スノータイヤ スタッドレスタイヤの違いと選び方

スノータイヤ スタッドレスタイヤの違いと選び方

スノータイヤとスタッドレスタイヤの違い

冬用タイヤの基礎知識
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スノータイヤとは

冬季用タイヤ全般を指す総称で、スタッドレスタイヤやスパイクタイヤを含む広い概念

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スタッドレスタイヤとは

スパイクピンなしで雪上・氷上走行に特化した現代の冬用タイヤの主流製品

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技術の進化

柔軟なゴム素材と深い溝、サイプ(細かい切れ込み)により冬道でのグリップ力を実現

スノータイヤの定義とバイク用タイヤの歴史


IRC(アイアールシー) ササラ SA・SA・RA(赤裏) シティサイクル用スノータイヤ WO26X1 3/8 82型KK 18604L
スノータイヤという言葉は、現在では冬用タイヤ全般を示す総称として使われています。以前は雪道を走行するためのタイヤとして、路面に食い込む金属製のスパイクピンが付いた「スパイクタイヤ」が主流でした。しかし、スパイクタイヤは道路を削り、粉塵などの環境問題を引き起こしたため、現在では緊急車両など一部の指定車両以外は原則として使用できなくなっています。
参考)スノータイヤもスタッドレスタイヤも同じ?冬タイヤ3種の違いを…

バイク用の冬タイヤは、各タイヤメーカーから「スノータイヤ」という名称で販売されており、小型バイク用の小径ホイールやスーパーカブなどの細いタイヤが中心です。一方で、大型バイク用のスノータイヤは発売されていないため、大型バイクでの冬季走行には特に注意が必要です。
参考)バイクにもある? 冬の路面に強いスタッドレスタイヤ

スパイクタイヤと区別するために「スノータイヤ」と呼ばれていたスパイクピンなしのタイヤが、素材や設計の改良を重ね、より優れた性能を持つスタッドレスタイヤへと進化しました。その結果、スタッドレスタイヤはスノータイヤの中の一種という位置づけになり、現在の冬用タイヤの主流となっています。
参考)スタッドレスタイヤとスノータイヤの違いは?

スタッドレスタイヤの構造と性能の特徴

スタッドレスタイヤは、雪道や凍結路面でも安定して走行できるよう、夏用タイヤとは異なる特殊な設計が施されています。最大の特徴は、低温でも硬くなりにくい柔らかいゴム素材を使用していることです。夏用タイヤは気温が低下するとゴムが硬化してグリップ力が低下しますが、スタッドレスタイヤは柔軟性を保ち、路面にしっかりと密着します。
参考)スタッドレスタイヤとは?冬用タイヤの種類やノーマルタイヤとの…

トレッド面(路面と接する部分)には、夏タイヤより深い溝と、サイプと呼ばれる細かな切れ込みが数多く入っています。この深い溝とサイプによって、氷雪路上の水膜を除去し、タイヤを路面に密着させることで、スリップしにくい構造を実現しています。また、トレッド面が複雑なパターンになっており、彫りも深いため、積雪路での雪の噛み込みと排出を効率的に行います。
参考)スノータイヤとは?スタッドレスタイヤと違いや特徴

バイク用スタッドレスタイヤは、タイヤの幅が車よりも狭く二輪で走行するため、アイスバーンではほとんどグリップしないという特性があります。そのため、車用のスタッドレスタイヤとは異なり、雪道専用のタイヤと考えた方が良いでしょう。凍結した路面では、バイクでの走行は非常に危険ですので、天候や路面状況を慎重に判断することが重要です。​

バイク用スノータイヤとオールシーズンタイヤの違い

冬用タイヤには、スタッドレスタイヤ以外にもオールシーズンタイヤという選択肢があります。オールシーズンタイヤは、その名の通り1年中タイヤ交換なしで使用できるタイヤです。タイヤ側面に「M&S」や「M+S」という表記があればオールシーズンタイヤ、「STUDLESS」と書いてあればスタッドレスタイヤと見分けることができます。
参考)https://autosock.jp/blogs/textile-tire-chains/tires-types-differences

オールシーズンタイヤは、夏タイヤよりもサイプの量を増やし、エッジ性能(引っかかり効果)を強化したタイヤです。軽度の積雪路面であれば走行可能ですが、スタッドレスタイヤほど冬道での性能は高くありません。特に凍結路には適していないため、大雪が降る地域や凍結が頻繁に発生する地域では、スタッドレスタイヤを選ぶことが推奨されます。
参考)スタッドレスタイヤ・スノータイヤ・オールシーズンタイヤについ…

