ドラッグレース トップフューエルの魅力と圧倒的な加速性能

ドラッグレース トップフューエルの魅力と圧倒的な加速性能

ドラッグレース トップフューエルとは

トップフューエルの3つの驚異
圧倒的な加速性能

305mを4秒以下で走破し、最高速度は時速530km超を記録します

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特殊燃料の使用

ニトロメタン90%とメタノール10%の混合燃料で8000~10000馬力を発生

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毎レース後のメンテナンス

走行後は必ずエンジンを全分解してダメージをチェックします

ドラッグレースとは、決められた直線距離を2台の車両で競うモータースポーツです。その最高峰クラスが「トップフューエル」と呼ばれるカテゴリーで、1965年から続くNHRAチャンピオン・ドラッグ・レーシング・シリーズの花形として知られています。トップフューエルには「トップフューエル・ドラッグスター」というオープンホイール車両と、ボディを被せた「ファニーカー」の2種類があり、どちらも同じ特殊燃料を使用します。この競技は、加速性能に全てを捧げた正に"怪物"と呼ぶにふさわしいマシンです。
参考)自動車・モータースポーツ雑記 第五回「ドラッグレースについて…

トップフューエルの名称は、使用される燃料に由来しています。ニトロメタン90%とメタノール10%の混合燃料を使い、通常のガソリンエンジンの2~3倍の高出力を得ることが可能です。セッティングにもよりますが、毎秒5.7リットルもの燃料を消費し、8,000~10,000馬力という驚異的なパワーを発生させます。この圧倒的な加速力により、100mph(160.93km/h)に到達するまでに要する時間は僅か0.8秒、フィニッシュライン通過時点での終速は500km/h超を記録します。
参考)https://lrnc.cc/_ct/17147704

トップフューエル ドラッグレースの歴史と規模


TOPEAK(トピーク) Fuel Tank(フュエルタンク) トップチューブバッグ (M) BAG33900

 

NHRAチャンピオン・ドラッグ・レーシング・シリーズは1965年からの長い歴史を持ち、北米で独自に発展してきました。元々は1,320フィート(402m)の距離で競技を行っていましたが、2008年のファニーカーでの死亡事故を受けて、安全対策として距離を1,000フィート(305m)に短縮しました。しかし、オーストラリアのANDRAのレースでは今も1,320フィートの距離を採用しています。2017年には、約402mの直線をたった4.485秒で走り、時速約544.5kmでゴールするという世界最速記録が米国で更新されました。
参考)たった4.5秒で時速544kmまで加速ってマジかよ! ドラッ…

日本国内では、JHRA(日本ホットロッド協会)やJDDA、ビッグエンドレーシングクラブ(BERC)のレースが知られており、JHRAが一番歴史が古くトップフューエルからナンバー付き車両まで幅広いエントリーがあります。日本のレギュレーションでは、トップフユーエルドラッグスターは「ナイトロメタンの燃料を使用するドラッグスターとしてドラッグレース専用に製作された競技車両」と定義されています。JAFでも国際ドラッグレースライセンスを発給しており、車両のタイプに応じて5種類のライセンスが存在します。
参考)ドラッグレース - Wikipedia

トップフューエル 燃料の秘密とエンジン構造

トップフューエルの最大の特徴は、その燃料にあります。ニトロメタン(CH3NO2)はガソリンの約1/4程度のエネルギー密度しかありませんが、理論空燃比が1.7:1と非常に濃い混合気を作れることが特徴です。一般的なガソリンエンジンの空燃比が14.7:1であるのに対し、ニトロメタンは約8.7倍も効率よく燃やすことができるため、同排気量での馬力はガソリンの2.3倍にもなります。燃料冷却を狙って空燃比を1:1近くまで濃くしているケースもあり、気化していない燃料も多く含まれることから、燃焼速度が遅く非常に高いアンチノック性を持ちます。
参考)ナイトロメタン

エンジンはNHRAルールで排気量500立法インチ(8,190cc)が上限となっており、1964~1971年に作られた第二世代のクライスラー426ヘミエンジンを踏襲するV8・OHV2バルブ構造です。これにルーツ式のスーパーチャージャーが組み合わされており、ギアボックスは搭載せずダイレクトに後輪を駆動する方式になっています。点火時期は上死点前58~65度とガソリンエンジンよりかなり早いタイミングで、これはニトロメタンとメタノールがガソリンより遅く燃える性質を持つためです。一般的な自動車エンジンと異なり、水冷機構を持たず、主に燃料の気化での冷却効果で機関部を冷やしています。
参考)こんにちは!高岡サービスです!

