アルミニウム合金種類と特性、バイク用途を解説

アルミニウム合金種類と特性、バイク用途を解説

アルミニウム合金種類と特性

この記事で分かること
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バイク用アルミ合金の種類

1000系から7000系まで、各系統の特性と用途を網羅的に解説

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製造方法による違い

鋳造・鍛造・削り出しの特徴と部品への適用例

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バイク部品別の最適材料

フレーム、エンジン、ホイールなど部位ごとの合金選択理由

アルミニウム合金の基本分類と記号体系


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アルミニウム合金は、添加される元素の種類によって1000系から7000系までの7つの系統に分類されます。この分類体系は国際的に標準化されており、4桁の数字で合金の成分と特性を識別できる仕組みです。バイク業界では、この系統分類が部品選定の基本指標として活用されており、要求される強度や加工性に応じて最適な合金が選ばれています。
参考)【保存版】アルミニウムの種類|用途についても詳しく解説

合金は大きく熱処理型非熱処理型に区分され、熱処理型は時効硬化によって強度を高められる特性を持ちます。2000系、6000系、7000系が熱処理型に該当し、バイクの高強度部品に多用されています。非熱処理型は加工硬化によって強度を得る合金で、1000系、3000系、4000系、5000系が含まれます。
参考)【知っておくべき】アルミニウム合金の熱処理t4・t5・t6・…

バイク用途では、純度99.00%以上の1000系純アルミニウムから、超々ジュラルミンと呼ばれる7000系超高強度材まで幅広い合金が使い分けられています。フレームには溶接性に優れた7N01や6000系が、エンジン部品には耐熱性の高い4000系が選ばれるなど、部位ごとに最適材料が選定されています。
参考)アルミ合金とは?軽量化を牽引するバイク材料の主役【バイク用語…

アルミニウム合金の熱処理と時効硬化メカニズム

熱処理型アルミニウム合金では、溶体化処理と時効処理によって強度を大幅に向上させることができます。溶体化処理では合金を高温(概ね450℃以上融点以下)に加熱し、添加元素を均一に固溶させた後、急冷することで過飽和固溶体を形成します。この状態から時効処理を施すことで、微細な析出物が形成され、転位の移動を妨げて強度が上昇します。
参考)https://patents.google.com/patent/JP2003001357A/ja

T6処理は最もポピュラーな熱処理方法で、溶体化処理後に人工時効処理を行い、高い強度を得られるのが特徴です。バイクフレームや高応力部品には、このT6処理材が多用されており、切削加工性の向上も期待できます。一方、T7処理は7000系合金に用いられ、強度よりも耐応力腐食割れ性を重視した安定化処理です。
参考)https://www.mdpi.com/1996-1944/17/5/1039/pdf?version=1708703648

時効処理には常温で自然に進行する自然時効と、加熱によって促進される人工時効があります。2000系アルミニウム合金は常温時効でも強度上昇が起こりますが、6000系や7000系では人工時効によって最大強度を発現します。バイク部品の製造工程では、この時効特性を考慮した加工スケジュールが組まれています。
参考)金属の時効とは?時効処理と析出硬化処理は違うもの? │ 精密…

アルミニウム合金製造方法の種類と特性比較

バイク用アルミニウム部品の代表的な製造方法には、鋳造・鍛造・削り出しの3つがあり、それぞれ異なる特性を持ちます。鋳造は溶融したアルミ合金を鋳型に流し込んで冷却する手法で、複雑な形状を作り出せるデザイン自由度の高さが特徴です。シリンダーヘッド、クランクケース、キャストホイールなど、形状が複雑なエンジン部品の製作に適用されています。
参考)アルミニウム合金とその熱処理 【通販モノタロウ】

鍛造はアルミ合金を金型やプレス機で圧縮成形する手法で、圧縮によって金属密度を高め、肉薄ながら強度が確保できるのが最大の利点です。鍛造ホイールやエンジンピストンなど、軽量かつ高強度が求められる部品に採用されています。鋳造と鍛造を組み合わせた鋳造鍛造技術も開発されており、プリフォーム成形体を複数工程に分けて鍛造することで、複雑形状と高強度を両立させています。
参考)301 Moved Permanently

