ロンスイ チェーン調整の方法とコツ

ロンスイ チェーン調整の方法とコツ

ロンスイ チェーン調整

この記事で分かること
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ロンスイ特有の調整方法

スイングアーム延長後のチェーン張り調整とアライメント調整の基本手順

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チェーンテンショナーの効果

ロンスイ化によるチェーンの暴れを抑える便利パーツの取り付けと活用法

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左右均等調整のコツ

チェーンアジャスターの目盛り調整とアライメント確認の重要ポイント

ロンスイ チェーン調整の基本手順

ロングスイングアーム(ロンスイ)カスタムを施したバイクのチェーン調整は、通常の調整とは異なる点がいくつかあります。スイングアームが延長されることで、チェーンが長くなり、張りの調整範囲も変化するため、慎重な作業が必要です。
参考)バイクのチェーン張り調整方法

まず、リアスタンドやセンタースタンドを使用してリアタイヤを浮かせた状態にします。この状態でアクスルナットをスピンナハンドルで緩め、手で動く程度まで緩めておきます。次に、スイングアーム両端に取り付けられているチェーンアジャスターの固定ナットを緩めます。​
チェーンの遊び(たわみ)は、フロントスプロケットとリアスプロケットの中間位置で測定します。サービスマニュアルに記載されている指定数値内に収めることが重要で、一般的には15~35mm程度の範囲です。遊びが少なすぎるとリアサスペンションが正常に機能せず、路面追従性が低下して転倒の危険性が高まります。
参考)チェーン調整で重要なたわみ量合わせ。数字を合わせるだけで左右…

調整時には、チェーンアジャスターのボルトを時計回りに回すとタイヤが後方に移動してチェーンが張り、反時計回りに回すとチェーンが緩みます。左右のアジャスターを少しずつ均等に調整しながら、適正な張りに近づけていくのがコツです。
参考)グラストラッカー ロンスイ化&リアタイヤ交換 <その4> :…

ロンスイのチェーンテンショナー活用法

ロンスイカスタムを行うと、チェーンが長くなることで段差やギアチェンジ時にチェーンがガチャガチャと暴れやすくなります。この問題を解決する有効なパーツがチェーンテンショナーです。youtube​
参考)hitoさんの投稿した愛車情報(TW200/E) - 今回は…

チェーンテンショナーは、チェーンに常にテンションをかけることで暴れを抑制し、チェーン脱落のリスクも低減します。TW200などのロンスイカスタム車両では、2,000~2,500円程度の比較的安価なテンショナーでも効果が高く、取り付け後はチェーンの異音が大幅に軽減されることが多くのユーザーから報告されています。youtube+1​
取り付けは、スイングアームに専用のステーを固定し、チェーンに接触するローラー部分の位置を調整します。ローラーがチェーンを適度に押さえることで、走行中の振動や衝撃によるチェーンの暴れを防ぎます。取り付け時にはネジロック剤の使用が推奨され、振動による緩みを防止することが重要です。
参考)GS1000と日々の日記:ドライブチェーンテンショナーのもう…
​youtube​
あまり知られていませんが、チェーンテンショナーには加速時や減速時のスイングアーム角度にも影響を及ぼす効果があり、リア周りの安定性向上にも寄与します。特にハードなコーナー進入時の安定性が向上するという副次的なメリットも報告されています。​

ロンスイのチェーンアジャスター左右均等調整

チェーン調整で最も重要なのが、左右のチェーンアジャスターを均等に調整することです。左右の調整量が異なるとチェーンアライメントがズレ、チェーンやスプロケットの偏摩耗、タイヤの偏摩耗、さらには走行中のふらつきや転倒の原因になります。​
スイングアームには調整の目安となる目盛りが刻まれていますが、この目盛りには製造上の誤差がある場合があります。そのため、目盛りだけに頼るのではなく、上の打刻なら上、下の打刻なら下と統一して合わせることが重要です。左右で異なる基準点を使用するとアライメントがズレる可能性があります。
参考)スイングアームのチェーンアジャスターの目盛りには左右差がある…

より正確に調整する場合は、ノギスやメジャーを使用してアクスルシャフトからスイングアーム端までの距離を左右で測定し、数値が同一になるように調整します。この方法であれば、目盛りの誤差に影響されず、正確なアライメントを出すことができます。
参考)バイクメンテ初心者がYouTubeで学んでチェーン調整をした