タイヤ交換の手間がかからず、保管スペースも不要というメリットがある一方で、価格が高く、スタッドレスタイヤほどの冬道性能は期待できないというデメリットもあります。雪があまり降らない地域で、年に数回程度しか雪に遭遇しない場合には、オールシーズンタイヤという選択肢も検討価値があります。ただし、バイクの場合は安全性を最優先に考え、積雪時や凍結時には無理な走行を避けることが何よりも重要です。​

スノータイヤの寿命と交換時期の見極め方

バイク用スノータイヤの寿命は、夏タイヤよりも短い傾向があります。夏タイヤの平均的な寿命が3年から5年なのに対し、スタッドレスタイヤは2年から3年と短く、消耗が早いという特徴があります。また、夏タイヤよりもゴム質が柔らかいため、タイヤ交換は比較的容易に行えるというメリットもあります。
参考)スタッドレスタイヤの寿命は3年~5年が目安!その理由と長持ち…

スノータイヤには、寿命を示す「プラットフォーム」という目印が溝の間に設けられています。このプラットフォームが露出すると、新品時より50%摩耗した状態を示し、冬用タイヤとして十分な性能を発揮できません。プラットフォームがある場所は、スリップサインと同様にタイヤ側面に矢印がついているので、乗る前に必ず確認するようにしましょう。​
冬季への交換時期は、最低気温が7℃を下回るようになった頃が目安です。サマータイヤは気温が低くなるとゴムが硬化し、グリップ力が低下してしまうため、雪が降らなくても路面凍結のリスクを考えて早めの交換が推奨されます。また、初雪が降る1か月程度前に交換しておくと、慣らし走行ができ、タイヤ交換の予約も取りやすいというメリットがあります。春に向けてサマータイヤへ戻す際も、最低気温が7℃以上になる頃を基準に判断すると良いでしょう。
参考)スタッドレスタイヤの交換時期は何月?関東・関西での違いや目安…

バイクのスノータイヤ交換費用とメーカー別の価格帯

バイクのスノータイヤ交換にかかる費用は、タイヤサイズやバイクの種類によって異なります。原付50ccスクーターの場合、工賃込みで1本あたり7,000円から8,000円程度が一般的です。スーパーカブなどの場合は、フロントタイヤが7,800円、リアタイヤが8,900円程度が目安となります。PCXなどの125ccクラスのスクーターでは、フロントが12,800円、リアが14,800円程度です。
参考)原付冬タイヤ交換

ショップに依頼した場合の工賃は、フロントタイヤで3,150円から、リアタイヤで4,200円からが相場となっています。これにスタッドレスタイヤ本体の価格が加わるため、総額はタイヤの種類やグレードによって大きく変動します。一般的には、フロントタイヤの交換費用はタイヤ価格と工賃を合わせて10,000円から25,000円程度が目安です。
参考)https://www.goobike.com/magazine/maintenance/maintenance/267/

主なバイク用スノータイヤメーカーとしては、ダンロップ(DUNLOP)、IRC(アイアールシー)などがあります。ダンロップのD503やD502シリーズは、郵政カブなどでも採用されている信頼性の高い製品です。IRCのスノータイヤも評価が高く、様々なサイズ展開があります。スタッドレスタイヤとスパイクタイヤの両方がラインナップされており、降雪量や路面状況に応じて選択できます。
参考)https://www.monotaro.com/k/store/%E3%83%90%E3%82%A4%E3%82%AF%20%E3%82%B9%E3%82%BF%E3%83%83%E3%83%89%E3%83%AC%E3%82%B9%E3%82%BF%E3%82%A4%E3%83%A4/

スパイクタイヤは鉄のピンが付いており、氷の路面でもピンが路面に食いつき、アイスバーンや凍結路、圧雪路面で活躍します。一方、スタッドレスタイヤは雪道に強いという特性があります。降雪量が多い地域や凍結路が多い地域ではスパイクタイヤ、積雪路が中心の地域ではスタッドレスタイヤという使い分けが一般的です。ただし、スパイクタイヤは粉塵の問題があるため、使用できる地域や条件に制限があることに注意が必要です。
参考)https://www.yes-i-do.co.jp/column58.html

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バイク用スタッドレスタイヤの特徴と注意点を紹介しています
バイクのスタッドレスタイヤ交換にかかる工賃・費用の目安を解説しています

 

 


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