

新穂高ロープウェイの最大の魅力は、日本で唯一の2階建てゴンドラです。2020年7月にリニューアルされた第2ロープウェイのゴンドラは、クリアな視界を確保するために窓が広く設計されており、北アルプスの絶景を余すところなく楽しめます。全長3200mのロープウェイは、第1と第2の2つのロープウェイを乗り継いで約25分で標高2156mの西穂高口駅まで到達します。
2階建てゴンドラは環境への配慮から生まれた設計で、森林の伐採面積を抑えながら乗車定員を増やすことができる優れたシステムです。バイクで訪れるライダーにとっては、愛車を駐車場に停めてから気軽に雲上の世界を体験できる貴重なスポットとなっています。
標高2156mの西穂高口駅の屋上展望台は、360度の大パノラマが広がる絶景スポットです。「ミシュラン・グリーンガイド・ジャポン」で二つ星として掲載されたこの展望台からは、穂高連峰、槍ヶ岳、笠ヶ岳などの北アルプスの名峰が一望できます。
展望台には日本最高所にある「やまびこポスト」があり、ここから手紙を投函することができます。また、西穂高口駅のお土産ショップ「MEGUMI」では、mont-bellとコラボした「頂」シリーズやマスコットキャラクター「にしほくん」グッズなど、ここでしか手に入らない限定商品が充実しています。特に「頂」Tシャツは速乾性と通気性に優れたアイテムで、ライダーにも人気です。
しらかば平駅には焼きたてのパンを提供するパン屋さんがあり、ゴンドラ食パンなどのオリジナルメニューが楽しめます。各駅には喫茶店やレストランもあり、飛騨牛を使った料理や地元食材のグルメを堪能できます。
新穂高ロープウェイの第1・第2ロープウェイ連絡往復乗車券は、大人(中学生以上)3800円、小学生1900円です。第2ロープウェイのみの利用も可能で、往復大人3200円、小学生1600円となっています。JAF会員証を提示すると割引が受けられるほか、事前にオンラインでチケットを購入しておくと、現地での購入待ち時間を短縮できます。
営業時間は8時30分から16時まで(上り最終)ですが、季節によって変動します。冬季(12月から3月)は9時から15時30分までの営業となります。紅葉シーズンの10月上旬から中旬は特に混雑するため、平日や朝8時前の到着を目指すと比較的スムーズに乗車できます。週末は午前9時から11時が最も混雑する時間帯です。
新穂高ロープウェイ公式サイト
公式サイトでは最新の営業時間、料金情報、紅葉状況、ライブカメラの映像などを確認できます。
新穂高ロープウェイへのバイクでのアクセスは、高山市街からR158号線を平湯方面へ向かい、平湯温泉の交差点を左折して新穂高温泉方面へ進むルートが一般的です。高山市街から約1時間程度の距離で、道中は奥飛騨温泉郷の美しい渓谷沿いを走る快適なツーリングコースとなっています。
駐車場は新穂高温泉駐車場(164台)と鍋平高原駐車場(556台)の2ヶ所があります。料金は6時間ごとに600円で、新穂高温泉駐車場から第1ロープウェイ乗場まで徒歩2〜5分、鍋平高原駐車場から第2ロープウェイ乗場まで徒歩5〜10分です。鍋平高原駐車場は降雪期(11月上旬から4月下旬)は営業を中止するため、冬季は新穂高温泉駐車場の利用が必須となります。
紅葉の見頃時期である10月の週末は、早朝から駐車場が満車になることもあるため、午前8時前の到着を目指すことをおすすめします。平日は比較的駐車しやすい状況です。
新穂高ロープウェイ周辺には、バイクツーリングで立ち寄りたい絶景スポットが数多くあります。特におすすめなのが「北アルプス大橋」です。
北アルプス大橋は新穂高温泉の中尾高原と鍋平高原を結ぶ全長150m、高さ70mの巨大な橋で、県道475号線沿いにあります。橋の上からは笠ヶ岳、錫杖岳などの北アルプスの雄大な風景を眺めることができ、サイクリングやドライブルートとして人気の高いスポットです。5月下旬には新緑、10月中旬には一帯が紅葉に包まれる絶景フォトスポットとして知られています。
橋を渡った先にある鍋平園地には無料駐車場(10台)があり、白樺やミズナラの林に囲まれた遊歩道を散策できます。バイクを停めてゆっくりと散策を楽しむのがおすすめです。
また、奥飛騨温泉郷には平湯温泉、福地温泉、新平湯温泉、栃尾温泉、新穂高温泉の5つの温泉地があり、ツーリングの疲れを癒す立ち寄り湯も充実しています。中尾温泉エリアには無料の露天風呂もあり、地元のライダーに親しまれているスポットです。
奥飛騨でツーリング!おすすめスポット5選|飛騨高山観光公式サイト
奥飛騨エリアのツーリングスポットが詳しく紹介されており、ルート計画の参考になります。
バイクライダーならではの新穂高ロープウェイの楽しみ方として、早朝出発による「朝一番ロープウェイ体験」がおすすめです。混雑を避けられるだけでなく、朝の澄んだ空気の中で見る北アルプスの山々は格別の美しさです。特に秋の紅葉シーズンは、朝日に照らされた紅葉が黄金色に輝く絶景を独占できます。
また、期間限定で開催される「星空観賞便」も見逃せません。標高2156mの屋上展望台から見上げる満天の星空は、まるで天然のプラネタリウムのような美しさです。2025年は10月に期間限定で開催されており、日中のツーリングと夜の星空鑑賞を組み合わせた贅沢なプランが楽しめます。
バイクツーリングならではの機動力を活かして、ロープウェイ体験の前後に奥飛騨温泉郷の各温泉地を巡り、地元グルメを堪能するのも魅力的です。平湯温泉の「あんき屋」では飛騨牛の陶板焼きや朴葉みそなどの郷土料理が味わえ、道の駅・奥飛騨温泉郷上宝の「いちすけ」では岩魚の炭焼きがリーズナブルな価格で楽しめます。
冬季にツーリングで訪れる場合は、路面凍結に十分な注意が必要です。スタッドレスタイヤの装着はもちろん、急ブレーキ、急旋回、急加速を避けた慎重な運転を心がけてください。早朝や夜間は特に凍結しやすいため、日中の暖かい時間帯に走行することをおすすめします。
| 季節 | 見どころ | 注意点 |
|---|---|---|
| 春(4月〜5月)🌸 | 新緑の芽吹き、残雪と緑のコントラスト | 標高が高いため朝晩は冷え込む、防寒具必須 |
| 夏(6月〜8月)☀️ | 涼しい気候、青空と木々のコントラスト | 下界との気温差大、紫外線対策が必要 |
| 秋(9月〜11月)🍁 | 紅葉(10月上旬〜下旬が見頃)、絶景 | 週末は大混雑、平日早朝がおすすめ |
| 冬(12月〜3月)❄️ | 雪景色、星空観賞、温泉 | 路面凍結注意、スタッドレス必須、鍋平駐車場閉鎖 |
新穂高ロープウェイは、バイクツーリングで訪れるライダーにとって、走る楽しみと標高2000m超の絶景体験を両方味わえる魅力的なスポットです。奥飛騨温泉郷の豊かな自然と温泉文化、そして北アルプスの雄大な景色が、ツーリングの思い出を特別なものにしてくれます。四季折々に表情を変える風景は何度訪れても新しい発見があり、ライダー仲間との情報交換でも盛り上がること間違いなしです。