車両保険金額目安とバイク二輪の選び方

車両保険金額目安とバイク二輪の選び方

車両保険金額目安の基本

車両保険金額設定のポイント
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時価相当額が基準

市場販売価格相当額をもとに、型式や年式から算出した一定範囲内で設定

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支払限度額の意味

事故や盗難時に受け取れる保険金の上限額を決定する重要な数値

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経年による変動

時間経過とともに車両価値が下がり、設定できる金額も低下する

車両保険金額とは何か

車両保険金額とは、契約しているバイクが事故による損害を受けたり盗難にあった際に、車両保険から支払われる保険金の支払限度額のことです。この金額は、契約時のバイクの市場販売価格相当額をもとに設定されるのが一般的であり、用途・車種、車名、型式、仕様(グレード)、初度登録年月によって一定の幅があります。
参考)https://faq.mitsui-direct.co.jp/index.html?id=10619

具体的には、保険会社が保有する「車価表(車両価格表)」に記載された金額をもとに保険金額や保険料を決定します。例えばある車両が車価表で220万円~280万円と評価されていた場合、保険会社と契約者で相談をして、その幅の中で保険金額を設定するわけです。バイクの価値は時間が経過すると共に下がっていくため、設定できる車両保険の保険金額も低くなります。
参考)車両保険の保険金額の目安や平均はいくら?決め方は?保険料を安…

この保険金額は全損事故の場合にそのまま保険金として支払われ、分損事故の場合には受け取れる保険金の上限となるため、補償内容を決める重要な要素となります。
参考)https://www.bang.co.jp/cont/vehicle-insurance/

車両保険金額目安の計算方法

車両保険の保険金額は、バイクの状態によって適切な目安が異なります。新たに新車を購入した場合は、購入金額を目安に設定します。購入金額には、車両本体価格の他に、カーナビゲーションシステムやフロアマットなどのオプション(付属品)の金額と、消費税を含みます。​
購入してから一定期間経過したバイクの場合、時間が経過すると共に劣化するため、その分価値が下がり、設定できる車両保険の保険金額も低くなります。保険会社では、バイクを購入後、時間が経過し下がった価値を反映した車両保険の保険金額を提示しています。​
現在自動車保険に契約中の車両の場合は、「保険証券に記載された車両保険金額の90%」を目安に5万円単位で、下限額から上限額の範囲内で設定するのが一般的です。中古車を購入した場合も一定の範囲内の金額で設定しますが、走行距離・修理歴・保管状態等によって、同じ年式でも実際の販売価格はさまざまであるため、購入金額がその幅の範囲にない場合があります。
参考)https://www.zurich.co.jp/car/useful/guide/cc-price-of-vehicle-insurance/

車両保険金額の相場と平均値

車両保険の保険料には、平均金額や相場といったものは厳密には存在しません。なぜなら、車両保険の保険金額は、新車・中古車、あるいは普通車・軽自動車という大雑把なくくりではなく、車種や年式、車の安全性や過去の事故リスクなどから総合的な基準で算出されるからです。​
二輪車の保険料については、損害保険料率算出機構のデータによると、2023年度の二輪車の保険料平均は27,840円、原動機付自転車の保険料平均は18,822円となっています。ただし、このデータはすべての契約の平均であり、補償内容の他、年齢や事故歴、地域などさまざまな要因で決まっているため、保険料の相場や平均は個々の契約条件によって異なります。
参考)【年齢別】バイク任意保険料の相場(年額/月額)は?いくら払っ…

年齢別に見ると、20歳以下の二輪車(250cc超)では年間約121,297円、26歳~29歳では約42,063円、40代では約30,613円と、年齢によって大きな差があります。これは若年層ほど事故リスクが高いと評価されるためです。​

