
塩化カルシウム(粒状) 25kg トクヤマ 【融雪・凍結防止剤】
冬季の道路に散布される凍結防止剤の主成分である塩化カルシウムは、水の凝固点を下げる性質を持っています。通常0℃で凍る水を、塩化カルシウムの濃度によってはマイナス50℃まで凝固点を下げることができるため、路面の雪や水が凍りにくくなり、積もった雪も溶けやすくなります。塩化カルシウムは吸湿性・潮解性が非常に強く、水溶液は0℃以下でも凍らないため、道路等の融氷雪剤として広く使われています。さらに水に溶けると発熱する性質を持っているため、雪や氷を急速に溶かすのに効果的で、山間部などで使用される融雪剤は塩化カルシウムが主成分となっています。
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融雪剤に含まれる塩化カルシウムは、大量の水分を吸収する性質があるため、バイクに付着すると拭き取った程度では落としきれず、急速に錆を進行させる要因になります。バイクに付着した塩化カルシウムを数日間そのままにしていれば、瞬く間に錆が進行してしまい、後の祭りとなる可能性があります。特にバイクのマフラーやエンジンは錆びやすく、BMWの場合はマフラーが錆びると「エキゾーストフラップ」が固着して最悪の場合はマフラー交換が必要になることもあります。塩化カルシウムや塩化ナトリウムが混ざった水は塩水となり、金属部分に付着すると腐食を早めるため、融雪剤が撒かれた道を走った後は洗い流しておくことが重要です。
参考)https://www.goobike.com/magazine/ride/technique/29/
融雪剤が撒かれた路面は、固形の溶剤が水分によって融けることで非常に滑りやすくなります。特に塩化カルシウムがまかれた道路では、調子にのってカーブでバンクさせると転倒のリスクが高まり、砂や落ち葉が落ちている道路と同じように注意が必要です。冬季に道路に散布される融雪剤は、通行人や街の安全のために除雪車が実際に道路を走りながら散布していきます。塩化カルシウムの散布は除雪した後の路面や、踏み固められた凍結した道路等に対して、ムラなく均一に行われますが、坂道の場合は上のほうに多めに散布されることがあります。
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融雪剤がライディングに与える影響について詳しく解説している参考記事
塩化カルシウムが付着したバイクは、時間を置かず速やかな洗車が必要です。付着したばかりで水分が残っている段階であれば、水で軽く洗い流すだけでも比較的簡単に落とすことができます。洗車の手順としては、まず高圧洗浄機を使用して車体全体に水をかけ、特に下回りやチェーン周りなどの融雪剤が付着しやすい箇所は時間をかけて洗い流します。その後、カーシャンプーを通常よりも多めに使用して車体全体を洗浄し、洗剤の成分が残らないように入念にすすぎを行います。最後に洗車用のクロスで水滴を拭き上げますが、融雪剤に素手で触れると炎症や肌荒れの原因となるため、洗車時はゴム手袋を着用することが重要です。
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塩カル付着時の詳しい洗車方法を解説している専門サイト
塩化カルシウムによる錆を防ぐためには、冬場のこまめな洗車が最も効果的な対策です。洗車の頻度としては、最低でも月に1~2回は洗車を行うことが推奨されており、塩カルの影響を最小限に抑えることができます。チェーンは錆に対して反応がとても早く、塩化カルシウムが散布された場所を走行した後は油が取れて錆びやすくなるため、特に注意が必要です。融雪剤が撒かれた道を走行したら、マフラーの熱で固定されてしまう前に、高圧洗浄機を使用して下回りをしっかり洗浄することがおすすめです。四輪車は底面を「アンダーコート」と呼ばれる肉厚の塗料で保護しているため塩カルの影響を受けにくいですが、バイクでは外観やエンジンの美しさを保つため同様の対策が難しく、こまめな洗車が重要になります。
参考)恐怖の塩化カルシウムのおはなし
凍結防止剤には塩化カルシウム以外にも複数の種類があり、それぞれ特性が異なります。塩化ナトリウムは高速道路などの凍結防止に使われることが多く、持続性があり再凍結しづらい一方で、金属を腐食させやすい性質があります。塩化カルシウムの最大の長所は融氷効果の速効性にありますが、融氷効果と凍結防止効果は塩化ナトリウムの6割程度となります。塩化マグネシウムは塩化カルシウムや塩化ナトリウムより融雪の効果は低いですが、塩害は比較的少なく、金属もやや腐食しにくい特徴があります。一方、酢酸カルシウムや酢酸ナトリウムなどの酢酸系は金属を腐食させにくく環境にもやさしいですが、融氷や凍結防止の効果は塩化ナトリウムの半分ほどで、コストがかかるというデメリットがあります。
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下記の表は主要な凍結防止剤の成分比較です。
成分 | 特徴 | 融雪効果 | 腐食性 |
---|---|---|---|
塩化カルシウム | 即効性があり急速に雪を溶かす | 速効性高 | 高 |
塩化ナトリウム | 持続性があり再凍結しづらい | 持続性高 | 高 |
塩化マグネシウム | 効果は低いが塩害が少ない | 中程度 | やや低 |
酢酸カルシウム | 環境にやさしく腐食しにくい | 低 | 低 |
酢酸ナトリウム | 金属を腐食させにくい | 低 | 低 |
融雪剤は水で流せばキレイに落ちますが、下回りや細かい部分にはしっかりと水をかける必要があります。高圧洗浄機を使用する際は、マフラーやエンジンなどのデリケートな部分への過度な水圧は避け、バイクの細かい部分も丁寧に洗浄することが大切です。塩化カルシウムが付着したままだと、皮膚などに付着すると炎症を起こしてしまう場合もあるため、洗車の時はゴム手袋やゴーグルを着用して作業を行います。洗車後には錆防止のためにシリコンスプレーなどの錆防止剤を使用することも効果的で、手軽に使えるスプレータイプなら細かい部分にも塗布しやすく即効性があります。冬場の高速道路などは融雪剤が撒かれていることが多いため、冬の間は常に融雪剤を含んだ雪どけ水が付着することになり、特に足回りの錆びつきには注意が必要です。
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塩化カルシウムの散布は、例年各地域別に雪が降る時期の前(11月下旬から12月中旬)に予防散布が行われることが多く、積雪を防ぎ、積雪量を減らす効果が期待できます。除雪した後の路面への散布や、踏み固められた凍結した道路等への散布が効果的とされており、路面が乾燥状態の時の散布は厳禁されています。高速道路や山間部の道路では特に融雪剤が多く散布される傾向があり、急坂部や急カーブなど減速する必要のある場所では散布量が多くなることがあります。積雪が見られる地域では、通行人や街の安全のために道路に融雪剤が撒かれる場合があり、除雪車が実際に道路を走りながら塩化カルシウムを散布していきます。ホームセンターでも融雪剤が販売されているため、街中や住宅街でも個人が散布する可能性があり、雪がない路面でも白い粉が残っている場合は注意が必要です。
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