
バイク整備やカスタムに使用されるクランプは、大きく分けて3つの種類があります。フロントホイールクランプは前輪タイヤを固定してバイクを垂直に自立させる専用スタンドで、洗車やチェーン清掃、タイヤ交換などのメンテナンス作業時に活躍します。クランプバーはミラーやハンドルに取り付けてスマホホルダーやドライブレコーダーなどのアクセサリーを増設するためのバーで、ツーリングやナビゲーション利用に便利です。
参考)バイク用クランプバーおすすめ7選
工具として使用される一般的なクランプには、C型やF型などの種類があり、パーツの固定や加工時に材料を動かないように押さえる役割を果たします。C型クランプは別名「シャコ万力」とも呼ばれ、ネジを締め込むことで強力な固定力を発揮し、木材や金属の固定に適しています。F型クランプはスライド式のアームで口幅を素早く調整でき、仮固定からしっかりした固定まで幅広い作業に対応できます。
参考)クランプの種類と選び方
バイク用途では特にホイールクランプとクランプバーの使用頻度が高く、DIYメンテナンスやカスタマイズを楽しむライダーにとって必須アイテムとなっています。
参考)バイクライフが更に充実!メンテや保管に便利なホイールスタンド…
ツールズアイランド(Toolsisland) バイクスタンド フロントタイヤ固定用 フロントホイールクランプ 16~18インチ (ブラック) TD7021-B
フロントホイールクランプは、前輪を固定してバイクを垂直に保つ専用スタンドで、14~18インチのタイヤ幅110~130mmに対応した製品が一般的です。シーソー構造を採用しており、前輪を乗り上げるだけで自動的にタイヤがロックされ、バイクが自立する仕組みになっています。耐荷重は500kg以上の製品が多く、大型バイクでも安定して使用できます。youtube
参考)フロントホイールクランプの購入レビューとメンテナンス|おバイ…
メンテナンス時の活用方法として、チェーン清掃やスプロケット点検では後輪を浮かせやすくなり、作業効率が大幅に向上します。洗車時にはバイクを垂直に保つことで水の流れが均一になり、洗い残しを防げます。タイヤ交換やブレーキメンテナンスでは、ジャッキと併用することで前後輪を安定して浮かせられ、より安全に作業できます。
参考)フロントホイールクランプのデメリットは?選び方や安全に使うた…
保管時にも役立ち、ガレージ内でバイクを垂直に保管すればスペースを有効活用できます。運搬時にはトラックの荷台に固定する際の基礎としても機能し、転倒リスクを軽減できます。ただし、アンダーカウル装着車やフェンダーの深いビッグスクーターなど、一部車種では使用できない場合があるため、購入前に適合性を確認する必要があります。
クランプバーは取付位置によって4種類に分類されます。ミラーマウント型はミラー部分に取り付けるタイプで、ハンドルに空きスペースがない場合でもアクセサリーを増設できるメリットがあります。ただし、ミラーステーの強度が弱いと振動の影響を受けやすいというデメリットもあります。
ハンドルマウント型はハンドルバーに直接クランプで固定するタイプで、視認性が高く、取り付けた機器が見やすい位置に配置できます。二本柱構造の製品は強度が高く、重いアクセサリーも安定して取り付けられます。ステムマウント型はセパレートハンドル専用で、ハンドルに取付スペースがほとんどない車両に適しています。
マスターシリンダーマウント型はブレーキやクラッチのマスターシリンダークランプ部に取り付けるタイプで、フラットな形状により外観を損なわずに機器を増設できます。バーの外径は多くの製品が国産バイクの標準ハンドル径である22mm(7/8インチ)を採用しており、ほとんどのスマホホルダーやアクセサリーと互換性があります。
選び方のポイントとして、まず取付位置の種類を決め、次に他のパーツとの干渉がないか確認し、取り付けたいアクセサリーの数に応じてバーの長さを選ぶという手順が推奨されます。M6やM8のネジ穴が開いている製品は、アクセサリーの取り付けがスムーズで拡張性が高いため人気があります。
