加速度センサージャイロセンサー違いとバイク活用

加速度センサージャイロセンサー違いとバイク活用

加速度センサージャイロセンサー違い

📊 センサーの基本特性比較
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加速度センサーの測定対象

直線運動の加速度を測定し、速度変化や傾き、振動を検出します

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ジャイロセンサーの測定対象

回転運動の角速度を測定し、物体の向きや回転の変化を検出します

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バイクでの活用方法

両センサーを組み合わせたIMUがコーナリングABSやトラクションコントロールを実現します

加速度センサーの測定原理と特徴


Youmile 4個 加速度センサーMMA8452モジュール 3軸加速度センサー デジタル3軸モジュール 傾斜モジュール GY-45
加速度センサーは、物体に加わる加速度を電気信号に変換して測定するセンサーです。加速度とは単位時間あたりの速度の変化率を指し、このセンサーは主に直線運動による速度変化を捉えることに優れています。
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測定の仕組みとしては、センサー内部の質量体が加速度によって変位し、その変位量を静電容量や圧電効果によって電気信号として検出します。重力も一種の加速度として検知されるため、静止状態でも物体の傾きを測定できるのが大きな特徴です。
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バイクにおいては、急ブレーキ時の減速度や加速時の前後方向の力、さらには路面からの振動まで幅広く検知します。3軸加速度センサーを使用すれば、前後・左右・上下の3方向の加速度を同時に測定できるため、バイクの挙動を多面的に把握することが可能になります。
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ジャイロセンサーの動作原理と構造

ジャイロセンサーは、物体の角速度、つまり回転の速さを測定するセンサーです。現在主流となっている振動式ジャイロセンサーは、コリオリの力を利用して回転を検知する仕組みを採用しています。
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具体的には、センサー内部の振動子を一定方向に振動させた状態で回転が加わると、振動方向に対して垂直方向にコリオリ力が発生します。この力による振動子の変位を、圧電方式では電圧変化として、静電容量方式では静電容量の変化として検出することで角速度を算出します。
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ジャイロセンサーの最大の特徴は、静止状態では出力がゼロになる点です。つまり回転運動が発生しているときのみ信号を出力するため、バイクがコーナーを曲がる際の旋回角速度や、車体が左右に傾く速度を正確に捉えることができます。バイクの6軸IMUでは、3軸のジャイロセンサーによってロール(横傾き)、ピッチ(前後傾き)、ヨー(旋回)の角速度を測定しています。
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加速度センサーとジャイロセンサー違いの比較表

二つのセンサーの違いを明確に理解するため、主要な特性を比較表にまとめます。
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項目 加速度センサー ジャイロセンサー
測定対象 直線加速度(速度変化) 角速度(回転の速さ)
静止状態の出力 あり(重力を検出) なし(回転時のみ出力)
得意な検出 傾き、衝撃、振動 回転、姿勢変化、旋回
バイクでの用途 前後加速、ブレーキング検知 コーナリング角度検知
消費電力 比較的低い やや高い

加速度センサーは重力加速度を常に検出するため、静止状態でも傾きの情報が得られます。一方ジャイロセンサーは回転運動に特化しており、動的な姿勢変化の検出に優れています。
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両センサーは互いに補完的な関係にあり、加速度センサーの弱点である回転検出をジャイロセンサーが補い、ジャイロセンサーの弱点である静止時の姿勢推定を加速度センサーが補完します。現代のバイクではこの二つのセンサーを組み合わせたIMU(慣性計測装置)として一体化することで、より正確な車両挙動の把握を実現しています。
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バイクにおける加速度センサー活用方法

バイクの安全装置において、加速度センサーは極めて重要な役割を担っています。特にABS(アンチロックブレーキシステム)では、急ブレーキ時の前後方向の減速度を検知し、タイヤがロックする直前でブレーキ圧を調整することで制動距離を短縮します。
参考)二輪車における活用事例[6in1センサ] - パナソニック

