赤外線カメラ透過画像の仕組みとバイク活用法

赤外線カメラ透過画像の仕組みとバイク活用法

赤外線カメラ透過画像の原理

赤外線カメラ透過撮影の3つの特徴
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近赤外線を利用した透過原理

波長800~1000nmの近赤外線が薄い素材を透過し、対象物で反射する性質を利用

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可視光線との違い

可視光線は素材表面で反射するが、赤外線は素材を通過して下地で反射するため透過撮影が可能

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夜間撮影への応用

人の目には見えない赤外線を検知し、暗闇でも対象物を明瞭に撮影できる技術

赤外線カメラ透過撮影の基本原理


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赤外線カメラによる透過撮影は、可視光線よりも波長が長い赤外線の性質を利用した撮影技術です。人間の目に見える光(可視光線)は約380~760nmの波長ですが、赤外線はそれよりも長い波長を持っています。特に透過撮影で利用される近赤外線は800~1000nm程度の波長を持ち、薄い素材を透過しやすい特性があります。
参考)赤外線カメラで透ける衣服を透過できる原理や仕組みを解説

透過撮影の原理は光の反射の違いにあります。可視光線は衣服などの素材表面で反射しますが、赤外線は素材を通過して下地の身体で反射する性質があります。そのため、赤外線カメラで撮影すると、衣服が透けているように見えたり、下着のラインが浮かび上がったりする現象が発生するのです。
参考)https://www.asakura-senpu.co.jp/wp-content/uploads/pdf/peepcut.pdf

デジタルカメラには本来、赤外線をカットするローパスフィルターが搭載されていますが、すべての赤外線を完全にカットできるわけではありません。わずかに残った赤外線を感光する能力があるため、赤外線透過フィルターを装着することで透過撮影が可能になります。
参考)目で見えている世界と違う「赤外線写真」で不思議な世界を撮って…

赤外線カメラの種類と波長による違い

赤外線は波長の長さによって近赤外線(0.7~2.5μm)、中間赤外線(2.5~4μm)、遠赤外線(4~1000μm)の3つに分類されます。それぞれ異なる用途と特性を持っており、カメラの種類も波長に応じて設計されています。
参考)https://www.ushio-pro.com/heater/column/detail.html?itemid=104amp;dispmid=1839

近赤外線は可視光線に最も近い性質を持ち、肉眼では見えないものの反射光を利用した撮影が可能です。この波長域は赤外線通信や透過撮影、果実糖度計などに利用されています。一方、遠赤外線は物体から放射される熱エネルギーを検知するため、サーモグラフィカメラに使用され、温度分布の可視化に適しています。
参考)透過・反射・放射について

赤外線カメラは大きく熱型(非冷却型)と量子型(冷却型)に分類されます。熱型にはボロメータ型、サーモパイル型、焦電型があり、量子型にはMCT型、InSb型、InGaAs型などがあります。バイクの夜間走行や防犯用途では、近赤外線を利用した反射型のカメラが一般的に使用されています。
参考)街灯なくても認識、ビデオカメラ技術活用のJVCケンウッド車載…

赤外線カメラ画像透過に必要な素材と機材

赤外線カメラのレンズには、赤外線波長域を透過する特殊な素材が使用されています。最も多く使われるのはゲルマニウム(Ge)で、12μmまで優れた透過率を持ちますが、高価で加工が難しいという課題があります。その他、ジンクサルファイト(硫化亜鉛・ZnS)なども赤外線を透過しやすい素材として採用されています。
参考)赤外線カメラ基礎講座|ビジョンセンシング

透過撮影を行うには、赤外線透過フィルターが必要です。可視光をカットし近赤外線のみを透過するフィルターとして、Kenko「PRO1D R72」やCokin「NUANCES IR720」などが市販されています。これらは720nmより波長が短い光をカットし、可視光線をほぼ完全に遮断します。
参考)赤外線写真の魅力

デジタルカメラで赤外線撮影を行う際、カメラのメーカーや機種によって赤外線の感光状況が異なるため、機材に合わせた調整が必要です。赤外線フィルターを使用した撮影では、緑の葉が白く写り、青空が黒く写る「スノー効果」と呼ばれる独特の表現が得られます。​

