
バイク自賠責保険は、交通事故による被害者救済を目的とした強制保険です。自動車損害賠償保障法に基づき、すべてのバイク所有者に加入が義務付けられています。
自賠責保険の補償内容は以下の通りです。
重要なポイントとして、自賠責保険は「対人補償のみ」であり、以下のケースは補償されません。
これらのリスクをカバーするためには、別途任意保険への加入が必要です。バイク事故では高額な賠償責任が発生する可能性があるため、自賠責保険だけでは補償が不十分なケースが多いことを理解しておきましょう。
2025年度のバイク自賠責保険料は、2024年度から据え置きとなっています。排気量別の保険料は以下の通りです。
原付バイク(125cc以下)の自賠責保険料
保険期間 | 保険料 | 1年あたりの保険料 |
---|---|---|
1年 | 6,910円 | 6,910円 |
2年 | 8,560円 | 4,280円 |
3年 | 10,170円 | 3,390円 |
4年 | 11,760円 | 2,940円 |
5年 | 13,310円 | 2,662円 |
軽二輪(126cc~250cc)の自賠責保険料
保険期間 | 保険料 | 1年あたりの保険料 |
---|---|---|
1年 | 7,100円 | 7,100円 |
2年 | 8,920円 | 4,460円 |
3年 | 10,710円 | 3,570円 |
4年 | 12,470円 | 3,118円 |
5年 | 14,200円 | 2,840円 |
小型二輪(251cc以上)の自賠責保険料
保険期間 | 保険料 |
---|---|
12ヶ月 | 7,010円 |
24ヶ月 | 8,760円 |
25ヶ月 | 8,910円 |
36ヶ月 | 10,490円 |
37ヶ月 | 10,630円 |
特定小型原付の自賠責保険料
保険期間 | 保険料 |
---|---|
1年 | 6,650円 |
2年 | 8,040円 |
3年 | 9,400円 |
4年 | 10,730円 |
5年 | 12,040円 |
注目すべき点として、長期契約にすると1年あたりの保険料が大幅に安くなります。例えば、125cc以下の原付の場合、1年契約だと6,910円ですが、5年契約にすると1年あたり2,662円と約60%も安くなります。
また、沖縄県や離島地域では保険料が異なり、一般的に本土より安い傾向にあります。例えば、沖縄県(離島地域を除く)の251cc以上のバイクは12ヶ月契約で5,390円となっています。
バイク自賠責保険の加入方法はいくつかあります。排気量によって選択できる方法が異なるため、確認しておきましょう。
加入場所
必要書類
加入手続きの流れ
インターネットで申し込む場合は、クレジットカード払いが基本となります。オンライン申込のメリットは24時間いつでも手続きができることと、自宅まで証明書が届くことです。
250cc超のバイクは車検と同時に自賠責保険の更新を行うことが一般的です。車検場で一括して手続きができるため便利です。
バイク自賠責保険に未加入のまま公道を走行することは、法律違反であり厳しい罰則が設けられています。
未加入時の罰則
違反点数6点は即座に免許停止処分となるため、自賠責保険の未加入は非常に重い交通違反と位置づけられています。
また、罰則だけでなく、無保険状態で事故を起こした場合のリスクも甚大です。
さらに、250cc超のバイクは自賠責保険に加入していないと車検を受けられないため、車検切れとなり別途罰則の対象となります。
バイク自賠責保険の満期切れを防ぐためには、定期的な確認と適切な更新手続きが重要です。特に車検のない250cc以下のバイクは、自分で満期日を管理する必要があります。
満期確認方法
更新のタイミング
更新時の注意点
特に原付や125cc以下のバイクは車検がないため、自賠責保険の更新を忘れがちです。スマートフォンのカレンダーアプリなどを活用して、満期日の1ヶ月前にリマインダーを設定しておくと安心です。
また、引っ越しなどで住所が変わった場合は、保険会社に住所変更の手続きをしておかないと満期案内が届かなくなるため注意が必要です。
