道路交通法一覧をバイク乗り向け解説と違反罰則

道路交通法一覧をバイク乗り向け解説と違反罰則

道路交通法一覧とバイク運転

🏍️ バイク乗りが押さえるべき道路交通法の重要ポイント
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違反行為と罰則体系

道路交通法では違反の種類に応じて点数制度と反則金が設定されており、累積点数により免許停止や取消の行政処分が科されます

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車両区分による規制の違い

排気量50cc以下の原付、51~400ccの普通二輪、400cc超の大型二輪で適用される法律や通行可能な道路が異なります

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2025年の法改正

2025年4月から原付免許で運転できる範囲が拡大され、125cc以下かつ最高出力4kW以下の二輪車も対象となりました

道路交通法は、バイクを含むすべての車両が道路を安全に通行するために定められた法律です。バイク乗りにとって、この法律を正しく理解することは、違反による罰則を避けるだけでなく、自分自身と他者の安全を守るために不可欠です。道路交通法による二輪車の区分は排気量を基準としており、50cc以下が「原動機付自転車」、50cc超~400cc以下が「普通自動二輪車」、400cc超が「大型自動二輪車」と定められています。
参考)e-Gov 法令検索

道路交通法における違反点数制度

道路交通法では違反行為に対して点数制度が採用されており、違反の種類に応じて基礎点数が付与されます。過去3年間の累積点数が一定の基準に達すると、免許停止や取消などの行政処分が科される仕組みです。違反点数は違反の危険性の度合いによって「特定違反行為」と「一般違反行為」に区分され、特定違反行為には35点から62点までの重い点数が設定されています。
参考)交通違反の点数一覧表 警視庁

主な違反行為の点数は以下の通りです。酒酔い運転は35点、麻薬等運転も35点、無免許運転は25点という非常に重い点数が科されます。一般的な違反では、速度超過が超過幅に応じて1点から12点、信号無視が2点、一時停止無視が2点、携帯電話使用等(保持)違反が3点となっています。これらの点数が累積すると、免許停止処分の対象となるため、日常的な運転での注意が重要です。
参考)反則行為の種別及び反則金一覧表 警視庁

バイク特有の違反として、大型自動二輪車等乗車方法違反があり、これは免許取得から1年未満での二人乗りなどが該当し、2点が加算されます。また、ヘルメット着用義務違反は1点が科されますが、反則金は発生しません。ただし、安全のためにヘルメットの着用は必須であり、道路交通法第71条の4で明確に義務付けられています。
参考)https://www.goobike.com/magazine/ride/rule/28/

道路交通法の反則金と罰金一覧

反則金は交通違反をした際に支払う金銭的な罰則で、車両の種類(大型車、普通車、二輪車、原付車など)によって金額が異なります。反則金制度は比較的軽微な違反に適用され、反則金を納付することで刑事手続きを免れることができます。一方、重大な違反の場合は赤キップが切られ、罰金刑や懲役刑などの刑事罰が科されることになります。
参考)道路交通法(道交法)とは?違反の例と罰金・反則金など罰則まと…

速度超過違反の反則金は、超過幅によって大きく異なります。二輪車の場合、15km未満の超過で7,000円、15~20km未満で9,000円、20~25km未満で12,000円、25~30km未満で15,000円となっています。一般道路で30km以上、高速道路で40km以上の超過をすると赤キップの対象となり、6ヶ月以下の懲役または10万円以下の罰金が科される可能性があります。
参考)バイクの交通違反の種類と違反しないためのポイント

警視庁の公式サイトでは、反則行為の種別及び反則金の詳細な一覧表が公開されています。
駐車違反の反則金は、違反の種類と場所によって異なります。二輪車の場合、放置駐車違反(駐停車禁止場所など)は反則点数3点で反則金10,000円、放置駐車違反(駐車禁止場所など)は反則点数2点で反則金9,000円です。駐停車違反の場合は、駐停車禁止場所で反則点数2点・反則金7,000円、駐車禁止場所で反則点数1点・反則金6,000円となっています。
参考)https://www.yes-i-do.co.jp/column60.html

その他の主な違反の反則金として、信号無視は二輪車で7,000円、一時停止違反も7,000円、携帯電話使用等(保持)違反は15,000円が科されます。整備不良(制動装置等)違反は9,000円、無灯火違反は7,000円となっており、日常的な車両管理の重要性が分かります。
参考)交通違反点数制度と一覧表

