
バイクを所有する方にとって、避けて通れないのが税金の問題です。バイクにかかる税金は主に「軽自動車税(種別割)」と「自動車重量税」の2種類があります。これらの税金について正しく理解し、適切に納税することは、バイク所有者の責任です。本記事では、バイクにかかる軽自動車税を中心に、排気量別の税額や納税方法、支払い時期などについて詳しく解説します。
バイクの軽自動車税は排気量によって税額が異なります。2025年現在の排気量別の年間税額は以下の通りです。
区分 | 排気量 | 年間税額 |
---|---|---|
原動機付自転車(第一種) | 50cc以下 | 2,000円 |
原動機付自転車(第二種) | 50cc超~90cc以下 | 2,000円 |
原動機付自転車(第二種) | 90cc超~125cc以下 | 2,400円 |
軽二輪車 | 125cc超~250cc以下 | 3,600円 |
小型二輪車(車検対象車両) | 250cc超 | 6,000円 |
この税額は全国一律で、毎年4月1日時点でバイクを所有している方に課税されます。つまり、4月1日にバイクを所有していれば、その年度の税金を全額支払う必要があります。逆に、4月2日以降に購入した場合は、その年度の税金は課税されず、翌年度からの課税となります。
軽自動車税は地方税であり、バイクの登録地である市区町村に納める税金です。毎年5月頃に納税通知書が送られてきますので、期限内に納付する必要があります。
バイクにかかるもう一つの税金が「自動車重量税」です。これは国に納める国税で、バイクの排気量や経過年数によって税額が異なります。
まず、125cc以下の原付一種・原付二種は自動車重量税が非課税です。一方、125cc超のバイクには自動車重量税がかかります。
125cc超250cc以下の軽二輪車の場合。
250cc超の小型二輪車(車検対象車両)の場合。
小型二輪車の自動車重量税は、初年度登録からの経過年数によって税額が変化します。
経過年数 | 年額 | 車検時納付額(2年分) |
---|---|---|
初年度登録から12年目まで | 1,900円 | 3,800円 |
13年目~17年目 | 2,300円 | 4,600円 |
18年目以降 | 2,500円 | 5,000円 |
このように、バイクを長く所有するほど自動車重量税が高くなる「重課」の仕組みがあります。これは、古いバイクほど環境負荷が大きいという考えに基づいています。
軽自動車税の納付期限は、基本的に5月末日までです。ただし、自治体によって若干異なる場合もありますので、届いた納税通知書で確認しましょう。また、5月31日が休日の場合は翌営業日が期限となります。
軽自動車税の主な支払い方法は以下の通りです。
近年は、スマホ決済やクレジットカード払いなど、自宅から手軽に納税できる方法が増えています。ただし、各市区町村によって利用可能な支払い方法は異なりますので、お住まいの自治体のホームページなどで確認しましょう。
特に注意が必要なのは、250cc超のバイクを所有している方です。車検の時期と納税時期が近い場合、支払い方法によっては「納税証明書」の取得に時間がかかることがあります。車検を受けるには納税証明書の提示が必要なため、車検直前に納税する場合は、金融機関窓口やコンビニなど、その場で納税証明書が受け取れる方法を選ぶことをおすすめします。
軽自動車税を期限内に納付しなかった場合、様々なリスクや不利益が生じます。
まず、納付期限を過ぎると「延滞金」が発生します。延滞金の割合は以下の通りです。
延滞金は日数に応じて計算されるため、納付が遅れるほど支払う金額が増えていきます。
また、250cc超のバイクを所有している場合、軽自動車税を納めていないと車検を受けることができません。車検時には納税証明書の提示が必要なためです。車検が切れたバイクは公道を走行できなくなりますので、大きな不便を被ることになります。
さらに、長期間にわたって納税を怠ると、最終的には以下のような厳しい措置が取られる可能性があります。
このように、軽自動車税の未納は単なる延滞金の発生だけでなく、様々な不利益をもたらします。期限内に確実に納税することが重要です。
バイクを廃車にする場合や売却する場合、軽自動車税に関して特に注意すべき点があります。
最も重要なのは、4月1日の基準日の考え方です。軽自動車税は4月1日時点の所有者に1年分課税されるため、3月31日までに廃車手続きや名義変更手続きを完了させれば、翌年度の税金は発生しません。
しかし、例えば3月中にバイクを売却したとしても、名義変更が4月1日以降になってしまうと、旧所有者(売却した側)に納税通知書が届き、税金を支払う義務が生じます。特に個人間売買では、このようなトラブルが発生しやすいので注意が必要です。
廃車手続きについても同様です。バイク買取業者に依頼しただけでは廃車とはみなされません。正式な廃車手続きが3月31日までに完了している必要があります。3月中に廃車を検討している場合は、手続きが間に合うかどうか、買取業者に事前に確認しておくことをおすすめします。
また、引っ越しをした場合は、バイクの住所変更手続きも忘れずに行いましょう。手続きをしていないと、納税通知書が旧住所に送られてしまい、気づかないうちに延滞してしまう可能性があります。
住所変更手続きは以下の場所で行います。
なお、自動車重量税については、バイクの場合、廃車時の還付制度がありません。車検の有効期間が残っていても、自動車重量税は返金されませんので、この点も覚えておきましょう。
軽自動車税の納税証明書を紛失してしまった場合、特に250cc超のバイクを所有している方は車検を受ける際に困ることになります。しかし、納税証明書は再発行が可能です。
納税証明書を紛失した場合の対応手順は以下の通りです。
多くの自治体では、窓口での申請のほか、郵送やオンラインでの申請も受け付けています。ただし、再発行には数日から1週間程度かかる場合がありますので、車検直前に気づいた場合は注意が必要です。
また、納税証明書の再発行には手数料がかかる自治体もあります。手数料は自治体によって異なりますが、数百円程度が一般的です。
さらに、納税証明書の再発行を申請する際は、本人確認書類(運転免許証など)が必要です。代理人が申請する場合は、委任状も必要となることがありますので、事前に確認しておきましょう。
なお、軽自動車税の納税証明書は、通常、納税した年度の翌年度の車検までしか有効ではありません。例えば、2025年度分の軽自動車税の納税証明書は、2026年度の車検までしか使用できません。そのため、毎年の納税証明書は大切に保管しておくことをおすすめします。
以上、バイクにかかる軽自動車税について詳しく解説しました。バイクを所有する喜びとともに、適切な納税義務を果たすことで、トラブルなくバイクライフを楽しみましょう。税金の知識を正しく持ち、計画的に支払うことが、バイク所有者としての責任ある行動です。