スリップサイン バイク 真ん中の減りと交換時期の見極め方

スリップサイン バイク 真ん中の減りと交換時期の見極め方

スリップサイン バイク 真ん中の減りと交換判断

この記事でわかること
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スリップサインの確認方法

△マークの位置と溝の深さの見方を理解できます

⚠️
真ん中が減る理由

タイヤ中央部の摩耗原因と対策を把握できます

🛠️
適切な交換時期

安全走行のための交換タイミングがわかります

バイクタイヤのスリップサイン位置と確認方法


DUNLOP(ダンロップ)バイクタイヤ ARROWMAX GT601 フロント 100/90-16 M/C 54H チューブレスタイプ(TL) 307333 二輪 オートバイ用

 

バイクタイヤのスリップサインは、タイヤの摩耗状態を簡単に確認できる重要な指標です。スリップサインはタイヤの溝の底にある盛り上がった部分で、この盛り上がりが路面と接触するまで摩耗が進むと、タイヤの摩耗具合が限界に達したことを意味します。
参考)【バイク初心者必見】知らないと危険なタイヤのスリップサインの…

スリップサインの位置は、タイヤの側面にある△マーク(TWI:Tread Wear Indicator / ウェアインジケータ)の延長線上にあります。この△マークは、タイヤ側面のサイドウォールと呼ばれる部分に、周方向に沿って4〜9箇所設置されているのが一般的です。​
タイヤの点検は、すべてのスリップサインを確認することが基本です。もし1箇所でもスリップサインが露出していれば、タイヤ交換が必要です。バイクを少しずつ動かしながら、すべての位置でチェックしてください。道路運送車両の保安基準では、タイヤの溝の深さは0.8mm以上と定められており、この値を下回ると法律違反となります。​
タイヤの溝深さをより正確に測定するには、デプスゲージと呼ばれる専用の測定器具を使用します。デプスゲージはタイヤの溝深さを0.1mm単位で測定できるため、より詳細な摩耗状態を把握できます。​

バイクタイヤの真ん中だけが減る主な原因

バイクタイヤの真ん中だけが減る現象は、街乗り中心のライダーにとって非常によく見られます。これは、直進走行が多いことと、コーナリング時にバイクを大きく傾ける機会が少ないことが主な原因です。
参考)【バイク初心者必見】タイヤの真ん中だけが減る理由と安全なコー…

直線走行ではバイクが立っている状態が続くため、タイヤの中央部分に荷重が集中するのです。街乗りでは信号や渋滞などで停止と発進を繰り返すことが多く、どうしても直進走行がメインになります。交通量の多い街中の道路では、車体を大きく傾けてコーナリングすることは、安全上むしろ避けるべきです。​
あまりにも中央部分に摩耗が偏っている場合は、空気圧が高すぎる可能性も考えられます。適正値より高い空気圧で走行すると、タイヤの中央部分が膨らみ、さらに中央部分の摩耗が進みやすくなります。逆に、空気圧が不足していると、タイヤの両端が過度に摩耗します。
参考)乗り方がヘンだから? バイクのタイヤの一部分ばかりが減る理由…

偏摩耗を防ぐためには、1か月に1回は空気圧を確認し、適正値にすることが大切です。空気圧を適正に保っていても偏摩耗が起きる場合は、アライメントがずれている可能性があります。​

スリップサイン露出による危険性とリスク

スリップサインが露出したタイヤは、本来の性能を発揮できず、重大な事故につながるリスクが高まります。溝が浅くなったタイヤでは、ブレーキをかけてから停止するまでの距離(制動距離)が長くなります。​
グリップ力の低下は、特に濡れた路面で顕著に現れます。雨天時には路面とタイヤの間に水膜ができやすくなり、グリップ力がさらに低下します。スリップサインが出たタイヤでは、このような状況でコントロールを失い、スリップや転倒につながる可能性が非常に高くなります。​
スリップサインが出たタイヤで雨天時に走行すると、ハイドロプレーニング現象が発生するリスクが高まります。ハイドロプレーニング現象とは、タイヤと路面の間に水の膜ができ、コントロールを失ってしまう現象のことです。この現象が発生するとハンドルやブレーキが効かなくなり、車両の制御が極めて困難になります。​
スリップサインが露出したタイヤで走行することは、道路交通法違反となります。スリップサインが露出したタイヤで走行した場合、整備不良として違反点数が加算されたり、罰金が科せられたりする可能性があります。制動装置等の整備不良として交通違反で2点の加点と6,000円〜12,000円の反則金が科せられるので注意しましょう。​