削り出しは工作機械でアルミ合金の塊を彫刻のように形作る手法で、曲げや溶接では実現できない仕上がりの良さと美しさが特徴です。トップブリッジ、ハブ、キャリパーサポートなど、精密な寸法精度と美麗な外観が求められる部品に使われます。ビレット加工とも呼ばれ、切削によって無駄な材料を削り取るため、コストは高くなりますが、最高品質の部品が得られます。
参考)ビレットの基本を簡単解説!特長や用途、鋳造・鍛造との違いとは…

アルミニウム合金系統別の特性とバイク用途

1000系純アルミニウムは純度99.00%以上で、優れた耐食性、加工性、電気・熱伝導性を持ちますが、強度は低いのが特徴です。バイク用途では電線や装飾品、熱交換器部品に限定的に使用されています。2000系Al-Cu系合金は「ジュラルミン」や「超ジュラルミン」と称され、鋼に匹敵する卓越した強度を誇ります。航空機材やバイクの高応力部品に用いられますが、銅の添加により耐食性が低下するため、防錆処理が必要です。
参考)https://www-it.jwes.or.jp/qa/details.jsp?pg_no=0020030130

3000系Al-Mn系合金はマンガンの添加により純アルミの加工性と耐食性を保持しつつ強度を向上させた材料です。4000系Al-Si系合金はシリコン添加により熱膨張抑制と耐摩耗性向上が図られており、ピストンやシリンダーヘッドなどエンジンの耐熱部品に多用されています。バイクエンジンの大物部品のほとんどがアルミ合金製で、特に4000系は熱負荷の高い部位に最適です。
参考)https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC11242550/

5000系Al-Mg系合金は中程度の強度と優れた耐食性を併せ持ち、A5052は中強度材として幅広く利用されています。6000系Al-Mg-Si系合金は熱処理による時効硬化が可能で、押出し加工性に優れることから、バイクフレームの主流材料となっています。7000系Al-Zn-Mg系合金はアルミ合金中で最高の強度を誇り、A7075は「超々ジュラルミン」として航空機材やスポーツバイクの軽量フレームに採用されています。バイク用フレームでは溶接性に優れた7N01が主流で、削り出しエンジンハンガー部には7075が使い分けられています。
参考)種類や特徴も色々 - アルミ素材の[7NO1][2017][…

バイク部品別アルミニウム合金の選定基準

バイクフレームは基本特性を決定付ける骨格であり、強度・剛性・軽量化の三要素が求められます。アルミ合金フレームは軽量で同質量ならスチールより剛性を高くできるため、高剛性が必要なスポーツバイクに多用されています。6000系や7N01などの熱処理型合金が主流で、溶接性と強度のバランスが重視されます。最近では高張力鋼管も使われますが、アルミフレームは依然として主流材料です。
参考)材料の概説:コストを抑えながら適材適所で最善の素材を使用【バ…

エンジン部品では、クランクシャフトカムシャフトを除くシリンダーヘッド、ブロック、クランクケースなどほとんどがアルミ合金製です。シリンダーヘッドやブロックには鋳造による複雑形状成形が可能な4000系Al-Si系合金が採用され、耐熱性と耐摩耗性が確保されています。ピストンには鍛造による高強度化が可能な4000系合金や、アルミナナノ粒子を添加した複合材料が用いられ、耐摩耗性と疲労特性が向上しています。
参考)https://journal.uii.ac.id/jurnal-teknoin/article/download/13032/pdf

ホイールにはキャスト(鋳造)ホイールと鍛造ホイールがあり、鍛造品は金属密度を高めて肉薄ながら強度を確保できるため、軽量化と高剛性を両立できます。スイングアームやトップブリッジなど、精密な寸法精度と美麗な外観が求められる部品には削り出し加工が施され、最高品質の仕上がりが得られます。バイクの質量比率30~40%をアルミ合金が占め、スポーツタイプほど使用比率が高い傾向にあります。​

 

 


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