後輪ブレーキの効果とバイクの物理現象:制動力配分と荷重移動の真実

後輪ブレーキの効果とバイクの物理現象:制動力配分と荷重移動の真実

後輪ブレーキの効果とバイクの物理現象

リアブレーキの制動力は全体の20~30%しかないのに、あなたは50%の力で踏んでいます。


この記事の3つのポイント
⚖️
制動力配分の真実

前輪7~8割、後輪2~3割の制動能力比は機械の性能差であり、操作の力加減ではありません

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荷重移動のメカニズム

ブレーキング時は前輪に荷重が集中し、後輪の接地荷重が減少するため後輪がロックしやすくなります

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低速での安定効果

リアブレーキはサスペンションを縮めて車体を安定させ、低速旋回や速度調整に有効です

後輪ブレーキの制動力は全体の20~30%程度


バイクの後輪ブレーキが持つ制動能力は、前輪ブレーキの数分の一しかありません。一般的に、前輪が全体の70~80%、後輪が20~30%の制動力を担っています。これは機械としての制動能力の比率であり、操作時の力加減の比率ではないという点が重要です。


参考)ライディングマスター株式会社 » 前後ブレーキの…


教習所で「前8割、後2割」と教わった記憶がある方も多いでしょう。しかし、この数値を操作の入力加減として解釈すると、後輪ブレーキの能力を全く活かせなくなります。30%以下しかない制動能力を30%の力加減で操作すれば、本来の性能を発揮できないということですね。


参考)バイクの前後ブレーキの制動割合について。バイクの前後のブレー…


元MotoGPライダーの中野真矢さんは、実際の使用感として「フロント6、リア4ぐらいの割合」と述べています。制動力自体はフロントの方が高いものの、リアブレーキを積極的に使うことで安全性が高まるわけです。


参考)元MotoGPライダー中野真矢がプチテクニックを指南!! 公…


制動時の荷重移動が後輪の接地荷重を減少させる

ブレーキをかけると、バイクは前のめりになります。これは荷重移動と呼ばれる物理現象で、減速時に発生する慣性力によって前輪に大きな荷重が加わり、後輪の荷重が減少するためです。


参考)ブレーキの力学 (1) 後輪荷重の確保 - ロードバイクの理…


タイヤの摩擦力は接地荷重に比例するため、後輪の荷重が抜けるほど後輪の制動力は減っていきます。一方、後輪から抜けた分の荷重は前輪に移るため、前輪の制動力は増加します。前輪の制動力が過大になったとき、前輪はロックするリスクが生じます。


後輪だけにブレーキをかけた場合、制動力を強めるほど後輪の垂直荷重が減ってしまい、簡単に後輪がロックしてスリップを始めます。制動力の釣り合い位置は変わらないため、後輪だけでの制動には限界があるということです。


急制動時には、前輪タイヤにかかる荷重が車体とライダーの重量合計(約300kgf)を超える大きな値になることもあります。荷重が大きいほどタイヤのグリップ力は大きくなるため、前輪ブレーキによる制動は効率が高く安定しているのです。


低速走行時の車体安定に後輪ブレーキが効果的

狭い路地などを低速で走行している時は、フロントブレーキだとギクシャクしがちです。そんな時はリアブレーキで速度調整すれば、スムーズに走れます。


参考)ライテクをマナボウ ♯10 リヤブレーキ、使ってますか?|K…


リアブレーキをかけるとリアサスペンションが縮み、サスペンションのバネのフワフワ感が収束して路面への重量荷重が一定になります。


これが車体安定の効果を生み出すのです。


特に低速旋回で効果を発揮し、安定して曲がることができます。


小旋回時にリヤブレーキを使うと、驚くほど安定して走るのを実感できるでしょう。滑りやすい路面で仮に前輪が滑っても全く問題なく、後輪が滑ってもすぐにリカバリーしてくれます。


安定度合いが全然違うということですね。



参考)https://ameblo.jp/touringriders/entry-11906236716.html


渋滞した道路や低速での速度調整には、リアブレーキが主役になります。最近のバイクはABS(または前後連動ブレーキ)の装備が義務化されているため、おおむね250クラス以上のバイクなら、リヤブレーキで後輪がロックする心配はまずありません。


前後ブレーキの配分で荷重の合力点が変化する

前輪だけにブレーキをかけた場合、合力点は後輪の真上に位置します。逆に後輪だけなら前輪の真上、前後を50:50の割合で掛ければホイールベースの中央になります。


前輪70%、後輪30%の場合は、ホイールベースの前輪から70%のところが合力点となります。前後の制動力配分の割合で、前輪にも後輪にも制動力が生じ、前後を合計した制動力と等しい慣性力が重心に発生するのです。


この合力点の位置によって、バイクの姿勢変化や安定性が大きく変わります。理想的な配分を見つけることで、より効率的で安全な制動が可能になるわけです。つまり物理法則に基づいた操作が重要ということですね。


コーナリング中の速度微調整にリアブレーキを活用

速度の上がりやすい下りコーナーや、先が思いの外曲がりこんでいた場合に速度を落とすため、リアブレーキが役立ちます。フロントブレーキで対処するのはとても難しい場面です。


基本的にリアブレーキで減速し、フロントブレーキはそれで足りない時の保険、というぐらいの心構えでいるのが良いでしょう。実際のところはフロント6、リア4ぐらいの割合になります。


速く走るには加速時間を長くすればよく、長く加速するためには旋回時間を短くすればよいという考え方があります。旋回時間を短くするには制動力を強め、減速時間を短くすればよいため、フロントだけではなくリアブレーキも使うのが効果的です。


最新のコーナリングABSやレースABSが装備されていれば、カーブで車体がバンクしている最中でも安心して使えます。


積極的にリヤブレーキを使ってみましょう。



ダート走行では後輪ブレーキが安全性を高める

ダート(未舗装路)でフロントブレーキをかけるとハンドルを取られて転倒する危険があります。そんな場合もリヤブレーキで減速するのが安全です。


オンロードスポーツ車で道路工事など予期せずに未舗装路に遭遇した時には、絶対にリヤブレーキを使った方が安全でしょう。


フロントがロックするリスクを避けられます。



ABS無しのバイクなら、絶対リアブレーキを使うクセを日頃からつけておいた方が良いです。いざとなった時、ABSが効かない状態でフロントブレーキのみだとロックして転倒するリスクがあるからです。リアブレーキを使えると、緊急時の選択肢が増えるということですね。


リアタイヤがロックすると、バイクが"たこおどり"でふらつきますが、リアブレーキの扱いに慣れていればリカバリーできます。日常的にリアブレーキを活用することで、いざという時の対応力が身につくのです。


<参考リンク>
後輪ブレーキの車体安定効果について詳しく解説されています:
車体安定目的のリアブレーキ利用 - ridelikeapro
制動時の力の釣り合いと荷重移動のメカニズムを図解で理解できます:
制動時と加速時の力の釣り合い[モーターサイクルの運動学講座]
元MotoGPライダー中野真矢さんによるリアブレーキの実践的な使い方:
元MotoGPライダー中野真矢がプチテクニックを指南!! 公道でのリアブレーキ活用法




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