2024年4月から、原付の自賠責保険料率に新たな区分「特定小型原付」が設けられました。これはどのような区分で、どんなバイクが対象になるのでしょうか。
特定小型原付の定義
特定小型原付とは、以下の条件を満たす原動機付自転車を指します。
具体的には、電動キックボードや超小型モビリティなどが該当します。従来の原付と比較して事故リスクが低いと判断され、保険料が割安に設定されています。
特定小型原付の保険料メリット
一般的な原付(125cc以下)と比較すると、特定小型原付の保険料は約4%安く設定されています。
保険期間 | 一般原付 | 特定小型原付 | 差額 |
---|---|---|---|
1年 | 6,910円 | 6,650円 | 260円 |
5年 | 13,310円 | 12,040円 | 1,270円 |
この新区分の導入は、近年増加している電動キックボードなどの新しいモビリティに対応するための措置といえます。特に5年契約の場合は1,270円の差額があるため、該当する車両を所有している方は確認してみる価値があります。
なお、特定小型原付に該当するかどうかは車両の仕様によって決まるため、詳細は販売店や保険会社に確認するとよいでしょう。
バイク自賠責保険は最低限の補償を提供する強制保険ですが、十分な補償を得るためには任意保険との組み合わせが重要です。両者の違いと補完関係について理解しましょう。
自賠責保険と任意保険の主な違い
項目 | 自賠責保険 | 任意保険 |
---|---|---|
加入義務 | 法律で強制 | 任意(自由) |
保険料 | 一律(どの会社でも同じ) | 会社により異なる |
補償対象 | 対人補償のみ | 対人・対物・車両など多様 |
補償限度額 | 死亡:3,000万円後遺障害:4,000万円傷害:120万円 | 無制限設定可能 |
任意保険で補完すべきポイント
バイク事故では、高額な賠償責任が発生するケースが少なくありません。例えば、相手が会社経営者で後遺障害が残った場合、逸失利益だけで数億円の賠償責任が生じる可能性もあります。
また、バイクは車と比べて事故の際のリスクが高いため、特に人身傷害保険は重要です。自賠責保険では自分自身のケガはカバーされないため、任意保険で補完する必要があります。
バイクの排気量によって、自賠責保険の取り扱いや注意点が異なります。排気量別の特徴を理解し、適切な対応を心がけましょう。
原付(125cc以下)の特徴と注意点
軽二輪(126cc~250cc)の特徴と注意点
小型二輪(251cc以上)の特徴と注意点
排気量が大きくなるほど、管理の手間は減りますが、保険料は若干高くなる傾向があります。特に注意が必要なのは原付や軽二輪で、車検がないため自賠責保険の更新を忘れがちです。
また、バイクを長期間使用しない場合(冬季など)でも、公道を走行する可能性がある限り自賠責保険は継続する必要があります。一時的に使用しない場合でも、廃車手続きをしない限り保険は必要です。
バイク事故が発生した場合、自賠責保険からの保険金請求は被害者自身が行います。加害者側のライダーは、被害者に対して自賠責保険の情報を提供する義務があります。
事故発生時の基本的な流れ
請求に必要な書類
請求における注意点
自賠責保険の請求は被害者が直接保険会社に行うため、加害者側は基本的に手続きに関与しません。しかし、事故時には自分の自賠責保険証明書の情報(保険会社名、証明書番号など)を被害者に伝える必要があります。
また、自分が被害者になった場合は、加害者の自賠責保険情報を必ず確認しておきましょう。事故現場では混乱していることが多いため、スマートフォンで保険証明書を撮影しておくと安心です。
自賠責保険・共済紛争処理機構による事故時の対応ガイド
以上、バイク自賠責保険について詳しく解説しました。バイクライフを安全に楽しむためにも、自賠責保険の基本を理解し、適切に管理することが重要です。特に満期日の確認と更新手続きは忘れずに行い、必要に応じて任意保険も検討しましょう。