ステンレス鋼 ステンレス 違いと呼び方|用途|バイクパーツ選び

ステンレス鋼 ステンレス 違いと呼び方|用途|バイクパーツ選び

ステンレス鋼とステンレスの違い

ステンレス鋼とステンレスの基本
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呼び方の違い

ステンレス鋼は正式名称で、ステンレスは略称として使われます

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構成成分

鉄にクロム10.5%以上を含有した合金鋼がステンレス鋼です

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防錆性能

クロムが酸化して不動態皮膜を形成し錆を防ぎます

ステンレス鋼とステンレスは、実は同じ材料を指す言葉です。ステンレス鋼は正式な名称で「Stainless steel」の日本語訳であり、炭素含有量1.2%以下、クロム含有量10.5%以上の鋼と定義されています。一方、ステンレスは日常会話や商品名で使われる略称です。英語の「Stainless」は「錆びない」という意味で、この材料の最大の特徴を表現しています。
参考)鋼とステンレスの違いって?両者の特徴と使い分け方を解説!【技…

ステンレス鋼は鉄を基本として、クロムやニッケルなどの合金元素を加えて作られる合金です。クロムが酸素と結合して表面に薄い不動態皮膜を形成し、この皮膜が内部の鉄を保護することで錆を防ぎます。この皮膜は傷ついても瞬時に再生するため、高い耐食性を維持できます。
参考)https://jp.meviy.misumi-ec.com/info/ja/howto/15166/

日本では「不銹鋼(ふしゅうこう)」という呼び方も過去には使われていましたが、現在はステンレスやステンレス鋼という呼称が一般的です。工業分野ではJIS規格に基づき「SUS(Steel special Use Stainless)」という記号で表記され、SUS304やSUS316などの鋼種が100種類以上存在します。
参考)ステンレス鋼とは

ステンレス鋼の正式な定義と規格


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ステンレス鋼の正式な定義は、クロム含有量10.5%以上、炭素含有量1.2%以下の合金鋼を指します。日本産業規格(JIS規格)では、これらの条件を満たす鋼をステンレス鋼として分類しており、用途や特性に応じて100種類以上の鋼種が規定されています。英語では「Stainless steel」と表記され、世界共通の材料として認識されています。
参考)ステンレス鋼 - Wikipedia

工業分野では「SUS」という略号が広く使われており、これは「Steel special Use Stainless」の頭文字を取ったものです。SUSの後に続く数字によって鋼種が区別され、例えばSUS304はオーステナイト系、SUS430はフェライト系を示します。この規格体系により、設計者や製造業者は材料特性を正確に理解し、適切な鋼種を選択できます。
参考)ステンレス鋼とは?特徴・種類・用途など知っておきたい基礎知識…

ステンレス鋼の発明は1912年にドイツのクルップ社によって特許出願され、まだ100年程度の歴史しかない比較的新しい材料です。しかし、その優れた耐食性と加工性により、現代では自動車部品、家電製品、産業機械など幅広い分野で使用されています。
参考)オーステナイト系ステンレス鋼 - Wikipedia

ステンレス鋼とステンレスは呼び方の違いだけ

ステンレス鋼とステンレスは材料として全く同じものであり、呼び方が異なるだけです。ステンレス鋼は技術文書や専門書で使われる正式名称であり、ステンレスは日常会話や商品説明で使われる略称として定着しています。どちらも英語の「Stainless steel」を指しており、材料特性や化学組成に違いはありません。
参考)ステンレスについて

製造業や建設業などの専門分野では、正確性を期すためにステンレス鋼という表記が好まれます。一方、家庭用品や日用品の販売では、消費者にわかりやすいようステンレスという略称が多く使われます。JIS規格やカタログでは「ステンレス鋼」と表記されることが一般的ですが、口頭では「ステンレス」と省略されるケースがほとんどです。
参考)ステンレス鋼・ステンレス製品の表示について - JSSA

バイク部品の分野でも、マフラーやボルトの材質を表す際に「ステンレス製」「ステンレス鋼製」という表現が混在していますが、これらは同じ材料を指しています。重要なのは呼び方ではなく、どの鋼種(SUS304、SUS316など)が使われているかという点です。
参考)ステンレス鋼(SUS)の種類と特徴 - 金属加工のワンポイン…

