
Thermalright 液体金属グリス SILVER KING 1g 熱伝導率79W/m-k 日本正規代理店品
バイクに使われる金属の熱伝導率は、素材によって大きく異なります。最も高い熱伝導率を持つのは銀で428 W/m・Kに達し、次いで銅が398 W/m・K、金が320 W/m・Kと続きます。バイク部品で実用性の高いアルミニウムは236 W/m・Kと、鉄の約3倍の熱伝導率を持ちます。
参考)熱伝導率が高い金属ベスト30!!特性と用途を徹底解説
一方、ステンレス鋼(SUS304)の熱伝導率は約16 W/m・Kと、スチールの約1/4程度しかありません。これはマフラーなどの排気系部品において、局部的に高温になりやすい特性につながります。チタンも約21.9 W/m・Kと比較的低い熱伝導率を示し、ステンレスとほぼ同等の断熱性を持ちます。
参考)ヤマハ|YAMAHA MT-07 純正マフラー 耐熱塗装施工…
以下は主要金属の熱伝導率一覧です。
素材 | 熱伝導率(W/m・K) | 特徴 |
---|---|---|
銀 | 428 | 最高の熱伝導率、電気接点に使用 |
銅 | 398 | 高導電性、電線や熱交換器向き |
金 | 320 | 高耐食性、電子部品に使用 |
アルミニウム | 236 | 軽量で高熱伝導、放熱器や調理器具 |
マグネシウム | 156 | 軽量高強度、航空宇宙産業向け |
タングステン | 173 | 高強度と耐熱性、電子部品向き |
モリブデン | 138 | 高強度と耐熱性、超合金に使用 |
黄銅 | 109 | 高加工性、電気部品や配管材 |
亜鉛 | 116 | 中程度の強度と耐食性、メッキ用 |
クロム | 93.9 | 高耐食性と硬度、ステンレス鋼 |
ニッケル | 90.9 | 高強度と耐腐食性、合金素材 |
鉄 | 80.4 | 高強度と良好な加工性 |
チタン | 21.9 | 高強度と耐腐食性、軽量 |
ステンレス鋼 | 16 | 高耐食性と強度、建築材向き |
熱伝導率は「W/m・K」(ワット毎メートル毎ケルビン)という単位で表されます。これは1メートルの厚みを持つ物質が、1ケルビンの温度差のもとで1秒間に伝える熱量を示す国際標準単位です。この数値が高いほど、物質は効率的に熱を伝えることができます。
参考)熱伝導率とは?基本から学ぶ熱の伝わり方と驚きの応用例
熱伝導率はフーリエの法則で定義され、熱流束(単位面積あたりの熱量)は熱伝導率と温度勾配の積で表されます。熱拡散率(温度伝導率)とは異なる物性値であり、熱拡散率は「熱伝導率÷(密度×比熱)」で計算されます。熱拡散率の単位はm²/sで、温度変化の伝わる速さを示します。
参考)熱伝導率と熱拡散率(温度伝導率)の違い
例えば、銅の熱伝導率は常温(20℃)で372 W/m・Kであり、アルミニウム合金の236 W/m・Kよりも高い値を持ちます。この違いにより、銅はヒートシンクなど熱管理が重要な用途で頻繁に選ばれます。また、熱伝導率は温度によっても変化し、多くの金属では温度上昇とともに熱伝導率が低下する傾向があります。
参考)熱伝導率一覧(金属・ステンレス・アルミ・空気・樹脂など)
熱伝導率の測定には、定常法(保護熱板法など)や非定常法(レーザーフラッシュ法、3ω法など)が用いられ、バルク材料と薄膜材料で異なる手法が適用されます。
参考)Redirecting...
バイクのエンジン冷却方式には空冷、水冷、油冷の3種類があり、それぞれ熱伝導率が異なる媒体を使用します。冷却性能は熱伝導率の高い順に水冷、油冷、空冷となります。水の熱伝導率は空気の約24倍も高く、比熱(1度上げるために必要な熱量)も大きいため、効率的にエンジンを冷却できます。
参考)空冷エンジンが規制に対応できない理由 ~水冷と空冷の違い~ …
空冷エンジンでは、金属製の冷却フィンを設けて放熱面積を増やします。金属は熱伝導率が高いため、風が当たる面積を増やすことで冷却効果を高めることができます。アルミニウムは鉄の約3倍の熱伝導率を持つため、空冷エンジンのシリンダーに適しており、軽量化にも貢献します。
参考)アルミダイキャストがエンジンのシリンダ−に適正な理由|ブログ…
油冷エンジンはエンジンオイルを冷却媒体として使用しますが、オイルの熱伝導率は水の約25%、比熱は水の約43%と低いのが課題です。しかし、スズキのGSX-Rシリーズなどで採用されており、ウォータージャケット不要で軽量化できるメリットがあります。油冷エンジンでは使用するオイルの冷却性能がエンジン性能を大きく左右します。
参考)SOCSってなんだ? スズキが投入した新油冷システムのこと!…
水冷エンジンは最も冷却効率が高く、高出力化に対応できます。冷却水(不凍液・ロングライフクーラント)がシリンダーやシリンダーヘッドの水路を通り、ラジエターで冷却される仕組みです。
アルミニウムと銅はバイクの放熱部品に最も多く使用される金属です。銅の熱伝導率は398 W/m・Kで、アルミニウムの236 W/m・Kより約1.7倍高い値を示します。この高い熱伝導性により、銅は温度の低い方へ効率的に熱を移動させることができ、ヒートシンクや熱交換器などの熱管理用途で優れた性能を発揮します。
