ダカールラリー ランクル300で知る市販車部門12連覇の秘密

ダカールラリー ランクル300で知る市販車部門12連覇の秘密

ダカールラリー ランクル300の圧倒的実績

この記事のポイント
🏆
12連覇の快挙

2025年大会でランクル300が市販車部門12連覇を達成。世界最高峰のラリーレイドでの圧倒的強さを証明

🚙
ラリーレイド限定発売

ダカールラリー参戦車両の技術を投入した特別架装車が12台限定で販売。三浦ドライバープロデュースの本格仕様

⚙️
市販車への技術還元

ラリーで鍛えられた技術が一般ユーザーにも。過酷な環境で磨かれた信頼性と走破性を実感

ダカールラリー市販車部門でランクル300が達成した偉業

2025年1月にサウジアラビアで開催されたダカールラリー2025において、チームランドクルーザー・トヨタオートボデー(TLC)がランドクルーザー300 GR SPORTで市販車部門12連覇という前人未到の記録を達成しました。この快挙は2014年から続く連勝記録であり、世界一過酷と称されるモータースポーツ競技での圧倒的な信頼性を証明しています。
参考)ランドクルーザー300 RALLY RAID

三浦昂選手とジャン・ミッシェル・ポラト組が500号車でクラス1位、ロナルド・バソとジャン・ピエール・ギャルサン組が501号車でクラス2位を獲得し、見事なワンツーフィニッシュを飾りました。総走行距離約8,000kmに及ぶ過酷な行程を、市販車ベースの車両で走破できることが、ランクル300の本物の実力を物語っています。
参考)トヨタ車体、ダカールラリー市販車クラスの12連覇を達成。ラン…

市販車部門(ストッククラス)は、年間1,000台以上生産されている市販車両をベースに、安全装置のみを追加した車両で競うカテゴリーです。エンジンや駆動系の主要部品は競技中の交換が禁止されているため、極めて高い信頼性が求められます。ランクル300はこの厳しい条件下で、連続12年間トップに君臨し続けているのです。
参考)ダカールラリー&TLCとは?

ランクル300ラリーレイドの特別装備と性能

12連覇を記念して発表されたランドクルーザー300 RALLY RAIDは、TLCラリードライバー三浦昂氏が「どんな路面でも疲れず、安心して速く走れるクルマをつくりたい」という思いでプロデュースした特別架装車です。GRスポーツのディーゼル車をベースに、ダカールラリーで培われた技術が惜しみなく投入されています。
参考)ダカールラリー12連覇記念のコンプリートカー「トヨタ・ランド…

特別装備として、18インチアルミホイール(ENKEI「PDT1」)、トーヨータイヤ「OPEN COUNTRY A/T III」、レッドブレーキキャリパー、レッド牽引フック、専用サスペンション、マッドガード、各種ステッカーなどを装備。「ラリーで鍛えられた人馬一体感」をテーマに、路面の状況を正確にドライバーに伝えるタイヤ&ホイール、ドライバーの意図を忠実に受け取るサスペンション&キャブマウント、過酷な地形でもドライバーの運転姿勢を維持するシートなどが採用されています。
参考)プレミア化は必至!?『ランクル』を知り尽くしたトヨタ車体の「…

価格は938万800円から(消費税込み)で、コンプリート車は限定12台、用品パッケージも限定12セットという超限定販売となっており、プレミア化は必至と見られています。2025年12月頃の納車が予定され、用品については11月頃の販売が予定されています。
参考)トヨタ車体、ランドクルーザー300に特別装備の「ラリーレイド…

ダカールラリー参戦車両ランクル300の技術仕様

実際のダカールラリー2025参戦車両は、ベース車両型式FJA300L、エンジン型式F33A-FTV型の3,345cc直列6気筒ディーゼルターボエンジンを搭載しています。最高出力は253kw以上(344ps以上)、最大トルクは815N・m以上という強力なスペックを誇ります。
参考)チーム紹介

車体サイズは全長4,965mm、全幅1,990mm、全高1,975mmで、サスペンションは前がダブルウィッシュボーン式独立懸架コイルスプリング(BOS製)、後がトレーリングリンク車軸式コイルスプリング(BOS製)を採用。ラリー専用ショックアブソーバー(BOS製)が組み合わされ、過酷な路面でも優れた走破性を発揮します。
参考)ダカールラリー2024参戦に向けマシンの信頼性と耐久性をアッ…

