

タイヤ溝が4mm以下でも法律上は問題なくても実はスリップダウンのリスクが急増します
スリップダウンは、走行中にタイヤが路面とのグリップを失い、横滑りを起こした後に転倒する現象を指します。立ちごけとは異なり、バイクが動いている状態で発生するため、ライダーと車体の両方に大きなダメージを与える可能性があります。
タイヤと路面の接地面における摩擦抵抗が完全になくなり、横滑りが発生します。この時、タイヤの接地面が路面から完全に離れてバイクが倒れるのです。
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停車中の転倒と比べて、スリップダウンは走行速度が加わるため危険性が格段に高くなります。つまり動いているからこそリスクが大きいということですね。
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地面を滑って行くように転倒するため、ライダーは地面に叩きつけられますが、その後は滑走することで比較的怪我の確率は低くなります。とはいえ、速度次第では重大な怪我につながるため油断は禁物です。
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スリップダウンの最も一般的な原因は、滑りやすい路面を走行することです。雨天時の濡れた路面はもちろん、マンホールや路面のペイント部分も要注意です。
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カーブでのバンキング角度が大きすぎる場合も危険です。コーナリング時に車体を倒しすぎるとタイヤのグリップ力をオーバーしてしまい、スリップしやすくなります。
これがコーナーでの転倒の主因です。
タイヤのメンテナンス不足も重大な要因になります。溝が減ったタイヤは当然スリップしやすくなりますが、何年も使用した古いタイヤは溝が残っていても固くなりヒビ割れが発生するため、本来の性能を発揮できません。
急ブレーキによるタイヤのロックもスリップダウンを引き起こします。フロントブレーキを握りすぎたり、リアブレーキを強く踏みすぎたりすると、タイヤがロックして一瞬で転倒に至ります。
これは「握りゴケ」とも呼ばれます。
スリップダウンが地面を滑るように転倒するのに対し、ハイサイドは空中に投げ飛ばされる転倒です。ハイサイドは、滑ったタイヤのグリップがいきなり回復することで発生し、バイクが急激に起き上がり、ライダーを反対側に放り出します。
参考)https://www.inakakujira.com/2020/03/tentou-wr250r.html
傾斜している車体の上側(high side)に転倒することから「ハイサイド」と呼ばれています。どこに飛んでいくか分からないため、身体やバイクのダメージがスリップダウンより大きくなります。
参考)恐怖のハイサイド体験記|SiSoのブログ|Slow in S…
ハイサイドは頭から落下したり、腰から落下したりすることで大怪我につながりやすい転倒です。
つまり最も危険な転倒パターンですね。
コーナー立ち上がりでアクセルを開けすぎてリアタイヤが空回りし、その後急にグリップが回復した時にハイサイドが起こります。スリップダウンは比較的予測可能ですが、ハイサイドは突発的で制御が困難です。
新品タイヤの溝の深さは約8mmですが、法律上は1.6mm以上あれば車検に合格します。しかし4mmまで摩耗すると、湿潤路面での制動距離が伸び始めるため、安全のためには4mmを交換の目安とすべきです。
参考)タイヤの残り溝は何mm以上で保安基準を満たせる?交換時期や測…
4mm以下になると制動距離が徐々に伸び、溝が1.6mmの状態では4mm以上の時よりも約10m(時速80kmからの制動時)も長くなります。
これは約3台分の車間距離に相当します。
4mmが安全の境界線です。
タイヤの空気圧も重要なチェックポイントです。月に一度は冷間時にタイヤの空気圧を点検し、推奨空気圧を維持することが異常摩耗を防ぎます。
古いタイヤは溝が残っていても要注意です。何年も使用したタイヤは固くなり、細かなひび割れが溝の中に見られるようになります。このような状態ではグリップ力が低下しているため、早めの交換が必要です。
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滑りやすい場所を事前に把握し、できるだけ避けることが基本です。マンホールや路面のペイント、横断歩道などは特に雨天時に滑りやすくなります。
コーナリング中のブレーキ操作には細心の注意が必要です。バンキング中にフロントブレーキを握りすぎると、フロントタイヤのグリップをオーバーして転倒します。カーブ進入前にしっかり減速しておけば安全です。
リアタイヤのスリップは、倒れるまでに少し余裕があるため、慣れたライダーならリカバリーできることもあります。しかしフロントタイヤのスリップは一瞬で転倒に至るため、より危険性が高いのです。
フロントが基本的に要注意ですね。
参考)Q.前輪から滑る気がする怖さにはどうすれば?【教えてネモケン…
ギアチェンジ時のエンジンブレーキにも注意が必要です。エンジンの回転数とギア比が合わず、速度が急に落ちるとリアタイヤがスリップする可能性があります。スムーズなギアチェンジが転倒リスクを減らします。
参考)https://www.goobike.com/magazine/ride/technique/1/
フレームスライダーは、転倒時の衝撃を車体を滑らせることで和らげ、ダメージを最小限にするパーツです。カウルの加工不要で取り付けられる製品が多く、価格は約1.5万円から2万円程度です。
参考)トリックスター / Kawasaki Z H2(20-22)…
転倒からエンジンやフレームを守りたいなら、フレームスライダーの装着を検討する価値があります。ただし、完全に保護できるわけではなく、転倒状況によっては非装着時より車両へのダメージが大きくなる場合もあります。
プロテクター装備も重要です。胸部プロテクターや肘・膝のプロテクターは、転倒時の身体へのダメージを大幅に軽減します。特にハイサイドのような激しい転倒では、プロテクターの有無が怪我の程度を左右します。
装備は命を守る投資です。
ライディングブーツやグローブも転倒時の保護に貢献します。手のひらや足首は転倒時に地面と接触しやすい部位であり、適切な装備が擦過傷や骨折を防ぎます。
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