ウェーブワッシャー規格とバイク使用例

ウェーブワッシャー規格とバイク使用例

ウェーブワッシャー規格

ウェーブワッシャーの基本規格
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JASO F302規格

自動車規格の波形ばね座金(波形座金調整用3種)による寸法規格が基準となっています

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基本寸法構成

内径(d)・外径(D)・板厚(t)・自由高さ(H)・波数で構成され、各寸法に許容差が設定されています

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標準波数

基本は3山構成で、2山・4山以上のカスタム対応も可能です

ウェーブワッシャー規格の基本寸法


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ウェーブワッシャーの寸法規格は、自動車規格の波形ばね座金JASO F302(波形座金調整用3種)に基づいています。この規格では、内径(d)は内接円直径、外径(D)は外接円直径として定義され、自由高さ(H)は平行な2平面で圧縮して3山が同じ高さになった時の寸法を指します。板厚は0.05mmから2mm程度まで幅広く対応しており、用途に応じた選定が可能です。
参考)https://www.ochiai-if.co.jp/assets/file/pdf/products/wave_washer/wave_washer_spec_all.pdf

規格品のサイズは多様で、例えば内径4.3mmから外径8mmといった小型サイズから、内径61.9mmで外径79mmの大型サイズまで標準化されています。波数は基本的に3山が標準ですが、メーカーによっては4山や6山、さらには2山などのカスタム対応も可能です。バイクの部品では、内径18mm程度のサイズが多く使用されています。
参考)ウェーブワッシャー-Lisheng Springに関する豆知…

オチアイの全製品規格表(PDF)では、詳細な寸法公差と許容荷重範囲が確認できます

ウェーブワッシャー規格の材質基準

材質選定は使用環境によって重要な要素となります。一般用のウェーブワッシャーは、ばね用鋼(SK85やSK85M)で製作され、硬度は40~50HRC、表面処理はACP(燐酸塩被膜)が標準仕様です。ステンレス製では、SUS301、SUS304、SUS304-CSP(HRC37~46)が主流で、耐食性が求められる環境に適しています。
参考)https://www.yura-sansyo.co.jp/handbook/handbookV8-5-26.pdf

炭素工具鋼(SK85)は他の炭素鋼と比較して耐摩耗性に優れており、ベアリングの予圧用や荷重負荷の小さいばね用途に最適です。バイクのような振動環境では、ステンレス鋼や高硬度のばね用鋼が推奨されます。材質によって弾性特性や耐久性が異なるため、使用箇所の荷重条件や環境を考慮した選定が不可欠です。
参考)ウェーブワッシャー | 磐田電工株式会社

ウェーブワッシャー規格品の寸法許容差

規格品では、各寸法に厳密な許容差が設定されています。内径・外径の許容差は基準寸法に応じて±0.1mm~±0.5mm程度、板厚の許容差は±0.03mm~±0.05mm程度と精密に管理されています。自由高さ(H)の許容差も重要で、これが荷重特性に直接影響するため、使用高さにおける荷重値が規格表に記載されています。
参考)http://iwata.co.jp/standard/pdf/specsheet-w.pdf

寸法許容差の管理は、ウェーブワッシャーの性能を左右します。特にリム幅(外径と内径の差)は、太いほど荷重が大きくなり、細いほど荷重が小さくなるという特性があります。バイク部品では、シフトペダルやベアリング部に使用する際、内径がネジやシャフトの直径にできるだけ近く、かつ自由にスライドできるサイズを選ぶことが重要です。
参考)ウェーブワッシャー・他

ウェーブワッシャー規格の荷重特性

ウェーブワッシャーの荷重特性は、一般的なコイルばねと異なり曲線的な特性を示すため、使用する領域により注意が必要です。荷重-たわみ特性は、自由高さの25%、50%、75%たわませた時の荷重値で表記されることが多く、製品選定の重要な指標となります。板厚が厚いほど荷重が大きくなり、薄いほど荷重が小さくなる基本原則があります。​
許容荷重範囲は各サイズごとに規定されており、例えば小型サイズでは11.8~37.3N、大型サイズでは264.8~426.6Nといった具合に幅広い範囲をカバーしています。バイクのシフトペダル部では、適度な弾性力でガタを吸収しつつ、ペダル操作を妨げない荷重バランスが求められます。使用高さと荷重の関係を正確に把握することが、適切な規格品選定の鍵となります。
参考)https://ameblo.jp/cutbooth/entry-12511204440.html

ウェーブワッシャー規格品のバイク適合性検証

バイク部品への適用では、メーカー純正部品との互換性確認が重要です。ヤマハ純正のウェーブワッシャー(FZR250R用など)は内径と外径のバランスが良く、ホンダやスズキの車種でも代替品として使用できるケースがあります。NSR250R MC18では、ブレーキペダル側の波ワッシャーをシフトペダル側に流用する事例もあり、内径18mm程度のサイズが多くの車種で共通しています。
参考)ガタガタのシフトペダル。 - 白煙マニア『はぎ』

適合性の検証では、ウェーブワッシャーをはめ込む溝の寸法確認が必須です。内径が同じでも外径が異なると装着できないため、現物測定または部品リストでの寸法確認が不可欠です。適切なサイズを選定すれば、3mm程度あったガタが完全に解消され、操作フィーリングが大幅に改善します。他メーカー純正品の活用により、コストを抑えながら高品質なメンテナンスが実現できます。
参考)シフトペダルにウェーブワッシャー追加/グリスアップ(ホンダ …

モノタロウでは、ホンダ純正のウェーブワッシャー(17MM、90505KE5000)などが入手可能です

 

 


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