車両保険金額の免責金額とは

車両保険の免責金額とは、簡単に言えば車の修理代の自己負担額のことです。例えば、免責金額が5万円、修理代が50万円の場合、車両保険を使うと5万円は自己負担し、残りの45万円が保険金として支払われます。損害額が免責金額以下の場合、保険金は支払われません。
参考)車両保険の免責金額とは?いくらに設定する? - SBIの自動…

免責金額は1回目の車両事故と2回目以降の車両事故での金額の組み合わせで選択します。例えば「0-10万円」の場合、1回目の車両事故の免責金額は0円で、2回目以降の車両事故の免責金額は10万円です。1回目の免責金額よりも2回目以降の免責金額が高くなる増額方式と、1回目と2回目以降の免責金額が変わらない定額方式があります。​
バイク保険における免責は、保険料の節約や、自己負担分を意識することで運転を慎重に行うなどの効果が期待できます。しかし、免責金額を大きく設定すると、自己負担額が大きくなり、保険のメリットが薄れる可能性があります。免責金額を高く設定するほど、保険料は安くなるため、自身の経済状況とリスク許容度を考慮して設定することが重要です。
参考)免責

バイク特有の車両保険金額設定のポイント

バイクの車両保険は、自動車と違ってすべての保険会社で取り扱われるものではありません。また、バイクの車両保険がある場合も、会社によってカバー範囲が異なります。バイクの保有者のうち、バイク保険の加入率は約45%ですが、車両保険の加入率は約2.1%に過ぎません。
参考)https://www.goobike.com/magazine/knowledge/insurance/21/

バイクの車両保険は、一般的に盗難に対する補償がない、年式の古い車両やカスタム車は引き受けが難しいなど、自動車と比較して補償範囲が狭いことも特徴です。任意保険に車両保険を付帯すると、毎月支払う保険料の金額が上がるため、若年層は収入的な問題もあり、バイク保険はおろか車両保険まで手が回らないケースが多くなります。
参考)https://life.oricon.co.jp/rank_bike/special/about/vehicle-insurance/

一方で、中古バイクや比較的安価なモデルの場合、修理費用が車両価値を下回る可能性があり、その場合車両保険の必要性は低くなり得ます。バイクの車両保険を選ぶ際は、購入価格、年式、使用頻度、そして自身の経済状況を総合的に判断することが重要です。特にバイクの場合、立ちゴケなど軽微な事故が多いため、免責金額の設定によっては保険金が支払われないケースもあることを理解しておく必要があります。
参考)バイクの車両保険って必要?|初心者にもわかりやすく解説

車両保険金額が時価額を超えた場合の対応

事故の際に修理費用が車両の時価額を超える場合を「経済的全損」といいます。車両時価額とは、事故に遭った時点での車の価値のことで、車種や年式など同一の仕様状態・走行距離の中古車を販売店で取得する際に必要な価格が基準にされます。
参考)事故車の時価額とは?事故が起こった時に知っておきたい対応を解…

対物賠償保険では、法律上の賠償責任のある時価額までしか補償できないため、相手方の車の「時価額を超える修理費用」は保険金で支払われません。車両時価額に買替費用を加えた額が修理費を下回っている場合には、残念ながら修理費の支払を加害者に求めることはできないこととなります。
参考)https://www.zurich.co.jp/car/useful/guide/cc-property-damage-excess/

車両時価額は原則として被害車両と同一の車種、年式、型、同程度の使用状態、走行距離の車両が中古車市場でどれだけの価格で取引されているかを参考に決定することになります。この中古車市場における価格の調査については、「レッドブック」と呼ばれる『自動車価格月報』を参考とするか、中古車サイトにて調査することになります。
参考)物損事故でよく耳にする【車両時価額】とは? 弁護士解説

事故の約2か月前に購入したばかりの中古車について、実際に購入した時の価格が分かっているのであれば、これをもとに減価償却等の方法によって時価を算定する方が合理的であるとした判例もあります。このように、時価額の算定方法には一定の柔軟性があり、状況に応じて適切な評価方法が選択されることもあります。​