赤外線カメラ透過画像における素材の違い

赤外線の透過性は素材によって大きく異なります。波長が長いほど物体を透過しやすい性質がありますが、長すぎると被写体までも透過してしまうため、透過力がある程度あり、カメラで使用できる近赤外線(800~1000nm)が透過撮影に適しています。​
薄い生地のナイロンやポリエステルなどの化学繊維は、近赤外線を透過しやすい傾向があります。一方、赤外線を吸収する有機物(たんぱく質など)や反射する無機物(金属など)は透過を防ぐことができます。この性質を利用して、盗撮防止加工が施された衣料品も開発されています。​
赤外線写真では、通常のモノクロ撮影と比べて明暗のコントラストが逆転する現象が見られます。赤外線を反射する緑の葉は白く写り、赤外線を吸収する空や水面は黒く写るため、幻想的で独特の表現が可能になります。バイクツーリングで風景撮影を楽しむ際、この特性を活かした表現方法も注目されています。​

赤外線カメラ透過検出における倫理と法的制約

赤外線カメラの透過撮影技術は、本来は科学研究や産業用途、防犯目的などで開発されたものですが、悪用されるリスクも存在します。他人のプライバシーを侵害する目的での透過撮影は、盗撮行為として法律で厳しく規制されており、各都道府県の迷惑防止条例や軽犯罪法の対象となります。
参考)知っておきたい赤外線「服が透けて見えるってホント?!」 - …

赤外線カメラやスコープを使った透過撮影は、たとえ公共の場であっても他人の同意なく身体を撮影する行為は違法です。特に夏場は太陽光線に含まれる赤外線が強く、透過撮影に適した条件となるため、悪用される事例も報告されています。​
バイクライダーが赤外線カメラを使用する場合は、夜間走行の安全確保や景観撮影など、正当な目的に限定すべきです。防犯カメラや監視システムとして使用する際も、設置場所や撮影範囲に配慮し、プライバシー保護のガイドラインを遵守することが重要です。
参考)赤外線カメラの構造や映像について|防犯効果高いカメラの特徴

赤外線カメラ画像のバイク活用

赤外線カメラ画像によるバイク夜間走行の安全向上

バイクでの夜間走行は、視界が制限されるため事故リスクが高まります。街灯の少ない道路や雨天時はさらに視界が悪化し、歩行者や障害物の発見が遅れる危険性があります。赤外線カメラ技術を搭載したナイトビジョンシステムは、こうした夜間走行のリスクを軽減する有効な手段として注目されています。
参考)夜間歩行者も見える!安全運転を支える技術 - クルマの大辞典

自動車用の遠赤外線カメラシステムは、物体から放射される熱を感知するため、光源の有無に関係なく夜間でも歩行者や動物を検知できます。JVCケンウッドが開発した車載用FIRカメラシステムは、ビデオカメラ技術を応用し、街灯がない環境でも遠方の撮影や画像認識が可能です。このシステムは独自のアルゴリズムによる画像補正技術を搭載し、人物を認識して警告を発する機能も備えています。​
バイク用としてアクションカメラの夜間撮影機能も進化しています。GoPro HERO10では、日没直後や街灯がある市街地であれば実用レベルの夜間撮影が可能です。ただし、街灯がほとんどない真っ暗な状況ではバイクのライトだけでは限界があり、映像が暗くなってしまいます。夜間撮影に対応したアクションカメラを選ぶ際は、ナイトモードや低照度撮影機能の性能を確認することが重要です。
参考)GoProHERO10はモトブログの夜間撮影に使えるのかどう…

赤外線カメラ透過技術を応用したバイク用防犯システム

バイクの盗難や車上荒らしを防ぐため、赤外線カメラを活用した防犯システムが効果的です。赤外線機能付きカメラは、カメラ本体から赤外線を照射し、暗闇でも映像を記録できる仕組みになっています。人の目には見えない赤外線ですが、感度の高いカメラは赤外線を捉えることができるため、夜間の防犯対策に適しています。
参考)赤外線カメラの仕組みとは?メリットや選び方、注意点を解説

バイクの駐輪場や保管場所に設置する場合、赤外線の照射距離に注意が必要です。一般的な赤外線カメラの照射範囲は15m~30m程度で、機種によって異なります。屋外設置する場合は、防塵防水機能付きの全天候タイプを選び、赤外線が届く範囲内に撮影対象が収まるよう設置位置を調整しましょう。​
スマートフォンと連携できる赤外線防犯カメラも普及しています。Wi-Fi環境があれば専用アプリでリアルタイムに映像を確認でき、動体検知機能により不審な動きがあった際に通知を受け取ることも可能です。バイクを狙った犯罪は夜間に多発するため、24時間監視できる赤外線カメラは効果的な防犯対策となります。
参考)AKEEYO:どこでも取り付け簡単!暗視対応でコンパクトな防…

