道路運送車両の保安基準 尾灯の規定をバイク乗り向けに解説

道路運送車両の保安基準 尾灯の規定をバイク乗り向けに解説

道路運送車両の保安基準における尾灯の規定

尾灯の保安基準の重要ポイント
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灯光の色と明るさ

赤色で夜間に後方300mから確認できる光量が必須

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照明部の大きさ

15cm²以上の面積で光源5W以上30W以下が基準

⚖️
違反時の罰則

整備不良で反則金6,000円と違反点数1点が科される

道路運送車両の保安基準における尾灯の基本要件


注解 自動車六法〔令和4年版〕

 

道路運送車両の保安基準第37条では、バイクを含む二輪自動車には後面に1個の尾灯を備えることが義務付けられています。尾灯は車両の存在を後続車に知らせる重要な安全装置であり、夜間走行時の事故防止に不可欠な役割を果たします。
参考)テールランプ・ブレーキランプの保安基準とは?車検に通る基準を…

保安基準では尾灯の個数だけでなく、色や明るさ、取り付け位置についても詳細な規定が設けられており、これらすべてを満たさなければ車検に合格できません。特にバイクの場合、四輪車と異なり1個の尾灯で十分とされていますが、その分確実に基準を満たす必要があります。
参考)バイクのテールランプの保安基準!車検に通る光量や面積は?

国土交通省が定める保安基準の細目を定める告示第128条には、尾灯の灯光の色や明るさに関する具体的な測定方法も記載されており、車検時にはこれらの基準に沿って検査が実施されます。基準を理解しておくことで、カスタムや修理時のトラブルを未然に防ぐことができます。
参考)令和5年3月実施1級小型問題46 灯火の基準 「道路運送車両…

尾灯の色と明るさの保安基準詳細

尾灯の灯光の色は必ず赤色でなければならず、他の色は一切認められていません。この規定は世界共通の交通安全基準であり、赤色が「停止」や「注意」を示す色として認識されているためです。
参考)https://www.zurich.co.jp/carlife/cc-cautions-taillamp-inspection/

明るさについては、夜間にその後方300mの距離から点灯を確認できることが求められています。具体的には光源が5W以上30W以下で、照明部の大きさが15cm²以上であることが平成18年以降に製造された車両の基準となっています。この基準を満たしていれば、機能が正常である尾灯として認められます。
参考)https://www.mlit.go.jp/jidosha/kijyun/saimokukokuji/saikoku_128_00.pdf

LED化する際には特に注意が必要で、単にLEDに交換しただけでは明るさが不足する場合があります。照射光線が他の交通を妨げないことも重要な要件であり、眩しすぎるランプも基準違反となる可能性があります。光量測定は車検時に専用機器で行われるため、交換時には保安基準適合品を選ぶことが確実です。
参考)https://suparee.jp/blogs/news/%E8%BB%8A%E3%81%AE%E3%83%86%E3%83%BC%E3%83%AB-%E3%82%B9%E3%83%88%E3%83%83%E3%83%97%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%83%97%E7%90%83%E3%82%92led%E5%8C%96%E3%81%97%E3%81%9F%E5%A0%B4%E5%90%88%E3%81%AE%E8%BB%8A%E6%A4%9C%E5%95%8F%E9%A1%8C

尾灯の取り付け位置と照明部面積の測定方法

尾灯の取り付け位置には高さと位置に関する明確な基準があります。地上からの高さは0.35m以上2.1m以下の範囲内に設置する必要があり、バイクの場合は車両の最外側から400mm以内に配置することが求められます。
参考)テールランプの増設が車検に通る基準とカスタム適合条件を徹底解…

照明部の面積測定方法は、道路運送車両の保安基準の細目を定める告示別添94に詳細が記載されています。照明部の大きさは車両中心面に直角な鉛直面への投影面積として計算され、不透明なモール等で仕切られた部分はその面積から除外されます。
参考)https://www.mlit.go.jp/jidosha/kijyun/saimokubetten/saibet_094_00.pdf

国土交通省の灯火等の照明部測定方法
照明部の正確な測定方法と投影面積の計算式が記載された公式資料です。

 

測定時には照明部の投影面積が外接する最小四辺形の面積の60%以上であることも確認されます。この複雑な計算方法により、デザイン性の高いテールランプでも保安基準を満たせるよう配慮されています。カスタムパーツを選ぶ際には、メーカーが保安基準適合の証明書を発行しているかを確認することが重要です。
参考)テールランプでひっかからないために。車検に通るための基準とは…

