
ヒロバ・ゼロ ECO FRIENDLY(バイオエタノール) 発酵アルコール88% 18L×4缶 GSE636 (GZ618/燃料用アルコール/燃料用エタノール/アルコール燃料/アルコールバーナー 燃料/卓上暖炉 燃料)
バイオエタノールの製造コストは、原料費や燃料費の影響を大きく受けます。日本国内では北海道バイオエタノール株式会社が204円/Lのコストで製造し、83円/Lで販売しています。一方、オエノンホールディングス株式会社では196円/Lのコストで82円/Lの販売価格を設定しており、製造コストが販売価格を大幅に上回っている状況です。
参考)https://www.maff.go.jp/j/biomass/b-ethanol/pdf/02_02_siryou2.pdf
施設規模が比較的小規模であることから、スケールメリットが出にくい点が高コストの要因となっています。この価格差は補助金や政府支援によって埋め合わせられているのが現状です。
暖炉用のバイオエタノール燃料として市場に流通しているものは、10リットルあたり5,500円程度で販売されており、1リットルあたり550円という計算になります。これは自動車用燃料として考えた場合、通常のガソリン価格と比較して非常に高額です。
参考)『バイオエタノール暖炉』で贅沢なひととき。価格は?燃費は?
世界的に見ると、バイオエタノールの普及率が高いブラジルでは、ガソリンより30%安く販売する政策が取られています。アメリカでは2015年から2018年の間に、ガソリンにエタノールを混合することで燃料価格が1ガロン(約3.785リットル)あたり約7%低下したという調査結果があります。
参考)アメリカでの取り組み事例
インドでは現在、バイオエタノール燃料がガソリンとほぼ同じ価格で販売されているため、ユーザーにとって価格面でのメリットはほとんどない状態です。ただし、政府主導で生産量が増加すればスケールメリットが生まれ、価格が下がる可能性があります。
参考)スズキが日本初公開、エタノール燃料“でも”走れる『ジクサー』…
日本では中川物産が名古屋を中心に約20カ所のガソリンスタンドでE3(3%混合)とE7(7%混合)のバイオエタノール混合ガソリンを販売しており、国内唯一の混合ガソリン販売事業者となっています。
参考)国内唯一バイオエタノール混合ガソリンを販売する会社から見る、…
バイオエタノールを自動車やバイクで使用する際は、ガソリンとの混合比率が重要です。日本国内で主流となっているのは、バイオエタノールと石油系ガスのイソブテンを合成した「バイオETBE」をガソリンに配合する方式です。品質確保法では、ガソリンの含酸素率の上限値を1.3%(ETBE換算で約7%程度)以下としています。
参考)バイオガソリンとは
バイオETBEは、エタノールと異なり水分や蒸気圧の管理が必要なく、ガソリンになじみやすい性質を持っています。そのため、ガソリンに7%程度まで混合しても自動車の性能に影響がないことが確認されています。
スズキが開発した「ジクサーSF250 FFV」は、バイオエタノール85%までの混合燃料に対応した仕様となっており、インジェクターや燃料ポンプ、燃料フィルター等を改良しています。この技術により、より高濃度のエタノール混合燃料の使用が可能になっています。
参考)【スズキ】二輪 BEV「e-ACCESS」、バイオエタノール…
2025年10月13日、福島県大熊町の「次世代グリーンCO2燃料技術研究組合」が、県産の原料を使用したバイオエタノール燃料で公道を試験走行しました。軽乗用車や乗用車、オートバイ計6台が町内の生産研究事業所から福島市の道の駅ふくしままでの約100キロを問題なく走行できることを確認しています。
参考)福島県産バイオエタノールの乗用車とバイクで公道を試験走行 大…
試験ではガソリンに組合が製造したバイオエタノールを10%混ぜた燃料と3%混ぜた燃料を使用しました。スズキHayabusaにバイオエタノール燃料を使用した100kmの実走行も行われ、実用化に向けた改善点の確認が進められています。
参考)福島産バイオエタノール燃料での公道走行イベントに、オートバイ…
組合の中田浩一理事長は「製造までには想像していない課題も生じたが改善を重ねて効率を上げながらレベルアップできている」とコメントしています。この実証実験により、日本でもバイクでのバイオエタノール燃料使用の実現可能性が示されました。
バイオエタノール燃料は、植物を原料とするバイオマス燃料であり、燃焼時に二酸化炭素が発生しますが、原料となる植物が成長過程で光合成によって大気中の二酸化炭素を吸収しているため、カーボンニュートラルとされています。この特性により、自動車やバイクからのCO2排出を実質的に削減できます。
参考)https://www.enecho.meti.go.jp/about/special/johoteikyo/bioethanol_01.html
環境面では、バイオエタノールは再生可能エネルギーの代表格として注目されています。燃焼しても煙や煤、硫黄酸化物(SOx)をほとんど発生させないため、都市部の大気改善や酸性雨の抑制に役立つと期待されています。
