

AirTagだけ付けたライダーの8割は、盗難後にバイクの場所が追えなくなっています。
「自宅に停めているから大丈夫」と思っているライダーは多いですが、実はバイク盗難の発生場所として最も多いのは住宅の敷地内です。警察庁の統計では、全体の約4割が自宅周辺で発生しており、外出先の駐車場よりも自宅前の方が危ないというのが現実です。
2024年のバイク盗難認知件数は11,641件で、2021年の7,569件という底から3年連続で増加しています。これはコロナ禍以降のバイクブームで中古車価格が高騰し、転売目的の組織的窃盗が増えたことが主な要因です。1日あたり約32台が盗まれている計算になります。東京ドームの観客席に並べると、1年間で約12列分のバイクが消えていくイメージです。
問題はその後です。バイクの盗難検挙率は17〜18%前後と低く、自動車の検挙率(約50%超)の3分の1以下です。つまり、盗まれたバイクの8割以上は発見されないまま終わります。
ここで差が出るのが、GPSトラッカーの有無です。GPSトラッカーがあれば、盗難発生直後から位置情報を警察に伝えられるため、早期発見・逮捕につながる可能性が大幅に上がります。物理的な鍵では「盗まれないようにする」ことしかできませんが、GPSは「盗まれた後でも追い返せる」唯一の手段といえます。
つまり、GPSトラッカーは「最後の保険」として機能します。
バイク盗難の最新統計はこちらが参考になります。都道府県別の詳細データも確認できます。
【2024年】オートバイ盗難が再び増加!傾向と防犯対策 - AlterLock
GPSトラッカーと一口にいっても、仕組みによって追跡できる場面がまったく異なります。種類を理解せずに選ぶと、いざ盗難が起きたときに役に立たないことがあります。大きく分けると3つのタイプがあります。
① AirTag(Appleの紛失防止タグ)は、GPS衛星ではなく世界中のiPhoneユーザーのBluetoothネットワークを活用して位置を特定する仕組みです。1個あたり約4,000円前後で購入でき、月額費用はゼロです。都市部では精度が高く、電池寿命も約1年と長いのが魅力です。ただし、周辺にiPhoneユーザーがいない場所では位置情報が更新されません。人の少ない山間部や、バイクをトラックに積んで移動させられた場合には機能しないケースがあります。また、Androidユーザーは利用できません。
② Tile(Bluetoothトラッカー)はAndroidでも使えるAirTag的な存在です。Tileアプリユーザーが近くを通ると位置情報が更新される仕組みで、薄型モデルが多くシート下の隙間にも収まります。ただし、AirTagほどユーザー母数が多くないため、地方では検知率が落ちる点に注意が必要です。
③ 専用GPSトラッカー(衛星GPS+通信SIM)が最も本格的で、バイク盗難対策としては最強クラスです。GPS衛星から直接位置情報を取得し、内蔵SIMで常時通信するため、山間部でも人のいない場所でも関係なくリアルタイム追跡ができます。月額費用は製品によって異なりますが、おおよそ500円〜2,200円程度が相場です。
以下に主要製品の特徴を整理します。
| 製品名 | タイプ | 月額費用 | リアルタイム追跡 |
|---|---|---|---|
| AirTag | Bluetoothネットワーク型 | 無料 | ❌(近くにiPhoneが必要) |
| Monimoto 9 | 専用GPS(電池式) | 約653円 | 🔺(間欠的) |
| POLARISS | 専用GPS(車体接続型) | 要確認 | ✅ |
| ココセコム | 専用GPS(セコム連携) | 約2,200円 | 🔺(2分間隔) |
| REGUIT-S248 | 専用GPS | 約1,280円 | ✅(5秒間隔) |
「月額無料=コスパ最強」ではありません。用途と使う環境に合わせた選択が肝心です。
各GPSトラッカーの費用と追跡能力の詳細比較はこちら。
【決定版】自動車・バイク盗難対策GPSトラッカー5製品 徹底比較 - REGUIT
GPSトラッカーを付けること自体は大事ですが、「見つかる場所に付けては意味がない」という点を見落としているライダーが多いです。プロの窃盗団はGPS発見器を持参している場合があり、見つけ次第外して捨てることがあります。取り付け場所の工夫が命取りになります。
おすすめの取り付け場所を以下に示します。
- 🏍️ シート下のスポンジ付近:スペースがあれば最も見つかりにくい
- 🏍️ サイドカバー内:AirTagやTileなど薄型に向く
- 🏍️ リアキャリア裏側:外から見えず電波も安定しやすい
- 🏍️ メインフレーム下:地面から見えにくく発見されにくい
- 🏍️ 工具入れスペース:スペースがあるモデルに最適
一方、金属部品の真裏は避けてください。金属が電波を遮断し、位置情報の更新が遅れる原因になります。特に専用GPSトラッカーは通信SIMを使っているため、金属ケースで覆われると急激に精度が落ちます。
また、防水処理は必須です。バイクは雨の中でも走行するため、密閉性の低い場所に設置する際は防水ケースに入れるか、防水テープで養生しましょう。Monimoto 9などの防水仕様を謳う製品でも、バイクの振動や洗車時の水圧が想定を超えることがあります。
もう一つの注意点は、AirTagのストーカー対策通知機能です。知らない人のAirTagが近くにあると、iPhoneユーザーに通知が飛ぶ仕様になっています。バイクを借りた人や近くを歩く人に「追跡されている」と通知が届く可能性があります。この点だけはデメリットとして理解しておく必要があります。
