
油圧ブレーキスイッチは、ブレーキレバーを握った際にブレーキランプを点灯させる重要な部品です。このスイッチが故障すると、安全面に大きな影響を及ぼします。主な故障症状としては以下のようなものがあります。
これらの症状が現れる原因としては、以下のようなものが考えられます。
特に雨水の侵入による腐食は多くのライダーが経験するトラブルです。あるバイク乗りのブログでは「配線の付け根の部分をゆすると中で何かが動いているのが判る」と報告されており、これは接点の腐食や緩みが原因と考えられます。
バイクのブレーキスイッチには大きく分けて「機械式」と「油圧式」の2種類があります。それぞれの特徴を理解して、自分のバイクに適したものを選ぶことが重要です。
機械式ブレーキスイッチ
油圧式ブレーキスイッチ
油圧ブレーキスイッチを選ぶ際のポイントは以下の通りです。
あるバイクショップのブログでは「YZ250FXにハンドガードが付いている場合、油圧式ブレーキスイッチが取り付けられない」という事例が紹介されています。このように、バイクのカスタム状況によっては取り付けられないケースもあるため、事前に確認が必要です。
油圧ブレーキスイッチの交換は、基本的な工具があれば自分でも行うことができます。ただし、ブレーキシステムに関わる作業なので、慎重に行う必要があります。以下に交換手順と注意点をまとめます。
必要な工具・部品
交換手順
注意点
ある修理ブログでは「スイッチのネジ部の穴に空気が溜まったまま取り付けるとブレーキラインにエアーが噛むので、リザーバータンクに針金を浸して穴にオイル滴下させて充填」という工夫が紹介されています。このような細かい配慮が、トラブルのない交換作業につながります。
油圧ブレーキスイッチに関するトラブルは、必ずしもスイッチ自体の故障とは限りません。様々な要因が絡み合っていることもあるため、系統的に問題を切り分けて対処することが重要です。
ブレーキランプが点灯しない場合
ブレーキランプが常時点灯する場合
ブレーキがスカスカになる場合
対処法
ブレーキスイッチの故障は、単純なスイッチ交換で解決することもありますが、より複雑な問題が隠れていることもあります。例えば、あるバイク乗りは「リアブレーキ側のスイッチも配線が不良で車検時にバイク屋さんが修理してくれました」と報告しており、配線系統のトラブルが重なっていたケースもあります。
油圧ブレーキスイッチの故障を未然に防ぎ、長く使用するためには、定期的なメンテナンスが欠かせません。以下に予防メンテナンスと寿命延長のためのポイントをまとめます。
定期点検のポイント
寿命を延ばすための対策
あるベテランライダーのブログでは「自分で改造したところから壊れる!トラブルが発生する!」という格言が紹介されています。特に電装系の改造は、専門知識がないと思わぬトラブルの原因になることがあります。
また、雨水の侵入による故障を防ぐために「配線の接続部を高い位置に配置する」という工夫も効果的です。水は低い位置に溜まりやすいため、接続部を高い位置にすることで水没のリスクを減らせます。
プロのメカニックからのアドバイス
バイクの安全性に直結するブレーキシステムは、日頃からの点検と適切なメンテナンスが何よりも大切です。特に油圧ブレーキスイッチは、小さな部品ながら重要な役割を担っているため、その状態には常に注意を払いましょう。
バイクのブレーキスイッチには油圧式と機械式がありますが、それぞれにメリット・デメリットがあります。また、カスタムバイクでは独自の工夫が施されていることも多いです。ここでは両者の比較と実際のカスタム事例を紹介します。
油圧式と機械式の比較
特徴 | 油圧式ブレーキスイッチ | 機械式ブレーキスイッチ |
---|---|---|
動作原理 | ブレーキフルードの圧力で作動 | レバーの物理的な動きで作動 |
取付位置 | マスターシリンダーやブレーキライン | ブレーキレバー付近 |
防水性 | 比較的高い | やや低い(露出部分がある) |
価格 | やや高め(600円〜数千円) | 比較的安価 |
耐久性 | 内部シール劣化の可能性あり | 機械的摩耗の可能性あり |
取付難易度 | やや難しい(フルード関連作業あり) | 比較的簡単 |
実際のカスタム事例
あるSV1000Sのオーナーは、社外バックステップに純正の機械式ブレーキスイッチが取り付けられなかったため、油圧式に変更しました。この場合、油圧スイッチを取り付け、配線を元のカプラーに接続する作業が必要でした。
YZ250FXなどのオフロード車に保安部品を取り付ける際、ハンドガードが邪魔で油圧式スイッチが取り付けられないケースがありました。この場合、専用の機械式スイッチを使用して対応しています。
古いMOTO GUZZIのエルドラードでは、元々フロントブレーキスイッチが付いておらず、車検対応のために自作でスイッチを取り付けた例があります。マイクロスイッチを使用した独自の機構を開発していますが、雨水の影響で故障することもあるようです。
スポーツスターなどでは、油圧スイッチを使用する際に配線の加工が必要と説明書にあるものの、実際には平端子がそのまま使えるケースもあります。ただし、シールテープの使用や取り付け時のエア噛み防止など、細かい注意点があります。
カスタムの際の重要なポイントは、「改造したところから壊れやすい」という経験則を覚えておくことです。特に電装系は思わぬトラブルの原因になることがあるため、確実な知識と技術を持って作業することが大切です。
また、