

レジンは「樹脂」という意味で、液体から固体へ変化する特別な素材です。UVレジンは紫外線(UV)のエネルギーを受けると化学反応が起こり、数分で固まる性質を持っています。天然のレジンは植物から出る「やに」で、化石になったものが琥珀(こはく)として知られています。一方、工作で使うUVレジンは石油から作られる合成樹脂で、透明でプラスチックのように硬くなるのが特徴です。
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小学生の自由研究に最適な理由は、材料の入手が簡単で、制作工程がシンプルだからです。手芸店や100円ショップで必要な道具がすべて揃い、基本的な作業はレジン液を型に流して紫外線で固めるだけという手軽さがあります。アイデア次第でアクセサリーから標本まで様々な作品が作れるため、低学年から高学年まで幅広い年齢層が楽しめます。
参考)https://ameblo.jp/yusyura08/entry-12815081363.html
化学的な観点から見ると、UVレジンは光重合という反応を利用しています。液体のレジンに含まれる分子が紫外線のエネルギーを受けると、分子同士が結合して網目状の構造を作り、固体へと変化します。この過程は可逆的ではなく、一度固まったレジンは元の液体には戻りません。
参考)クラフト用UVレジンの仕組みについて|工作|OMOCHA J…
基本的な材料と道具は以下の通りです。UVレジン液(ハードタイプまたはソフトタイプ)、UV-LEDライト、シリコンモールド(型)、つまようじ、クリアファイルの切れ端がパレットとして使えます。安全のためポリエチレン手袋とレジンクリーナー、コットンも必要です。装飾用のパーツとして、ラインストーン、ビーズ、押し花、砂、小さな貝殻などを用意しましょう。
参考)【自由研究】レジンで小さな海をつくろう
100均で揃う材料のメリットは、コストパフォーマンスの高さです。ダイソーやセリアなどの100円ショップでは、UVレジン液(5gで110円程度)、UVライト、シリコンモールド、デコレーション用パーツまで一通り購入できます。初心者は色付きやラメ入りのレジン液を活用すると、簡単に華やかな作品が作れます。
参考)【夏の自由工作】100均でも材料がそろう!UVレジンアクセサ…
作業環境の準備も重要です。風通しの良い場所で作業し、レジン液のにおいを吸い込まないよう注意してください。直射日光が当たらない室内で型にレジンを流し込み、屋外で太陽光に当てて硬化させる方法もあります。手や道具にレジン液が付いた場合は、すぐにレジンクリーナーで拭き取りましょう。
参考)UVレジンで標本づくり|工作|自由研究プロジェクト|学研×朝…
UVレジンの硬化メカニズムは光重合反応に基づいています。レジン液には光開始剤という物質が含まれており、紫外線を吸収すると活性化してラジカルという反応性の高い分子を生成します。このラジカルがレジンの主成分であるアクリレートモノマーに次々と結合し、長い鎖状の高分子(ポリマー)を形成します。この連鎖反応により、液体が固体へと変化するのです。
参考)UV硬化の仕組み - ケイエルブイ
紫外線の種類とエネルギーについても理解を深めましょう。太陽光に含まれる紫外線にはUV-AとUV-Bがあり、UV-Aは細胞を活性化させ、UV-Bは日焼けの原因となりビタミンD生成にも関わります。UVレジンはこれらの紫外線エネルギーを利用して硬化します。人間の目には見えない光ですが、可視光よりも大きなエネルギーを持っているため、化学反応を引き起こす力があります。
硬化時間と条件の研究テーマとして、太陽光とUVライトの硬化速度の違いを比較できます。晴れた日の直射日光では3〜10分で硬化しますが、曇りの日や室内では時間がかかります。UVライトを使用すれば天候に関係なく短時間で硬化できます。レジンの厚さによっても硬化時間が変わるため、3mm程度ずつ層を重ねて硬化させる方法が推奨されています。
