
結局起業しない人、あっさり起業しちゃう人 なぜやる気はあるのに不完全燃焼の人生を選ぶのか?20分で読めるシリーズ
バイクのエンジン内で燃料が完全に燃え切らない状態を不完全燃焼といい、この現象は酸素不足や燃料と空気の混合比の不均衡によって引き起こされます。ガソリンなどの炭素化合物が燃焼する際、十分な酸素があれば二酸化炭素と水に分解されますが、酸素が不足すると一酸化炭素が発生してしまいます。
参考)301 Moved Permanently
通常の燃焼では燃料が完全に燃え尽きますが、室内の酸素濃度が低下すると不完全燃焼が進行し、一酸化炭素の発生量が急激に増加します。特に閉め切った空間でバイクのエンジンを稼働させると、室内の酸素が消費されて酸素濃度が18%以下になり、一酸化炭素濃度が急上昇するため極めて危険です。
参考)https://www.meti.go.jp/policy/safety_security/industrial_safety/sangyo/lpgas/anzen_torikumi/file_itakujigyou/2021_1_s.pdf
バイクの排気ガス規制では一酸化炭素が主要な対象物質の一つとされており、不完全燃焼によって発生する無色・無臭の有毒ガスとして厳しく管理されています。エンジン内部で空気と燃料が適切に混ざらない場合や、混合気がシリンダー内に十分に充填されない場合に不完全燃焼が起こり、一酸化炭素やススなどの有害物質が排気ガスに含まれて排出されます。
参考)車の不完全燃焼:原因と対策 - クルマの大辞典
一酸化炭素は血液中のヘモグロビンと強く結合する性質を持ち、その結合力は酸素の約250倍とされています。この強力な結合により、体内で酸素の運搬機能が阻害され、わずかな量でも中毒症状を引き起こす危険性があります。
参考)https://anzeninfo.mhlw.go.jp/yougo/yougo08_1.html
一酸化炭素中毒の初期症状としては、頭痛、吐き気、めまい、疲労感などが現れます。空気中の一酸化炭素濃度が0.02%の場合、2~3時間で前頭部に軽度の頭痛が発生し、0.04%では1~2時間で前頭痛と吐き気が生じます。中毒が進行すると集中力の低下や判断力の鈍化、意識が朦朧とする状態に陥ります。
参考)一酸化炭素中毒ではどのような症状がありますか? |一酸化炭素…
さらに重度の場合、空気中の一酸化炭素濃度が0.16%になると20分で頭痛・めまい・吐き気が起こり、2時間で死亡する可能性があります。最悪のケースでは呼吸停止や心停止を引き起こし、命を落とす危険性もあります。特に注意すべき点は、一旦症状が改善しても数週間後に意欲の低下や認知機能障害、歩行障害などが現れる「間歇型一酸化炭素中毒」と呼ばれる遅発性の後遺症が残る場合があることです。
参考)一酸化炭素中毒 (いっさんかたんそちゅうどく)とは
バイクのエンジンは燃料と空気の混合気を燃焼させることでパワーを生み出しますが、様々な要因によって不完全燃焼が発生します。プラグの点火状態が悪い場合、カーボンなどがプラグに付着して火花が正常に飛ばない「プラグかぶり」が起こり、燃え残りの燃料ガスが発生してしまいます。
参考)https://www.goobike.com/magazine/maintenance/repair/181/
混合気が濃すぎる場合も不完全燃焼の原因となり、シリンダー内で燃料が燃え切らずに燃え残った燃料ガスがマフラーへ排気されます。逆に混合気が薄すぎても発火の条件を下回り、シリンダー内で発火した際にすみずみまで燃焼が行き渡らずに不完全燃焼が起きます。
バイクの排気ガスには本来一酸化炭素が含まれていますが、不完全燃焼が起こると排出される一酸化炭素の量が大幅に増加します。排ガス検査でCO値が高く出る場合、エンジン内部での燃焼が適切に行われていない証拠であり、エアクリーナーの状態やアイドリングの回転数、点火時期などの調整が必要です。
参考)バイクの排気ガス少し吸うだけで一酸化炭素中毒?先程、とても近…
エンジン内部にカーボンが蓄積していると燃焼が不完全になりやすく、シリンダーヘッドやバルブ、ピストンリングに付着したカーボンが不完全燃焼を誘発します。特に暖気不足、低回転域での走行、極高回転域での走行といった走り方は燃料の不完全燃焼を促進し、カーボンの蓄積を加速させます。
参考)バイクの圧縮低下を復活させる方法はある?症状・原因・対策を完…
ガレージ内でバイクのエンジンをかける作業は、一酸化炭素中毒の危険性が非常に高い状況です。排ガスには人体に悪影響のある一酸化炭素が含まれており、最悪の場合、命を落とすおそれもあります。
参考)ガレージに換気扇は必要!その理由やより良い換気方法をご紹介|…
閉め切ったガレージ内でエンジンを暖気させたりエンジンを吹かすことで、排ガスが室内にこもり一酸化炭素が充満して非常に危険な状態になります。ガレージは居住空間のような断熱対策がなされていないため、換気が不十分だと短時間で一酸化炭素濃度が上昇します。
参考)イナバガレージに換気扇を設置した理由 - 車輪と趣味生活
特にイナバガレージなどの小型ガレージでは、換気扇の設置が重要です。ガレージでエンジンをかける際は、必ずシャッターを開けて換気を行うか、換気扇を稼働させる必要があります。バイクや車の部品の塗装をしたときに発生する揮発性のガスも同様に、換気で外へ逃がさないと危険です。
参考)ガレージハウスのデメリットとは?注意点も紹介します! href="https://www.t-plan.in/blog/%E3%82%AC%E3%83%AC%E3%83%BC%E3%82%B8%E3%83%8F%E3%82%A6%E3%82%B9%E3%81%AE%E3%83%87%E3%83%A1%E3%83%AA%E3%83%83%E3%83%88%E3%81%A8%E3%81%AF%EF%BC%9F%E6%B3%A8%E6%84%8F%E7%82%B9%E3%82%82%E7%B4%B9%E4%BB%8B/" target="_blank">https://www.t-plan.in/blog/%E3%82%AC%E3%83%AC%E3%83%BC%E3%82%B8%E3%83%8F%E3%82%A6%E3%82%B9%E3%81%AE%E3%83%87%E3%83%A1%E3%83%AA%E3%83%83%E3%83%88%E3%81%A8%E3%81%AF%EF%BC%9F%E6%B3%A8%E6%84%8F%E7%82%B9%E3%82%82%E7%B4%B9%E4%BB%8B/amp;#8…
ガレージ用の換気扇は、シャッターや大きな窓の反対側に設置するのが効果的で、外から入ってきた空気を効率よく排出できます。また、一酸化炭素は無色・無臭で気づきにくい気体であるため、一酸化炭素検知警報器を設置することも早期発見に有効です。
参考)住宅で起きる一酸化炭素中毒事故に注意!