ステンレス鋼の種類による用途の違い

ステンレス鋼は金属組織の違いにより、主に5つの系統に分類されます。オーステナイト系はSUS304に代表され、クロム16~20%、ニッケル8%以上を含み、耐食性と加工性に優れるためステンレス生産量の60%以上を占めます。食器、調理器具、建築材料、自動車部品など幅広い用途で使用され、深絞りや曲げ加工などの冷間加工性が良好です。​
マルテンサイト系はカーボン0.1~0.4%、クロム12~18%を含み、熱処理により高硬度を実現できます。タッピンネジ、刃物、シャフトなど硬度が求められる機械部品に使用されますが、炭素含有量が多いため耐食性はオーステナイト系に劣ります。SUS410やSUS403が代表的な鋼種です。​
フェライト系は基本的にニッケルを含まず、SUS430が代表格です。オーステナイト系より耐食性はやや劣りますが、材料価格が安く磁性を持つため、建具や家庭用品などのコストを抑えたい用途に適しています。二相系はオーステナイトとフェライトの両方の組織を持ち、海水機器や化学プラントなど高耐食性と高強度が求められる環境で使用されます。
参考)ステンレス鋼の海洋環境におけるすきま腐食挙動

ステンレス鋼がバイク部品に選ばれる理由

バイク部品にステンレス鋼が多用される最大の理由は、優れた耐食性と耐久性です。バイクは雨や泥にさらされる環境で使用されるため、錆びにくい材料が求められます。ステンレス鋼は不動態皮膜により錆の発生を防ぎ、メンテナンスの手間を大幅に削減できます。特にマフラーやボルト、フェンダーなどの外装部品では、この特性が高く評価されています。
参考)バイクに適したボルトの素材を考えてみた[チタン][ステンレス…

ステンレス製マフラーは、スチール製と比較して強度が高く軽量化が可能です。錆による劣化が少ないため耐久性に優れ、光沢のある美しい外観を長期間保てます。衝撃に強くキズがつきにくい特性も、走行中の飛び石や転倒のリスクがあるバイクには重要です。音質は高めで重い音になりやすく、チタンやカーボンより安価なため、コストパフォーマンスに優れた選択肢となります。
参考)チタン?カーボン?ステンレス?マフラーの材質の特長について解…

ボルトやナット類でもステンレス鋼は広く使用されており、2輪用品店で様々なサイズが入手できます。耐腐食性と適度な強度を持ちながら、価格も手頃であることが理由です。ただし、ステンレス同士の摩擦係数が高いため、締め付け時に噛み込み(焼き付き)現象が発生する可能性があり、適切なトルク管理やコーティングが必要です。
参考)https://ameblo.jp/anpan-hgr/entry-12672232729.html

参考:バイクに適したボルトの素材を考えてみた - 各素材のメリット・デメリット比較
参考:マフラーの材質の特長について - ステンレス、チタン、カーボンの違い

ステンレス鋼の成分が性能に与える影響

ステンレス鋼の性能は、含有する合金元素の種類と比率によって大きく変わります。クロムは耐食性を生み出す最も重要な元素で、10.5%以上の含有により不動態皮膜が形成されます。クロム含有量が多いほど耐食性は向上し、18%以上含むSUS304やSUS316は一般的な環境で優れた防錆性能を発揮します。​
ニッケルはオーステナイト組織を安定させる元素で、8%以上含有することで常温でもオーステナイト組織を維持できます。ニッケルの添加により延性と靭性が向上し、深絞りや曲げ加工などの冷間加工性が良好になります。ただし、ニッケルは高価な元素のため、材料コストを押し上げる要因となります。​
モリブデンは耐孔食性を高める効果があり、SUS316では2~3%添加されています。海水環境や塩化物イオンが存在する環境では、モリブデン含有鋼種の使用が推奨されます。炭素は硬度を向上させる元素ですが、含有量が多いと耐食性が低下するため、ステンレス鋼では1.2%以下に制限されています。マンガン、シリコン、窒素なども添加され、用途に応じた特性が調整されています。
参考)生体用マグネシウム合金の腐食評価とりん酸カルシウム被覆による…

 

 


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