トップフューエル ドラッグレースの驚異的な速度記録

トップフューエルクラスの記録は年々更新され続けており、その速度は想像を絶するものです。現在では305mを4秒以下で走破し、最高速度は約530km/hをマークします。計算上はF1マシンが300km/hで横を通過した瞬間にスタートしたとしても、ゴールではトップフューエルが勝つことになるほどの加速性能です。世界最高の加速を誇るジェットコースターとして知られる富士急ハイランドの「ド・ドドンパ」でも1.56秒で180km/h、戦闘機のカタパルト発艦ですら2秒で260km/h程度であることを考えると、トップフューエルの加速性能がいかに異常であるかが分かります。
参考)4秒を切る世界 ・・・・・ NHRA ドラッグレース真剣勝負…

2017年9月9日に米国で開催されたレースでは、チーム「Lagana Racing」が約402mの直線をたった4.485秒で走り、時速約544.5kmでゴールするという記録を樹立しました。スタートと共に「ブォォォオオオーーーン!」と凄まじいエンジン音が鳴り響き、マシンの両脇から炎が噴出する様子は圧巻です。トップ・フューエル・クラスとファニー・カー・クラスの上位車両は、約8000馬力を発生させ、最高時速518km/h以上を記録します。
参考)NHRAチャンピオンシップ・ドラッグ・レーシング・シリーズ …

トップフューエル マシンのメンテナンスと安全性

トップフューエルのマシンは、一回走るごとに必ず全部分解してダメージをチェックし、組み立て直すという徹底したメンテナンスが必要です。エンジン強度を上げるためと、レース時間が非常に短いため、冷却水が通る水穴はありません。決勝までなんども分解整備を繰り返し、完璧なコンディションにしたマシンをクルーはドライバーに託しますが、それでも8,000~10,000馬力のモンスターエンジンですから、壊れるときは派手に壊れてしまうこともあります。限界を超えて派手にエンジンがぶっ壊れるシーンも、トップフューエルという競技の興行的魅力の一つとなっています。​
ドライバーには驚異の大馬力を発生するトップフューエル車両を正確に操縦する高度な技術が求められ、チームはモンスターマシンを決勝まで常に完調に保つ整備技術が要求されます。また、レース前にはバーンアウトと呼ばれる儀式が行われます。これはタイヤを激しく回転させて発煙させることで、タイヤの温度を上げて路面との摩擦を増し、スタートダッシュの効率を飛躍的に向上させるための重要な準備です。単に直線をまっすぐ走るだけに見えますが、実際には凡夫にはできないスゴいモータースポーツなのです。
参考)https://ameblo.jp/momotaitai912377/entry-12851550982.html

ライダー視点で見るトップフューエル ドラッグレースの魅力

バイク乗りにとって、トップフューエルのドラッグレースは一度は体験したい興奮と迫力に満ちたイベントです。直線道を最速で走り抜けるドラッグレースは、レース開始の瞬間に全てがかかっており、加速性能に特化した競技形態が大きな魅力となっています。バイクのドラッグレースでも専用車両は公道走行基準とは異なり、速さを追求したハイパワーの車両が用いられ、レース時の瞬間速度は300km/h超にもなります。エンジンや排気管にカスタムが行われているため、レース時は迫力ある走行音と白煙が上がり、会場のボルテージを一気に高めます。
参考)https://www.goobike.com/magazine/ride/motorsports/7/

トップフューエルバイクでは、ニトロ燃料と過給器を使い、1,500ccから1,500馬力以上を発生する最強ドラッグレーサーが存在し、5.5秒で1/4マイルを駆け抜ける実力があります。日本人ライダーでは、「トップフューエルハーレー」の重松健選手が1/4マイルで世界最速の記録を持つトップドラッグレーサーとして知られています。バイクのトップフューエルレーサーは、ゴール付近までほとんどウィリーした状態で390km/h以上の速度を叩き出すという驚異的なパフォーマンスを見せます。
参考)現在の電動ドラッグバイクの1/4マイル世界最速記録、あなたは…

トップフューエルは、10,000馬力の戦闘機用ジェットエンジンを搭載したドラッグカーよりも速いという事実があります。「ジェットエンジンを積んだ車なんか、速いに決まってる」と思いがちですが、実はジェットエンジンだと初期加速が悪いため、地面をグリップするトップフューエルの方が速くなるのです。この地を這うような圧倒的な加速感こそが、バイク乗りを魅了する最大の理由であり、4輪のトップフューエルを見れば、同じドラッグレースの世界でバイクがどれほどの進化を遂げてきたかを実感できます。​
こちらのリンクでは、トップフューエルの加速性能についての詳細な解説が掲載されています。世界最高の加速を誇るジェットコースターとの比較など、わかりやすく説明されています。
このページでは、トップフューエルのエンジンが走行毎に分解点検される理由や、燃料の特性について詳しく紹介されています。レース運営の裏側を知りたい方におすすめです。
日本ホットロッド協会(JHRA)の公式ページでは、トップフユーエルドラッグスターの正式な定義と競技規則が掲載されています。日本でのドラッグレース参加を考えている方は必見です。

 

 


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