バイク整備を行う際、多くのライダーがガレージ内での作業中に気づかないうちに一酸化炭素にさらされている可能性があります。定期的なアイドリング確認や暖機運転、エンジンをかけての整備作業は日常的に行われますが、これらの作業中に発生する一酸化炭素の危険性は見過ごされがちです。
参考)ガレージで暮らす? href="https://bikejinja.com/blog/2023/01/06/%E3%82%AC%E3%83%AC%E3%83%BC%E3%82%B8%E3%81%A7%E6%9A%AE%E3%82%89%E3%81%99%EF%BC%9F/" target="_blank">https://bikejinja.com/blog/2023/01/06/%E3%82%AC%E3%83%AC%E3%83%BC%E3%82%B8%E3%81%A7%E6%9A%AE%E3%82%89%E3%81%99%EF%BC%9F/amp;#8211; バイク神社
ガレージハウスの場合、ガレージと居住空間がつながっているため、排ガスが室内に侵入しないよう外へ逃がす対策が必須となります。換気設備を設置することで、排気ガスのニオイがガレージに充満するのを防げるだけでなく、一酸化炭素中毒のリスクも回避できます。
参考)バイク好き必見!ガレージハウスの作り方やポイント・施工事例を…
換気扇を使用するためには電気工事を行い100Vのコンセントが使用できる状態にする必要があり、ガレージを建てる際に後から追加で施工するとコストがかかるため、建てる段階で換気対策を組み込むことが推奨されます。バイクや車のコンディションを保つためにも、換気扇の取り付けは必須の設備と言えます。
バイクの車検における排ガス検査では、一酸化炭素(CO)と炭化水素(HC)の濃度が測定され、これらの数値が規制値内に収まる必要があります。CO値が高い場合、エンジン内部での燃焼が不完全であることを示しており、燃費の悪化や排気ガスの増加につながります。
参考)https://ameblo.jp/denki2300/entry-12865042682.html
CO値を下げるための対策として、エンジンの十分な暖機が有効です。エンジンが冷えた状態だと燃焼が不安定になり、COやHCが高くなる傾向があるため、検査の直前までエンジンを温めておくことが推奨されます。
参考)車検の排ガス検査の裏ワザでCO・HC値を下げるコツとは
エアクリーナーの状態も重要な要素で、エアフィルターが汚れていると空気の流入量が減り、燃料が濃くなりすぎて不完全燃焼が起こりやすくなります。事前に清掃または交換しておくと、空燃比のバランスが整いやすくなり、CO値の改善につながります。
スパークプラグの交換も効果的な対策です。点火系が弱くなると燃料が十分に燃えず、COが増える要因となります。特に古いバイクでは点火効率の悪化が排ガスの悪化に直結するため、新しいプラグに交換するだけでHC値が明らかに改善されることもあります。
燃料添加剤の使用も一つの手段として挙げられます。エンジン内部にカーボンやスラッジが蓄積していると燃焼が不完全になりやすく、燃料に混ぜて使う洗浄系の添加剤はインジェクターや燃焼室をクリーンに保つ効果があり、短期的なCO値改善につながることがあります。
アイドリングの回転数調整も見逃せないポイントです。極端に低いアイドリングでは燃焼が不安定になりCO値が高くなることがあるため、整備マニュアルに基づいて適切な回転数に調整しておくことで、より安定した排ガス状態が得られます。COが高い場合は回転が不安定とならない範囲でスロットルアジャストでさらに回転数を下げていくことで改善できる場合があります。
参考)旧車・キャブ車の車検での排ガス調整の傾向と対策
不完全燃焼と一酸化炭素中毒の基本的なメカニズムについて、千葉県東金市の公式サイトでわかりやすく解説されています
厚生労働省の職場のあんぜんサイトでは、一酸化炭素中毒の症状と予防対策について詳しい情報が提供されています
NITE(製品評価技術基盤機構)のサイトでは、換気不足による不完全燃焼の危険性を動画で確認できます