リード線種類と選び方:バイク電装に最適な配線を

リード線種類と選び方:バイク電装に最適な配線を

リード線の種類と選び方

この記事で分かること
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リード線の基本知識

電子部品と回路を接続する電線の総称で、素材や絶縁方法により多様な種類が存在します

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太さと許容電流の関係

スケア値(sq)で表される太さが電流容量を決定し、適切な選定が安全性の鍵となります

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バイクでの実用例

電装カスタマイズや配線修理に必要な接続方法と防水対策を実践的に解説します

リード線の定義と基本構造


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リード線とは、電子部品から電気回路の電極として取り付けられている電線の総称です。バイクの電装システムでは、ライト類やウインカー、各種センサーなどの電装品を接続する重要な配線として機能します。
参考)導入線、リード線、ジュメット線の違いとは?導入線やジュメット…

基本構造は、中心部に電気を流す導体(銅線やアルミ線など)があり、その周囲を絶縁体で覆った形状です。絶縁体にはビニル、ゴム、ガラス封着用のジュメット線など、用途に応じて様々な種類が使用されます。
参考)ケーブル電線 種類用途一覧 全32種紹介 ケーブル、電線の違…

導体の素材は主に銅が使用されますが、経済性を重視する場合はアルミニウムも選択肢となります。銅の導電率を100%とした場合、アルミニウムは61%程度ですが、価格は銅の約3割と割安です。
参考)電線素材、銅からアルミに 銅高騰で盗難防止ニーズ - 日本経…

リード線の太さ表記(スケア)と許容電流

リード線の太さは「sq(スケア)」という単位で表記されます。これは平方ミリメートル(square millimeter)の略称で、導体部分の断面積を示す日本の規格です。
参考)電線の太さの単位スケアを解説!アメリカのAWGとの変換も説明

太さと許容電流の関係は以下の通りです:
参考)配線コード選び早見表|カー・バイク用品の配線加工

太さ 許容電流 主な用途
0.5sq 7A以下 小型電装品
0.75sq 10-12A ウインカー、テールランプ
1.25sq 19A ホーン、ヘッドライト補助
2.0sq 27-35A メインライト、電源供給

スケア値が大きくなるほど流せる電力も大きくなり、これを許容電力といいます。バイクの配線では、使用する電装品の消費電流に対して適切な太さを選定しないと、電線が発熱して溶ける危険性があります。​
意外と知られていない事実として、2スケアの電線は直径2mmではなく、断面積が2平方ミリメートルという意味です。実際の直径は約1.6mm程度になります。​

リード線の素材による種類と特徴

リード線の導体素材には主に銅線、錫メッキ銅線、アルミ線などがあり、それぞれ特性が異なります。
参考)https://www.kohokukogyo.co.jp/product/lead-terminal/material/

銅線の種類と特徴

アルミ線の特徴
バイクではあまり使用されませんが、軽量化が必要な場合の選択肢となります。銅と比較して導電率は61%程度ですが、重量は約3分の1です。
参考)アルミニウム製の電線について

バイクの電装では、屋外環境での使用を考慮して錫メッキ銅線が多く採用されています。これは錆びにくく、振動にも強い特性を持つためです。
参考)[脱失敗!]バイクの配線方法「基本の3パターン」を解説します…

リード線の接続方法と圧着端子

バイクの配線作業では、リード線同士を接続する際に圧着端子を使用する方法が一般的です。主な端子の種類と接続方法を解説します。
参考)配線をつなげる方法【圧着解説】 | VOLTECHNO

キボシ端子による接続
バイクや車の配線処理で最も有名な端子です。オスとメスがあり、簡単に着脱できる構造のため、メンテナンス性に優れています。​
絶縁被膜付圧着端子の使い方:​

  1. ストリッパーで配線の被膜を剥く
  2. 圧着端子を圧着ペンチの絶縁端子用の口に挟む
  3. 配線を差し込んでペンチを握って圧着
  4. 両端を軽く引っ張って抜けないことを確認

裸圧着スリーブの使い方:​

  1. あらかじめ熱収縮チューブを通しておく
  2. 被膜を剥いた導線を圧着端子の両端に差し込む
  3. 裸端子用の口で圧着
  4. 絶縁テープか熱収縮チューブで絶縁

圧着作業では専用の圧着ペンチを使用することが重要です。適切な圧力で圧着しないと接触不良や抜けの原因となります。
参考)https://jp.misumi-ec.com/tech-info/categories/electric_electronic_design/ee02/g0072.html

リード線選びで考慮すべき特殊要件

バイクの電装では、環境条件に応じた特殊な性能を持つリード線を選ぶ必要があります。

 

耐熱性能
エンジン周辺やマフラー近くの配線には耐熱電線が必須です。フッ素樹脂被覆の電線は最高使用温度200℃に対応し、耐薬品性や難燃性にも優れています。
参考)https://www.monotaro.com/k/store/%E8%80%90%E7%86%B1%E8%80%90%E6%B2%B9%E9%9B%BB%E7%B7%9A/

防水・絶縁処理
バイクは雨天走行が想定されるため、配線の防水処理が重要です。接続部には内側にシーリング剤を含む防水熱収縮チューブを使用することで、水の浸入を防げます。
参考)https://www.monotaro.com/s/q-%E7%B5%B6%E7%B8%81%E3%83%81%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%83%96%20%E9%98%B2%E6%B0%B4/

電圧降下への対策
電線が長いほど、また細いほど電圧降下が大きくなります。バイクのヘッドライトなど電源から離れた場所に配線する場合、許容電圧降下(一般的に2%以下)を考慮して太めの電線を選定します。
参考)電圧降下とは-許容範囲と計算式

ノイズ対策
点火系や電装品が多い現代のバイクでは、電磁波ノイズによる誤動作を防ぐためシールドケーブルの使用が効果的です。シールド層が飛来ノイズを吸収し、接地を通じて逃がします。
参考)アナログ信号計測におけるノイズ対策とケーブルの選び方

意外な情報として、電線の長さが2倍になると電圧降下も2倍になるため、配線ルートの最適化が電装品の性能維持に直結します。
参考)https://www.hataya.jp/uploads/post/179/2_1.pdf

 

 


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