
二段階右折で待機場所がない交差点に遭遇した場合、まず確認すべきは交差点の形状です。特にT字路のうち、直進と右折に分かれる「ト型」の交差点では、原則として待機スペースが用意されているものの、一部の交差点では物理的なスペースが確保されていない場合があります。このような交差点では、多くの道路で二段階右折が禁止されており、「二段階右折禁止」の標識が設置されています。
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待機スペースがない場合の対処法として、標識の確認が最も重要です。二段階右折禁止の標識(原動機付自転車の右折方法「小回り」)がある交差点では、普通の車両と同じように小回り右折を行う必要があります。標識がない場合でも、安全のためになるべく右折を避け、迂回ルートを選択することが推奨されます。
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待機する際の注意点として、交差点を渡った先で方向転換する際は、後続車の進行を妨げない場所を選ぶことが基本です。横断歩道の手前か自転車専用の停止線の前で待機し、歩行者の邪魔にならない位置を心がけましょう。車道の中央で待つと、車の流れを妨げるだけでなく、後続車に巻き込まれるリスクも高まります。
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三井ダイレクト損保公式サイト:二段階右折の詳細な方法と禁止ケースを解説
T字路(丁字路)での二段階右折には特有のルールがあります。片側三車線以上あるような大きな道の丁字路では、わざわざ歩道側に切り込みを入れて、二段階右折をする原付のための待機スペースが設置されることがあります。このスペースは、歩道の一部を狭くして車道のスペースを広げた部分で、原付の待機専用に設計されています。
待機スペースのある丁字路では、専用の信号機が設置されているのが特徴です。待機スペースから見た正面、本来なら車が進行(直進)しない方向に向けても信号機が設置されており、「原付専用」「軽車両専用」と記された標識がついています。この信号に従って待機し、青信号になってから直進することで安全に右折が完了します。
T字路で二段階右折を行う際の手順は、基本的な二段階右折と同様に一番左の車線を右ウインカーを出しながら走行し、突き当たりの場所で方向転換してウインカーを消灯します。その後、信号が青になるのを待ち、進行方向の信号が青になったら直進してください。二段階右折禁止の標識がない限り、T字路でも二段階右折が必要です。
左折専用レーンがある交差点でも、二段階右折を行う車両は左車線を走行することが道路交通法で定められています。左折専用レーンがある場合、四輪車などの車両は必ず左折するため、原付は右ウインカーを出すことを忘れず、左折車に巻き込まれないよう安全を確認してから直進する必要があります。
特に注意が必要なのは、矢印信号が設置されている交差点です。交差点に左折用の矢印信号が設置されている場合、左折の矢印の点灯時は直進することができません。この場合、青信号か直進矢印信号に変わって直進ができるようになるまで、車両を左車線の路肩の安全な場所に寄せて待機する必要があります。
左折矢印が出た場合に直進すると信号無視になるため、左折車両の邪魔にならないように左端で待機することが重要です。左折専用レーンの先頭、直進レーン寄りで右折のウインカーを点滅させて待機し、青色灯火もしくは直進を示す矢印の補助信号が点いたら進行します。このとき、周囲の車両の動きに十分注意し、特に左からの直進車両に警戒しましょう。
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二段階右折を必要とする交差点で小回り右折をすると、道路交通法第34条第5項の「交差点右左折方法違反」になります。この違反の罰則は、違反点数1点、反則金3,000円と規定されています。
しかし、実際にはより重い罰則が科される可能性が高いです。二段階右折が必要な交差点で小回り右折をした場合、右折した先の信号は赤信号のため、同時に信号無視もしていることになります。複数の違反が同時に発生した際には、より重い方の罰則が適用されるため、信号無視の違反点数2点、反則金6,000円が罰則として科されます。