バイクタイヤの適切な交換時期と判断基準

タイヤの交換時期は、スリップサインだけでなく、溝の深さ、走行距離、経年劣化など、複数の要因から総合的に判断する必要があります。溝の深さが0.8mm以下になると法定違反となりますが、実用的な安全マージンを確保するには、2~3mm程度で交換するのが望ましいとされています。​
安全性を確保するためには、残り溝が4mm以下になった時点での交換をおすすめします。2~3mm程度残っていれば、雨天時にも十分な水はけが可能で、制動力や操縦性をまだ維持できるからです。0.8mmまで引っ張るのではなく、2~3mm程度で交換すれば、危険な領域に踏み込む前に快適な走りと安全性を同時に保てます。​
タイヤの寿命は走行距離のほか、製造年からの経過時間によっても大きく左右されます。ゴムは年数の経過とともに硬化し、柔軟性や弾力が失われていきます。経年劣化したタイヤは溝の深さが十分に残っていても、柔軟性を失ってグリップ力が低下しているため、交換を検討する必要があります。​
一般的に、バイクタイヤの寿命は走行距離で10,000km〜20,000km程度とされています。しかし、これはあくまで目安であり、実際の交換時期は様々な要因によって変動します。製造から5年以上経過したタイヤは注意が必要です。一般的に、未使用でも製造から5年以上経過したタイヤは交換を検討する必要があります。​

街乗りライダーが知るべき真ん中摩耗の正しい認識

街乗り中心のライダーにとって、タイヤの真ん中だけが減るのは決して悪いことではありません。むしろ安全運転を心がけている証拠とも言えるでしょう。​
「アマリング」という言葉を聞いたことがあるかもしれません。これは、タイヤの端がほとんど使われず、端にキレイな輪っかが付いたように見える状態を指します。この状態を恥ずかしいと感じるライダーもいますが、それは初心者が抱きがちな誤解です。​
アマリングは、サーキット走行やレースでタイヤを極限まで使い切る場合を除いて、一般的な公道走行では自然に発生するものです。むしろ、公道でアマリングが全くない状態は、危険な走行をしている可能性を疑うべきでしょう。通勤や街乗りが中心のライダーであれば、タイヤの端までしっかり使う場面は少なく、アマリング状態になるのは当然です。​
タイヤの摩耗パターンは、ライダーのライディングスタイルを反映しています。摩耗パターンを分析することで、自分のライディングの癖や改善点を見つけることができます。街乗り主体のライダーにとって、タイヤの中央が摩耗するのはごく自然な現象であり、むしろ安全運転をしている証です。​

日常点検で実践すべきタイヤチェック方法

日常的な点検は、タイヤのトラブルを未然に防ぎ、安全な走行を維持するために非常に重要です。バイクに乗る前には、必ずタイヤを目視で確認する習慣を身につけましょう。​
目視確認の際は、タイヤの全周をくまなくチェックし、スリップサインの露出、ひび割れ、異物の刺さり、偏摩耗などがないかを確認します。特に、タイヤとホイールの接合部分(ビード部分)は、ひび割れが発生しやすい箇所なので、念入りに確認してください。​
空気圧が不足していると燃費が悪化したり、ハンドリングが悪くなったりするだけでなく、偏摩耗やバーストの原因にもなります。空気圧のチェックは、月に一度、または走行前に行うことをおすすめします。特に気温の変化が大きい時期は空気圧が変動しやすいため、こまめにチェックしましょう。​
空気圧を調整する際は、タイヤが冷えている状態で行うのが基本です。走行直後のタイヤは内部の空気が温まって膨張しているため、正確な数値を測定できません。適正な空気圧は、バイクの取扱説明書や車体のスイングアーム、シート下などに記載されているため、確認してみてください。​
異物の刺さりを確認する際には、タイヤの接地面をよく観察します。釘やネジなどが刺さっている場合は、目視で確認できます。もし異物が刺さっているのを発見した場合は、無理に引き抜かずに、専門店で適切な処置を受けるようにしましょう。​

タイヤ寿命を延ばす保管とメンテナンス術

正しい保管や適切なメンテナンスによって、タイヤの寿命は大きく変わります。直射日光に含まれる紫外線や湿気が多い場所は、タイヤのゴムを劣化させる原因となります。​
多湿な場所では、タイヤの内部に水分が浸入し、劣化を促進する可能性があります。直射日光と高温多湿を避けた場所に保管することで、タイヤの劣化を抑え、寿命を延ばすことができるのです。具体的には、屋内の涼しく、風通しの良い場所に保管するのが理想的です。​
タイヤの清掃は、水と中性洗剤を使って行います。タイヤに付着した泥や油分などを丁寧に落とし、水でしっかりと洗い流します。洗剤が残っているとタイヤのゴムが劣化する可能性があるため、十分に洗い流すことが大切です。​
タイヤの黒さを目立たせるためのタイヤワックスですが、バイクのタイヤに使用することはおすすめできません。側面だけ塗ったつもりでも高速で回転するタイヤの遠心力によりトレッド面に流れ出しスリップする危険性があるためおすすめしません。​
適正空気圧の維持は、タイヤの寿命を延ばし、バイクの性能を最大限に引き出すための重要なポイントです。適正空気圧はタイヤの接地面積を最適化し、均一な摩耗を促進します。空気圧が低すぎると、タイヤの両端が過度に摩耗し、高すぎると中央部分が早く減ってしまいます。​
空気圧は温度によっても変化します。10℃の温度変化で約1%の空気圧変動が生じるため、季節ごとの調整も必要です。夏場は空気が膨張するため、やや低めに設定するのが良いでしょう。​