道路交通法のバイク二人乗り規則

バイクの二人乗りには、安全性の観点から厳格な条件が道路交通法で定められています。最も重要な条件は、小型限定を含む普通二輪免許または大型二輪免許を取得してから1年以上経過している必要があることです。この期間は「初心運転者期間」と呼ばれ、この期間中に二人乗りをすると「大型自動二輪車等乗車方法違反」として反則点数2点、反則金12,000円に加え、10万円以下の罰金が科されます。
参考)バイクの二人乗りの条件とは?知っておくべき同乗者(子供)の年…

二人乗りが可能なバイクは、排気量51cc以上かつ乗車定員2名と定められている車種のみです。50cc以下の原付バイクでの二人乗りは「定員外乗車違反」となり、反則点数1点、反則金5,000円が科されます。2025年4月から導入された新基準原付(125cc以下かつ最高出力4kW以下)も、法律上は原付一種に分類されるため、二人乗りは認められていません。​
高速道路での二人乗りにはさらに厳しい制限があり、運転者が20歳以上かつ普通二輪免許または大型二輪免許を取得してから3年以上経過していることが条件となります。これらの条件を満たさずに高速道路で二人乗りをした場合も、大型自動二輪車等乗車方法違反として同様の罰則が適用されます。また、同乗者もヘルメットの着用が義務付けられており、着用していない場合は運転者が違反責任を問われます。
参考)バイクの2人乗りができるのは何ccから?条件や違反した場合の…

道路交通法における通行禁止標識の種類

バイクの運転者が特に注意すべき道路標識として、二輪車通行禁止の標識があります。この標識には主に2種類あり、「二輪の自動車・一般原動機付自転車通行止め」と「大型自動二輪車等通行止め」があります。前者は大型二輪車、普通二輪車、原動機付自転車のすべてが通行できない標識で、補助標識で「小二輪」と表示されている場合は、原付二種(51~125cc)も通行できません。
参考)Document Moved

国土交通省の道路標識一覧では、すべての規制標識の詳細が確認できます。
通行禁止違反をした場合、二輪車では反則点数2点、反則金7,000円が科されます。都市部では特に、騒音対策や安全対策として二輪車通行禁止区間が設定されている場合があり、事前に二輪車通行規制区間情報などで確認することが重要です。
参考)見落とし厳禁!二輪車通行禁止道路の実情

その他の重要な標識として、一方通行、進入禁止、追越し禁止、駐停車禁止などがあります。特に原動機付自転車(50cc以下)には特有の標識があり、「原動機付自転車の右折方法」という標識では、二段階右折が指定されている場合があります。これらの標識を無視して通行すると、それぞれの違反に応じた反則点数と反則金が科されるため、常に標識を確認しながら走行する習慣が必要です。
参考)https://www.mlit.go.jp/road/sign/sign/douro/ichiran.pdf

道路交通法改正による新基準原付の導入

2025年4月1日から施行された道路交通法施行規則の改正により、原付免許で運転できる二輪車の範囲が大幅に拡大されました。この改正により、従来の総排気量50cc以下の原動機付自転車に加えて、総排気量125cc以下で最高出力が4.0kW以下に制御された二輪車も原付免許で運転可能となっています。この新たな区分の車両は「新基準原付」と呼ばれ、第一種原動機付自転車に分類されます。
参考)2025年4月から|原付の法改正で125ccも運転可能となる…

この法改正の背景には、原付一種について2025年11月から新たな排出ガス規制が適用され、現行の50cc車両の生産が2025年10月末をもって終了することがありました。業界団体からの要望を受けて、環境規制に対応しつつ、原付免許での利用範囲を維持・拡大するために、排気量の上限を引き上げつつ最高出力で制限する方式が採用されました。各メーカーは現在、この新基準に対応した車両の開発を進めています。
参考)原付一種に新たな区分基準が追加!

ただし、新基準原付は法律上あくまで「第一種原動機付自転車」として扱われるため、従来の50cc原付と同じ規制が適用されます。具体的には、二人乗りは禁止、高速道路や自動車専用道路の走行は不可、最高速度は30km/hまでという制限があります。型式認定において、原動機に総排気量に加えて最高出力も表示されることになり、購入時には新基準原付かどうかを明確に識別できるようになっています。​

道路交通法のヘルメット着用義務と安全基準

道路交通法第71条の4では、バイクのヘルメット着用が明確に義務付けられています。この着用義務は大型バイクや普通二輪だけでなく、原付バイクにも同様に適用され、運転者だけでなく同乗者にもヘルメットの着用が必要です。ヘルメットを着用せずに公道を走行した場合、「乗車用ヘルメット着用義務違反」として違反点数1点が科されますが、反則金の支払いは発生しません。
参考)バイクのヘルメットにはどんな法律がある?ヘルメットの安全規格…