赤外線カメラ画像で捉えるバイクツーリングの記録

赤外線カメラを使った撮影は、通常のカメラでは表現できない独特の世界観を生み出します。赤外線写真では緑の葉が白く、空が黒く写る「スノー効果」により、見慣れた風景が幻想的に表現されます。バイクツーリングの思い出を特別な形で残したいライダーにとって、赤外線撮影は新しい表現手段として魅力的です。​
赤外線透過フィルターを使用した撮影では、デジタルカメラのモノクロモードを活用します。Kenko「PRO1D R72」などのフィルターを装着すると、可視光線がカットされ、赤外線のみで撮影できます。ただし、カメラのメーカーや機種によって赤外線の感光状況が異なるため、事前にテスト撮影を行い、機材に合わせた調整が必要です。​
バイク用のアクションカメラでも夜間撮影モードを活用できます。Panasonic HX-A1Hのナイトモードでは、赤外線LEDモジュールを併用することで、人の目には真っ暗に見える場所でもくっきりと対象物を記録できます。ツーリング先でのナイトシーンやキャンプ場での撮影など、通常のカメラでは撮影が難しい場面でも赤外線撮影なら記録が可能です。
参考)実践テストhref="https://oyajiroadrider.blogspot.com/2015/08/panasonic-hx-a1h.html" target="_blank">https://oyajiroadrider.blogspot.com/2015/08/panasonic-hx-a1h.htmlamp;#12288;Panasonic HX-A1Hの…

赤外線カメラ透過を用いたバイク点検と整備活用

赤外線カメラのサーモグラフィ機能は、バイクの整備や点検にも応用できます。サーモグラフィは物体から放射される赤外線を検知し、温度分布を可視化する技術です。エンジンブレーキ、タイヤなど各部の温度を非接触で測定できるため、機械を止めることなく安全に点検が行えます。
参考)サーモグラフィで何ができるの? 特徴&選び方、おすすめ機種を…

バイクのエンジン周辺やエキゾーストパイプは、走行後に高温になります。サーモグラフィカメラを使えば、冷却系統の不具合や異常加熱箇所を視覚的に特定できます。また、コインパーキングでサーモグラフィ撮影を行えば、まだエンジンが温かいバイクを検知し、駐車順序を推定することも可能です。
参考)赤外線カメラアプリの透過にはAndroid用とiPhone用…

電装系のトラブル診断にもサーモグラフィは有効です。配線の接触不良や過負荷による発熱箇所を特定でき、火災や故障の予防に役立ちます。赤外線カメラアプリをスマートフォンにインストールすれば、簡易的なサーモグラフィ機能を手軽に利用できるため、日常的なバイクメンテナンスに取り入れやすくなっています。​

赤外線カメラ画像技術の最新動向とバイクへの展望

自動車業界では、赤外線カメラを活用した先進運転支援システム(ADAS)が実用化されています。夜間前方歩行者情報提供装置は、赤外線センサーでヘッドライトよりも広範囲を照らし、歩行者を検知してドライバーに警告します。こうした技術がバイクにも応用されれば、夜間走行の安全性が大きく向上するでしょう。
参考)夜間でも歩行者を検知!交通事故削減のための最新自動車技術の特…

AI技術と赤外線カメラの融合も進んでいます。深層学習を用いた画像認識により、人物や車両、動物などを自動で識別し、危険を予測して警告を発するシステムが開発されています。バイク用ヘルメットにこうした機能が組み込まれれば、ライダーの視野を補完し、事故予防に貢献できる可能性があります。
参考)https://www.qeios.com/read/INL5TI.2/pdf

赤外線カメラ技術の小型化・低価格化により、バイク用ドライブレコーダーへの搭載も現実的になっています。夜間撮影機能を備えたアクションカメラは既に市販されており、今後さらに高性能化が期待されます。将来的には、赤外線カメラとAIを組み合わせた総合的な安全支援システムが、バイクライダーの必須装備となる日が来るかもしれません。youtube​
参考)赤外線ナイトビジョンカメラ技術で安全運転支援を強化する手法

 

 


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