
立ちゴケを起こした直後は、まずブレーキペダルとシフトペダルの状態を確認することが最優先です。ペダルが曲がっているだけでなく、リアブレーキが正常に作動するかどうかも必ずチェックしましょう。曲がり具合が軽度であれば走行できることもありますが、安全性を考えると早めの対処が必要です。
参考)【転倒や事故を起こしたらどうする? 後編】折れた部品は○○○…
ペダルの曲がりは、転倒の方向によって異なります。右側に倒れた場合はブレーキペダルが、左側に倒れた場合はシフトペダルやクラッチレバーが損傷しやすい傾向にあります。基本的に内側に曲がってしまうケースがほとんどです。
参考)立ちゴケでペダルが曲がってしまったら
立ちゴケは、停止時や低速時に発生するため、走行中の転倒と比べてダメージは軽微なことが多いです。しかし、ステップやペダル周辺は最も損傷しやすい箇所でもあるため、転倒後は必ず点検してください。
参考)【バイク立ちゴケ】修理代を安く抑える方法|パーツ別費用&保険…
スチール製のブレーキペダルであれば、工具を使って曲げ直すことが可能です。修正には大きめのメガネレンチやスパナを使い、テコの原理で力を加えます。曲がったペダルとバイクの車体の間に工具を挟み込み、外側に引っ張るようにすると元の状態に近づけられます。
参考)バイクの曲がったレバーやペダルの修正方法。 - ホンダ「CB…
より確実な修正方法としては、ガストーチで曲がった部分を加熱してから力を加える手法があります。十分に加熱すると金属が柔らかくなり、グニャっと曲がるようになります。ただし、加熱が不十分な状態で力を加えると折れたり亀裂が入る危険性があるため注意が必要です。
アルミ製のペダルは曲げ直しが困難で、無理に力を加えると折れる可能性が高いです。アルミ製の場合は、操作に支障がなければそのまま使用するか、交換を検討するのが賢明です。鉄製はかなり力を加えても大丈夫ですが、アルミ製は慎重に扱う必要があります。
参考)[転んだらどう対処する?]ペダルの曲がりは工具を使って修正 …
ブレーキペダルやステップの交換にかかる費用は、部品代と工賃の合計で決まります。ステップやペダルの部品代は約1,500~3,000円(2本セット)が一般的です。交換工賃は1本あたり約900円から、バイクショップによっては3,000円程度かかることもあります。
参考)https://www.goobike.com/magazine/maintenance/maintenance/283/
立ちゴケによる修理全体の費用相場は、損傷箇所によって大きく変動します。マフラーやカウルの擦り傷も含めてバイクショップで修理すると、2万~3万円程度が目安となります。ただし、損傷が軽微であれば部品交換だけで済み、1万円以内に収まることもあります。
参考)https://coolbushi.com/749.html
シフトペダル交換の事例では、部品代6,650円+工賃3,300円で合計約10,000円という報告もあります。車種や部品の入手難易度によって費用は変わるため、修理前に必ず見積もりを取ることをおすすめします。
参考)https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q14301676834
立ちゴケを防ぐ基本テクニックとして、左側に重心を置くことが効果的です。バイクのサイドスタンドは左側に装備されているため、停車時は車体をやや左に傾けて左足でしっかり支え、スムーズにサイドスタンドを出せる姿勢を保ちます。万が一バランスを崩しかけても、サイドスタンドが支えとなって転倒リスクを軽減できます。
参考)バイクの立ちゴケが発生する原因とは?未然に防ぐ対策と発生時の…
停車時はリアブレーキを活用することも重要です。ニーグリップをしっかり行い、リアブレーキで速度調整することで車体のフラつきを抑えられます。フロントブレーキだけでの操作は、フロントフォークが大きく動いてバランスを崩す原因になるため注意が必要です。
参考)バイクで立ちゴケしたらどうする?対策方法や確認するべきことを…
低速時のハンドル操作には特に気をつけましょう。急なハンドル操作はバイクのバランスを崩す直接的な原因となります。また、停車前には路面状況(傾斜や段差の有無)を確認し、安定した場所で停車させることが転倒防止につながります。
参考)https://www.zurich.co.jp/motorbike/guide/cc-tachigoke-fell-down/
転倒時のダメージを最小限に抑えるために、エンジンガードやエンジンスライダーの装着が有効です。これらのパーツは立ちゴケ程度の転倒でも車両が受けるダメージを軽減し、エンジンやカウルを保護します。特に初心者ライダーや、林道走行などでオフロード走行を楽しむ方には必須のアイテムといえます。
参考)ライダー必見!ちょっとした転倒でも高額修理?バイクの車両保険…
ブレーキペダル専用の保護パーツとして、DRCブレーキセイバーのような製品も販売されています。これはフレームとペダルをワイヤーで繋ぐことでペダルの変形を防止するワイヤリングキットです。岩や轍などにブレーキペダルが接触して破損するのを防ぐ効果があります。
参考)https://ghostgarage.cart.fc2.com/ca315/1105/
保護パーツの価格は比較的手頃で、ブレーキセイバーは約1,200円程度から購入できます。エンジンガードは車種や素材によって価格が異なりますが、転倒時の高額修理費用を考えれば、予防的に装着しておく価値は十分にあります。
立ちゴケ後はブレーキペダルだけでなく、ステップ類の損傷も確認が必要です。ステップも転倒時に折れやすくできており、これによってステップホルダーの損傷を軽減する設計になっています。ステップが折れた場合でも、安全に足を載せられるかどうかを必ず確認してください。
クラッチレバーやブレーキレバーは転倒時に最も折れやすい部分です。レバーは意図的に折れやすく作られているため、立ちゴケで曲がったり折れたりするのは正常な設計といえます。予備を1セット持っておくと、トラブル時に安心です。
立ちゴケでは外装の擦り傷も多く発生します。カウル、マフラー、ミラーなどに破損がないか確認しましょう。見た目の傷が軽微でも、内部にダメージがある可能性もあるため、心配な場合はバイクショップで診てもらうのが最も確実で、結果的に安上がりになります。