ヘルメットには単に着用するだけでなく、法律で定められた安全基準を満たす必要があります。道路交通法施行規則第9条の5では、視野の確保、衝撃吸収性、あごひもの固定など7つの基準が定められており、これらの基準を満たさないヘルメットでの走行は違法となり、取り締まりの対象となります。具体的には、PSCマーク、JISマーク、SNELLマークなどの安全規格に適合したヘルメットを選ぶことが推奨されています。
参考)バイク用ヘルメットの着用ルールとは?法的義務や正しい選び方を…

ヘルメットの安全規格の詳細では、各認証マークの意味や選び方が解説されています。
ヘルメットの着用方法も重要で、あごひもを正しく締めていない場合は、着用義務を果たしたとはみなされません。また、装飾品を過度に取り付けたり、視界を妨げるような改造を施したヘルメットも、安全基準を満たさないとして違反の対象となる可能性があります。バイク事故における死亡事故の多くは頭部損傷が原因であり、適切なヘルメットの着用は法的義務であると同時に、自分の命を守るための最も重要な安全対策です。​

道路交通法における駐車違反の詳細規定

バイクの駐車違反は、道路交通法で厳しく規制されており、違反の種類と場所によって異なる罰則が設定されています。駐車違反は大きく「放置車両違反」と「駐停車違反」の2種類に分類されます。放置車両違反は運転者が車両を離れて直ちに運転できない状態での違反、駐停車違反は運転者が車両のそばにいても違法な場所に停めている場合の違反です。
参考)駐(停)車違反の種別 - 愛知県警察

道路標識の設置の有無にかかわらず、駐停車が禁止されている場所があります。具体的には、交差点、横断歩道、自転車横断帯、踏切、軌道敷内、坂の頂上付近、勾配の急な坂、トンネル内は駐停車禁止です。また、交差点の側端や道路の曲がり角から5m以内、横断歩道の前後5m以内、バス停から10m以内、踏切の前後10m以内も同様に禁止されています。​
よくある誤解として、「バイクは歩道に停めても良い」というものがありますが、これは原則として違法です。歩道は歩行者のための空間であり、バイクの駐車は歩行者の通行を妨げるため、駐車違反として取り締まりの対象となります。ただし、自治体によっては歩道上に二輪車専用の駐輪スペースが設けられている場合があり、そこに停める分には問題ありません。
参考)原付やバイクは歩道に駐車してもいいの?

駐車違反の罰則として、放置駐車違反(駐停車禁止場所など)は反則点数3点・反則金10,000円、放置駐車違反(駐車禁止場所など)は反則点数2点・反則金9,000円となっています。常習的な違反者や反則金を納めなかった場合は、さらに重いペナルティが科され、最悪の場合は刑事罰の対象となる可能性もあります。バイクを停める際は、駐輪場や有料パーキング、二輪車用の駐車スペースを利用することが重要です。
参考)バイクは駐車場と駐輪場のどっちに停める?バイクを停める際のマ…

道路交通法違反の累積による免許停止と取消

道路交通法の違反点数制度では、過去3年間の累積点数によって免許停止や取消などの行政処分が決定されます。違反行為は「特定違反行為」と「一般違反行為」に区分され、その危険性の度合いに応じて処分内容が異なります。特定違反行為は非常に危険な違反で、62点、55点、51点、48点、45点、35点の6種類に分類され、一度の違反で免許取消となる可能性があります。
参考)点数制度による運転免許の取消し・停止/神奈川県警察

一般違反行為の場合、過去に違反歴がない前歴0回の運転者は、累積6点で免許停止30日、9点で60日、12点で90日、15点以上で免許取消となります。前歴がある場合は、より少ない点数で処分が科されるため、一度でも処分を受けた後は特に注意が必要です。例えば、前歴1回の運転者は累積4点で免許停止、10点で免許取消となります。
参考)道交法違反となる行為まとめ 点数や罰金・反則金についても解説…

初心運転者期間(免許取得から1年間)には特別な規定があり、この期間中に累積3点以上の違反をすると初心運転者講習の受講義務が発生します。この講習を受講しないと再試験となり、合格できなければ免許取消になってしまいます。講習は有料ですが、再試験を免除されて合格扱いになるため、受講することが推奨されます。
参考)バイクの二人乗り違反はバレる?罰則は?捕まったら免停?

重大な違反として、酒酔い運転(35点)、麻薬等運転(35点)、無免許運転(25点)、あおり運転(25~35点)、ひき逃げ(39~57点)などは一度の違反で即座に免許取消となります。これらの違反は社会的にも重大な責任が問われ、刑事罰も非常に重くなります。日頃から安全運転を心がけ、違反点数を累積させないことが、免許を維持し続けるために最も重要です。​