振動子取り付け自作で魚探性能を最大化する方法

振動子取り付け自作で魚探性能を最大化する方法

振動子取り付け自作の基本

この記事で分かること
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低コストでの自作方法

ホームセンターで入手可能な材料を使い、1000円程度で振動子取り付けステーを自作する具体的手順

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正しい取り付け位置と角度

魚群探知機の性能を最大限発揮するための船底角度調整と設置場所の選定方法

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材料と固定方法の選び方

ステンレス製パイプや吸盤式など、用途に応じた最適な取り付け方法の比較

振動子取り付け自作に必要な基本知識

振動子は魚群探知機において超音波を発信・受信する最も重要な部品であり、正しく取り付けられていないと正確な情報を得ることができません。一般的なプレジャーボートでは50Hz(低周波)から200Hz(高周波)の周波数が使用されており、50Hzは広範囲を浅くスキャンし、200Hzは狭い範囲を深くスキャンする特徴があります。振動子面が海底に対し垂直に向くよう設置することで、これらの周波数特性を最大限に活かすことができます。
参考)魚群探知機の振動子の取り付け方法と注意点!自作できる簡単取り…

自作取り付けステーを使用すれば、FRP製ボート、ゴムボート、レンタルボートなど様々な船体に対応可能となり、市販品を購入するよりも大幅にコストを抑えられます。ホームセンターで入手できるステンレス製のステーや吸盤、ネジ類を組み合わせることで、総額1000円未満で作成できるのが大きな魅力です。ステンレス製の材料を選ぶことで防錆対策にもなり、長期間の使用にも耐えられます。
参考)https://ameblo.jp/ykawa00/entry-12567629458.html

振動子自作取り付けに適した材料の選定方法

振動子取り付けステーの自作には、材料選びが成功の鍵となります。パイプ材料としては、水道管などで使用される塩ビ管(内径25φ、外径32φ)が適しており、振動子の接続コネクタを余裕で通すことができるサイズです。ステンレス製パイプを選ぶ場合は、直径20mmから25mm程度のものが一般的で、13mm径の細身パイプは水の抵抗を受けにくいという利点があります。
参考)まるで探見丸!プレジャーボートのサイド(船べり)に自分用魚探…

固定金具については、ステンレス製のステー3本(約414円)、吸盤(約368円)、ステンレスネジを基本セットとして用意します。ステンレス製で統一することで防錆性能が向上し、パイプと金具を合わせても2000円程度で揃えられます。最もシンプルな構成であれば、パイプと固定金具とM6のネジだけで台座にダイレクト固定でき、費用は700円程度に抑えることも可能です。​
電動ドライバーとドリルビットは穴あけ作業に必須の工具であり、安価なセット品でも十分に機能します。振動子を固定するビスはM4からM6サイズが一般的で、自分の振動子に合ったサイズを確認して選ぶ必要があります。タイラップ(結束バンド)は電源コードをステーに固定するために使用し、150mm程度のものを数本用意しておくと便利です。
参考)【レンタルボート】振動子ポールを自作。買ったほうが安いけど自…

振動子取り付け自作における固定方法の種類

トランサム部への取り付けは最も一般的な方法で、FRP製ボート、ゴムボートのどちらでも使用できる汎用性の高い方式です。専用の金具を使用する方法もありますが、ホームセンターで入手できるステーを使った自作も可能で、ゴムボートの場合は船底部分の段差に合わせて加工が必要になることがあります。万能パイプを使用する場合も同様に、船底の高さに合わせて設置し、船体から離れた位置にあると走行時に水の抵抗でブレる可能性があるため、できるだけ船体の近くに配置することが重要です。​
吸盤式取り付けはトランサム部に張り付けるタイプで、最も効率的な固定方法とされています。取り付け位置を確実に調整でき、面倒な手間もなく取り外しや片付けも簡単に行えるため、ゴムボートを折りたたむ際や、FRP製ボートをカートップする際に非常に便利です。ただし走行中に外れてしまう可能性を考慮し、スクリューに巻き込まれないようひもなどで固定しておく必要があります。ザラザラした面でも吸着できるよう、吸盤補助プレートを合わせて購入しておくことをおすすめします。​
クランプ式固定では、100均で購入できるステンレス取付金具を活用する方法があり、水の抵抗を少しでも受けない形で作ることができます。取付金具をボルトで繋げていき、クランプに空けた穴にボルトを通して固定する構造で、しっかりとした固定力が得られます。長さは実際に使ってみて調整することで、最適な状態に仕上げることが可能です。youtube​

振動子取り付け位置と角度調整の重要ポイント

振動子の取り付け位置は魚群探知機の性能を大きく左右する要素であり、いくつかの重要な注意点があります。船底角度が10度以上の場合はストライプ部へ取り付ける必要があり、振動子が必ず水の中にあるように設置し、船底と同じ位置に設置することが基本原則です。振動子面が海底に対し垂直に向くよう船底部分に設置することで、超音波の送受信が適切に行われます。
参考)送受波器の設置場所

