

アメリカンバイクのアップハンドルには、エイプハンガー、ミディアムライズ、ハイライズなど複数の種類が存在します。エイプハンガーは肩より高い位置にハンドルが来るタイプで、非常に個性的な見た目が特徴です。ライダーの腕が大きく上に伸びる独特のスタイルは、アメリカンバイクのカスタムシーンで強い存在感を放ちます。一方、ミディアムライズは中間的な高さで、スタイルと実用性を両立したバランスの良いハンドルです。
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ハイライズはミディアムライズよりもやや高めの設定で、ツーリングや長距離走行時にリラックスした姿勢が取りやすい設計になっています。このタイプは背筋を自然に伸ばせるため、長時間のライディングでも疲労が蓄積しにくい特徴があります。また、ドラッグバーやフラットバーといった低めのハンドルも選択肢として存在し、スポーティーな走りを好むライダーに人気です。
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アップハンドルの形状には、ベントハンドルやライザーバー、ティラーバーなど様々なバリエーションがあります。ベントハンドルは手前に曲がった形状でグリップ位置が身体に近く、リラックスした乗車姿勢を実現します。ライザーバーは垂直方向に立ち上がったシンプルな形状で、ネイキッドスタイルからアメリカンまで幅広い車種に対応可能です。
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アップハンドルの最大のメリットは、視界の向上と存在感のある見た目です。ハンドル位置が高いことで前方視界が広がり、交通状況の把握がしやすくなります。また、背筋を伸ばした自然な姿勢で乗車できるため、腰への負担が軽減されるという健康面でのメリットもあります。アメリカンバイク特有のゆったりとした雰囲気を演出でき、個性的なカスタムスタイルを楽しめる点も魅力です。
参考)https://www.goobike.com/magazine/maintenance/maintenance/294/
一方で、デメリットも存在します。特に極端に高いエイプハンガーの場合、腕を常に上げた状態を維持する必要があり、肩や腕に大きな負担がかかります。長時間のライディングでは血流が悪くなり、腕のしびれや疲労を感じやすくなることがあります。また、風の抵抗を受けやすく、高速走行時には上半身が風をまともに受けるため、余計な力を使うことになります。
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操作性の面でも注意が必要です。ハンドルが高すぎると細かいハンドリングが難しくなり、特に低速時やカーブでは余計な力が必要になります。市街地での取り回しや駐車時の操作にも影響が出る可能性があります。さらに、ケーブル類の延長が必要になるケースが多く、交換費用が高額になることもデメリットとして挙げられます。
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アップハンドルを選ぶ際に最も重要なのは、自分の体格に合った高さを選ぶことです。アメリカンバイクのアップハンドルは一般的に25cm、30cm、40cmなどの高さが用意されていますが、体格や乗車スタイルによって最適な高さは異なります。身長が高いライダーは高めのハンドルでも快適に感じる場合がありますが、小柄なライダーには負担が大きくなる可能性があります。
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ハンドルの径も重要な選択基準です。バイクのハンドル径には主に2種類あり、一般的なサイズは7/8インチ(外径22.2mm)、アメリカン系は1インチ(外径25.4mm)です。アメリカンバイクやハーレーには1インチのインチバーが使用されることが多く、国産バイクには22.2mmのミリバーが標準装備されています。購入前に必ず愛車のハンドル径を確認する必要があります。
参考)https://www.goobike.com/magazine/maintenance/maintenance/495/
実際に選ぶ際は、まず現在のハンドル位置から何cm高くしたいかを明確にします。初めてのアップハンドル化なら、10〜15cm程度の控えめな高さから始めることをおすすめします。急激な変化は身体への負担が大きく、運転に慣れるまで時間がかかります。また、試乗可能な環境があれば、実際に握ってみて肩の位置や腕の角度を確認することが理想的です。
アップハンドルの交換費用は、ハンドル本体の価格に加えて工賃が必要です。バイクショップにハンドル交換を依頼する場合、工賃相場は5,500円〜6,600円程度となっています。大手バイク用品店では、2りんかんとナップスが6,600円〜、南海部品が5,500円〜という料金設定です。ただし、ハンドルに穴あけ加工が必要な場合は追加料金が発生するケースもあります。
ハンドル本体の価格は種類やブランドによって大きく異なります。国産の汎用品であれば5,000円〜15,000円程度、海外ブランドの高品質なハンドルは20,000円〜50,000円以上することもあります。WILD1(ワイルドワン)などのアメリカントップブランドは品質と精度の高さで知られており、本格的なカスタムを目指すライダーに人気です。
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実際の総費用は車両の仕様やハンドルの高さによって大きく変動します。ハンドル交換に伴い、ワイヤー、ケーブル、ブレーキホース類の交換が必要になる場合があり、配線の延長加工や中通し作業が発生することもあります。ハーレーの場合、これらの付随作業を含めると5万円〜20万円程度の予算が必要になるケースもあります。交換前に必ず車両を確認してもらい、詳細な見積もりを取ることが重要です。
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バイクのハンドル交換の工賃詳細と手順について - 2りんかん公式サイト