参考)【徹底解説】アルミと銅の熱伝導率を徹底比較!あなたに最適な選…
アルミニウムの最大の利点は軽量性です。比重はスチールの約1/3で、熱伝導率は鉄の約3倍、たわみやすさ(縦弾性係数)は1/3倍という特性を持ちます。この軽量性と十分な熱伝導率により、バイクのエンジンシリンダー、放熱器、ホイールなど幅広い部品に採用されています。
参考)アルミ合金とは?軽量化を牽引するバイク材料の主役【バイク用語…
アルミニウム合金はさらに用途に応じた特性を持ちます。2000系(Al-Cu系)はジュラルミンとして高強度が求められる部分に、6000系は耐食性と加工性に優れバイク部品に多用されます。アルミダイキャストは鋳造プロセスで複雑な形状を成形でき、メッキを施すことで熱伝導率の低下をカバーすることが可能です。
参考)https://www.amano-alumi.com/web/pdf-80-81.pdf
銅は電気伝導性も非常に高く(銀に次いで2位)、電線や電気接点として不可欠です。しかし重量とコストの面でアルミニウムに劣るため、軽量化を重視するバイク部品では、性能とコストのバランスでアルミニウムが選ばれることが多いです。
ステンレス鋼とスチールはマフラーの主要素材ですが、熱伝導率に大きな違いがあります。ステンレス鋼(SUS304)の熱伝導率は約16 W/m・Kで、スチールの約1/4程度に過ぎません。一般的にステンレスは熱が伝わりにくいため温度が上がりにくいと考えられがちですが、実際のマフラーでは逆の現象が起こります。
参考)アルミ vs ステンレス——異なる特性が生む最適な素材選び|…
エンジンからの排気温度は500度以上に達し、エキパイの根本付近に集中的に熱が加わります。熱伝導率の高いスチール製マフラーでは、この熱を他の部分に伝導して逃がすことができますが、ステンレス製マフラーでは熱伝導率が低いため、熱が周囲に伝わるのが遅れ、局部的に温度が高くなりやすいのです。この現象は金属溶接でもよく知られており、アルミニウムのような高熱伝導率の金属は溶接部以外に熱が逃げてしまい、高い電流が必要になります。
ステンレス製マフラーはスチール製マフラーより局部的に高温になりやすく、その塗装には高い耐熱性能が求められます。一方、ステンレスは耐腐食性に優れ、錆びにくいという大きな利点があります。そのため、長期使用や特殊環境での使用に適しています。
参考)他の材料との比較 - JSSA
チタンもマフラー素材として注目されており、熱伝導率はステンレスとほぼ同等の約21.9 W/m・Kです。チタンは高強度と軽量性を兼ね備え、航空宇宙産業や医療機器にも使用される高性能素材です。熱伝導率が低いため保温性に優れ、排気管内の排気ガス温度を高く保つことで、排気効率を向上させる効果があります。
参考)ステンレス鋼の熱伝導率の説明とチャート - SteelPRO…
バイクのカスタムや性能向上において、熱伝導率の理解は重要な武器になります。例えば、エンジンの冷却フィン面積を増やすことで放熱性能を向上させることができます。6063-T6アルミニウム合金製シリンダーでフィンの数や形状を変更し、円形や矩形の穴を開けることで、熱伝達率を改善し、出力対重量比を向上させた研究事例があります。
参考)https://www.combustion-engines.eu/Improving-heat-transfer-in-an-air-cooled-engine-by-redesigning-the-fins,195440,0,2.html
マフラー交換時には素材の熱伝導率を考慮すべきです。ステンレス製マフラーは局部的に高温になりやすいため、耐熱塗装を施す際は特に注意が必要です。一方、チタン製マフラーは軽量で排気温度を高く保てるため、レーシング用途に適しています。アルミニウム製パーツは熱が伝わりやすく、夏のライディングでは熱くなりやすいため、革パンツなど熱を通しにくい装備との組み合わせが推奨されます。
参考)【厳選】激アツ!真夏のライディングを乗り切るコツ【車体&ライ…
油冷エンジン搭載車では、エンジンオイルの選択が冷却性能に直結します。ノンポリマー鉱物油は化学合成油に比べて熱伝導率が高く、エンジン内部の熱を効率的に吸収・放出します。実測データでは、高性能オイルの使用により純正オイル比で10℃の温度低下を実現した例もあります。
参考)油温を10℃下げ、焼き付きリスクを低減!GSX-R油冷エンジ…
金属3Dプリンターによるバイク部品製作の事例では、インコネル718という高温強度が高く熱伝導率が低い材料を使用し、排気系部品の性能向上を図っています。
参考)はじめてのバイク部品製作① 【EOS 金属3Dプリンター】
エンジンの熱管理を最適化することで、出力向上と耐久性の両立が可能になります。空冷エンジンの冷却フィンを黒色に塗装すると放熱効率が向上するという興味深い知見もあります。色も熱放射に影響するため、カスタムの際には考慮する価値があります。
参考)https://ameblo.jp/bops-mad/entry-12748361636.html
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