プレス機構造名称解説:フレーム・スライド・クランク機構の基本部品

プレス機構造名称解説:フレーム・スライド・クランク機構の基本部品

プレス機構造と名称の基本

プレス機の主要構造と部品名称
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フレーム構造

機械全体を支える骨格部分で、C型とストレートサイド型の2種類が存在し、加工時の圧力を受け止める

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駆動機構

クランク機構により回転運動を上下運動に変換し、スライドを動かしてプレス加工を実現

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主要部品

スライド、ボルスタ、クランク軸、コンロッドなど、それぞれ重要な役割を担う部品で構成

プレス機械は金属加工の現場で広く使われる装置で、その構造は複数の重要な部品で構成されています。バイクの整備工場でも、ベアリングの圧入や脱着作業などにプレス機が活躍しており、各部の名称を理解することで作業効率が向上します。プレス機械の基本構造は、フレーム、スライド、クラッチ、駆動系の4つの主要要素で成り立っています。
参考)プレス機械の構造

プレス機のフレーム構造と名称の種類


ガービー(Garvee)油圧プレス 12 T 12トン 門型プレス機 圧入器 自動車 バイク オートバイ メンテナンス 脱着 整備
プレス機のフレームは機械全体を支える骨格部分で、加工時に発生する巨大な圧力や振動に耐える必要があるため、非常に頑丈に作られています。フレーム構造は大きく分けてC型フレームとストレートサイド型フレーム(門型フレーム)の2種類が存在します。C型フレームは横から見た形状が「C」の字に似ていることが名称の由来で、加工エリアの左右と手前が開いているため作業性に優れています。このタイプは構造がシンプルで低コストなため、小型から中型のプレス機に多く採用され、圧力能力2,500kNまでの機械が主流です。一方、ストレートサイド型フレームは本体の四隅を柱で支える構造で、剛性に優れるため中型から大型のプレス機や鍛造プレスに多く採用されています。
参考)プレス機の種類を解説!【動力源の種類とフレーム形状】 href="https://www.coretec.co.jp/premium/column4655/" target="_blank">https://www.coretec.co.jp/premium/column4655/amp;#8…

フレームの最上部はクラウンと呼ばれ、内部にはプレス機械の動きを制御する制御装置や駆動装置が集約されており、機械全体の司令塔的な役割を果たします。クラウンの下にはアップライト(サイドフレーム)と呼ばれる柱状の部分があり、上部構造を支える重要な部位です。最下部にはベッド(ロアーフレーム)があり、これがプレス機械の土台となっています。
参考)松本ESテックの設備:プレス機械特集~Part2~

バイク整備の現場では、C型フレームのプレス機が作業性の良さから好まれる傾向にありますが、高精度な加工が必要な場合はストレートサイド型が選ばれることもあります。
参考)1-2 プレス機械の種類と用途

プレス機のスライド機構と名称の詳細

スライドはプレス機械で上下運動を行う部位で、上型を取り付けて実際にプレス加工を行う重要な部品です。スライドが最も高い位置を上死点、最も低い位置を下死点と呼び、クランク機構のプレス機では位置によって耐えられる力が異なります。上死点と下死点では大きな荷重に耐えられますが、中間位置では荷重耐性が低下するという特性があります。
参考)プレス機械のトルク能力、公称能力、仕事能力とは?|プレス加工…

スライドの動きを制御する重要な部品として、スライドギブがあります。これはスライドの側面に設置され、スライドの横ぶれを防ぎ、正確な上下運動を実現する役割を担っています。スライドの上下運動速度は加工品の品質に直接影響し、材料と金型が接触する際のスピードによって摩擦の状況が変化するため、下死点付近での減速特性が重要となります。
参考)https://j-fma.or.jp/7joh/data/yuatsu_kyouhon.pdf

バイクのベアリング圧入作業では、スライドの位置と速度制御が作業の成否を左右するため、これらの名称と機能を理解しておく必要があります。スライド調整用のパワーパッケージ電動機も電気ボックス内に配置されており、精密な位置調整を可能にしています。
参考)https://www.monotaro.com/s/q-%E6%B2%B9%E5%9C%A7%20%E3%83%97%E3%83%AC%E3%82%B9/

プレス機のクランク機構と駆動系部品名称

クランク機構はプレス機械で最も多く使われている駆動方式で、回転運動を直線的な上下運動に変換する仕組みです。クランク機構の名称は、中心軸から所定量ずれた位置に偏心軸を設けた構造が、正面から見ると折れ曲がったように見えることに由来しており、英語で「crank(折れ曲がった)」と表現されます。
参考)クランクプレスの「クランク」とは

クランク機構の主要部品として、まずフライホイールがあります。これはモータの回転エネルギーを蓄積し、プレス加工時に必要な大きな力を瞬時に供給する役割を果たします。フライホイールの回転はクラッチブレーキを介してクランク軸に伝達されます。クランク軸は中心軸と偏心軸が一体となった部品で、回転運動を往復運動に変換する核となる部分です。
参考)プレス機械の構成(前編)