参考)バイオエタノールとは?メリット・デメリットと環境への影響を徹…
資源の持続可能性の観点からも、植物由来で毎年生産可能なため、化石燃料のように枯渇リスクがない点が大きなメリットです。日本の自動車メーカーの技術者も「明日からでも対応できる」と語っており、既存のエンジン技術との親和性が高いことが確認されています。
バイオエタノール燃料の燃費性能は、ガソリンと比べて25~30%程度劣るとされています。これはエタノールのエネルギー密度がガソリンよりも低いためです。したがって、同じ距離を走行するために必要な燃料量が増加します。
参考)バイオ・低炭素合成燃料という選択肢 —バイオ・低炭素合成燃料…
ただし、模型エンジンの分野では、バイオエタノールは通常のグロー燃料と比べて燃焼効率が良いため、同じ運転をさせる際も少ない量で済み、約40%の燃費向上を実現した事例もあります。これは用途やエンジンの最適化によって燃費性能が変わることを示しています。
参考)https://www.os-engines.co.jp/2008_02/75be/max75ax/
価格面では、インドでは現在バイオエタノール燃料がガソリンとほぼ同価格のため、燃費が悪い分だけユーザーにとっての経済的メリットは少ない状況です。ブラジルのようにガソリンより30%安く販売されれば、燃費の悪さを価格でカバーできる可能性があります。
バイオエタノール燃料を使用する際、バイクのエンジンには特定の改良が必要になる場合があります。スズキの「ジクサーSF250 FFV」では、インジェクターや燃料ポンプ、燃料フィルター等を改良することで、バイオエタノール85%までの混合燃料に対応しています。
日本の二輪車メーカーの技術者は「ゴムだとかシールだとかも改善してきているので、明日からでも替えられる」と述べており、燃料系統のゴム製品の耐性向上が重要であることが分かります。バイオエタノールは水が燃焼時に発生するため、長年の経験を通じて対策が進められてきました。
バイオディーゼル燃料の事例では、燃料タンクや配管系のキャップ、パッキン、ホース等のゴム製品の膨潤性が課題として挙げられています。脂肪酸メチルエステルのゴムへの高い浸透が原因であり、布巻きホースやフッ素系ゴムへの交換が推奨されています。バイオエタノールでも同様の対策が必要となる可能性があります。
参考)https://www.jora.jp/wp-content/uploads/2020/06/bdf_guideline.pdf
バイオエタノール混合ガソリンを給油する際は、対応車両であることの確認が最も重要です。非対応車両に給油すると、燃料系統のトラブルを引き起こす可能性があります。中川物産のガソリンスタンドでは、E7のレーンが通常のレギュラーガソリンとは別に設置されており、給油の際に区別できるようになっています。
参考)【公式】バイオ燃料混合ガソリンの給油時にご注意を(´・ω・`…
バイオディーゼル燃料の事例では、燃料フィルターの目詰まりや燃料系統の目詰まり、燃料タンク内塗装の剥離が問題として報告されています。これは精製燃料内の夾雑物・固形物や、銅または銅を含有する金属類溶解物の付着が原因です。バイオエタノールでも品質管理が重要となります。
給油後に長時間滞留させておくと、酸化が進み、燃料フィルターの目詰まりや燃料タンク等の金属部分の腐食のおそれがあるため、使用頻度が多く給油回数の多い車両への利用が推奨されています。低温時には燃料流動性が低下するため、エンジンの始動性や回転数の不安定さにも注意が必要です。
日本政府は、ガソリンのカーボンニュートラル移行に向けてバイオエタノールの導入拡大を検討しています。バイオエタノールは既に製造技術が確立しており、製造コストも合成燃料と比べて安価であるため、各国においてガソリンへのバイオエタノールの混合利用が進められています。
参考)https://www.meti.go.jp/shingikai/enecho/shigen_nenryo/nenryo_seisaku/pdf/017_03_00.pdf
世界平均では、バイオエタノールの混合率は8%程度となっており、日本の現状(E3~E7)と比較すると、さらなる混合率向上の余地があります。バイオエタノール混合率の向上には、自動車やバイクメーカーの対応車両開発と、給油インフラの整備が不可欠です。
参考)エタノール—他品目と同一視できない価格変動【高騰する化学品、…
課題としては、製造コストの高さが挙げられます。現在の日本国内の製造コストは200円/L前後であり、販売価格80円台との差額は補助金で補われています。持続可能なバイオエタノール燃料普及のためには、生産規模の拡大によるコスト削減や、効率的な製造技術の開発が求められています。
バイオエタノール燃料は、価格や燃費の課題を抱えながらも、環境負荷低減と持続可能な社会の実現に向けた有望な選択肢として、今後さらなる技術開発と普及が期待されています。バイクライダーにとっても、環境に配慮した走行を実現する新たな燃料として注目に値するでしょう。
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