偏摩耗が教えてくれるライディングの癖

タイヤの片側だけが摩耗している「片減り」は、ライディングスタイルに特定のクセがあることを示している可能性があります。例えば、右折が多い場合や、特定の方向に曲がる際に力が入りすぎている場合に、このような摩耗が見られます。​
片減りは、バイクのアライメントがずれている場合や、フォークの歪みなどが原因となることもあります。バイクの走行安定性に影響を与えるため、片減りを見つけたら、早めに原因を特定して対策を講じることが重要です。​
ただし、極端な片べりではない場合、道路の作りによる影響も考えられます。道路は水捌けを良くするため、微妙な傾斜が付けられています。街乗りメインの場合、道路の傾きによりタイヤ右側の摩耗が多くなったりします。​
偏摩耗の主な原因は、タイヤの空気圧が適正ではないことやアライメントがずれていること、乗り方に癖があることの3つです。急加速や急ブレーキ、スピードが速いままカーブを曲がるなどの荒い運転も、偏摩耗を起こす要因です。タイヤのすり減り方で自分の運転の癖がわかるので、定期的にチェックするとよいでしょう。​
偏摩耗が生じた場合のデメリットとして、まず安全に走行しにくくなることが挙げられます。偏摩耗は、タイヤの空気圧が適正でなく変なすり減り方をしているため、地面からの衝撃を吸収しきれません。そのため、振動が大きくなったりハンドルが取られやすくなったりします。​
また、直進での安定性も損なわれるためバランスが取れず、転倒しやすくなります。さらに、路面が濡れている場合にハンドル操作やブレーキがきかなくなる、「ハイドロプレーニング現象」を引き起こしかねません。​

専門店に相談すべきタイヤトラブルのサイン

すでに偏摩耗になっている場合は空気圧を適正に保ってもアライメントを正しても、タイヤが直ることはありません。偏摩耗になっていることに気づいたら、早めにバイクショップやディーラーに相談をして、タイヤ交換をしてもらいましょう。​
タイヤの交換時期は、スリップサインだけでなく、タイヤの外観からも判断できます。偏摩耗やひび割れ、異物の刺さりなどは、タイヤの性能低下やバーストなどのトラブルに繋がる危険な兆候です。​
タイヤのひび割れは、ゴムの劣化が進行していることを示し、バーストなどの危険性が高まります。ひび割れが確認された場合は、速やかにタイヤを交換しましょう。タイヤに釘やガラス片などの異物が刺さっている場合も、パンクやバーストの原因となるため、交換が必要です。​
タイヤの変形を確認する際には、タイヤの側面やセンター部分をよく観察します。側面が膨らんでいたり、波打っていたりする場合は、内部の構造に損傷がある可能性があります。また、センター部分が左右どちらかに偏って摩耗している場合や、残り溝の深さが不均等の場合は、偏摩耗を起こしている可能性があります。​
タイヤ交換は、バイクの安全性に直結する重要な作業であるため、信頼できる専門店に依頼することをおすすめします。専門店では、経験豊富なスタッフが適切な工具と技術を用いて、安全かつ確実にタイヤ交換を行います。​

走行スタイルに合わせたタイヤ選びのポイント

車種によって、装着できるタイヤのサイズや種類が異なります。バイクの取扱説明書やタイヤメーカーの適合表などを参考に、自分のバイクに適合するタイヤを選びましょう。サイズが合わないタイヤを装着すると、走行性能に悪影響を及ぼすだけでなく、事故につながる可能性もあります。​
また、ライディングスタイルによって重視する性能も異なります。例えば、街乗りがメインであれば耐摩耗性や乗り心地を重視したタイヤを選び、ワインディングロードなどを楽しむ場合はグリップ力やハンドリング性能を重視したタイヤを選ぶと良いでしょう。​
タイヤの種類は大きく分けて、スポーツ、ツーリング、ハイグリップの3種類があります。スポーツタイヤは、峠道やワインディングを快適に走行できます。ツーリングタイヤは、タイヤセンターが減りづらく、強度に優れたタイヤです。ハイグリップは、サーキット走行に適したタイヤで、非常に高いグリップ力を持ちます。​
バイクのタイヤ交換は、前後同時に行うことをおすすめします。前後で異なる種類のタイヤを装着したり、摩耗状態が大きく異なるタイヤを装着したりすると、バイクの挙動が不安定になる可能性があるからです。前後タイヤを同時に交換することで、タイヤの性能を最大限に引き出せます。​
バイクに乗る上で、タイヤの状態を常に把握しておくことは非常に重要です。定期的な点検を行い、異常を発見した場合は早めに専門店で点検を受けるようにしましょう。タイヤは、バイクの安全走行を支える重要なパーツです。日頃から適切な管理を心がけ、安全で快適なバイクライフを送りましょう。​

 

 


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