船底勾配角は水平線と船体外側の単一点間での角度の測定であり、振動子によっては0度から20度まであらかじめ設定された角度の中から選択できるものもあります。取り付け場所によって泡噛み対策の効果が大きく変わり、性能を発揮できるかどうかが左右されるため、最重要ポイントとして意識する必要があります。船体から離れた位置に設置すると走行時に水の抵抗を受けてブレることがあり、正確な情報が入らなくなるため、移動中は跳ね上げて走行することも検討します。youtube​
参考)https://static.garmin.com/pumac/GT17M-THF_Transducer_Install_JA-JP.pdf

パイプの長さは最低でも60cm程度が必要とされ、振動子が水面に浸かる90cm以上になるよう穴を開けることで、常に同じ高さで振動子をぶら下げられる設計にできます。先端部分にも穴を開けてボルトを通しておけば、振動子を取り付けているパイプが水面に落ちないようにする安全対策にもなります。
参考)【便利道具】魚探の振動子固定具について: 手漕ぎボートでまっ…

振動子取り付け自作でコストを抑える独自の工夫

市販の振動子ポールは高価ですが、自作することで大幅なコスト削減が可能です。例えば、ラムボールを取り付ける穴をアルミ角パイプに開け、振動子を取り付ける穴も開けて、振動子コードをポール内に通すという手順だけで完成させることができます。イケアの電動ドライバーセットのような安価な工具でも十分に作業でき、ドリルビットとセットで購入しても本棚作りやライブウェル製作など他のDIYにも活用できます。
参考)amazonの半額以下で魚探の振動子用ポールを作る。 - R…

塩ビパイプを使った伸縮式タイプの製作では、第一精工の「受太郎」の台座を流用し、自宅に余っているDIYのあまりパーツ(金物のフックやステーなど)を組み合わせることで、1000円以下で仕上げることも可能です。ただし塩ビパイプよりもステンレス製の方が耐久性に優れており、海での使用を想定する場合は肉厚のステンレスを使用することで強度的な問題を解消できます。youtube​
参考)【ミニボート】魚群探知機・おすすめの振動子パイプ|ゴムボくら…

GoProマウントを活用した固定方法は、SUPフィッシングなどで特に有効なスマートな手法です。アルミ平角棒にGoProクイックリリースバックルを固定し、振動子をアルミ材に固定してから、GoProベースマウントをSUPに接着する方法で、蝶ネジを採用すれば手で簡単に着脱できます。この方法は従来の固定方法と比較して見た目もスマートで、機能性も高いため、様々な艇種に応用できる可能性があります。
参考)SUPフィッシングの悩み 魚探の振動子の固定-湘南発href="https://www.shonan-fishing.com/2021/10/sup_01025693801.html" target="_blank">https://www.shonan-fishing.com/2021/10/sup_01025693801.htmlamp;#65…

参考となる詳しい取り付け手順については、以下のリンクが役立ちます。

 

魚群探知機の振動子の取り付け方法と注意点(自作方法含む)
振動子自作取り付けの実例と手順が写真付きで解説されており、初心者でも理解しやすい内容となっています。

 

振動子取り付け自作後の性能確認と調整方法

自作した振動子取り付けステーの性能を確認するには、まずある程度水深がある場所(2メートルから10メートル程度)で実際に試してみることが重要です。振動子と船底の間に空気が入らないよう充分な水で濡らし、振動子を船底に軽く押さえつけて画像が一番よく映る場所を確認します。この作業により、最適な取り付け位置を特定できます。
参考)振動子の取付方法|マリン製品|製品情報|本多電子株式会社

取り付け後は電源コードの処理も忘れずに行い、タイラップでステーに沿わせて固定することで、コードが絡まったり断線したりするリスクを軽減できます。走行中のブレを完全に防ぐことは難しいため、移動中は振動子を跳ね上げて走行することも検討し、釣りのポイントに到着してから振動子を水中に下ろすという運用方法も有効です。
参考)https://ameblo.jp/teamnwwhale/entry-12192473911.html

実際の釣行で「反応があるのに釣れない」「水深が違う」といった問題が発生した場合は、振動子の角度や位置を再調整する必要があります。自作ステーは大きく角度を変えることができる設計にしておけば、どのような形状のボートにも対応でき、微調整も容易に行えます。長さについても使ってみて判断し、適宜調整することで最適な状態に仕上げることが可能です。youtube​​

取り付け方法 コスト メリット デメリット
ステンレスステー自作 700円〜2000円 低コスト、角度調整自由、防錆性能高い 穴あけ作業が必要、工具が必要
吸盤式 数千円程度 取り外し簡単、位置調整容易、加工不要 走行中に外れる可能性、補助プレート必要な場合も
塩ビパイプ式 1000円以下 非常に安価、加工が容易 耐久性がステンレスより劣る、海水では劣化しやすい
クランプ式 数百円〜1000円 水の抵抗を受けにくい、しっかり固定 取り付け位置が限定される場合がある

自作振動子取り付けステーを使用することで、市販品の半額以下のコストで魚群探知機の性能を最大限に引き出すことができます。材料の選定から固定方法、取り付け位置の調整まで、正しい知識を持って作業すれば、初心者でも確実に機能する取り付けステーを製作できます。防錆対策としてステンレス製の材料を使用し、取り付け角度や位置に注意を払うことで、長期間にわたって正確な魚群探知が可能となり、釣果向上につながります。​