修復歴 基準とは|バイク骨格部位判断

修復歴 基準とは|バイク骨格部位判断

修復歴 基準

この記事でわかること
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修復歴の定義と骨格部位

フレーム・シートレール・ハンドルストッパーが判断対象となる骨格部位です

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修復歴の判断基準

交換または修正がある場合に修復歴ありとなります

💰
査定額への影響

修復歴があると査定額が大幅に減額される可能性があります

修復歴とは|バイク骨格部位の定義


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修復歴とは、バイクの骨格部分を修正または交換した履歴のことを指します。自動車公正取引協議会の定義によれば、バイクの場合は主にフレームが該当し、シートレールとハンドルストッパーも骨格部位に含まれます。
参考)キチンと説明できる? 中古バイクの「修復歴」の意味

骨格部位は車体の強度を保つ重要な部分であり、これらの部位に損傷があって修理した場合、その車両は「修復歴あり」として扱われます。一方で、タンクやサスペンション、フェンダーなどの外装部品を交換しても修復歴には該当しません。
参考)https://www.zurich.co.jp/carlife/cc-repairing-history/

バイクのフレームが曲がったり破断したりするのは、転倒程度では発生せず、正面からの衝突など相当大きな事故に遭った場合に起こります。そのため、修復歴のあるバイクは事故車として扱われることが多く、中古車市場では価格が安くなる傾向があります。
参考)バイクが「修復歴あり」になってしまうのは、どのような修理?

修復歴 基準となる骨格部位の範囲

バイクにおける修復歴の判断基準は、車の場合よりもシンプルです。具体的には以下の3つの部位が骨格として定義されています。​

  • メインフレーム:車体の中心的な構造部分
  • シートレール:シートを支える骨格部分
  • ハンドルストッパー:ハンドルの可動域を制限する部分

これらの部位を修正または交換している場合、修復歴ありとなります。バイクの場合、フレームは溶接接合されている部位のみが骨格とされ、ネジ止め部位は骨格に含まれません。
参考)https://www.jusaa.com/Oshirase/kensakijun/%E2%85%A0%EF%BC%89%E4%BF%AE%E5%BE%A9%E6%AD%B4%E5%88%A4%E6%96%AD%E5%9F%BA%E6%BA%96.pdf

車の場合はより複雑で、クロスメンバー、サイドメンバー、インサイドパネル、ピラー、ルーフ、センターフロアパネル、リアフロア、ラジエーターコアサポートなど8つの骨格部位が定義されています。それぞれの部位に対して、交換されているもの、曲がりや凹みがあるもの、またはその修理跡があるものが修復歴と判断されます。​

修復歴 基準による査定価格への影響

修復歴があると、バイクや車の査定額は大幅に減額されます。その理由は、安全面での心配、走行時の影響、そして中古車としての需要低下にあります。
参考)車の査定額はいくら下がる?修復歴の部位別・減額相場と影響を詳…

骨格部分は衝突時の衝撃を吸収する重要な役割を担っており、修理しても元通りの強度に戻すことは難しいとされています。また、骨格が少しでも歪んでいると、走行が不安定になったり異音が発生したりする可能性があります。​
具体的な減額の目安は以下の通りです。​

修理箇所 影響の大きさ 減額の目安
フレーム 40万円~
ピラー 30万円~
トランクフロア 15万円~35万円
ラジエーターコアサポート 10万円~30万円

修復歴がない車と比べて20万円~50万円、場合によってはそれ以上下がることも多く、人気車種や新しい車だとさらに大きく減額されます。減額幅は車種の人気度、年式、走行距離、そしてどの部位をどの程度修復したかによって大きく変わります。​

修復歴 基準の見分け方とチェックポイント

修復歴を見分けるには、外観の確認や試乗での挙動チェックが重要です。素人でも確認できるポイントがいくつかあります。
参考)修復歴車とは?見分け方やチェックポイントについて押さえよう

外観でのチェック項目

確認箇所 チェック内容 修復歴の特徴
ボディ全体 塗装の色味や光沢 部分的な色の違いや経年劣化の差
パネルの隙間 ボンネット・ドア・トランクの隙間 左右で異なる隙間幅や段差の存在
接合部分 ボルトやネジの状態 工具による削れ、塗装剥げの跡
シーリング部分 左右のシーラーの状態 シーラーの種類や状態の違い

