
ストリートトラッカースタイルとは、オーバル(楕円状)コースを周回して競うフラットトラックレースのレースマシンをモチーフに、カスタムが施されたバイクを指します。ワイドハンドルにトラッカーシート、車体右側に出たマフラーなど、フラットトラックレースのレースマシンを再現したカスタム内容が定番です。
参考)https://bikeman.jp/blogs/bikeparts/motobike-53
このスタイルは1920年代から行われているアメリカで人気のレース「フラットトラック」が発端となっており、砂や土、砂利などが敷かれたオーバル状のコースを周回して競うバイクがルーツとなっています。日本では実用性を考慮したストリートトラッカーとして1980年代後半から出回り始め、2000年頃にドラマBeautiful Lifeで木村拓哉さんがTW200に乗っていたことで爆発的なヒットとなりました。
参考)ストリート系 - バイクの系譜
フラットトラックレースは左回りのレースのため、右にバイクをバンクさせることがないので車体右側の低い位置にサイレンサーをマウントするのが定番の一つとなっています。公道では右にも左にもバイクを倒すためあまり意味はありませんが、ストリートトラッカーとしては右出しのスーパートラップマフラーなども定番です。
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フラットトラックレースは土のコースで数台が速さを競うレースで、基本的にはふたつずつの半円と直線でレイアウトされた、陸上競技で使うようなオーバルコースを左回りで使います。このコースの地面が平らに整地されていることから、フラットトラックレースとも呼ばれています。
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コーナーで後輪をスライドさせるドリフト走行をしながら周回するのがこのレースの特徴で、減速もスライドによって行うため、レーサーにはフロントブレーキが付いていません。競技車両は専用のブロックパターンタイヤを履き、幅広のハンドルを採用しており、専用の車体が開発されたり、一般的なモトクロッサーやオフロードバイクなどを改造したりと様々な車両が使われています。
ホンダの『RS750D』は、AFT(American Flat Track:フラットトラックレース全米選手権)を1984年と1985年の2年連続で制覇したチャンピオンマシンです。ホンダはこのRS750Dをモチーフとし、市販車のFTR250を開発しており、いわばFTRはRS750Dを模したレプリカのような存在となっています。
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トラッカースタイル定番のカスタムポイントはまずトラッカーシートです。独特の形をしているシートですが、フラットトラックレーサーが付けていたため、カスタムパーツとしても流行って様々なトラッカースタイルのバイクが装着しています。
マフラーを見てもトラッカースタイルは一味違います。フラットトラックレースは左回りのため、右にバイクをバンクさせることがないので車体右側の低い位置にサイレンサーをマウントするなども定番の一つで、右出しのスーパートラップマフラーなども定番です。
ハンドルについては、オフロードハンドルとは若干違う形のトラッカーハンドルがあります。オフロードハンドルは単純にハイマウントですが、トラッカーハンドルはハイマウントで少しライダー側に寄っている形です。BRAT STYLE製のKARATE BARを使用すると、これだけで一気にトラッカー感が増します。
参考)定番パーツ・ワンオフパーツを使用したYAMAHA・SR400…
タイヤとホイールでは、トレッド面のタイヤパターンがブロック状になった、ブロックタイヤを選ぶのが定番です。ホイールはキャストホイールのトラッカースタイルもありますが、よりトラッカーに近づけたいなら、スポーク形状のホイールを選択するとぐっとトラッカーらしさが際立ちます。
ストリートカスタムとは1990年代の終わりから2000年代前半にかけて流行したカスタムジャンルです。ヤマハ「TW200/225」や「SR400/500」などをベースに、ダートトラッカースタイルにしたものがはじまりと言われています。
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その後、アップアンドルやロングスイングアームなど、従来のバイクカスタムやチューニングにはない自由な発想のカスタムへと進化を遂げていきました。「ストリートカスタム=トラッカー」と思われることが多いのですが、トラッカースタイルから独自の進化を遂げたものがストリートカスタムであるため、厳密に言えば両者は別物だと言えます。
ストリートトラッカーブームは自分流にカスタムするのが当たり前で、外せるものをとにかく外して「スカスカ」にする「スカチューン」が主流でした。復活したFTRにはFTR250と同様にゼッケンプレートを兼ねた大型のサイドカウルが取り付けられており、ほとんどのユーザーは購入と同時にこれを取り外してしまっていました。
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ストリートトラッカーカスタムの定番車種として、ヤマハのSR400が挙げられます。SR400はカスタムストリートバイクの王道と言われており、カスタムパーツも豊富に展開されています。
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ホンダのFTR223は、その名前からも分かる通りフラットトラックレーサーをモチーフにした車種で、ストリートトラッカーカスタムの代表格となっています。FTRの設計はダート走行が考慮されており、車体は低重心かつ軽量コンパクトに仕上げられ、タイヤはブロックパターンで太めのものを履き、ハンドルバーも幅広で切れ角が大きい仕様となっていました。
スズキのグラストラッカーも、ストリートカスタムやトラッカーカスタムの流行によって生まれたモデルです。比較的排気量も抑え気味でまた軽く細いので足付きが非常に良く、ワイドハンドルなので操舵もしやすく街乗り向きとなっています。
インディアンのFTR1200は、1200ccの水冷Vツインエンジンを搭載した本格的なストリートトラッカーで、街中でもそこまで苦労せず乗れるバイクです。走行モードがレイン、スタンダード、スポーツと変えられるため、街中ではマイルドに、スポーツモードでは強烈な加速感を楽しむことができます。
ストリートトラッカーカスタムを施したバイクでは、電装系のトラブルに注意が必要です。ウィンカーやブレーキランプの点灯不良がよくあり、配線がむき出しになっていることもあるため、水や振動で接触不良を起こすことがあります。
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チェーン周りも気をつけたいポイントで、チェーンのたるみやスプロケットの摩耗が進んでいると、異音がしたり走行に影響が出ることがあります。中古車ではしっかり整備されていないこともあるので要注意です。
シート下にあるバッテリー周りも確認ポイントで、サビや端子の劣化があると、スタート時にトラブルになることがあります。見た目重視の無理なカスタムは、メンテナンス性を悪化させることもあるため注意が必要です。
参考)【グラストラッカー10万キロ】交換部品とメンテナンス費用は?…
販売終了モデルのため純正部品の入手がしにくいという点もデメリットに入ります。修理やカスタムの際は、少し手間がかかることもあるため、信頼できるショップで状態をしっかり見てもらうことが重要です。
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