
バイク車検で必ず支払う必要がある法定費用は、主に3つの項目から構成されています。これらは車検方法に関わらず必ず必要となる費用です。
自動車重量税
排気量250cc超のバイクの場合、初年度登録からの経過年数によって金額が変わります。
重要なのは、これは初年度登録からの年数であり、あなたがバイクを購入した時期ではないという点です。中古バイクを購入した場合でも、最初の登録日からカウントされます。
自賠責保険料
小型二輪自動車(251cc以上)の場合、24ヶ月分で8,760円(2025年4月現在)となっています。車検が切れている場合は25ヶ月分で8,910円になります。自賠責保険料は排気量が251cc以上であれば、400ccでも1200ccでも同一料金です。
印紙代
車検時には2種類の印紙が必要です。
これらの法定費用を合計すると、初年度登録から12年未満のバイクであれば、約14,360円となります。この金額はユーザー車検を選択した場合の最低限必要な費用となります。
バイク車検を業者に依頼する場合、法定費用に加えて整備費用や代行手数料が発生します。それぞれの特徴と費用相場を見ていきましょう。
ディーラー車検の費用相場
ディーラー車検は最も手間がかからず、専門的な整備が受けられる反面、費用は最も高くなります。
ディーラーによっては、車検パッケージとして「はじめて車検」「基本車検」「しっかり車検」などのコースを用意しているところもあります。例えば、2りんかんでは「はじめて車検」が42,160円、「基本車検」が46,560円、「しっかり車検」が63,060円(いずれも非課税部分含む)となっています。
代行車検の費用相場
代行車検は、ユーザー車検の手続きを業者に代行してもらう方法です。
代行車検のメリットは、ディーラー車検より費用を抑えつつ、手続きの手間を省けることです。ただし、事前の整備や部品交換は自分で行う必要があるため、整備知識がある程度必要です。
整備内容によっては費用が大きく変わることもあります。例えば、タイヤ交換(15,000円〜30,000円)やブレーキパッド交換(5,000円〜10,000円)などが必要になると、総額が10万円を超えることも珍しくありません。
バイク車検の費用を最小限に抑えたい場合、ユーザー車検が最も経済的な選択肢となります。ユーザー車検では法定費用のみで済むため、2万円程度で車検を通すことが可能です。ただし、自分で全ての手続きを行う必要があります。
ユーザー車検の準備
予備車検場を利用すると、本検査前に不備がないかチェックしてもらえます。費用は3,000円〜4,000円程度ですが、一度で車検を通すためには有効な手段です。
ユーザー車検のメリット
ユーザー車検のデメリット
ユーザー車検を成功させるコツは、事前の準備をしっかり行うことです。特に初めてユーザー車検を行う場合は、バイク整備の経験者に同行してもらうか、インターネットで手順を十分に調べておくことをおすすめします。
バイクの車検費用は、排気量や年式によっても変わってきます。これらの違いを理解しておくことで、より正確な費用の見積もりが可能になります。
排気量による違い
まず重要なのは、排気量250cc以下のバイクには車検制度がないという点です。車検が必要になるのは251cc以上のバイクからです。
排気量による法定費用の違いは主に自動車重量税に表れます。ただし、自賠責保険料については、251cc以上であれば排気量による違いはなく、一律の料金となっています。
年式による違い
バイクの初年度登録からの経過年数によって、自動車重量税が変わります。これは環境に配慮した税制度の一環で、古いバイクほど税金が高くなる仕組みになっています。
また、年式が古いバイクほど整備費用がかさむ傾向があります。特に10年以上経過したバイクでは、ブレーキホースやフューエルホースなどのゴム部品の劣化が進んでいることが多く、これらの交換が必要になる場合があります。
初回車検と継続車検の違い
新車購入後の初回車検(3年目)と、その後の継続車検(2年ごと)では、必要な整備内容が異なることがあります。
初回車検では、まだ部品の劣化が少ないため、基本的な点検のみで済むことが多いです。そのため、「はじめて車検」などの名称で、通常よりも安い料金設定になっていることがあります。
一方、継続車検では経年劣化による部品交換が必要になることが多く、費用が高くなる傾向があります。特に、タイヤやチェーン、ブレーキパッドなどの消耗品は、走行距離によっては交換が必要になります。
バイク車検の費用を抑えるためには、季節による需要の変動や各業者が提供する割引制度を活用することも重要です。これは検索上位には出てこない、知る人ぞ知る節約術です。
季節による車検需要の変動
バイクの車検は季節によって混雑状況が大きく変わります。特に春から初夏(3月〜6月)はバイクシーズンの到来とともに車検需要が高まり、予約が取りにくくなる傾向があります。
一方、冬季(12月〜2月)は比較的空いており、多くの業者がこの時期に割引キャンペーンを実施しています。例えば、2りんかんでは「早割」として3,000円引きのキャンペーンを実施しています。オフシーズンの車検は混雑も少なく、丁寧な整備を受けられる可能性も高まります。
早割制度の活用法
多くのバイクショップやディーラーでは、車検の早期予約に対して割引を適用する「早割」制度を設けています。
さらに、前回も同じ店舗で車検を受けた場合に適用される「継続割」を組み合わせることで、さらに費用を抑えることができます。2りんかんの例では、早割(3,000円引き)と継続割(2,000円引き)を併用すると、最大5,000円の割引が受けられます。
予約のベストタイミング
車検費用を抑えるための予約のベストタイミングは以下の通りです。
また、月初めや月末は混雑しやすいため、月の中旬を狙うと比較的スムーズに車検を受けられることが多いです。
このように、車検の時期や予約のタイミングを工夫するだけで、同じ内容の車検でも費用に差が出ることがあります。計画的に車検を受けることで、費用面でも時間面でもメリットを得ることができるでしょう。
バイク車検で予想外の高額費用が発生する主な原因は、日頃のメンテナンス不足による整備不良です。事前に把握しておくべき主な整備項目と、追加費用を抑えるための予防策を解説します。
車検時に指摘されやすい整備不良項目
これらの整備不良が重なると、車検費用が10万円を超えることも珍しくありません。特に、エンジンオーバーホール(50,000円〜100,000円)やサスペンションリビルド(20,000円〜50,000円)などの大規模修理が必要になると、費用は一気に高額になります。
追加費用を抑えるための予防策
月に1回程度、以下の項目を自分でチェックしましょう。
車検の1〜2ヶ月前に、信頼できる整備工場で事前点検を受けることをおすすめします。車検時に指摘される可能性がある項目を事前に把握し、自分で整備できる部分は自分で行うことで、車検時の追加費用を抑えることができます。
日頃のメンテナンス記録を残しておくことで、部品の交換時期を把握しやすくなります。また、車検時に整備状況を証明する資料としても役立ちます。
日頃からのメンテナンスを怠らないことが、車検費用を抑える最も効果的な方法です。特に、ブレーキやタイヤなどの安全に直結する部分は、車検のためだけでなく、日常的な安全走行のためにも定期的な点検が欠かせません。