逆に、二段階右折が不要な交差点で二段階右折をした場合も違反となります。この場合も同様に違反点数1点と反則金3,000円が科せられ、右折先の信号が赤信号となっているため、信号無視として取り締まられ、違反点数2点と反則金6,000円が科せられる可能性があります。違反区分と罰則を正確に理解し、適切な右折方法を選択することが重要です。
違反区分 | 違反点数 | 反則金(原付一種) |
---|---|---|
交差点右左折方法違反 | 1点 | 3,000円 |
信号無視違反(赤色等) | 2点 | 6,000円 |
グーバイク公式サイト:二段階右折の罰則と違反パターンの詳細
二段階右折が必要な車種は、排気量が50cc以下の原付(原付一種)と軽車両です。原付は二段階右折が必要と覚えている人も多いですが、排気量50ccを超え125cc以下の原付二種は二段階右折が不要なため、車種の確認が重要です。
片側3車線以上ある道路の交差点では、特に二段階右折の標識がない場所でも、原付一種のバイクは基本的に二段階右折で右折する必要があります。正しい手順は、進行方向が青信号のときに、交差点の約30m手前で右ウインカーを出し、左端を走りつつ直進します。
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交差点を渡った先まで到着したら、後続車の進行を妨げない場所で右方向にL字に転回します。出していたウインカーを消したら、右側の信号が青になるまでこの場所で待機して待ち、右側の信号が青になったら直進して進めば二段階右折が完了です。原付一種のバイクはコンパクトなので、一度やってみれば二段階右折自体はそれほど難しくありません。
待機時は左折車の妨げにならない位置を選び、歩行者や自転車の通行にも十分注意を払いましょう。右ウインカーを出しながら直進する際は、左折する自動車に巻き込まれやすいので注意して走行する必要があります。交差点内では特に周囲の車両の動きに注意し、安全確認を怠らないことが事故防止の鍵となります。
二段階右折が必要かどうかを判断するには、まず道路標識の確認が基本です。「原動機付自転車の右折方法(二段階)」の標識がある場所では、片側の車線数に関わらず二段階右折が必要となります。この標識は青地に白い矢印で二段階の右折経路を示しており、交差点手前に設置されています。
参考)https://www.zurich.co.jp/motorbike/guide/cc-motorbike-right-turn/
標識がない場合は、道路の車線数で判断します。片側3車線以上ある道路の交差点では、特に標識がなくても原付一種は二段階右折で右折する必要があります。片側二車線以下の道路であれば二段階右折の必要はなく、普通の車両と同じように小回り右折が可能です。
ただし、例外的なケースも存在します。片側3車線以上ある道路であっても、信号がなく交通整理が行われていない交差点では二段階右折する必要がありません。また、「原動機付自転車の右折方法(小回り)」の標識があるところでは、3車線以上の道路であっても二段階右折をしてはならず、小回り右折をする必要があります。道路の構造と標識の両方を確認し、状況に応じた適切な右折方法を選択することが安全運転の基本です。
二段階右折を行う際、最も基本となるのが左端走行です。交差点手前30mから右ウインカーを出しながら、道路の左車線(第一通行帯)の左端を走行することが道路交通法で定められています。このとき、一番左の車線が左折専用レーンであったとしても、同じように左車線を走行する必要があります。
左端を走行したまま右折できるため、車線変更による危険を回避できるのが二段階右折の利点です。しかし、右ウインカーを出しながら直進するという通常とは異なる動きをするため、周囲の車両に誤解を与えやすく、特に左折する自動車に巻き込まれやすいので注意が必要です。
安全確認のポイントとして、交差点進入前には必ず左右からの車両がないことを確認します。特に左からの直進車両に注意し、左折車両の動きにも警戒しましょう。交差点を渡った後の待機位置では、後続車や左折車の妨げにならない場所を選び、歩行者の通行スペースを塞がないようにすることが重要です。横断歩道の真ん中や歩行者の通行スペースで待つと、他の交通の妨げになってしまうため、適切な待機場所の選択が安全な二段階右折の鍵となります。
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WEB CARTOP:交差点の待機スペースと二段階右折の仕組みを詳しく解説