標本作りの基本工程は、まず型作りから始まります。お湯で柔らかくなる粘土を使って、直径15mm程度の棒に粘土を巻き付けて円筒形の型を作ります。底を平らにして粘土が固まったら棒を抜き、はさみで口の部分を整えれば型の完成です。この型は何度も再利用できるので、複数の標本を作る際に便利です。
標本にする素材の準備方法として、貝殻は水洗いして完全に乾燥させます。花は押し花にして水分を抜くことが重要です。水気が残っているとレジンが曇ったり、カビが生える原因になります。小さな昆虫や植物の種も標本にできますが、必ず乾燥させてから使用してください。
レジンの流し込みと硬化作業は慎重に行います。型にレジン液を3mm程度流し込み、つまようじで気泡を潰します。太陽光に3〜10分当てて硬化させたら、標本にしたいものを中央に配置します。再びレジン液を3mm流し込んで硬化させる工程を、型が満たされるまで繰り返します。完全に硬化したら型から取り出して完成です。
ミール皿を使ったペンダント作りは初心者におすすめです。ミール皿の底に薄くレジン液を塗り、気泡をつまようじで潰します。この薄いレジン層が接着剤の役割を果たします。デザインしたパーツを配置したら、再びレジン液をかぶせて硬化させます。表面が滑らかになるよう、レジン液は多めに盛り付けると美しい仕上がりになります。
参考)https://www.lemon8-app.com/@.5298952/7533511832288428549?region=jp
気泡の除去方法と対策は作品のクオリティを左右します。レジン液を流し込む際に気泡ができたら、すぐにつまようじでつついて潰しましょう。気泡を放置すると透明感が損なわれ、見た目が悪くなります。レジン液をゆっくり注ぐことや、硬化前に軽く揺らして気泡を浮き上がらせる方法も効果的です。
色付けとデコレーションのアイデアとして、アクリル絵の具を少量混ぜて着色できます。青と緑の絵の具で海を表現したり、ラメやホログラムを加えてキラキラ感を演出できます。ラインストーンは多彩な色があり、配置次第でオリジナリティあふれる作品になります。レジン液自体に色やラメが入った製品も100均で購入できるため、初心者はそちらから始めるのも良いでしょう。
参考)100均レジンは初心者におすすめ!手軽に買えて簡単にアクセサ…
自由研究の基本9項目を意識して構成します。①タイトル、②研究のきっかけ、③予想/調べたいこと、④方法・道具、⑤結果、⑥わかったこと、⑦感想、⑧参考にしたもの、⑨日付・名前を含めると評価されやすくなります。単に結果を書くだけでなく、「なぜこのテーマを選んだのか」「この結果からどんなことが導き出せるのか」という自分なりの考察を加えることが重要です。
参考)これでカンペキ!自由研究のまとめ方のコツ【簡単に書けるフォー…
進研ゼミ 小学講座:自由研究のまとめ方のコツ
自由研究の基本9項目の詳しい説明と、見やすくまとめるレイアウトの参考例が掲載されています。
実験データの記録方法として、硬化時間の比較実験を行った場合は表にまとめると分かりやすくなります。太陽光とUVライト、レジンの厚さによる硬化時間の違いを測定し、グラフや表で視覚化しましょう。写真も効果的で、制作過程や完成品を撮影して貼り付けると説得力が増します。
| 硬化条件 | レジンの厚さ | 硬化時間 | 観察結果 |
|---|---|---|---|
| 晴天の直射日光 | 3mm | 3〜5分 | 完全に硬化 |
| 曇天の自然光 | 3mm | 10〜15分 | やや柔らかめ |
| UVライト | 3mm | 2〜3分 | 均一に硬化 |
| 太陽光 | 5mm以上 | 15分以上 | 表面のみ硬化 |
科学的考察の書き方のコツは、観察した事実と自分の考えを区別することです。「レジンが固まったのは紫外線による光重合反応のため」という科学的事実と、「厚いレジンは中心まで光が届かないから硬化に時間がかかると考えた」という自分の考察を分けて記述しましょう。高学年や中学生は化学反応式や分子構造図を調べて加えると、より専門的な内容になります。
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