調整後、アクスルナットを締め付ける際には必ずチェーン下側を持ち上げながら指定トルクで締め付けます。チェーンを張った状態で締め付けることで、ホイールを前方に押し付けてアライメントのズレを防ぐことができます。締め付け後は再度左右の目盛りが同じか確認し、ズレている場合は再調整が必要です。
参考)張り過ぎとおさらば! バイク初心者でもチェーン調整が抜群に上…

ロンスイのチェーン メンテナンスの注意点

ロンスイカスタム車両のチェーンメンテナンスでは、通常車両以上にこまめな清掃と注油が重要です。チェーンが長くなることで汚れが付着しやすく、特に雨天走行後は泥や水分がチェーン全体に広がりやすくなります。
参考)バイク用チェーンのメンテナンス方法からおすすめまで全て解説し…

清掃時には必ずエンジンを停止し、バイクが完全に静止している状態で作業を行います。エンジンがかかった状態での作業は、チェーンが突然回転して指が巻き込まれる危険性があり、絶対に避けなければなりません。作業用手袋を着用し、特にスプロケット周辺では巻き込みリスクが高いため慎重に作業します。
参考)バイクの洗車の際にチェーンを清掃する必要性とやり方を紹介

シールチェーンの場合、一般的なパーツクリーナーの使用は厳禁です。溶剤がOリングを傷つけ、内部のグリスが流出してチェーンの耐久性が大幅に低下します。必ずバイク専用のチェーンクリーナーを使用し、清掃後は十分に乾燥させてからバイク専用のチェーンルブで注油します。​
チェーンの片伸びにも注意が必要です。チェーンは全体が均等に伸びるわけではなく、部分的に伸びる箇所があります。リアタイヤを回しながらチェーンの遊びを確認し、場所によって遊び具合に違いがある場合は片伸びが発生しています。この場合、最も張りが強くなる位置を基準に調整するか、チェーン交換を検討します。​
ロンスイ化によってチェーンが長くなると、推奨交換距離も短くなる傾向があります。通常であれば1,000~2,000km毎のチェーン張り調整が推奨されますが、ロンスイ車両では500~1,000km毎にチェックすることで、トラブルを未然に防ぐことができます。​

ロンスイ調整後の締め付けトラブル解決

チェーン調整で多くのライダーが経験する問題が、「調整中は適正値だったのに、アクスルナットを締めたらチェーンがパツパツに張ってしまう」という現象です。これはビギナーだけでなく、経験者でも悩まされることがある一般的な問題です。​
この現象の原因は、アクスルナットを締め付ける際にホイールが前方に移動してしまうためです。解決方法として最も簡単なのは、手でチェーンをしっかり握って伸び方向に動かないよう固定しながら締め付ける方法です。人間の力だけですが、ほとんどの場合これで十分な効果が得られます。​
より確実な方法として、チェーンとスプロケットの間に細い棒状のものを挟み込む方法があります。これによってしっかりとテンションがかかり、両手が自由になるため作業性も向上します。ただし、金属の棒を使用する場合は過度な力がかからないよう注意が必要で、スプロケットの歯が欠けたりチェーンにダメージが入る可能性があります。​
アクスルナットの締め付けトルクは車種によって異なりますが、一般的に80~100N・m程度の高いトルクが指定されています。トルクレンチを使用し、持ち手の中心線を垂直に力をかけて1回目のカチッという音で締め付けを終了します。過度な締め付けはボルトやスイングアームを損傷させる原因になります。​
締め付け完了後は、必ずリアスタンドを下ろす前に左右のチェーンアジャスター目盛りが同じか最終確認を行います。目盛りが異なる場合は妥協せず、アクスルナットを緩めて再調整することが安全走行のために不可欠です。​
参考情報として、チェーン調整の詳細な手順を確認したい方は、以下のリンクが役立ちます。

 

バイクのチェーン張り調整方法の詳細解説(チェーンアジャスターの種類や仕組みについて)
また、TW200のロンスイ特有のチェーンテンショナー取り付け実例は以下で確認できます。

 

TW200ロンスイのチェーン調整が楽になる激安アイテム取り付け動画(実際の取り付け手順と効果)