がもたらす健康被害
研究によると、プロピレングリコールの電子タバコエアロゾルは気管支や肺に炎症を引き起こし、重い肺炎を引き起こす可能性があることが否定できません。特に気道を刺激して、咳・息切れ・喘息発作などの症状を誘発することが確認されています。プロピレングリコールのエアロゾルは気道上皮細胞のBKチャネル活性や粘液線毛機能のパラメータを損なうという動物実験の結果も報告されています。
参考)https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC10042605/
日本禁煙学会による加熱式タバコの健康影響に関する情報(PDFファイル)
長期使用による健康リスクについては、まだ不明な点が多いのが現状です。一部の報告では電子タバコの蒸気から発がん性物質が検出された事例もあります。プロピレングリコールと植物性グリセリンの混合物は、気道上皮細胞におけるグルコース取り込みとその代謝を減少させることも示されており、細胞レベルでの悪影響が懸念されています。
参考)https://journals.physiology.org/doi/pdf/10.1152/ajplung.00123.2020
電子タバコリキッドを選ぶ際には、PG(プロピレングリコール)とVG(植物性グリセリン)の配合比率が重要な判断基準となります。PGの配合比率が高いリキッドは、味わいがしっかりと感じられ、キック感が強くなる特徴があります。フレーバーを存分に楽しみたい方や、紙巻きタバコに近い吸いごたえを求める方には、PG比率が高いリキッドがおすすめです。
参考)https://liberty-flights.shop/column/howto/tsukaikata11/
VGの比率が多い場合、水蒸気(煙)の量が多くなり、若干の甘みを感じやすくなります。爆煙を楽しみたい方には、VG比率の高いリキッドが適していますが、VGの比率があまりにも高いとコイルの焦げ付き(ガンク)が増えるため注意が必要です。一般的には、PG30%/VG70%やPG50%/VG50%といった配合バランスのリキッドが市販されています。
リキッドの品質と安全性にも注意を払う必要があります。2020年には日本国内で販売されたリキッドから大麻成分が検出された事例もあり、信頼できる製造元の製品を選ぶことが重要です。また、ニコチンを含むリキッドは心血管系への負担も考慮しなければなりません。日本国内ではニコチン入りリキッドの販売は禁止されているため、購入する際は成分表示を必ず確認しましょう。
参考)電子タバコによる健康被害はある?ニコチンやタールは含まれてい…
バイクを運転しながらの電子タバコ使用については、法的な側面と安全面の両方から考慮が必要です。国が定める法令には、バイク運転中の喫煙について直接記載している条文はありませんが、道路交通法第70条の「安全運転の義務」に抵触する可能性があります。ハンドルを確実に操作するには両手でしっかりとハンドルを握る必要があり、電子タバコを手に持ったままの運転は危険です。
参考)【ビギナーQ&A】タバコを吸いながらのバイク走行は違反じゃな…
地域によっては条例でバイク運転中の喫煙を禁止しているところもあります。東京都足立区の「足立区歩行喫煙防止及びまちをきれいにする条例」では、歩行喫煙の中に「自転車、バイク等の運転中も含む」と説明されています。大阪市でも「大阪市路上喫煙の防止に関する条例」として、原付やバイクで走行しながらの喫煙が禁止されています。
電子タバコは火を使わないため、火の粉や灰が出ないという利点はあります。しかし、運転中の注意力散漫や片手運転のリスクは、紙巻きタバコと変わりません。市区町村を跨ぐ移動の際には、走行地域の条例に従う必要があるため、基本的にはバイクで走行している場合の喫煙は控えるべきです。安全運転を最優先し、休憩時に停車してから使用することが推奨されます。
参考)https://ameblo.jp/gifu-ryutaro/entry-12484392177.html
電子タバコを正しく安全に使用するためには、いくつかの重要な注意点があります。リキッド式の電子タバコでは、リキッドを入れすぎないように気を付ける必要があります。リキッドを入れすぎると液漏れの原因となり、デバイスの故障につながる可能性があります。適量を守り、タンクの最大容量を超えないよう注意しましょう。
参考)電子タバコ(VAPE)の吸い方は?むせないコツと基本情報を解…
リキッドを補充した後は、5~10分ほど時間を置いて十分にウィック(コットン)にリキッドを染み込ませる必要があります。リキッドが十分に染み込んでいない状態で吸うと、コイルが空炊きの状態になり焦げてしまいます。これは焦げ臭いにおいの原因や故障にもつながるため、必ず待ち時間を設けましょう。
吸い方にも配慮が必要です。電子タバコには、口にためてから吸い込む「マウストゥーラング(MTL)」と、深く吸い込む「ダイレクトラング(DL)」という吸い方があります。初心者の方やフレーバーの味を存分に楽しみたい方には、マウストゥーラングがおすすめです。デバイスの過熱を防ぎ、リキッドの消費量も抑えられます。
電子タバコの成分に対するアレルギー反応にも注意が必要です。プロピレングリコールや香料成分に対して敏感な方は、使用前に成分表示を確認し、少量から試すことをお勧めします。また、電子タバコは完全に安全とは言えないため、非喫煙者が新たに使用を始めることは避けるべきです。
参考)電子タバコ・加熱式タバコは本当に安全?|元八事ファミリー内科…