複数台を異なる場所に取り付けるのが条件です。
「どれか1つを選べばいい」と考えているライダーは多いですが、実はAirTagと専用GPSトラッカーを併用することが、コストパフォーマンス的にも防御力的にも最強の組み合わせです。意外ですね。
まず費用面から見ると、AirTag(約4,000円・月額無料)+Monimoto(本体約15,000〜20,000円前後・月額約653円)の組み合わせでも、月あたりの負担は653円程度です。コンビニで缶コーヒー2本分の金額で二重追跡体制が作れます。
組み合わせによるメリットは以下の通りです。
- 🔹 AirTagで「移動開始」を素早く検知できる
- 🔹 専用GPSで「現在地」をリアルタイム追跡できる
- 🔹 どちらかが発見・除去されても片方が生き残る
- 🔹 窃盗犯がAirTagだけ除去して安心してしまい、専用GPSが残る可能性がある
窃盗プロは「AirTagがある」とわかっても、専用GPSの存在には気づかないケースがあります。逆もしかりで、バイクに複数の防犯層を仕込むことで、1つを突破されても追跡を続けられます。
また、専用GPSトラッカーの中には電源をバイクのバッテリーに接続するタイプと、電池式(充電式)タイプがあります。電源接続タイプは配線が切られると追跡不能になるリスクがある一方、電池式は電源ラインを切断されても動作し続けます。Monimotoはこの点で電池式を採用しており、配線を傷つけても動作し続ける設計になっています。
結論は「1台だけに頼らない」が防犯の鉄則です。
AirTagとGPSトラッカーの違いをより詳しく理解したい方はこちら。
GPSトラッカーとAirTagの違いとは?車の盗難対策はどちらがおすすめ? - ALPINE
GPSトラッカーの導入を検討するとき、本体価格だけを見て判断してしまうと、のちのち後悔することがあります。実際にかかるコストは「初期費用+月額費用×使用年数」で考える必要があります。
以下は代表的な製品の2年間総コストの目安です。
| 製品名 | 本体価格 | 月額費用 | 2年間の総コスト目安 |
|---|---|---|---|
| AirTag | 約4,000円 | 0円 | 約4,000円 |
| アルパインMAMORUCA | 約7,700円 | 約880円 | 約28,800円 |
| Monimoto 9 | 約15,000円〜 | 約653円 | 約30,600円〜 |
| REGUIT-S248 | 非公開 | 約1,280円 | 約30,720円〜 |
| ココセコム | 要確認 | 約2,200円 | 約52,800円〜 |
※費用は目安であり、キャンペーンや契約内容により変動します。
2年間コストで見ると最安はアルパインMAMORUCAですが、このモデルは内蔵バッテリーがなく、電源ラインを切断されると追跡不能になるデメリットがあります。また、位置情報の発信が1分間隔と少し遅めです。
費用を抑えたいライダーには、まずAirTag(約4,000円)から始めて、都市部以外に住んでいる方やより確実な追跡を求める方が専用GPSをプラスするという段階的なアプローチが現実的です。
なお、バイクの任意保険に付帯できる盗難補償オプションも検討に値します。GPSで位置を特定できても、警察が即時対応してくれるとは限りません。盗難補償があれば、万一取り戻せなかった場合でも経済的な損失を補てんできます。GPSと保険の組み合わせが最終的な安全網として機能します。
GPSトラッカーを付けた途端に「もう安心」と感じてしまうライダーがいますが、これは大きな勘違いです。GPSトラッカーはあくまでも「盗まれた後の追跡ツール」であり、盗難そのものを防ぐ効果は限定的です。物理ロックとの組み合わせが不可欠な理由がここにあります。
プロの窃盗団がバイクを盗む時間はわずか数十秒〜2分以内とも言われています。ハンドルロックを破壊し、トラックの荷台に積んで移動するスピード窃盗が主流です。ディスクロック1本では対抗できません。一方、太いチェーンロックやアース棒に固定するグランドアンカーを組み合わせると、物理的な撤去に時間がかかるため、プロでも諦めるケースが増えます。
窃盗犯は「時間をかけると捕まる」を最も恐れています。
つまり、物理ロックで「時間を稼ぎ」、GPSトラッカーで「盗まれた後に追跡する」という役割分担が理想的です。以下の多重防御の組み合わせが現実的です。
- 🔒 グランドアンカー+太いチェーンロック:物理的に持ち去りにくくする
- 🔒 ディスクロック(アラーム付き):接触した瞬間に大音量で威嚇する
- 📡 専用GPSトラッカー:盗まれた後の位置をリアルタイム把握する
- 🏷️ AirTag(バックアップ用):GPSが外された場合の保険として機能させる
- 🪪 バイクカバー:車種を特定させず、そもそものターゲットにされにくくする
バイク盗難の約3割がエンジンキーを挿したままの状態で発生しているという統計もあります。GPSを付ける前に、まず基本的な施錠習慣の見直しが先決です。これが基本です。
複数の防犯層を積み重ねることで、窃盗犯はよりリスクが少ない別のターゲットに移行します。完璧に防ぐことは困難ですが、「盗むのが面倒なバイク」にすることが最大の抑止力になります。盗難対策はコスト対効果で考えることが原則です。
オートバイ盗難対策の効果を種類ごとに詳しく解説した記事はこちら。
これで安心!オートバイの盗難対策とその効果を徹底解説 - AlterLock

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