トラクションコントロールシステムでは、加速度センサーが後輪のスリップを間接的に検知します。加速時に想定以上の前後方向の加速度変化が生じた場合、後輪が空転している可能性があると判断し、エンジン出力を制御してグリップを回復させます。​
さらに現代のバイクでは、3軸加速度センサーによって上下方向の振動も検知できるため、路面状況の推定にも活用されています。荒れた路面では細かい振動が多く検出されるため、電子制御の介入レベルを調整して乗りやすさを向上させる仕組みが採用されています。
参考)レインモードを使いこなす電子制御活用術 - BikeJIN …

バイクにおけるジャイロセンサー応用技術

ジャイロセンサーの最も重要な応用は、コーナリング中の車両姿勢検知です。従来の3軸センサー時代には直進時のみ有効だったABSやトラクションコントロールが、6軸IMU(加速度3軸+ジャイロ3軸)の登場によってコーナリング中でも正確に作動するようになりました。
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バイクが旋回する際、ジャイロセンサーはバンク角(車体の傾斜角度)の変化速度である角速度を測定します。この情報をリアルタイムで処理することで、コーナリングABSはバンク中のブレーキングでも最適な制動力を配分し、転倒リスクを大幅に低減します。​
また、ウィンカーの自動キャンセル機能もジャイロセンサーの応用例です。右左折時の角速度を検知することで、交差点を曲がり終えたことを判断し自動的にウィンカーを消灯します。ただし日本の信号交差点では車体の傾きが小さいため、十分な角速度が検出されず消灯しないケースもあり、ライダーの確認が依然として重要です。​

IMU統合によるバイク安全性能の向上

現代のスポーツバイクや大型バイクには、加速度センサーとジャイロセンサーを統合した6軸IMU(Inertial Measurement Unit:慣性計測装置)が標準装備されつつあります。IMUは各センサーからの情報をCPU内で融合処理し、バイクの正確な姿勢と動きをリアルタイムで算出します。​
6軸IMUによって実現される代表的な機能には、コーナリングABS、コーナリングトラクションコントロール、ウィリー抑制制御などがあります。これらのシステムは、加速度とジャイロの両方のデータを組み合わせることで、単一のセンサーでは不可能だった複雑な車両挙動の推定を可能にしています。​
レインモードなどの走行モード切替機能では、IMUからの情報をもとに路面状況や走行状態を判断し、電子制御の介入度を自動調整します。雨天時には加速度センサーが検知する細かな振動パターンと、ジャイロセンサーが捉える不安定な挙動から滑りやすい路面と判断し、出力を抑制してタイヤのスライドを敏感に抑えます。​
参考:パナソニックの二輪車向け6in1センサ活用事例
二輪車における活用事例[6in1センサ] - パナソニック

センサー技術がもたらすバイクの未来展望

加速度センサーとジャイロセンサーの技術進化は、今後のバイク安全装置にさらなる革新をもたらすと期待されています。特に注目されているのが、バイク用先進運転支援システム(ADAS)の開発です。
参考)バイクの安全装置技術に新たな時代が到来か? バイク用先進運転…

将来的には、IMUのデータと前方監視カメラやミリ波レーダーを統合することで、衝突被害軽減ブレーキや車線維持支援などの機能がバイクにも搭載される見込みです。IMUによる正確な車両姿勢情報は、これらのシステムがバンク角を考慮した適切な制御を行うための基礎データとなります。​
また、レース用バイクではより高精度なIMUセンサーを活用したデータロギングシステムが普及しています。サーキット走行中の詳細な加速度と角速度データを記録・分析することで、ライディングフォームの改善やサスペンションセッティングの最適化に役立てられています。こうしたレーシング技術が市販車にフィードバックされることで、一般ライダーにもより安全で快適な走行環境が提供されていくでしょう。
参考)マコメ製磁気センサーが世界バイクレースで大活躍|マコメ研究所

参考:マコメ研究所の磁気センサーを使ったレース用バイク計測事例
マコメ製磁気センサーが世界バイクレースで大活躍|マコメ研究所

 

 


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