車体の左右対称性が最も見分けやすい特徴です。正常な車両であれば、両サイドのパネルの隙間や塗装の状態は均一ですが、対称性が崩れている場合は修復歴がある可能性があります。​
バイクの場合は、フレームの溶接跡をチェックすることが重要です。溶接跡に違和感があったり、そこからサビが出ている場合は注意が必要です。試乗できる場合は、不快な振動が大きくないか、真っ直ぐに走るかを確認しましょう。​
ボディ下部やトランクの床下部分も重要なチェックポイントで、しわやゆがみがあると追突事故などによる修復の可能性があります。​

修復歴 基準と修理歴の違い

修復歴と修理歴は混同されやすいですが、明確な違いがあります。修復歴は骨格部分の修理・交換をした状態を指すのに対し、修理歴は骨格部分以外の修理や交換をした状態を指します。
参考)修復歴ありとは?その定義と基準|中古車の「修復歴あり」買う時…

例えば、自損事故でへこんだバンパーを交換した場合、骨格に損傷はないため「修理歴」となります。同様に、フロントフェンダー、トランク、ボンネットが破損して交換した場合も、これらはフレームではないため修復歴には含まれません。​
車が横から追突された場合、ドアの交換だけで済めば修復歴にはなりませんが、ドアの交換と合わせて損傷したフレームを修復すれば修復歴がつくことになります。このように、同じような事故であっても損傷した箇所や修理の内容によって修復歴の有無が変わります。​
修理歴は修復歴ほど買取価格に大きく影響しません。車自体に与える影響が比較的小さいため、査定額への影響も限定的です。​
将来車を売る際に「修理をしたことはあるが骨格部分に問題はない」ことを証明できるよう、車を修理したときには修理内容を示した明細などをきちんと保管しておくことが重要です。​

修復歴 基準における溶接部位とネジ止め部位の違い

骨格部位の判断において、溶接接合されている部位とネジ止め部位では扱いが異なります。日本自動車査定協会の基準では、「骨格は溶接接合されている部位のみとし、ネジ止め部位は骨格としない」と明確に定義されています。​
この基準が設けられた理由は、溶接部位が車体の構造的な強度を担う重要な部分であるのに対し、ネジ止め部位は比較的容易に着脱可能で、車体の根本的な強度には影響しないためです。​
意外と知られていない事実として、ラジエーターコアサポートの取り扱いがあります。以前はコアサポートの交換だけで修復歴とされていましたが、現在の査定基準では「交換されており、かつ隣接する骨格部位に凹みや曲がり、またはその修理跡がある場合」のみ修復歴となります。
参考)事故車って何?見逃しがちな基準を初公開

つまり、ラジエーターコアサポート単体の交換では修復歴に該当しないケースも存在します。ただし、クランプ跡がある場合は「修復歴車である疑いが強い」とされ、注意深く検査して骨格部位の損傷や修理の痕跡発見に努めることが求められます。​
フレーム付き車や輸入車の一部など、車種・構造の特殊性により上記判断基準をそのまま適用することが適切でないと判断される場合は、主催商組の基準を暫定的に適用することもあります。​

修復歴 基準とバイク売買時の注意点

バイクの売買時には、修復歴に関する告知義務があります。買取店に売る際の契約では、修復歴の告知が義務づけられることが一般的で、修復歴があるにもかかわらず告知を怠ると、後から買取価格の減額を要求される可能性があります。​
修復歴を隠して売却することは、トラブルの原因となります。修復歴があるのに「ない」と虚偽の申告をした場合、契約後に発覚すれば損害賠償を請求される可能性もあります。正直に申告することが、売り手にとっても買い手にとっても最善の選択です。
参考)修復歴があるのに「ない」と嘘をついてしまった場合はどうなる?

一方、中古バイクを購入する側としては、販売店に修復歴の詳細を確認することが重要です。どの部分をどういった直し方をしているのかをしっかりと説明してくれるショップ、不安な部分にしっかりと答えてくれるところであれば信頼できます。​
購入前に試乗が可能であれば、必ず実施しましょう。乗ってみて不快な振動が大きかったり、真っ直ぐに走らなかったりする場合は避けたほうが無難です。プロの手にかかればいかようにもごまかせるのも事実なので、ショップの対応を購入基準とするのもおすすめです。​
修復歴があるバイクでも、問題なく直してあれば買うのもありですが、仕上がりの良し悪しをしっかり見極めることが大切です。​
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