タイヤサイズはLT285/70R17のトーヨータイヤ製OPEN COUNTRY M/T-Rを装着し、ホイールはマグネシウム鍛造17インチ×7.5J(ENKEI製)を使用。駆動方式はフルタイム4WDで、電動デフロック(フロント、センター、リア)とE-KDSSを装備しています。トランスミッションは電子制御10速オートマチック(Direct Shift-10AT)が採用され、あらゆる路面状況に対応します。
参考)【TOYO TIRES】ダカールラリーで世界を制した最強・最…

ダカールラリーとバイク乗りの共通点

ダカールラリーはもともと1978年に冒険家ティエリー・サビーヌの発案により始まった「オアシス・ラリー」が起源で、モーターサイクル部門も重要なカテゴリーの一つです。バイク乗りにとってダカールラリーは究極の挑戦の場であり、四輪車との共通点も多く存在します。
参考)ダカール・ラリー - Wikipedia

ロードブックを頼りに主催者が決めたルートを走破し、ラリー中の競技区間の累積走行時間を競うという基本ルールは、オートバイも四輪も同じです。選手たちはリエゾン(移動区間)を走り、スペシャルステージ(競技区間)が行われるスタート地点まで一般道主体で移動をし、そこからスペシャルステージに挑みます。
参考)ルール編

ランクル300のようなサポートビークルは、バイク競技者にとっても重要な存在です。過酷な砂漠の環境下で、確実に移動できる信頼性の高い四輪車は、チーム全体の安全を守る生命線となります。また、バイク乗りが普段から培っている路面状況を読む能力や、マシンとの一体感を大切にする姿勢は、ランクル300 RALLY RAIDが目指す「人馬一体感」という思想と通じるものがあります。​

ランクル300の市販車への技術フィードバック

ダカールラリーでの経験は、市販車のランドクルーザー300にも確実にフィードバックされています。トヨタは25年以上にわたりダカールラリーに参戦を続け、このラリーからのフィードバックを車両開発に活かしてきました。
参考)https://toyota.jp/landcruiser300/design/index.html

市販車のランクル300は、アプローチアングル32度、デパーチャーアングル26度、ランプブレークオーバーアングル25度という優秀なディメンジョンを実現しており、先代モデル同等以上を維持しています。ホイールベースも伝統の2850mmを継承し、最大登坂能力45度、最大安定傾斜角44度、最大渡河性能700mmという驚異的な走破性能を誇ります。
参考)トヨタ ランドクルーザー(300シリーズ)の走行性能は?走破…

TLCでは自社の社員の中から監督やドライバー、ナビゲーターを選出し、チームメンバーの一人として起用しています。この取り組みにより、社員自らがモータースポーツの現場で鍛えられ、「もっといいクルマづくり」に取り組む人材育成に繋がっているのです。三浦昂選手も市販車の開発に携わっており、実際にダカールラリーを走ることで得た知見が、一般ユーザーが乗る市販車に反映されています。
参考)ランクル300がダカールラリーに挑む!href="https://toyotatimes.jp/toyotatimes_live/239.html" target="_blank">https://toyotatimes.jp/toyotatimes_live/239.htmlquot;もっといいクルマづく…

トヨタイムズによれば、ランクル300がダカールラリーに初投入された2023年大会では、市販車にも活かされている革新的技術が多数盛り込まれていたと報じられています。砂漠の極限環境でさらに鍛えられるクルマへの期待が高まる中、実戦データの蓄積によって、市販車の信頼性はさらに向上し続けています。​
ラリー専用に開発されたトーヨータイヤのOPEN COUNTRY M/T-Rは、ケース構造の最適化により悪路走破性を高めており、一般向けのOPEN COUNTRY A/T IIIにもその技術が応用されています。このように、ダカールラリーという過酷な舞台で証明された技術が、私たちの手に届く市販車に確実に還元されているのです。​
トヨタ車体公式サイト - ランドクルーザー300 RALLY RAID特設ページ
ダカールラリー12連覇記念特別架装車の詳細スペック、装備内容、商談申込み方法などの公式情報が掲載されています。

 

チームランドクルーザー・トヨタオートボデー公式サイト
TLCの戦績、チーム情報、参戦車両のスペック、過去のダカールラリーの記録など、ランクルとダカールラリーの歴史を詳しく知ることができます。