最低地上高 保安基準とは？バイクの車検で測定される基準を解説

最低地上高と保安基準

最低地上高9cmが保安基準の基本

最低地上高とは、水平な地面に車両を置いた状態で、地面から車体に固定されている部品の最も低い箇所までの垂直距離を指します。道路運送車両の保安基準第3条および細目告示第85条により、バイクを含むすべての自動車において最低地上高は9cm以上と定められています。この基準は、凹凸のある道路や踏切などで車体底部の重要部品が損傷しないよう、安全な走行を確保するために設けられています。
参考）https://www.mlit.go.jp/jidosha/kijyun/saimokukokuji/saikoku_085_00.pdf
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基準の9cmは、縁石への乗り上げや一般的な道路の段差に対応できる高さとして設定されており、日常的な走行で車体底部を擦るリスクを最小限に抑えるよう計算されています。カスタマイズをしていないノーマル車両は、通常この基準をクリアするよう設計されているため、純正状態であれば車検で問題になることはほとんどありません。
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最低地上高の規定は、普通自動車、小型自動車、軽自動車のすべてで共通であり、バイクも同様に9cm以上が必要です。ローダウンやカスタムを行う場合は、この基準を下回らないよう十分な注意が必要となります。
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最低地上高の測定方法と条件

最低地上高の測定は、厳密な条件下で行われる必要があります。まず、車両は空車状態でなければならず、人や荷物を載せていない状態で測定します。ただし、燃料や潤滑油、冷却水などの走行に必要な液体類は搭載した状態とします。
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タイヤの空気圧は規定値に調整する必要があり、空気圧が低いとタイヤが潰れて車体が下がり、正確な測定ができません。車高調整装置が装着されている車両の場合、標準（中立）の位置で測定しますが、任意の位置に車高を保持できる装置の場合は、最高位置と最低位置の中間位置で測定します。
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測定は舗装された平面で行い、巻き尺などを用いて地面から車体最低部までの垂直距離を計測します。測定値は1cm未満を切り捨てるため、例えば8.9cmの場合は8cmと判定され、基準を満たさないことになります。測定箇所を間違えると不合格になる可能性があるため、不安な場合は専門業者に依頼することが推奨されます。
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最低地上高の測定対象外となる部品

最低地上高の測定では、すべての部品が対象となるわけではありません。国土交通省の告示により、以下の部品は測定対象から除外されます。​
まず、タイヤと連動して上下するブレーキドラムの下端や、サスペンションのロアアームなどの下端は測定対象外です。これらは走行中に可動する部品であるため、固定部品とは見なされません。​
次に、自由度を有するゴム製の部品も測定対象外となります。さらに重要なのは、マッドガード、エアダムスカート、エアカットフラップなどの樹脂製エアロパーツです。ただし、これらのエアロパーツにフォグランプなどの灯火類が埋め込まれている場合は、測定対象となるため注意が必要です。
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アンダーカバーが装着されている車両で、車体の構造および保安上重要な装置が衝撃に十分耐える構造の場合、その部分の最低地上高は5cm以上あれば基準を満たします。これは通常の9cm基準の特例措置であり、適切に設計されたアンダーカバーによって車体保護が確保されている場合に適用されます。
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最低地上高とバイクのローダウンカスタム

バイクのローダウンカスタムは人気のカスタム手法ですが、保安基準を遵守する必要があります。スプリングやショックアブソーバーなどのサスペンション部品の交換は「指定部品」扱いとなり、車検証の記載変更を伴う構造変更手続きは通常不要とされています。
参考）バイクのローダウンは法的にOK？ - セイクレッドグランド【…
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ただし、構造変更が不要でも保安基準への適合は必須であり、特に最低地上高9cmを割り込むような極端なローダウンは車検に通りません。車検証に記載された全高を4cm以上変更する場合、本来は構造等変更検査が必要ですが、サスペンション交換による変更は指定部品扱いのため、4cm以上の変更でも記載変更なしで公道走行が可能です。
参考）https://seibii.co.jp/blog/contents/shaken_low_down
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ローダウン施工時には、最低地上高だけでなく灯火類の位置、ヘッドライトの光軸、アライメントなども保安基準に適合するよう調整する必要があります。特にマフラーやサスペンションメンバー、デフケースなどが最低地上高の測定対象となるため、これらの部品交換を伴うカスタムでは事前に十分な確認が必要です。極端に車高を下げると、日常走行で車体底部を擦るリスクが高まり、重要部品の損傷につながる可能性もあります。​

最低地上高以外の保安基準：灯火類の高さ制限

最低地上高以外にも、バイクや自動車には灯火類の取り付け位置に関する保安基準が存在します。特に2006年（平成18年）以降に初年度登録された車両では、灯火類の高さに厳格な基準が適用されます。​
フォグランプは下縁の高さが地上から25cm以上、ウィンカーランプは下縁の高さが地上から35cm以上である必要があります。リフレクターもフォグランプと同様に25cm以上、ブレーキランプおよびテールランプはウィンカーランプと同じく35cm以上に設定されています。​
これらの基準を満たしていない場合、最低地上高が9cm以上あっても車検には合格できません。ローダウンカスタムを行う際は、車高を下げることで灯火類が基準高さを下回らないよう、慎重に計画する必要があります。なお、平成17年以前に登録された車両には灯火類の位置に関する特別な規定がないため、最低地上高9cmのみをクリアすれば問題ありません。​
国土交通省の最低地上高に関する保安基準細目告示（PDF）では、測定条件や判定基準の詳細が記載されています
バイクのローダウンと法的要件については、構造変更の必要性や指定部品の扱いについて詳しく解説されています

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