アップハンドルへの交換を検討する際、車検基準を理解しておくことは非常に重要です。バイクの車検では、ハンドルの高さは車検証に記載されている規定値との差をプラスマイナス4cm以内(地面からメーターの上部まで)に合わせる必要があります。この基準を超えてしまうと車検に通らないため、カスタム前に必ず確認が必要です。
参考)https://www.goobike.com/magazine/maintenance/maintenance/112/
ハンドルの幅にも規定があります。バイクの全幅はハンドルを含めて測定されるため、極端に幅広いハンドルに交換すると保安基準を超えてしまう可能性があります。車検証に記載されている車幅との差がプラスマイナス2cm以内に収まるよう注意が必要です。特にエイプハンガーなどの大型ハンドルは、幅だけでなく高さも大幅に変わるため、事前の計測が重要になります。
規定値を超えるカスタムをどうしても実現したい場合は、構造変更車検という選択肢があります。構造変更車検では検査を受けた時点から2年間の新しい車検証が発行されますが、前回車検時に納めた税金の一部が無駄になってしまう点に注意が必要です。また、車検に通らない場合は標準パーツへの交換や規定値内への調整が求められます。
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バイクのハンドル交換で注意すべき車検基準の詳細 - Goobike Magazine
アップハンドルで長時間快適に走るためには、正しい乗車姿勢を維持することが最も重要です。ハンドルを握る際は、腕に余計な力を入れず、肘を軽く曲げた自然な状態を保ちます。腕を完全に伸ばしきった状態や、逆に極端に曲げた状態では疲労が蓄積しやすくなります。肩の力を抜き、背筋を適度に伸ばした姿勢を意識することで、長距離ツーリングでも疲れにくくなります。
ハンドルの高さが体格に合っていない場合、どんなに工夫しても疲労は避けられません。自分の身長や腕の長さに対して適切な高さのハンドルを選ぶことが、快適性の基本となります。特にエイプハンガーのような極端に高いハンドルは、見た目の迫力はありますが、実用性とのバランスを考える必要があります。初めてのアップハンドル化なら、16インチ程度の控えめな高さから始めることで、身体への負担を抑えられます。
定期的な休憩も疲労軽減には欠かせません。1時間程度の走行ごとに休憩を取り、肩や腕のストレッチを行うことで血流を改善できます。また、グリップの握り方を時々変えることで、同じ筋肉への負担を分散させることができます。風の抵抗を減らすため、体を少し前傾させたり、スクリーンやフェアリングの追加も検討する価値があります。長距離走行を頻繁に行うなら、ハイライズやミディアムライズなど、実用性重視のハンドル選びが賢明です。
アメリカンバイクのアップハンドル市場で最も高い評価を得ているのが、WILD1(ワイルドワン)です。カリフォルニア州ハンティントンビーチに拠点を置くこのブランドは、1980年代に熱心なハーレー乗りが創業したことから始まりました。CHUBBYSというファットバーハンドルが特に有名で、精度と品質の高さで世界的に知られています。米国でのシェアも高く、信頼性と洗練されたデザインを求めるライダーに支持されています。
国内メーカーでは、HURRICANE(ハリケーン)が豊富なラインナップと手頃な価格で人気を集めています。ヨーロピアン型、ナロー型、コンドル型など、アメリカンバイクに適した多様なハンドル形状を提供しており、ドラッグスターやシャドウなど国産アメリカンバイクとの相性が良好です。価格帯も4,000円〜10,000円程度と手が届きやすく、初めてのカスタムに適しています。
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その他にも、ENDURANCEやACTIVE、KITACOなどの国内ブランドが質の高いハンドルを提供しています。海外ブランドではBiltwell、Bassani、Roland Sandsなども高品質なハンドルで知られており、本格的なカスタムを目指すライダーから支持を得ています。選択の際は、デザインだけでなく、素材の品質や溶接の精度、表面処理の仕上がりなども確認することで、長期間安心して使用できるハンドルを見つけることができます。
アップハンドルは見た目の迫力が注目されがちですが、実は都市部での日常使用においても意外なメリットがあります。信号待ちや渋滞時に、高いハンドル位置によって周囲の車両や歩行者の動きを把握しやすくなり、安全性が向上します。特に車高の高いSUVやトラックに囲まれた状況でも、前方視界が確保されやすく、予測運転がしやすくなります。
一方で、狭い駐車スペースでの取り回しや立体駐車場の利用には注意が必要です。ハンドル全高が高くなることで、駐車場の高さ制限に引っかかる可能性があります。また、バイクカバーを選ぶ際もアップハンドル対応の大きめサイズが必要になり、収納スペースの確保も考慮すべきポイントです。通勤やショッピングなど日常的に使用する場合は、極端に高いエイプハンガーよりも、ミディアムライズやハイライズが実用的な選択肢となります。
さらに、雨天時の走行では、アップハンドルによる上半身の直立姿勢が、雨を正面から受けやすくなるというデメリットもあります。レインウェアの選択や、ハンドガードの追加装備などで対策することで、快適性を維持できます。街乗りメインのライダーは、見た目と実用性のバランスを見極めた上で、自分のライフスタイルに合ったハンドル高を選ぶことが、長く満足できるカスタムへの近道です。
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| 使用シーン | メリット | デメリット | 推奨ハンドルタイプ |
|---|---|---|---|
| 通勤・街乗り | 視界良好、周囲の把握が容易 | 駐車場の高さ制限、取り回し | ミディアムライズ、ハイライズ |
| 長距離ツーリング | リラックスした姿勢、腰への負担軽減 | 風の抵抗大、高速での疲労 | ハイライズ、16インチエイプ |
| 短距離・見せバイク | 強烈な存在感、個性的スタイル | 腕の疲労、操作性低下 | エイプハンガー、スカイハイバー |

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