
バイクの改造を始める際、最も重要なのは保安基準を守ることです。保安基準とは、道路運送車両法で定められた車両の構造や安全性、排ガス、騒音などに関する規定であり、これに適合しない改造は違法となります。初心者の方は特に、どこから手をつければ良いか迷うことが多いですが、基本的な知識を身につけることで安全かつ合法的なカスタムが可能になります。
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バイクのカスタムには決まった手順はなく、自分の好きな場所から始めることができます。ただし、カスタムの内容によっては構造変更申請や記載変更が必要になる場合があるため、事前に確認しておくことが重要です。250cc超のバイクは車検が必要であり、カスタムによる変更が生じた場合は構造変更の申請が必要になります。
参考)https://www.goobike.com/magazine/knowledge/beginner/43/
ヤングオート 昭和改造車メモリーズ
保安基準に適合しない改造は「違法改造」となり、厳しい罰則の対象となります。合法改造とは、国が定めた保安基準に適合していることを意味し、これを満たせば改造車であっても車検に合格し、公道走行が可能です。
参考)合法改造とは?知らないと損する車検と保安基準【2025年版】
違法改造の代表的な例として、極端なローダウン(最低地上高90mm以下)、規定外の灯火類の色変更、基準不適合マフラー、フロント3面の窓ガラスへの濃すぎるフィルム(可視光線透過率70%未満)などがあります。これらの改造は保安基準を満たさないため、取り締まりの対象となります。
マフラー交換を行う場合、音量規制(94dB以下)や加速騒音(82dB以下)の基準を満たす必要があり、JMCA(日本二輪車普及安全協会)のプレートがついていることが推奨されます。また、最低地上高は9cm以上を確保する必要があり、マフラーが車体で最も低い位置になることが多いため注意が必要です。
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250cc超のバイクで大幅な改造を行った場合、構造変更申請が必要となります。構造変更が必要となる主な条件は以下の通りです。
参考)バイクを買ったらカスタムしたい!構造変更した時の申請手続きは…
車体のサイズ変更については、長さ3cm以上、幅2cm以上、高さ4cm以上の変更があった場合に申請が必要です。車体重量は50kg以上の変更、乗車定員の変更、原動機の変更、燃料の種類の変更なども対象となります。
構造変更の手続きは、車検証や改造した部品の構造変更申請書、説明書などを運輸支局に提出します。書類審査に合格すると、バイクを車検場に持ち込み、車検とともに改造内容の検査を行います。検査によって保安基準に適合していることが認められれば、車検証が公布されて構造変更は完了します。
参考)構造変更申請とは?改造時などに保安基準適合を検査する制度【バ…
カスタム後15日以内に申請を出さなければならず、車検満了日の15日前を目安にカスタムを行うと、構造変更申請によって次の車検までの日数を無駄にせずに済みます。なお、構造変更申請をすると申請日から起算して2年後が車検満了日となるため、残っている車検期間が無効になる点に注意が必要です。
参考)https://www.goobike.com/magazine/maintenance/cost/21/
初心者がバイクカスタムを始める際には、比較的簡単に交換できるパーツから手を付けることが重要です。ハンドルバー、シート、ミラー、ウインカーなどの基本的なパーツ交換は、初心者でも取り組みやすく、バイクの印象を大きく変えることができます。
参考)バイクのカスタム性について:初心者ガイド
ハンドルの交換は、バイクの操作性や乗り心地に直接影響するため、自分の体格やライディングスタイルに合わせて選ぶことができます。シートの交換は、長距離ツーリング時の快適性を向上させることができ、クッション性の高いものを選ぶことで疲労を軽減できます。
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USB電源の取り付けは、スマートフォンやナビゲーションの充電に便利で、バイクライフをより快適にします。グリップの交換も手軽にできるカスタムの一つで、操作性や見た目を向上させることができます。
タイヤ交換は、バイクの性能に直接影響する重要なカスタムです。グリップ性能や耐久性を考慮して選ぶことで、走行の安全性と快適性が向上します。
参考)バイクカスタムはどこから始めたらいい?おすすめの順番
不正改造は犯罪であり、不正改造車の使用者や不正改造の実施者に対して刑罰が科せられます。不正改造の実施者に対しては、6ヶ月以下の拘禁刑または30万円以下の罰金が科せられます。
参考)不正改造に対する罰則等
不正改造車の使用者に対しては、整備命令が発令され、必要な整備を行わなければなりません。整備命令を受けた場合は15日以内に必要な整備を行った上で陸運支局に提示する必要があり、整備命令を受けた車両には不正改造車であることを示すステッカーが車両前面に貼られます。
期日内に必要な整備を行わなかった場合や、整備済み車両を提示できなかった場合は違反となります。整備指示に従わなかった場合は、一定期間の車両の使用停止を命じられ、自動車車検証およびナンバープレートが没収されます。
違法改造の取り締まりは厳しく、街頭検査を受けた際に規制値をクリアできていないと違反車両として整備命令が発令されます。カスタムによって不正改造を行ったショップなどの業者に関しても、6ヶ月以下の懲役または30万円以下の罰金が科されます。
参考)バイクのマフラーの違いと交換時に知っておきたいこと
改造車を長期的に安全に運用するためには、定期的なメンテナンスが欠かせません。マフラーのメンテナンスとしては、消音材の状態チェックに加えて、接合部の緩みや亀裂、腐食の確認も必要です。
参考)バイクのマフラー交換で後悔しないための必須ガイド:注意点と選…
排気ガスが高温になるため、接合部の点検は特に重要であり、定期的にチェックすることでトラブルを未然に防ぐことができます。カスタムしたバイクは純正パーツとは異なる特性を持つため、通常のバイクよりも細やかな注意が必要です。
保安基準を満たすことは車検が必要ない250cc以下のバイクにも求められており、保安基準を満たしていない場合は整備不良として検挙されます。車検がないからといって好きにカスタムしてよいというわけではないため、常に保安基準を意識することが重要です。
カスタムバイクの購入時には、構造変更申請が適切に行われているか、保安基準に適合しているかを確認することが大切です。中古のカスタムバイクを購入する場合は、前オーナーがどのような改造を行っていたかを把握し、違法改造がないかをチェックする必要があります。
参考)初心者向け・カスタムバイク購入時の注意点 href="https://umda.or.jp/post-3153/" target="_blank">https://umda.or.jp/post-3153/amp;#8211; 一…
改造パーツを選ぶ際には、自分のバイクのモデルに適合するものを選ぶことが重要であり、信頼できるメーカーのパーツを選ぶことで品質や安全性も確保できます。基本的な工具セットを揃えておくと、カスタム作業がスムーズに進み、簡単なメンテナンスも自分で行えるようになります。
バイクカスタムに関する情報は、インターネットや専門書籍、バイクショップなどで多く得ることができます。他のライダーのカスタム事例やアドバイスを参考にすることで、自分のカスタム計画に役立てることができ、失敗を避けることができます。
参考リンク(保安基準の詳細と不正改造の具体例について)。
国土交通省 不正改造の具体例
参考リンク(構造変更検査の手続き方法について)。
国土交通省 構造等変更の手続