C型クランプは別名「シャコ万力」「B型」「G型」とも呼ばれ、数あるクランプ種類の中でも最も強力な締め付け力を持つ定番型です。ネジを締め込むことで固定を行う仕様で、木材や金属の固定、接着時の圧着などに使えます。締め付けが強力な反面、口の開きを調整するのに手間がかかり、素材との接触部分が金属製のため、傷や凹みがつきやすいという特徴があります。
参考)クランプの種類と用途・使い方について徹底解説! - 愛知/名…
F型クランプは別名「L型クランプ」「スライディングクランプ」とも呼ばれ、ハンドルを回転させることで圧力をかけて対象物を固定します。締め付ける力はC型には劣りますが、腕部分をスライドさせることができるため、固定する物の厚みに口幅をすぐに合わせられるメリットがあります。あたり部分にゴムがついている製品が多く、木工作業で素材を傷つけたくない場合に最適です。
使い分けの基準として、強力に固定したい場合や金属加工ではC型を、仮固定や木工作業、頻繁に付け外しする作業ではF型を選ぶのが一般的です。バイク整備では、パーツを作業台に固定する際や、接着剤が乾くまでの圧着固定などでこれらのクランプが活躍します。サイズ選びでは、作業台と材料の厚みを合わせた寸法以上の最大口幅を持つ製品を選び、当て木を使用する場合はその厚みも考慮する必要があります。
参考)ダイソーのクランプの種類を徹底解説||F型C型の違いや耐久性…
こちらの記事では、クランプの種類ごとの特徴と選び方が詳しく解説されています
クランプ選びで最も重要なのはサイズで、特に最大口幅(挟める範囲)と奥行き(深さ)の確認が必須です。木工クラフトであれば10cm程度の口幅でも十分ですが、本格的な家具づくりやDIYに取り組むなら最大口幅20cm前後を目安にすると使い方の幅が広がります。分厚い材料や複数重ねた材料を固定する場合は、最大口幅1m前後の大型クランプも選択肢に入ります。
参考)クランプのおすすめ人気ランキング【2025年10月】
奥行き(深さ)は、作業台や木板など面積の広いものを固定する際に重要で、フチではなく奥側で締めたい場合は深型のクランプを選ぶ必要があります。同程度のスペックであれば、口幅がより広いものを選ぶと汎用性が高まります。
強度面では、F型クランプの場合、バーの断面強度が締め付け力に直結します。長さ600mmまでであれば200kgクラスの製品で十分ですが、それを超える場合は400kgクラスのパラレルクランプが第一選択となります。C型クランプは厚みのある鋳鉄や合金を採用しており、コンパクト設計ながら局所的な強い固定力を発揮します。
参考)ダイソークランプの種類と使い方徹底比較|人気100均F型C型…
材料保護のために当て木を使う場合は、当て木込みの厚みを考慮してサイズを選びます。一般的な木材加工では当て木の厚さ3cm程度を見込み、金属製のC型クランプを使う場合はもう少し厚めの当て木を用意すると素材を傷つけません。
バイク整備でクランプを活用する意外なテクニックとして、ケーブル類の仮固定があります。スロットルケーブルやブレーキホースの取り回しを変更する際、スプリングクランプで一時的に固定すれば、両手でボルト締めができて作業効率が大幅に向上します。塗装やコーティング作業時には、F型クランプで小型パーツを木板に固定し、作業台として使うことで均一な塗装面を実現できます。
フロントホイールクランプとジャッキを併用する上級テクニックでは、前輪をホイールクランプで固定した状態で後輪をジャッキアップすることで、チェーン調整やスプロケット交換が格段にやりやすくなります。さらに、サスペンションのオーバーホール時にはバイクを垂直に保つことで油面の確認が正確になり、エア抜き作業もスムーズです。
参考)ホイールクランプ バイクスタンド バイクリフト 10-19i…
カスタム作業では、クランプバーに一時的にLEDライトを取り付けて作業灯として活用する方法もあります。夜間や暗い場所での整備時に、照明を最適な位置に配置できるため作業精度が向上します。角度調整が可能な回転構造のクランプバーを選べば、照明の向きを自由に変えられて便利です。
洗車時の活用として、ホイールクランプでバイクを垂直に保ちながら、スプリングクランプでホースを固定すれば片手で洗車ができ、細部まで丁寧に洗えます。シートやカウルを外した状態で保管する際も、C型クランプで軽く固定しておけば変形を防げます。
参考)【保存版】洗車の正解はこれ!プロが教える道具・手順・コーティ…