クランク軸の偏心軸部分にはコンロッド(コネクティングロッド)が接続されており、この部品がクランク軸の回転運動をスライドの直線運動に変換します。コンロッドの長さと偏心量によってプレス機械のストローク(上下運動の幅)が決まります。クランク軸の回転はピニオンギアシャフトを経由してメインギアに伝達され、最終的にスライドの上下運動として出力されます。
参考)プレス機械の構成(後編)

バイク部品のプレス作業では、これらの駆動系部品が協調して動作することで、ベアリングやブッシュの圧入に必要な正確な力とタイミングを実現しています。クランク機構は高速での早送り・早戻しが可能で、下死点で減速する特性があるため、生産性を上げつつ品質への影響を最小限に抑えられます。​

プレス機のボルスタとダイクッション機構の名称

ボルスタはプレス機における下型を載せるテーブル部分で、プレス加工時に下型を支える重要な役割を担っています。ボルスタの上面には基本的にT溝と呼ばれるT字形の溝が掘られており、ここに金型をセットして固定します。抜き加工用には中央に角穴や丸穴が開いている形状のボルスタもあり、用途によって選択されます。スライドを一番下に下げた状態でスライド下面からボルスタまでの距離をダイハイトと呼び、これは金型の高さを決める重要な寸法です。​
ボルスタの真下にはダイクッションと呼ばれる装置が内蔵されていることが多く、これはポンプ式のリフトテーブルのような機構です。ダイクッションは絞り加工時に製品のしわを抑える役割や、下部ノックアウトの機能として使用されます。ダイクッション圧力はプレス機右側にある圧力計で確認しながら、調整ハンドルを回して最適な値に設定します。ダイクッションピンがボルスタの穴を通って上昇し、材料を押さえつけることで、深絞り加工などの複雑な成形を可能にしています。
参考)ダイクッション die cushion|プレス機械用語集|ア…

バイクのフレーム部品などの板金加工では、ダイクッション機構が製品の品質を左右する重要な要素となります。ボルスタを移動させて下型をプレス外へ搬送する機構を持つムービングボルスタタイプや、上型を180度反転させる機構を持つダイスポッティングプレスなど、特殊な構造のものも存在します。これらの名称と機能を理解することで、プレス作業の効率化と品質向上が実現できます。
参考)https://j-fma.or.jp/images/2019/05/yuatsu_zukan.pdf

プレス機の安全装置と制御系の名称構成

プレス機械には作業者の安全を守るための様々な安全装置が装備されており、それぞれに固有の名称と機能があります。最も一般的な安全装置として、光線式安全装置があり、投光器と受光器の間を遮光すると機械が自動的に停止する仕組みです。この装置は作業エリアへの手指の侵入を検知するのに非常に有効で、はさまれ災害を防止します。
参考)http://www.jpsafety.jp/pamphlet.pdf

両手操作式安全装置は、両手で同時にボタンを押さないと機械が起動しない方式で、作業者の手が危険領域に入らない状態で操作させることを目的としています。ガード式安全装置はプレス前面のガード板が作動することで、スライド作動中に身体の一部が危険限界に入らないようにする構造です。インターロック付き安全カバーは、カバーが閉じられていないと機械が作動せず、作動中はカバーが開かないようにロックされる仕様で、危険領域への物理的なアクセスを遮断します。
参考)プレス機の安全対策7例!安全作業の徹底を難しくする壁

制御系の名称として、電気ボックスがあり、これはプレス機械の電気系統が集約されている場所です。大きく分けると、機械右側の電気ボックス、主電源などのメインボタンが付いているペンダント操作ボックス、機械手前の両手押しボタンが付いている手元操作ボックスの三つで構成されます。電気回路は動力部(AC200V)と制御部(AC100V)に分けられ、動力部は主電動機やスライド調整用電動機を制御し、制御部は操作スイッチや電磁弁を制御します。​
バイク整備工場でプレス機を使用する際は、これらの安全装置の名称と機能を正確に理解し、法令で定められた規格に適合した装置を適切に設置・維持管理する必要があります。電気ボックス内部には過電流が起きた際に電装部品や電気系統を守る配線用遮断器(サーキットプロテクター)やサーマルリレーなどが配置されており、これらの名称も保守点検時に重要となります。
参考)プレス機械の安衛法一覧表 href="https://j-fma.or.jp/legal_commentary/industrial-safety-and-health-law-list-of-press-machine" target="_blank">https://j-fma.or.jp/legal_commentary/industrial-safety-and-health-law-list-of-press-machineamp;#8211; JFMA 日本鍛圧…

プレス機の種類を解説!【動力源の種類とフレーム形状】 - コアテック
プレス機の動力源とフレーム形状による分類について、機械式、油圧式、サーボ式などの詳細な比較と特徴が解説されています。各タイプのメリット・デメリットを理解する際の参考資料として有用です。

 

油圧プレスとは - 日本鍛圧機械工業会
油圧プレスの各部名称について、クラウン、ベッド、アップライト、スライドフレーム、メインシリンダ、ボルスタなど詳細な構造図付きで解説されています。プレス機の構造を視覚的に理解するための公式資料です。

 

プレス機械の構造 - 機械業界Report
カウンターバランサー、電気ボックス、ボルスタ、ダイクッションなど、プレス機械の各部品の名称と機能について、実際の機械の写真付きで詳しく説明されています。実務で役立つ情報が豊富です。

 

 


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