尾灯の整備不良による違反と罰則規定

尾灯が切れた状態や基準を満たさない状態で走行すると、整備不良(尾灯等)違反として取り締まりの対象となります。具体的な罰則は、普通二輪の場合で反則金6,000円と違反点数1点が科されます。
参考)【バイク】整備不良で減点!?ブレーキランプ球が切れた話と交換…

整備不良尾灯等違反には、ヘッドライトからナンバー灯まで道路交通法上必要なすべてのランプ類が含まれます。尾灯の球切れは突然発生することもあるため、定期的な点検が不可欠です。ハロゲンバルブの場合、透明なガラスが黒ずんできたら交換のサインとなります。​
警視庁の反則行為と反則金一覧
整備不良違反の詳細な罰則内容と違反点数が確認できる公式ページです。

 

球切れに気づいた場合は、できるだけ早くバイク用品店やホームセンターでバルブを購入し交換する必要があります。放置して走行を続けると、取り締まりだけでなく後続車からの追突リスクも高まるため危険です。修理代は球切れの場合1,000円から6,000円程度で済むことが多く、早期対応がコスト面でも有利です。
参考)原付のテールランプ・ブレーキランプが点かない原因と修理代

尾灯のLED化とカスタム時の保安基準適合ポイント

バイクの尾灯をLED化する際には、単に見た目の良さだけでなく保安基準への適合を最優先に考える必要があります。LED化のメリットとして消費電力の低減や長寿命がありますが、光量や色温度が基準を満たさない製品も市場に存在するため注意が必要です。
参考)バイクの社外LEDテールランプは車検に通るのか

車検対応を謳っているLEDテールランプでも、取り付け方法や個体差により基準を満たさないケースがあります。特に安価な輸入品は色温度が不適切で赤色の基準から外れる場合があり、車検時に不合格となるリスクが高まります。
参考)https://seibii.co.jp/blog/contents/tail_lamp_shaken

カスタムパーツを選ぶ際のチェックポイントとして、以下の項目を確認することが推奨されます。
✅ 保安基準適合の証明書や認証マークの有無
✅ 光源の明るさが5W以上30W以下相当であること
✅ 照明部の面積が15cm²以上確保されていること
✅ 赤色の発光色が純正と同等であること
✅ 取り付け後の高さと位置が規定範囲内に収まること
テールランプの保安基準と車検対応の詳細解説
LED化やカスタム時に必要な具体的な基準値と確認方法が詳しく記載されています。

 

社外品のLEDテールランプは、メーカーが保安基準試験を実施し適合証明を取得している製品を選ぶことが確実です。取り付け後は必ず車検場や整備工場で光量測定を行い、基準を満たしているか確認することをお勧めします。LED化により車検に通らなくなるケースを避けるため、信頼できる専門店での購入と取り付けが理想的です。
参考)その他灯火類の「明るさ」ルール

尾灯と制動灯の関係性と一体型ランプの基準

バイクの尾灯(テールランプ)と制動灯(ブレーキランプ)は、多くの車両で一体型として設計されています。この場合でも、それぞれ独立した保安基準が適用され、両方の基準を同時に満たす必要があります。
参考)https://www.goobike.com/magazine/maintenance/cost/26/

制動灯の明るさは尾灯の光度の5倍以上であることが求められており、これは後続車にブレーキング動作を明確に伝えるための重要な基準です。一体型ランプの場合、通常走行時の尾灯モードと制動時の制動灯モードで明確な輝度差を確保する設計が必要となります。
参考)制動灯は尾灯の光度の5倍以上って? - ”道路運送車両の保安…

制動灯の発光面積は20cm²以上、赤色であること、昼間に100メートル離れた場所から視認できる明るさを持つことも規定されています。これらの基準は尾灯とは別に測定されるため、カスタムや交換時には両方の基準を確認する必要があります。
参考)https://www.mlit.go.jp/jidosha/kijyun/saimokukokuji/saikoku_213_00.pdf

一体型LEDテールランプを選ぶ際には、尾灯と制動灯の両方で保安基準適合を明記している製品を選ぶことが重要です。特に安価な製品では制動灯の明るさが不足しているケースがあり、車検時に不合格となる可能性があります。また、尾灯は運転者席において消灯できない構造、または前照灯・車幅灯のいずれかが点灯している場合に消灯できない構造であることも保安基準で定められています。
参考)https://www.naltec.go.jp/publication/regulation/hbh5ss0000002mk7-att/gtg5d20000002khm.pdf

この規定により、夜間走行時に尾灯を消し忘れることがないよう設計上の配慮が求められており、電気系統の改造時にはこの機能を損なわないよう注意が必要です。
参考)保安基準 第37条 尾灯

 

 


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